現在、西表島では、巨大リゾート開発が着々と進められています。
事業者は(株)ユニマット不動産(高橋洋二代表)とその関連会社。
場所は西表島の西北部、浦内川(日本最大級のマングローブ林をもつ)の河口域に広がるトゥドゥマリ浜(通称月ヶ浜)です。
このリゾート開発(正式名称「西表サンクチュアリーリゾート ニラカナイ」)は、
客室収容人員717人という大規模な施設。
さらに従業員寮や社宅も建設される予定ですが、その収容人員は166人。
あわせて最大、883人もの人が増える見込みとになります。
(2003年6月ユニマット側資料より)
これに対し、今の島の人口はちょうど2000人ぐらいなのです。
島へのインパクトがとてつもなく大きいことがわかるでしょう。

建設中のホテル(2003年12月末)
現在の人口の半数近くもの人が一気に増えたなら、
深刻な水不足を起こすのではないか?
ゴミはちゃんと処理しきれるのか?
地域社会生活が乱されるのではないか?
周辺の自然環境に深刻な打撃を与えはしないか?
……
リゾート営業による影響、またそもそも、工事そのものによる影響。
沖縄県全体でも類を見ないぐらいの巨大計画に、不安はいくらでも挙げることができます。
これに対しユニマットは、どう対応してきたのでしょうか。

建設中のホテル(2003年12月末)
写真右の木々の裏側に、トゥドゥマリ浜が広がる。
反対住民意見の無視
この計画に気づいた島の人々は、地元竹富町とユニマットに対し、説明会を要求しました。
その席において、上述したような不安を口々にあらわにする住民たちに対し、
町は、県への開発許可申請は住民同意書をとった上で行う、と約束しました(2002年1月7日)。
ところがユニマットと町は、水面下でこっそりと、県に許可申請を上げたのです!(2002年7月)
このことが発覚したのは、2002年9月24日のことでした。
これを機に、ユニマットと町への怒り、そして不信感を一気に強めた住民たちは、
ユニマット・リゾート反対運動を立ち上げたのです。
沖縄県の条例では、リゾート開発の場合、20ha以上の開発でなければ環境影響評価(アセスメント)は義務づけられません。
ユニマットのリゾート開発は20ha未満ですので、
たしかに環境アセスの法的義務は発生していません。
しかし開発地およびその周辺は、景観の美しさだけでなく、
たくさんの希少生物種の生息する、とても貴重なところなのです。

トゥドゥマリの浜
にも関わらずユニマット側は、極めて短期間の「自主的な」委託調査でもって、
「環境調査」は十分に行ったと主張しています。
その結果、開発による周辺環境への影響は問題ない、と。
しかしユニマット側の調査は、あまりにも不十分と言うほかありません。
例えば、この調査では3種しか魚類が確認できなかったとしていますが、
日本魚類学会ではすでに、浦内川には約360種もの魚類が生息することが指摘されています。
(特に稚魚期は、大半の魚種が、トゥドゥマリから浦内川河口域を重要な生育場としています)
あからさまに不十分な環境調査。
その調査をもって事足れりとしているユニマット。
これでは、ちゃんと環境に配慮して工事・営業を行うと言われても、信用しろという方が無理でしょう。
ユニマットは、消費者金融・不動産・オフィスのコーヒーサービスなどで事業を拡大してきた企業グループです。
代表取締役の高橋洋二氏は、2001年度の長者番付日本一になりました。
彼の手法は巧妙です。まずリゾート計画地に住民登録をして、
莫大な住民税を自治体に納めて大規模リゾート開発を進めるのです。
合法的に、自治体に大金を支払った上で、
リゾート開発への協力を求めるわけですね。
ユニマットはこの手法で、宮古島(上野村)に大型リゾート施設を造りました。
村民税が一挙に3倍以上(01年度の前年度比)にも跳ね上がった上野村は大喜び。
高橋氏を名誉村民にまでしました。
しかし01年11月、高橋氏はとつぜん、村外へ住民票を移してしまいます。
当然、村民税収も急降下。
年度ごとに歳入がこれだけ上下してしまっては、小さな自治体の財政は大きな打撃を受けてしまいます。
さて、当の高橋氏が住民登録を移した先は、
ほかならぬ西表島のある竹富町でした。
高橋氏は、竹富町の年間予算の3分の1(約14億円)もの住民税を納めていると言われています。
那根元(なね・げん)町長はこれに対し、
「天からの神のご隣席」(「高橋氏が来てくれたのは、神様が降りて来て下さったようなものだ」)
と大歓迎し、リゾート開発を強力に後押ししています。
ここまではまさしく、上野村と同じ道を辿っていますね。
さてこの後は…
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