『No Child Left Behind(落ちこぼれゼロ)』法とは?
(http://www.greatschools.net/cgi-bin/showarticle/CA/205/improve)
            報告 :Terry Nagel, GreatSchools.net Staff
『The No Child Left Behind (落ちこぼれゼロ)』法は、お子様により良い教育を与えるチャンスかもしれません。お子様およびお子様の学校にこの法が与える影響について、以下の記事を参考にしてください。

2002年1月にブッシュ大統領が署名したこの画期的な教育宣言の下、お子様は、より良い学校へ移ったり、無料で個人教授(tutoring)を受けることができるかもしれません。また学校側は補助金を受けて、一流の教師を呼び寄せ、すべての生徒を熱心な読書家に変えてしまうことができるかもしれません。

しかしお子様とお子様の学校は、申し込みをしなければ法の恩恵を十分に受けることができないかもしれません。この法の最終的な施行者は保護者であるということは、あまり知られていません。米国教育省には、全米92000校すべてが複雑なこの法の規則に従っているかを確認する予算も人員もありません。

政府の事務次官であるEugene Hickok氏は、「我々の任務は、州の水準について、または水準に基づいた判定の質について判断を下すことではありません。この法を施行するにあたってとても重要なのは、連邦レベルの法によって提供される選択肢をお子様たちが教授できるよう、保護者が学校側に圧力をかけていくことなのです。」と述べています。


この法が強制するもの

『The No Child Left Behind(落ちこぼれゼロ)』法は、2002-2003年度に施行されました。法の内容は以下のとおりです。

  • 2005年までに、すべての州において、3年生から8年生まではreadingとmathの試験を毎年すべての生徒に対して行わなければならない。2007年までにはscienceも加わる。
  • 州は、あらゆるグループの生徒が州の学習標準に「順当に毎年前進していること」を示さなければならない。これには、経済的に困難な層、人種/民族によるグループ、障害者グループ、英語を母国語としないグループが含まれる。目標は、今後12年間ですべての生徒が100%読み書きできるようにすること
  • 2005年秋までにすべての教室に良質な教師がいるようにすること。特に、小学校教師は、学士を取得していて、重要科目については難しいテストに合格しなければならない。注:高等学校の教師は、試験に合格するか、主専攻として修士課程または相当の教育課程を修了するなどして、担当科目についての能力を示さなければならない。これらの条件は、新規採用の教師にはすでに適用されている。
  • 主要学年の教師は、「科学的に検証された」リーディングの調査結果に基づいてKから3年生までリーディングを指導しなければならない(訳自信なし:Primary grade teachers must deliver reading instruction in grades K through 3 based on "scientifically based" reading research.)
  • 州は、「Unsafe School Choice Option(安全でない学校の場合の選択肢オプション?)を用意しなければならない。通学している学校が継続的に危険である、または暴力犯罪のターゲットにされている場合は、安全な学校へ変更することができるという計画である。

政府からTitle Iという基金を受けても(全学校の3分の2)、毎年順当な前進が見られなかった学校は、以下のように対応されます。

  • 2年続けて前進が認められなかった学校(いわゆる「落第した学校」)は、学校改善が必要な学校とみなされる。校内の生徒は誰でも、学区内のより良い学校へ転校する選択肢が与えられる。このための交通費は無料になる。学区側では、定員オーバーを転入を断る理由にすることはできない。この要件を満たすために柔軟に対応する。合格した学校側では、近隣の学区と同意書を交わして、落第した学校からの生徒を受け入れることもできる。ネット上の学校と同意書を交わして、校内に学校を作ることもできる。1年早く補完サービスを提供することもできる。より多くの教師を雇ったり、移動教室を用意したり新しい校舎を建てたりすることもできる。
  • 3年後、学校に残った生徒たちに「補完的な教育サービス」を提供することもできる。これには、tutoring(チュータリング、個人教授)、学習困難を有する児童のための学級、放課後のサービス、および夏期講習プログラムなどが含まれる。
  • 4年後、学区では、特定のスタッフを入れ替える、またはまったく新しいカリキュラムを導入するなど、学校を改善するための是正措置を行わなければならない。
  • 5年後、学校は、州が引き継ぐ、個人的な経営者を契約して雇う、チャータースクールに変える、またはスタッフをほとんど入れ替えるなど、代替の統治措置を行って再構築、整理しなければならない

この法の条項があまり知られていないために、矛盾が起きています。

  • 米国軍は、リクルート目的のために高校生徒の名前、住所、および電話番号のリストを取得する権利を有している。大学やビジネス上のリクルーターも同様でなければならない。準拠しない学校は、連邦の補助を受けられない可能性がある。
  • この慣習に異を唱える保護者は、「拒否」できる。学校側は、適用除外の申請書(waiver)に署名して、拒否する権利を保護者に知らせなければならない。新しい規則への準拠を急ぐあまり、多くの学校は、保護者にこの選択肢を伝えずにいる。

一部の学校職員は、生徒たちに、軍におけるキャリアや教育機会に関する情報を与えようと、この法のこうしたマイナス面には目を向けていません。軍の積極的なリクルート技術に関する問題に関しては、生徒のプライバシー侵害として取り上げられています。

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学校へのご褒美

学生の各層で異なる達成度のギャップを縮めることに成功した学校、または学業上の目標を上回った学校にはご褒美があります。州では、国からの基金を教師のボーナスとして給付したり、達成度が最も高かった学校を「卓越した学校」として報奨金を給付したりすることができます。

