三里塚現闘団員四名の除名とわれわれの自己批判
日本革命的共産主義者同盟(第四インターナショナル日本支部)中央委員会

(一)
  インター三里塚現闘団員であり、労農合宿所常駐者であったAは、昨年八月、労農合宿所において、三里塚闘争支支援のために宿泊していた女性にたいして強姦未遂行為を行い、当該の女性から告発・糾弾された。
  インター三里塚現闘団の指導的メンバーであったB、C、Dの三名は、Aの犯罪についての組織内討論の過程で、それぞれが犯してきた強姦・強姦未遂行為について当該の女性同志達から告発・糾弾された。
  わが同盟は、四名にたいする査問の結果、彼らの行為が、三里塚闘争へ敵対であり、女性解放とあらゆる差別・抑圧の撤廃をめざすプロレタリア運動に敵対する 反階級的犯罪であり、第四インターナショナルの歴史的使命を裏切るわが同盟の組織規律の重大な侵犯であることを確認し、彼らを除名した。
  われわれはここに、日本プロレタリアート・人民の前にこの事実を報告し、彼らの犯罪を生み出してしまったわが同盟の弱さと誤りを明らかにし、自己批判を行うものである。  われわれは、彼らが犯罪を行った当該の女性たちに深く謝罪する。
  われわれは、すべての女性に謝罪し、自己批判する。
  われわれは、三里塚闘争のただなかで行われた彼らの犯罪とそれを生み出したわが同盟の誤りが、三里塚闘争の大義を傷つけ、決定的局面をむかえている闘いの 全戦線に深い困難をもたらすことについて、反対同盟、ならびに労農合宿所、連帯する会をともにになってきた人々、三里塚闘争を闘うすべての人々にたいし て、深く謝罪し、自己批判する。
  四名の除名によって、われわれは、わが同盟の弱さと誤りが克服されたとは考えない。彼らの犯罪を生み出したことは、わが同盟のプロレタリア革命の前衛党と しての資格の根本にかかわる問題である。われわれは、わが同盟のいかなる弱さと誤りが、彼らの犯罪を生み出してしまったのかを明らかにし、そのことをすべ ての人民に率直に告げ、批判を受けながら克服のたたかいを進めていかなければならないと考える。
  またわれわれの自己批判は四名の処分をもって終るとは考えない。闘争への立ち遅れを取り戻し、闘争体制を再建して三里塚闘争の前進を再び全力で担い、女性 解放闘争へのわれわれの取り組みの決定的な不十分性を切開し、その最前線に立とうとする努力のなかから、はじめて、われわれの自己批判が一歩一歩と内実を 持ち、闘う人々との真実の信頼の関係を回復することができるものであることを、われわれは自覚する。

(二)
  Aは、昨年八月の強姦未遂行為について告発をうけた後、当該の女性を中心とする二度の糾弾会において自らの行為が計画的で強制的なものであったことを認め ようとせず、強姦の意図をおおいかくそうとした。「何のために三里塚闘争を闘っているのか」という糾弾にたいしては、三里塚闘争を闘うという決意表明を傲 慢な態度でくりかえすにとどまり、自己批判に踏み込むことを拒絶した。
 査問の結果、Aは、労農合宿所に常駐者として派遣される以前から、このような女性差別行為をくりかえし行っていたことが明らかになった。Aは これらの事実が明らかにされて以降も自ら行った行為の犯罪性をとらえることができず、本年三月はじめの三度目の糾弾会において、当該の女性から「一生わす れない。一生ゆるさない。もう自己批判なんか認めない。人間解放などといってほしくない。今後一切連絡を断つ」と通告された。
 Aにたいするこの最終的な断罪は、同時にAを自己批判の立場に立たせることができなかったわが同盟にたいする断罪でもあった。わが同盟はAの 犯罪を当初「酒の上の不祥事」ととらえ、それを生み出した組織の責任を切開するところまで、調査と討論をすすめることができなかった。このため本年三月に いたるまでの七ヵ月間にもわたって、わが同盟は、Aの犯罪に対する謝罪と自己批判を同盟として行わなかった。
