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治験入門

設置者:ホーライ

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治験とは、治験に関連する人々と組織>治験を実施する(依頼側)
【治験依頼者とは?】

答申GCPでは「2-21治験依頼者治験の発案、運営・管理及び資金等に責任を負う個人、会社、機関又は団体。」と定義している。
まぁ、普通は製薬企業などを指す。

ところが、平成15年6月12日の「厚生労働省令第106号」もにおいて、「自らが治験を実施する者」という概念が導入された。
これが所謂「医師主導型の治験」を可能にした省令ということになる。

ここでは、話がややこしくなるので、とりあえず「通常の製薬会社(海外ではスポンサーとも呼ぶ)に限っての話とする。
医師主導型の治験については、別のところで解説する。


【依頼者が行うべき治験の準備に関する基準】

まず治験を行うのだから、当然、その準備が必要だ。(何事もそうだが。)
そのための基準(法律だぞ!;「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令:(厚生省令第二十八号)」)がある。

その基準によると、治験依頼者は次のことが必要とある。

第四条 治験の依頼をしようとする者は、治験実施計画書の作成、実施医療機関及び治験責任医師の選定、治験薬の管理、副作用情報等の収集、記録の保存その他の治験の依頼及び管理に係る業務に関する手順書を作成しなければならない


まず、その1として「治験実施計画書(プロトコル)」なんぞというものを作る必要がある。
これは治験のやり方が書いてあるものだ。(詳細は別の項で書きます。)
この治験実施計画書を治験を実際にやってもらう医師に渡す。
医師は、この治験実施計画書に従って治験を実施する。

しかし、医者はそんなもん、隅から隅まで覚えてなんていられない。(何しろ日常診療の合間にやっている治験なのだから。)
この治験実施計画書通りに治験が行われているかどうかを監視するのがモニター(製薬会社の人間、或いはモニターを委託された人)という人の役目だ。

その次に、治験をやってもらう治験実施医療機関や治験責任医師を自分たちで探すのも治験依頼者の大切な仕事だ。

治験はどこでやってもいいという訳では無い。
治験薬は、有効性もちろんのこと、安全性についての情報もまだまだ不十分なので、万が一の場合、その対応が取れる病院でないといけない。
また、病院の中に「治験審査委員会」なんていうのも持っていないと、いけない。

そのような病院であるかどうかを調べるのもまた治験依頼者(製薬会社)の中にいるモニターの役目だ。

その他にも治験薬の管理方法や治験のデータを集める方法、などなどのいろんな治験を行うにあたって事前にいろんなことの手順を決めておかないといけない。
この手順書をSOPという。

このSOPを作るのも治験依頼者の義務だ
そしてこのSOPを作るのがまた大変なのだ。数百ページに及ぶ場合もある。



さて、人間に治験薬を使う前に、まず動物などでその治験薬の安全性を確認しておくのも治験依頼者の責任だ。

第五条 治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、毒性及び薬理作用に関する試験その他治験の依頼をするために必要な試験を終了していなければならない。

動物実験(非臨床試験)で安全性や有効性を確認するだけでなく、品質の確認方法を決めたり、保存方法も調べておく。
たとえば、この治験薬は必ず冷蔵庫で保存する必要があるとか、冷蔵庫で保存すれば1年間は安定だけど、外に放置しておくと3ヶ月ももたないとか、そんなことを調べておく。

さらに、治験薬を作る際には、GMPという規則がある。
また、動物実験の中でも安全性に関する試験ではGLPという規則がある。

……ということで、医薬品業界に生息するためには、GXP(Xにはいろんな文字が入る)を覚えないといけない。
みんなが全部のGXPを完全に把握しなくてもいいけれど、だいたいGLPって、どんなことを規制しているの?とか、GMPの対象はなに? 位は常識として知っておこう。


ところで、最近はCROという業態がある。
製薬会社からモニタリング業務など一部の業務を受託する会社である。

このCROが病院に言って、治験依頼書や契約書を結んだり、CRF(症例報告書)等を回収するが、このような場合であっても、「治験依頼者」は「製薬会社」を指して、CROを「治験依頼者」とは言わない。



【依頼者が行うべき治験の管理に関する基準】

まぁ、治験を一回体験すると(治験参加者としてではなく)、どれだけの資料が集めて、管理するの?!!という位にいろんな紙ベースの資料管理が必要だ。

されに、当然だが治験薬の管理もやる。
これがまたやっかい極まりない。

最初はいい。
問題は、治験の終了時だ。数が合わないのだ。
どうして、そんなことが起こるのか?

たいていが、治験参加者さんが飲み忘れたことをきちんとCRFに記載していないことに起因する。
また、モニターの出庫間違いや回収忘れなんてのもある。
治験依頼者の中には治験薬管理者を置いているのだが、それでも、そうなる。

回収した残薬の数と、CRF上で計算した数が合わないなんていうこともある。
そんなこんなで、治験薬管理者と言う専任の人が必要になる。(ちなみに、治験実施医療機関にも必要となる。)


その他に、治験が終わったら資料をきちんと保管しておく義務がある。
さらに、治験が無事に終わったら当然だが、たとえ、途中で治験を中止したとしても、「治験総括報告書」というものを書かないといけない。
これは、その治験の全てが計画時から終了し、解析した結果、効果や安全性がどうだったかなんていうことも書く。
ありとあらゆることを書く。別添の付録として、全てのCRFの写しをつけるから、一つの治験実施計画書が終わると数百ページの「治験総括報告書」ができあがる。

当局は主に、この治験総括報告書をもとに新薬の有効性、安全性、GCPを遵守して治験を行ったかを審査する。


【治験が全て終了し、申請する】

さて、治験が全て終了したら、第1相臨床試験から第3相臨床試験までの全てのデータ、非臨床試験の全てのデータを、当局(簡単に言うと厚生労働省)に新薬の製造販売承認申請を出す。

この申請をする時に「申請概要」というものを作る。
非臨床試験から臨床試験までの概略を書いたサマリーだ。
これは「ガイヨウ」という言葉で欧米人にも通じる。(ただし、製薬関係者のみね。)

これがまた非常に大変な作業で、申請数ヶ月前から(或いは1年以上前から)、いろんな部署の代表者が集まり、それぞれの担当したパートを書く。

これをまたまとめるのが大変だ。

最近では、ICHで申請する資料の構成についても検討をしている。
それがCTDと言われているものだ。(CTD=Common Technical Documents)
このCTDの構成に基づいてまとめられた申請資料は欧米でも受け入れる際に、同じ構成なので、日本語を英語に直すだけでいいはずになる予定。

今まではアメリカはFDAの求める構成でデータをまとめないといけないので、日本で当局に申請したデータをまとめ直さないといけなかった。

これが、CTDが完全に出来上がれば、日欧米で同じ構成で申請データを提出できるので、再構成する必要がないことになる。

そして、申請したらしたで、承認されるまで、まだまだ仕事は残るのでした。


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