そのほかの利点

  • 教師のトレーニングのための助成金。保護者は、学区ごとに、国からの補助金を、良質な教師を探したり引き止めておくために使う自由があることを理解しなければなりません。これには、代替の免許、数学や科学などニーズの高い教科を教える教師への報奨金などが含まれます。
  • リーディング指導のための助成金。「No Child Left Behind」法では、Reading Firstという全米レベルの新戦略が重要な位置を占めています。これは、すべての子供が読めるようになることを目指すものです。キンダーから3年生までで「科学的根拠に基づいた」調査結果に基づいたリーディング指導のためのリーディング指導の提案書を提出した州に対し、今後6年間、およそ1億ドルが毎年支払われます。
  • この法は、音韻の意識(音読による言葉の響きを聞き取り認識する能力)、音声学(?phonics)、音読の流暢さ、語彙の充実、および解釈技術などのスキルといった体系的な教授法に重点を置いています。「言語全体」でリーディングに取り組むといった、きちんと体系化されていない教授法を差別することになるといった批判がありますが、それに対して米国教育省は否定しています。
  • 連邦からの助成金を使う自由。TitleI基金でないものについては、教師の質、技術、放課後の学習、および安全で薬物が使用されていない学校といったことのために、最大50%まで学区ごとに自由に使うことができます(TitleIは、連邦からの助成金でもっとも金額が大きいもので、その大半は障害者の児童を対象にしている)。たとえば、学区では、技術のための連邦からの助成金の50%を、技術のためでなく良質な教師を雇うために使うことができます。

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公に対する結果責任

すべての学校と学区は、年間報告書を公開することを求められているので、自分の学校の状況を把握することができます。報告書には、以下の内容が記載されます。

  • あらゆる層の生徒についての学業の達成度
  • 生徒の学業の達成度を学区内と州レベルで比較
  • 高校を卒業する割合と退学する割合
  • 教師の資格証明
  • 試験を受けていない生徒の割合
  • 「改善の余地あり」と評価された学校の名前

米国教育省では、National Assessment of Educational Progress (NAEP)によって2年毎に4年生と8年生に対して実施されるリーディングと数学の試験に州が参加するよう支援しています。これにより、保護者は別の州での学業レベルを把握することができます。

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法の施行システム

「No Child Left Behind」法の要件を満たすようしのぎを削っている州もあります。この法では、標準の高い州には違約金を課します。たとえば、8600校が落第したと政府が発表した後、ミシガン州では、ミシガン州の全学校の約3分の2にあたる1513校が該当することが発覚したものの、アーカンソー州とワイオミング州では1校も該当しないことがありました。

コロンビア特別区では、学業達成度が市で最も低い学校からの転出を求める子供たちのために席を用意しましたが、テキサス州とケンタッキー州では、落第の学校を切り分けることには消極的でした。オハイオ州では、条件を調整して1週間で落第校のリストを760校から212校に減らしました。オハイオ州の元のリストに記載されていた学校には、前年にブルーリボン賞を受賞した学校もありました。

ポートランドの公立学校など一部の学区内の保護者は、保護者が受け取った通知には、子供たちが転校できることが明記されていなかったと訴えています。コロラドスプリングでは、そのように判定された学校の校長が、転出しないようにお願いする個人的な手紙を保護者に送っています。

低予算と頻繁な教師の流出により、学区側も、十分な資質を備えた教師を新規採用するよう要件を充実させるやり方を試行錯誤います。カリフォルニア州は、緊急の資格を有するインターンを良質であると手意義付けることを提案していました。しかし米国教育省は、このアイディアを受け付けませんでした。ニューヨーク州は、給与をあげて1ヶ月に及ぶ代替の資格取得プログラムを組織して大きな成果をあげています。

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保護者ができること

「No Child Left Behind」法は、保護者に力を与えることを意識しています。その提案を理解すれば、お子様に強みを与えることができます。以下に、そのための手順を示します。

  • 学校の状況を理解しましょう。学校から報告書が発行されるまで待つ必要はありません。GreatSchools.netの学校プロフィールのサイトを熟読するだけで多くの情報をえることができます。お子様の学校と近隣の学校を比較することもできます。全米レベルで比較したい場合は、NAEPのウェブサイトをご覧ください。
  • お子様の学校が落第の学校であるかもしれないと感じる場合は、校長先生または最高責任者の方にお聞きして、その状況を明らかにしましょう。落第の学校であることが分かった場合は、徹底的に選択肢を検討しましょう。
  • 生徒の層によって異なる達成度のギャップを埋めるために、学校側が何をしているかを校長先生に尋ねましょう。たとえば、英語を話すスキルが十分でない生徒のテスト結果が他の生徒に及ばない場合、学校側では、そうした生徒たちに補習等を計画しなければなりません。学校側は、学校全体の結果だけでなく、あらゆる層の生徒の達成度について評価されます。
  • 良質な教師をひきつけ、教育し、引き止めておくために学校側が何をしているかをたずねましょう。
  • 学区が「Reading First」の補助金を申請しているのかどうか、またその補助金の使途についてたずねましょう。
  • ご自分の州の「Unsafe School Choice Option」についてたずねましょう。また、州当局が、自分の州が「No Child Left Behind」法のもと補助金を受け取る条件としてこの条項に準拠していることを米国教育省に書面で証明したかどうかをたずねましょう。

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その他の参考資料

.「No Child Left Behind 」法については、米国教育省内のNCLBのウェブサイトを参照してください。

 

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