
パッチンコア(クランプコア)でバランを自作する
元ネタは3D無線クラブです。
TVI対策の時に救世主であるTDKのパッチンコア「ZCAT3035-1330」を入手したのですが、対策後には数個余っていたんです。
元ネタを利用して、借りが出来たパッチンコアを崇めつつ利用して50オーム 1:1バランを作ろうって魂胆です。

元ネタを解析ス / ZCAT3035-1330でバランを作る / ZCAT2436-1330でバランを作る / ZCAT2035-0930でバランを作る / 感想 / 補足
知識も、ろくな測定器具も持たないハムなんですが、パクるからには現物がないと話しになりません。
そういったわけで、まずは保険の意味も兼ねて大進無線よりクランプコア式のバランキットを購入しました。
主要な内容物を確認すると・・・
| クランプコア(パッチンコア) | TOKIN製 ESD-SR-15 |
| 同軸ケーブル | 1.5-QEV 40cm |
| 単線(恐らく単芯約0.5mm、総外径約1mm) | 60cm |
ESD-SR-15のスペックは以下のとおり。


・・・・さっぱり判りません。
インピーダンスが10MHzの時に100Ωあるぐらいしか判りません。
要は、似たような物なら代用OKって事かな?と考えて見切り発車をしたのでした。
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ZCAT3035-1330なクランプコア(パッチンコア)でバランを自作し、測定する!
さて、このクランプコア(ZCAT3035-1330)はTVI対策用にを購入した際に余ったものです。ESD-SR-15以外のパッチンコアでも自作バランは出来るのか!?
表を見てもさっぱり判りませんが、インピーダンスが100Ωだということは判りました。
大進無線のキットでは同軸ケーブルは1.5D-QEVと単線が用意されていますが、うちには1.5D-HQ-SUPERが余っていましたのでそれを使用して、単線はDIY店で買ってきた↓を使いました。0.12mm×10芯(外径約1mm)の物でキットとは違いますが、電線による差は出るのか?

¥168也
これらを、とりあえずキットと同様な寸法で(単線60cm、同軸40cm)カットし、同様な巻き方をクランプコアに施します。

適当に巻けば良いって訳じゃありません。単線はクランプコアの内側から巻き始めて、同軸はクランプコアの外側から巻き始めないと、コイル生成(?)に影響を及ぼすかもしれないです。
このコアへの巻き方と、単線の同軸への結合の方法と向きを間違えなければ失敗はあり得ないと思います。テープで配線を押さえて置くと楽ですよ。

アンテナ側より巻き終わったパッチンコア(バラン)を見たところです。同軸から見ると、コアの内側に3本通っていて外側には4本通っている事になるのが判ります。単線から見ると、コアの内側に6本通っていて外側には5本が通っている事になるのが確認できると思います。
つまり、巻きはじめと巻き終わりが、左右対称じゃないって所がミソなんですね。

仮結線が終わったところです。これでテストします。VSWRが異常な値を示さなければ成功だと思います。

↑ZCAT-3035-1330を使用してバランを作った時のテスト時。
これだけで、本当にろくな物を持っていないのが判りますね。あの手この手でダミーロードと同軸ケーブルの間にバランを入れてテストしているのがわかります。
厳密な測定器具とかは持っていないので、チューナー兼VSWR計を通して見ることにします。
| 1.9MHz | 3.5MHz | 7MHz | 10MHz | 14MHz | 18MHz | 21MHz | 24MHz | 28MHz | 50MHz |
| 1.15 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 |
初なのに、上手くいきました!
1.9〜50MHzまで問題なく使えることが判りました。SWR表示は小さい上にメーター読みなのでこう見えます。全て1.5以下なのでOKでしょう。個人的には1.2以下に収まれば成功だと思います。
詳しいことは不明なのですが、バラン部からアンテナ側に伸びる配線は極力少なくしないと、そこもアンテナとみなされるのかSWRが悪化した数字で見れます。ですのでバランの性能のみを見たい場合は配線を少なく済ませたほうが好結果になると思います。
完成したら箱に収めて完成です。
実験では1.5D-HQ-SUPERでしたが、実際に使用しているのには1.5D-2Vを使っています。SWRとかには特に変化は無いようです。
通販等でこの方式のバランを自作したら以下のようになると思います。(マルツパーツ館より。私も利用しました。)
| TDK ZCAT3035-1330 | 735円 |
| M-BR 同軸コネクター | 315円 |
| タカチ製 SW-125S プラスチックケース | 262円 |
| 同軸ケーブル 1.5D-2V 1m | 94円 |
| TM-052 (陸軍ターミナルですね) 2コ | 188円 |
|
SHW耐熱電線 0.08mm (1m) |
15円 |
|
計 |
1609円 |
※単線については、私は最寄のDIY店で0.12mm×10芯(外径約1mm)を購入していたので上記のは使ってはいませんが、たぶん大丈夫だと思います・・・・。上記のは0.08mm線を7本使用している線ですね。キットのは0.5mm単芯です。
余っているパーツがあれば、さらに安上がりにできますね。(あたりまえか)
キットのは耐電力200Wだそうで、それは同軸ケーブルにもよると思いますね。私は10Wで使えればOKと思っているのでチープな材料でもOKそうですね。試作バラン・1.5D-2V仕様も50Wでテストしましたが、発熱とかは無かったでしたよ。
私は電動ドリルとかホットボンドがあったので、穴あけやコアのケースへの固定が簡単に出来ましたが、そういった工具がなければキットを買ったほうが安上がりで確実でしょう。キットでもコアのケースへの固定は接着剤やホットボンドを使用しますけどね。
元ネタを解析ス / ZCAT3035-1330でバランを作る / ZCAT2436-1330でバランを作る / ZCAT2035-0930でバランを作る / 感想 / 補足
ZCAT2436-1330なクランプコア(パッチンコア)でバランを自作し、測定する!
さて、このクランプコア(ZCAT2436-1330)はルーターを購入した際に付属していたものです。ZCAT3035-1330やESD-SR-15以外のパッチンコアでも自作バランは出来るのか!?
さて、スペックを見てみましょう。
はい、さっぱり判りません。
インピーダンスはZCAT3035-1330よりも少なく50Ωとなっています。
さて、失敗しても部屋が吹っ飛ぶこともないようなので、とりあえず実験です。巻き方、配線の寸法は上記の通りで、1.5D同軸を40cm、単線を60cm用意して作成です。

