デニールについて


服、ザック、シュラフなどでよく見る表記でデニール(denier)というものがあります。案外知られていないようですので、ここで簡単にザックのパターンを中心に解説しておきます。

デニールとは絹糸やナイロンなどの太さを表す単位で、1デニールで長さ9000mで1gの糸ということになります。シュラフやレインウェアでよく使われているのが 30デニール、ザックでよく使われるのが210デニールから420デニール、ザックの底で600デニールから1000デニールになっています。

一番磨耗の激しいザックは当然のことながら他の道具に比べて糸が太くなります。これに各メーカーがポリウレタンコーティング(コーデュラ)やシリコンコーティング(シルナイロン)を施したり、ザックの底にポリ塩化ビニール をしみこませたりして強度や防水性をもたせています。また、米国デュポン社のコーデュラナイロンのようなハイテナシティ(高い単繊維の質)のナイロン素材にスペクトラファイバー(スチールの10倍の強度)を格子状に織り込んで 耐引きさき強度、耐摩擦強度を強くしたりしたもの、紫外線抑止効果を施したりしたものがあります。糸を2本ずつ織っているダブルリップストップといわれる織り方で強度を強くしているものなどもあります。

いわゆる軽量化を目指したザックの場合、210デニールに強度を持たせた物が多いのですが、トレイルランニング用やアタック・サブザック用で使われる物には30デニールという、ちょっと強度のあるレインウェア(ノースフェースの レインテックスなどは70デニールです)より薄い素材を使った物もあります。もちろん特別な目的で使うわけですから、その特徴をよく把握した上で使用する分には問題ないのですが、30デニールというのは女性のパンスト並の糸になります。 条件が全然違うので単純比較できませんが、パンストが簡単に伝染することを考えると、ザックの取り扱いが雑だとどういうことになるかは簡単に想像がつきます。中高年を中心にやたらと軽いものを求められる傾向にありますが、 あくまでも特別な目的で短時間使用するものであると考えた方が無難です。同様に、ザックやレインウェアほど強い加工がされていないシュラフなども注意が必要です。

なお、どんな素材でもいえることですが、汚れたら洗ってもらって、カビやにおいを防いでください。これはゴアテックス同様、生地自体の撥水効果を維持する効果もあります。ザックの場合、バックルなどのパーツを外してから中性洗剤でしっかり 洗ってすすいだあと陰干しし、乾いたら撥水スプレーをかけるといいでしょう。

ザックに限らずアウトドアで使われるナイロン等の素材は何らかの加工がされているものが殆どですが、強度はそれぞればらばらです。自分の目的をよく考えた上で、間違いのない商品を選んでください。

登山家の食卓


TOP