 同盟が、組織としての自己批判を行うことができず、Aを自己批判の立場に獲得することができない現実は、とりわけ女性の同志達によってわが同 盟の深い危機として受けとめられた。三里塚現闘団の活動に過去ならびに現在携わってきた、わが同盟、日本共産青年同盟、社会主義婦人会議の女性同志達は、 この危機の重大な要因として、現闘団の指導的メンパーの強姦犯罪が存在していることを確認し、B、C、Dの三名を、強姦、強姦未遂行為を犯した者として組 織に告発し、糾弾のたたかいに立ち上がっていった。これらの女性同志達は、三名の強姦犯罪が、三里塚現闘団にたいする彼らの官僚主義的指導のあり方と一体 であることを明らかにした。彼らは、ともに闘う現闘団員を、共同の討論と学習を通じて三里塚闘争と現闘生活をつくり上げていく、平等な信頼関係に基礎を置 く同志としてとらえず、戦闘と工作の単なる手段として扱ってきたのであった。
 告発とそれにつづく糾弾、そして現闘団を中心とする討論と、同盟の査問を通じて、告発された犯罪が事実であることが確認された。彼ら三名は、 わが戦線における三里塚闘争の重要性、個々の闘争局面における権力との緊張関係やそのなかで担わなければならなかった緊迫した任務、そして現闘団とわが戦 線における彼らの指導的位置と信頼などを利用して、犯罪行為を重ねてきた。
 事態の全貌が明らかになることによって、問題が、わが同盟の三里塚闘争と現闘活動、そして同盟のあり方全体にかかわっていることをわれわれは 自覚しなければならなかった。われわれはかくして、本問題の根源を切開し、組織としての総括と自己批判を明らかにし、克服の視点を獲得するための全同盟的 な討論を行うことを決定した。
 われわれはまた、四名に対する査問を行い、その結果にもとづき、四名の除名を決定した。
 四名は、それぞれの犯した行為が、わが同盟からの除名に相当する犯罪であったことを認めている。だが彼らは、事実の自己批判の立場、自らの犯罪 を生み出した活動家としての根本的欠陥、思想的限界を自らつかみとり、その克服にむけて前進を開始するための出発点には、未だ到達していない。
 四名は、それぞれプロレタリアートの一員としての労働と生活と闘争をつくり上げようとするところから、自己批判にむけた再出発を開始すること を希望し、われわれもまたそのことを要求している。今後においても、われわれは彼らとの対論を続け、彼らが自己批判をなしとげ第四インターナショナルの旗 の下に再び立つために闘争する。

(三)
 彼ら四名の強姦犯罪は、女性の独立して生き闘っていく根源的な自由をふみにじり、一方的に隷属させようとするものであった。
 帝国主義の腐朽化は、性のいっそうの商品化と抑圧を進行させ、女性にたいする差別と抑圧を全社会的に拡大している。それは、プロレタリアートを 分断して支配しようとする帝国主義の攻撃として、今日のプロレタリア運動の重大な闘争課題となっている。国家・資本と結託する労働官僚は、この攻撃と意識 的に闘争することを放棄し、むしろ加担することによって、プロレタリアートの組織の堕落と戦闘力の解体のための一つの基盤としてとりこんでいる。女性差 別・抑圧の社会的拡大にたいして闘い、プロレタリアートの階級的統一と団結を形成して行こうとする努力はますます多く、革命的左翼の肩にかかっている。
 彼らの行為は、帝国主義の攻撃と労働官僚の加担を革命的左翼の運動の内部から助けるものであり、まさに犯罪的利敵行為である。
