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Speaker特性の測定/試行錯誤の備忘録



1. ARTAを使った周波数特性の測定

測定内容

測定は二種類 インピーダンスの測定と周波数特性の測定
このデータを利用してネットワーク設計までを行う

1)スピーカーを測定する環境

素人は無響室を用意できない

一般家庭環境を想定して、創意工夫で高い精度で測定するためには、何に配慮すべきか


スピーカーを置く場所と、その周囲環境に配慮することは?

やることは簡単


なるべく広い部屋(天井も高い方が良い)の中央付近にマイクを設置する

これで、反射音がマイクに入る時間を最も長くでき、擬似無響室測定で”より”低い周波数までの測定精度を向上できる

スピーカースタンドは細い方が良いと思うが、スタンドとその周辺を吸音処理することで、反射の影響を抑制する

現状は、ホームセンターで売っている丸椅子を2段重ねして、床面から離すようにしている



この写真よりスピーカーを前に出し
椅子座面より空間へオーハングさせている


壁・床の反射も減らせるにこしたことはないので
壁・床に毛布等を置く



2)スピーカー / マイク間の距離

通常測定 : スピーカー / マイク間 : 50cm

近接測定 : スピーカー / マイク間 : 1cm


近接測定は部屋の影響を受けずに低い周波数まで測定できるが、箱の影響(Baffle diffraction)が計測できない
1cm・近接測定のデータに対して、箱の影響をARTA上もしくはEdgeで計算して補正することで、低域(800Hz付近以下)の特性を推定する

50cmの測定であれば箱の影響を含めた特性が計測できる
1cmでの測定と50cmの測定を800Hz前後でつなぎ合わせ、低域ユニットの特性とする


マイクはBEHRIBGER ECM8000を使っているが、これはファンタム電源が必要なので、松下のECMマイクロフォンカプセル WM-61Aを使ってマイクを作ってみた
外形Φ6のアルミニウムパイプを使って、その先端にマイクロフォンカプセルを取り付けてみた







バイアス電圧はボタン電池で加える


マイクの較正は出来ないが、ECM8000との比較くらいはやってみたい



3)ARTAの設定 / Impulse Response

周波数測定・インピーダンス測定のソフトウエアーはARTAを利用する

周波数測定はImp(Impulse Response)モードを利用

この画面でFFT・Windowを設定する必要あり

Arta 開発元にはScreenshotsという情報があり、そこでは
1. The ARTA impulse response window : http://www.fesb.hr/~mateljan/arta/screenshots.htm 

FFT : 16k     Window : Uniform となっている



赤▲をクリックすると測定のパネルが出る
測定のパネルには”Default”という設定があるので、先ずはこれで利用する

Sampling rate(Hz)は、利用するオーディオディバイスにより、必要に応じ変更する

Arta 開発元の情報では
2. The dialog box for measurement of impulse response using three types of signals: periodic noise, swept-sine and MLS
Artaのサイトでは : http://www.fesb.hr/~mateljan/arta/images/imp-setup.gif 




”Generate”を押すと計測信号が出る
音を出した状態でアンプ・マイクアンプのゲインを調整し、測定信号のレベルがオーバーロード?黄色バーにならない範囲で調整する

私は、-10dBあたりを目安にしている


Impulse Responseの測定を行うと、このような波形が得られる
黄色(左クリック)・赤(右クリック)で区切られた範囲が解析範囲となる(指定する)

1cmでの測定結果





尾を引くような波が計測されているが、これで良いか?

50cmでの測定結果




信号が減衰した後に小さな波が出ている
ここでは反射が計測されているか?

解析のためには128ポイント以上のデータが必要なので、一次反射と思われる波を除外できない



ゲート範囲を指定したデータを解析すると(Smoosed FRボタンを押す)FFT解析が行われる

周波数特性測定結果


赤(近接):1cm

黒:50cm

緑:ポート(ゲイン補正未)

こんな感じになる



測定したデータを用い、より高い精度でSpeakerWorkshopでシミュレーションを行うには、どのユニットからの測定もマイク-ユニット間の距離を一定に保ったデータを取得する必要あり

Artaの測定結果には位相情報も含まれる
振動版(音源位置)とマイクまでの距離が異なると、位相情報にはズレが生じる
ネットワークシミュレーションを正確に行うためには、入力情報として位相まで合わせた周波数特性情報が必要

ここでの課題は、如何に位置を正確に設定できるかである

現時点では、位置あわせの手順を試行錯誤で探っている


振動板位置を合わせた測定

Imp(Impulse Response)モードで測定、Step Response解析
得られる波形のどこをポイントすべきか判らないので、大きく振幅が出る根元を解析ポイントとした





