「第四インター・女性解放グループ」の発足について
日本革命的共産主義者同盟(第四インターナショナル日本支部)中央委員会

 1、わが同盟は、労農合宿所における強姦事件の中で「第四インターは腐っている」と批判され、革命党建設の根本的とらえ直しが突きつけられてき た。だがこの四年余にわたるわが同盟の組織内女性差別問題克服のための取り組みは、女性差別を告発・糾弾した女性メンバーの闘いに対して、敵対したり、抑 圧するという誤りを体現するものであった。
 2、この二月の第十三回同盟全国大会は、分派闘争、路線論争を通して、一定の政治的組織的結論を持ち、全国単一組織としての第四インターナ ショナル日本支部を防衛し、新たな出発を作り出そうとした。だが十三回大会は組織内女性差別問題とこの四年余の取り組みを根本的に総括することができな かった。
 大会は、わが同盟の党建設における敗北が組織内女性差別問題として示されている分派闘争・路線論争が、ますます女性同志達を抑圧し、同盟から排除していくものであるということを、女性同志達の批判を通して自覚しなければならなかった。
 大会は「女性差別問題が何よりも差別している男の側の問題である」ことを確認し、この観点から取り組みを強め、総括を深める、と確認したにとどまった。
 3、大会後、中央委員会は大会を総括して以下のような確認をおこなった。
@ 同盟の根本的再建のために、提起されている組織内女性差別関題の総括とその克服のとりくみは、さけてとおれない根本的・中心的課題である。
A 女性差別問題は女性の側の問題というより何よりも差別する男の側の問題である。男自身が主体的に変わらねばならない課題としてとりくんでゆかねばならない。この観点から、組織内女性差別問題の総括を深め具体的な組織のとりくみ方法を獲得しようとする。
Bこの四年間女性差別の告発・糾弾に敵対してきた同盟組織と男性メンバーのあり方を真に対象化して総括を深めねばならない。
C十三回大会における組織内女性差別問題総括の討論は分派闘争、路線論争が同盟の再建をめざすものであったとしても、その水準・内容を鋭く批判的 に問うものであった。提起されたのは、この四年間、女性差別の告発・糾弾に敵対したことの根本的総括を欠いた論争は、保守的差別温存構造の延長上での分派 闘争ではないかと批判されたものとして受けとめねばならない。
 4、女性同志達は、同盟十三回大会の現実を、組織内女性差別問題の取り組みにおいて同盟機関と男性メンバーの敵対や受動的対応という、これま での事態をそのままにした「組織の性差別構造のうえに、それに依拠して展開されている」路線論争であると批判し、「私たちの組織活動」にふみ出すことを表 明した。
 それは「ジッと耐えているうちに、ジワジワとエネルギーを摩滅させられていることをこれ以上くり返したくない」「革命=人間の解放をめざそう とした自分の思いを放棄しないで生き続けていく」「とりくみのの過程が一貫して“女の苦闘のカラ回り”でしかなかった」 「“わかちもたされてきた”性差 別主義につらぬかれた“共同規範”から身をひきはがし、『私たちの組織活動』第四インター・女性解放グループの闘いとして踏み出そうとする」という主張で ある。
 「わたしたちの組織活動」の表明を行った女性同志達は全国会議を呼びかけ、趣旨に共鳴する女性同志達と共に「第四インター・女性解放グループ」を発足させた。
 5、彼女達は、第四インターとして闘い続けるためには「わたしたちの組織活動」に踏み切るというギリギリの選択を行わざるを得なかった。このこ とを、同盟機関と男の側が主体的に克服の方向で自己を切開できなかったばかりてなく、その過程で女性同志の告発・糾弾の闘いに対して抑圧的・敵対的な態度 をとったことの結果として理解し、重く受けとめねばならない。
 彼女達との信頼の回復は、これまで機関が同盟組織活動の原則である民主集中制の基礎である同志的信頼関係を壊してきたということを自己総括 し、これまでのように同盟の現状を「保守的差別温存構造」と規定し、認識するにとどまらず、自らの自己変革を通じて、この構造を積極的に解体していく闘い によってしかなしえない。
 彼女達は同盟の分派闘争の現状を「議論の前提のところで違ったもの」と批判した。そして「女は女の、男は男の立場から総括しきってみようとす る以外にリアルな総括を導き出すことはできない」と主張し、 「女たち相互の複雑で重層的な分断を性差別が強制した分断としてとらえかえし」「本当に信頼 しあえる関係としての『女の団結』をめざすこと」、さらに「まず『何よりも女たちのものである』社会主義のために“女たちの団結と運動”を一歩一歩前進さ せていく」と述べている。
 われわれは、このことの意味を、これまでの組織機関防衛の名目のもとでなされてきた男の自己保身的な組織内女性差別問題の取り組みの総括を通じて、とらえかえしていきたいと思う。
 彼女達は「わたしたちの組織活動」について、彼女達自身の側から明確に定義づけをしているわけでない。それは「分派」というわけではない。「第 四インター・女性解放グループ」の発足は、日本支部のこれまでの組織原則ではとらえられない性格のものであり、同盟は新しい事態に入った。われわれは女性 差別問題に対しての受動性を克服し、差別している男の側の総括と闘いの方針を持って女性同志達との討論を追求し、女性同志達との信頼関係の回復を実現して ゆきたい。
 6、「第四インター・女性解放グループ」の発足は、この四年余の同盟機関と男性メンバーの敵対や受動性に対する決定的不信の表現であると同時 に、同盟のこれまでの「民主集中制」の内実が女性を排除した男主義的・性差別分業的問題をもっていたことを鋭く批判し、その根本的見直しをせまり、性差別 を克服した新たな党建設の方向の獲得を要求するものてもある。
 同盟は、この観点から男主義的・性差別主義的組織のあり方の根本的見直しを、この四年余の敵対の総括を媒介として対象化し、新たな相互の信頼 関係を獲得してゆくことが問われている。このことは、労働者階級の差別・分断を克服して、プロレタリア革命に向けて労働者階級を形成していく前衛にふさわ しい豊富化された新たな民主集中制を獲得することであり、差別,分断攻撃に屈服し、容認してきた戦後の労働者運動の破産と全民労連体制の成立に抗して闘い ぬく、階級的労働運動の路線の獲得と一体の課題であると考える
 7、われわれは、この歴史的に関われた課題について、いまだ自己の不十分性を対象化する努力の渦中にある。新たな方向性にむけて十分な意志統 一ができているわけではない。組織内差別問題は社会主義を闘いとろうとする同盟組織のの綱領の問題として問われている。われわれは、この問われた課題につ いて実践的検証と党内論争の深化をとおして、女性同志達との信頼関係を回復し、相互の団結による同盟再建をめざしてゆきたい
一九八七年九月

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