↑いそいそと作成し、お粗末測定中。
厳密な測定器具とかは持っていないので、チューナー兼VSWR計を通して見ることにします。
| 1.9MHz | 3.5MHz | 7MHz | 10MHz | 14MHz | 18MHz | 21MHz | 24MHz | 28MHz | 50MHz |
| 1.25 | 1.15 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.15 |
これも、上手くいきました!
SWR表示は小さい上にメーター読みなのでこう見えます。全て1.5以下なのでOKでしょう。
1.9MHzがちょっとアレですが、ケーブル等を使いまわしたのでアンテナ側が長くなっているので、その影響かと思います。これもHF〜50MHzまで使えますね。
通販等でこの方式のバランを自作したら以下のようになると思います。(マルツパーツ館より。私も利用しました。)
| TDK ZCAT2436-1330 | ---円 |
| M-BR 同軸コネクター | 315円 |
| タカチ製 SW-75S プラスチックケース | 136円 |
| 同軸ケーブル 1.5D-2V 1m | 94円 |
| TM-052 (陸軍ターミナルですね) 2コ | 188円 |
|
SHW耐熱電線 0.08mm (1m) |
15円 |
|
コア無しの計 |
(748円) |
ZCAT2436-1330は置いていませんでした。インピーダンスも低いのでTVI対策にも使われるのは少ないからでしょうか。
※単線については、私は最寄のDIY店で0.12mm×10芯(外径約1mm)を購入していたので上記のは使ってはいませんが、たぶん大丈夫だと思います・・・・。上記のは0.08mm線を7本使用している線ですね。キットのは0.5mm単芯です。
元ネタを解析ス / ZCAT3035-1330でバランを作る / ZCAT2436-1330でバランを作る / ZCAT2035-0930でバランを作る / 感想 / 補足
ZCAT2350-0930なクランプコア(パッチンコア)でバランを自作し、測定する!
さて、このクランプコアはPCショップで置いてあったADSL等のノイズ対策用においてあったものです。PCノイズ用としてパッチンコアがPCショップで取り扱いが減った気がしますね。果たしてZCAT3035-1330やESD-SR-15やZCAT2436-1330以外のパッチンコアでも自作バランは出来るのか!?
さて、ZCAT2350-0930のスペックを見てみましょう。
やっぱり判りません。
インピーダンスは80Ωと先のZCAT2436-1330Aよりは高いです。