 彼らの行為は、反対同盟と三里塚闘争にたいする裏切りであり、三里塚闘争に体現されたプロレタリアートの階級的利益を裏切るものである。労農合 宿所の常駐者であったAによってなされた三里塚闘争の参加者に対する犯罪行為は、反対同盟と三里塚闘争が全国労農人民の闘争拠点として培ってきた闘う労農 大衆との信頼関係を破壊し、三里塚を闘うすべての労農人民の戦闘的団結に敵対し、労農合宿所を中心とする広汎な三里塚支援戦線の活動に重大な障害をもたら すものであった。
わが同盟の三里塚現闘団の指導的メンバーであったB、C、Dが現闘団員とわが戦線に加わっている同志達にたいして行った犯罪行為は三里塚闘争に おいて重大な責務を負ってきたわが同盟活動に対して大きな打撃を与えるものであった。彼らの行為は、現闘団の戦闘と工作の基礎となる、真に支え合ってゆく 団結を破壊した。また、犯罪の根拠となった彼らの現闘団における官僚主義的指導は同盟組織活動の民主集中制の原則をふみにじるものであった。
 わが同盟は、日本プロレタリア階級が国家と対決する闘争の最先端に位置するものとして三里塚闘争をとらえ、たたかってきた。わが同盟は、全力 をあげて三里塚闘争を担いぬくことによって、自民党政府にたいするその非妥協的な戦闘性にプロレタリア運動を獲得し、革命に向かう階級の戦線を現在的に築 こうとしてきた。わが同盟は、他ならぬこの三里塚闘争のなかで、自らを党としてうち鍛えようとしてきたのであった。
 彼らの行為は、わが同盟の最前線で行なわれた敵対であり、第四インターナショナルにたいする裏切りである。

(四)
三里塚闘争に打撃を与え、プロレタリア階級闘争の大義に敵対する彼らの犯罪を内部から生み出したことは、革命党建設をたたかいとろうとしてきたわ が同盟の重大な欠陥を意味するものである。われわれはこの事態を厳しく見つめ、自らのいかなる弱さ、誤りがかかる欠陥をもたらしたのかを明らかにしようと してわが戦線における内部討論を行なってきた。
 今日、われわれは、自らのこれまでの限界を超えていくために十分な討論と意志統一をかちとったといえる段階には、未だ到達していない。われわ れは現在の時点で確認しうる総括と、自らに課そうとする課題を率直に提起し、ともにたたかうすべての人々の批判を受けていきたいと考える。
 第一にわが同盟は、女性差別に反対する闘いを、同盟自身をつらぬく問題として受けとめ、意識的・系統的に展開してくることができなかった。四 人の犯罪は、われわれが敵の女性差別支配の政策、慣習、思想と意識的に闘争し、われわれの内部で敵の攻撃を打ち砕くことができなければ敵がわれわれを分断 してしまうことを明らかにした。
 第二に、こうしたわれわれの弱さはプロレタリアート・人民の現実の生活と闘争のなかに存在しているさまざまな苦悩と矛盾にたいしてわれわれが作りあげようとしてきた関係の一面性に根ざすものであった。
 党をめざすわれわれは、階級に深く入り、そこに生起している矛盾にみちた現実を自らの課題として受け取らなければならない。女性差別や部落差 別、障害者差別などのさまざまの差別、生活の問題や教育の問題、労働者同士の対立の問題等としてあらわれて来る帝国主義の差別・分断支配と、イデオロギー 攻撃にたいして階級の生産と生活の現場で真正面からむかい合い、反撃を組織する任務を同盟活動の基本に設定しなければならない。こうした日常闘争に支えら れてはじめて、差別と抑圧に反対する政治闘争が、真に大衆的に組織される。
 だが現実のわれわれの闘争は、この困難な課題を一貫して引き受ける点においてきわめて弱く、政治的戦闘への直接的結集にとどまる急進主義的限界を克服することができなかった。