解析は左の様なポイントとした


左側 : 高域 ネットワークあり               右側 : 高域 ネットワーク無し



左側 : 高域 ネットワークあり               右側 : 高域 ネットワーク無し



マイクとスピーカーの位置を調整することで、0からの経過時間を同じとすることが出来た

この時、システムのステップレスポンスは





ネットワークを入れた状態で得られた波形

それなりにスムースな波形となっている



ちなみに、今回の測定ではユニットは正立させ、それぞれのユニットの正面から測定




正確ではないが、低域に対して高域のユニットが15仭阿暴个討い襦/ 低域の測定の時に15伉度Boxを前へ出した

スピーカーボックスは、ユニット外面が面一になるように取り付けられている
面図のように、これらの関係から、計算上では”24.6弌苗祕茲諒が距離が長くなる






2. ARTA/LIMPによるインピーダンス特性の測定


インピーダンス測定は、リファレンスになる抵抗の電圧降下から演算
(使っているソフトが計算しているのだが)

失敗 その1)

計測用にノートPCを利用してる
私の利用するノートPCは、イヤフォンOUTとマイクINがある
当初、この入出力を利用してインピーダンス測定をしようとしたが、普通ノートPCのマイク入力はステレオではない

ステレオのINがあれば電気的には可能となるが、電気特性的には高域を調整している物もあるので、要確認

インピーダンス測定はステレオ入力を利用しているので、そのままでは測定ができない

Limp setup
そこで、オーディオインターフェースが必要となる


オーディオインターフェースの利用

オーディオインターフェース Creative Audigy-2NX
Audigy-2NX
たまたま手持にあった物を利用


測定して得られるデータ
Mini-2Way ポート長さ30个領
port 30



オーディオインターフェースでの駆動では実使用領域の電力を加えることが出来ない
望ましくは、パワーアンプを入れた駆動としたいが、現状はVoltage probeを作っていないので、この測定は出来ていない
Limp setup with amp Limp voltage probe








3. Speakerの周波数測定 / 実践編


部屋の影響込で測定を行い、実環境で周波数特性/セッティングを煮詰める


今回の測定は脊椎モデル1号 我が家のメインスピーカー

このスピーカーを使って調整を行う





左側:この情報だけでも色々解る

2つ目の上側の波形はウーハーの音が出ているタイミング
スピーカーの軸線に合わせた場合と視聴位置に合わせた場合で、計測される低域のエネルギーが違う様である



右側:時間的には0.024=85mm

これは、測定環境でTwとWfの位置ズレとなる/Twの方が近い(先に信号がマイクに届いている)