 第三に、このことはまた、国家権力にむけた大衆的激突の時代を作り上げようとするわれわれの活動が、階級的労働運動の防衛と再生のための諸闘争 と一体化し、三里塚闘争をプロレタリアートの階級的政治闘争として全国的に展開していく任務において、不十分であったことと深くかかわっている。七〇年代 において、三里塚闘争が政府との全面的実力対決の局面に突入していったとき、七八年三・二六を頂点として、われわれはその最先頭に立った。われわれは、こ の戦闘を通じて、権力と労働官僚の一体となった攻撃に直面し幾多の職場で反撃に立ち上っていった。そのなかでわれわれが引き受けなければならなかった孤立 と困難には、われわれ自身の主体的根拠もあったことを認めなければならない。
 第四に、わが同盟のかかる限界は、差別と闘う課題を革命の戦略に位置づけ、プロレタリアート人民の階級的統一を実現するプロレタリア民主主義とプロレタリア独裁の問題として解明していく綱領的・理論的活動の立ち遅れと一体のものであった。
 われわれは女性差別をはじめとするあらゆる社会的差別・抑圧にたいする闘いに、決定的に立ち遅れてきた。われわれはこれらの闘争課題において、 マルクス主義的・階級的原則を強調するにとどまり、運動が直面している諸困難にふみこんで考え、実践的に切り開こうとする努力を十分に尽して来なかった。
 第五にかくてわれわれは、わが同盟のこれまでの闘いがプロレタリアートの前衛党を建設しようとするものとして戦略的な意識性につらぬかれていなかったことを、率直に自認する。
 われわれの闘いは、基本的に、情勢に対応する大衆連動を、全力で作り上げようとするものであった。だが、プロレタリア革命のための道程のなかに 今日の階級闘争を位置づけ、勝利にむかうプロセスを階級の最先頭で切り開く党をつくり上げていく点において、われわれの闘いは重大な弱さをもっていた。
 同盟のかかる政治的限界が、同盟の組織規律の確立と、同盟員の絶えざる思想的。人間的成長を実現していく闘いにおけるわれわれの弱さをもたらした。強姦犯罪をおかした四名の現闘団員を生み出したことは、わが同聞盟建設のかかる限界の露呈である。
 最後に、わが同盟のこうし弱さと誤りを克服する闘い自体、未だ決定的に不十分であることを、われわれは認めなければならない。われわれは四名の 犯罪を、犯罪が行なわれた時点で摘発できなかったばかりてなく、告発を受けた後直ちに事態を解明し、責任を明確にして自己批判することができなかった。
 この立ち遅れが、わが戦線の内部に深刻な危機意識を生み、批判と討論が展開されてきた今日において、われわれはようやく、プロレタリアート・人民、ともにたたかうすべての人々にたいして、未だ不十分なものではあれ、この報告と自己批判を行うものである。

(五)
 当該の女性たち、すべての女性たち、反対同盟をはじめとする三里塚闘争を闘うすべての人々、プロレタリアート・人民にたいして、われわれは謝罪し、自己批判する。
 四名の犯罪の責任は、わが同盟にある。
 われわれは、三里塚闘争の勝利のために全力をあげ、反対同盟の三大方針の実現と、二期阻止、廃港、自民党政府打倒の最先頭に立つなかで、われわれの自己批判を実践的に貫徹していくことを決意している。
 わが同盟自身を規定してきた差別にたいするたたかいの立ち遅れを克服し、社会主義革命とプロレタリア民主主義の内実たる女性解放闘争の発展を担うために、われわれは全力を尽くさなければならない。
 プロレタリアート・人民の信頼にあたいする党になるための政治的・組織的挑戦を、自らの変革をかけて開始していかなければならない。ともに闘う すべての人々、帝国主義の支配と抑圧のなかで、苦闘し、立ち上がろうとする階級、その人々の批判のなかでわれわれは、われわれの自己批判を深め、前進を深 め、前進をかちとっていきたいと考える。
一九八三年九月

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