ここは別なソフトウエアの方が判り易い

RINKAKUと言うフリーソフトウエアがある


それを使うと音源のずれが解る



横軸が周波数 下側にあるのがTwのライン 5kHz位から色が濃くなっている


その上にある3.14msがウーハーからの距離:1.04mは音源(Wf) これはマイクまでの距離


Δで書かれているのがその間の時間・距離

ツイーターはウーハーに対して9冂度前に出ている


この様に、我が家のセッティングではユニット間のタイムアライメントは取れていない



ARTAの測定で行うなら、Tw側への信号を外して確認すればその様子がよく判るはず / 今回は実施せず






最初の信号から3ms後に大きな波形が観測される

これは部屋の影響で、どこかの壁で反射した信号が遅れて入って来た音である
3msなので、直接音より凡そ1m余分な経路を経てマイクに音が届いた事となる


先ず、最初に確認するのはスピーカーに近い壁と床
ここは、ほぼ間違いなく反射の影響が出る


壁・床に柔らかいものを置き、その影響を見る
ゲインが下がればそこの反射が減少した事になり、影響がある事が確認できる


下の画を参照


実際に最初の左側のインパルスレスポンスの測定結果がその状況を表している
反射から生まれる時間遅れがある音はなるべく減らす必要がある



部屋のセッティングは、まず、片側のチャンネルを使い視聴想定位置での周波数特性を調整する



我が家で潰せたのは、左側の反射・床からの反射・後ろの壁からの反射は確認できた


これ以外の反射もあるのだが、それが何処かは明らかにできていない



ウーハーの特性確認 / 近接測定




左側:インパルスレスポンスの測定では、近接なので反射による信号が小さい


右側:周波数特性は、上は1.5kHz付近まで / 6dB/Octのネットワーク(コンデンサー一個)なので1kHzの少し上から減衰が始まっている

低周波側は見事に100Hz以下が落ち込んでいる

これを良く頭に入れて、これからのデータを見る必要がある

100Hz以下で音圧の高いところがあるとすれば、それは部屋の影響で共振(共鳴)が起きている事となる




左側スピーカー:周波数特性の測定結果



赤:スピーカーまでの水平距離 : 1,000mm〜1,500mm
黒:スピーカーまでの水平距離 : 930mm


周波数特性は赤の方が低域まで伸びているが、近接測定のデーターを見れば80Hzのレベルは下がっているのでこの帯域が高いのはスピーカーそのものから出ている音では無い事となる
そのことを踏まえてみると、赤は部屋の定在波の影響と重なり80Hzの帯域で共鳴現象(低域共振)が起きていると考える

回避するには、スピーカーの設置位置を動かすか視聴位置を動かす必要がある

黒は、視聴位置を動かした物である

低域特性が素直に落ちていることから、部屋の低域共振を回避しているという事となる



今のところ、我が家ではスピーカーを後ろ壁から離し、視聴位置は近づける方向でのみバランスのとれたセッティングができている


左側の壁から離す距離・振り角度の変更を変更し周波数特性の測定を繰り返す




先ほどと同じ周波数特性の測定結果だが、良い方のみを示す

これを見ると100Hzのディップを何とかしたくなるが、位置・振り角度・測定距離を変化させた結果では、200Hzにディップの出来る他のセッティングより良いとしている





このセッティングも悪くないが、1000Hzにディップが出る

ここは低域と高域のクロスになる





測定距離:930mm 部屋の設置位置と内振りが異なれば測定距離が同じでも周波数特性は異なる


このセッティングでは200-300Hzにディップができる

すべての帯域をうまく纏められない




仮に、左側スピーカーの周波数特性が納得出来れば、今度は右側スピーカーの設置を変え周波数測定を行う

左側の特性測定と同じ条件 / マイクロフォンはユニット正面ではなく、左右のユニットを鳴らしたと想定した場合に向き(左右の真ん中)で固定する

マイクロフォンを固定したままで右側のスピーカーを動かし、周波数特性を測る


その時重要なのは、左側のスピーカーに対して右側のスピーカーをマイクロフォン位置を基準に等距離・等角度となるように配置すること
これは上の画を参考に見てほしい


難しいのは、距離と角度を保つこと

角度はレーザーポインターを使うのが良い
左右のスピーカーの側面に貼り付け、その光線がクロスする位置から見極める


距離は伸びない糸を使うのが良い
伸びない糸と言うのは難しく、現実的にはΦ1mm以下のステンレスワイヤーを使う


ホームセンターに行くと各種径のワイヤーが売られている
私の近所ではΦ0.8mmが一番単価が廉く、取り回しも悪くないのでそれを利用した






赤:Rチャンネル 青:Lチャンネル 黒:左右チャンネル

左右のチャンネルを鳴らすと片側よりは音圧が上がる


高域は左右チャンネルの干渉で音圧が下がってくる
今回の例では、高域の低下は左程大きくは無い


左右チャンネルとマイクロフォンまでの距離がそろっている証拠

150-200Hzの間で黒の合成音圧が左右単独より下がっている
これは、左右で位相大きく異なり合成音圧が低くなっていると考える






上から2本はスーパーウーハあり / 一番下は無し

赤:スーパーウーハのクロス:100Hz
青:スーパーウーハのクロス:75Hz



このままでは70Hz-1,000kHzの間がさみしい

1kHzから下はウーハーの受け持ち帯域で、バッフル効果により低下する
これを埋めるためには、低域に向かって6dB/Octに近い上昇のあるユニットを使うか、補正するしかない / もしくは諦める



普通、ここで諦めるは無いので、補正を試みる

参考となる定数はEdgeを使えば教えてくれるので、これを活用

まあ、知識が足りない分は使える情報を最大限に活用する



これが補正後でスーパーウーハの有り無し

100-200Hzにスーパーウーハの音が被っているので、クロスを少し下げてあとレベルも少し下げるか


スーパーウーハのクロスとレベルの調整を行った

結論から言えば、クロスは思ったほど上手く変わらない


クロスを上へ上げれば数百Hzのところのレベルも変わるので、最低限とする

50Hz、80Hz、100Hzの3条件で測定を行い、中間の80Hzを採用した
グラフでは赤が80Hzクロスの場合




スーパーウーハ有り無し

惜しいね

これで200Hz付近をなんとか出来れば、±2.5dBで50-10kまで・・

上はツイーターのサービスエリアとマーク感度の問題もあるから・・








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