↑またもやいそいそと作成し、お粗末測定中。
厳密な測定器具とかは持っていないので、チューナー兼VSWR計を通して見ることにします。
| 1.9MHz | 3.5MHz | 7MHz | 10MHz | 14MHz | 18MHz | 21MHz | 24MHz | 28MHz | 50MHz |
| 1.3 | 1.25 | 1.15 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.15 |
SWR表示は小さい上にメーター読みなのでこう見えます。全て1.5以下なのでOKでしょう。
1.9MHzと3.5MHzがちょっと高いですね。ZCAT2350-0930は小さいのでコア内部がみっちりしていますので、その辺も関係あるのかな?と思っています。バランより出た線が長いので、それの影響かもしれませんね。
これでもSWR上ではHF〜50MHzまで使えると思います。
通販等でこの方式のバランを自作したら以下のようになると思います。(マルツパーツ館より。私も利用しました。)
| TDK ZCAT2350-0930 | 231円 |
| M-BR 同軸コネクター | 315円 |
| タカチ製 SW-75S プラスチックケース | 136円 |
| 同軸ケーブル 1.5D-2V 1m | 94円 |
| TM-052 (陸軍ターミナルですね) 2コ | 188円 |
|
SHW耐熱電線 0.08mm (1m) |
15円 |
|
計 |
979円 |
※単線については、私は最寄のDIY店で0.12mm×10芯(外径約1mm)を購入していたので上記のは使ってはいませんが、たぶん大丈夫だと思います・・・・。上記のは0.08mm線を7本使用している線ですね。キットのはたぶん0.5mm単芯です。
パーツ代だけで考えれば千円切っていますね。送料等も考えたらアレですけど。
クランプコアと同軸コネクターと1.5D-2V以外は、DIY店でも揃える事が可能です。単線は巻ければどれでもいいと思います。1.5D-2Vの芯線も細く、導体をひねってまとめたら0.5mmぐらいです。
元ネタを解析ス / ZCAT3035-1330でバランを作る / ZCAT2436-1330でバランを作る / ZCAT2035-0930でバランを作る / 感想 / 補足
いくつかのパッチンコアをバランにしてテストしましたが、大進無線のクランプコア式のバランキットにあるTOKIN製ESD-SR-15でなければ、作れないって事は無いことをこの目で確認することができました。
巻き方と巻き数はキット通りにしてやれば、クランプコアはあんまり選ばないみたいですね。
大進無線(3D無線クラブ)のキットで何故ESD-SR-15を採用したかの推測ですが、インピーダンスが高く(?)、それでいてサイズが中くらいなのでケースも小型化できるので採用したのかなと思います。仕入れ単価が安いのもかもしれませんね。
そもそも、バランを作ろうと思ったのはSKYDOOR用のバランが欲しかったからです。DPなら市販品でもいいでしょうけど、スカイドアはバラン内部にコンデンサーをつけなければならないので、キットか自作するしか方法はないかなと思い、自作を決意したわけです。
キットよりも高くつくかもしれないですが、例えどんな部分でも自作品を織り交ぜて無線運用するってのもやってみなければわからない満足感が得られると思います。
まさにPraisnes。
こんなもんでも自作って楽しいですね。
補足(バランについて)
バランを作っておいてなんですが、バランのことをよく判っていません。
ちょっと勉強しましたが、バランには2種類あり、フロートバラン(ソーターバラン)と強制バランがあるという事が判明し、今回作ったクランプコア(パッチンコア)でのバランは強制バランになるという事も確認できました。
以下は自分自身でよく飲み込むために記しておきます。
まず回路図で確認ですが・・・
フロートバラン(ソーターバラン)を回路図で表すと下の画像のようになります。

この方式はポリエステル線やエナメル線等を用意し、2本の電線で縒りを作ってフェライトコアに巻きつけて作成する方法です。
さて、強制バランを回路図で表すと下の画像のようになります。

この方式は3本線を用意して縒りを作りフェライトコアに巻きつけますが、違うのはアンテナ端子に出ようとしているのを、一本の線を使ってフェライトコアに再度通しつつ同軸ケーブルで言う編線側に結線するという方法です。
クランプコア(パッチンコア)式のバランは同軸を使いながらも、同軸の芯線・編線・単線の3つの線を使っていて、強制バラン式の配線をしているので、自動的に強制バランです。
クランプコア式バランで、フロートバランにするにはパッチンコアに同軸を何回か通す事になるんじゃないかなーと想像しています。
でも、これって何かにそっくり。そっくりというかそのまんま!
そうです、コモンモードフィルターです。
そもそも、なんでバランが存在するのかというと、DPみたいな平衝型アンテナというか(電気的に)左右対称なアンテナに、同軸ケーブルのような不平衝型のフィーダーを直接給電しますと、使えるには使えますが、電波障害(コモンモード)が発生します。ちなみにGPは見てくれは何だか左右対称っぽいですが、構造的には全然左右対称じゃないので不平衝同士でOKなのだそうです。
コモンモードが発生し、ケーブルの表皮に漏れた電流が走るのですが、そこでコモンモードを取り除くためにフェライトコアが活躍するって寸法です。(なのでバランの出来不出来で電波障害が出る出ないの話がある訳ですね。)
アンテナ解析ソフトのMMANAを使うと判りますが電流分布というのがあり、視覚的にどのように電流がアンテナに乗っているかを見れるのですが、バランを使わないと、これが崩れてしまうそうなんです。行き場を失わなければ問題ないですが、失ってしまったら・・・同軸ケーブルに乗ってしまう。つまりコモンモードによる電波障害が発生します。
バランの重要性がわかったところで、ソーター(フロート)バランと強制バラン。どっちがいいのか?
強制バランというのは、強制とある通りに平衝型アンテナに合うように不平衝型を平衝型に強制変換してしまう物。
平衝型アンテナなんだから平衝型するのは当然!
誰しもそう思います。
しかし、理論上であって現実では周囲環境の影響で完全な平衝にはなれないのが現状です。したがって強制バランでは不平衝-平衝変換は完全にできないと言われています。
じゃぁ、フロートバランがいいのか?
平衝でないアンテナに同軸ケーブルを繋ぐためのバランで、GPなどにも使われているそうです。
結局、これが一番いいみたいですが、これもパーフェクトって訳じゃ無いみたいですね。そうですよね理論上から外れて少し平衝になっただけなのに、ハナから不平衝ってのも電気もそれほど気分よくない模様みたいですしね。
多分両者の言い分はこうなるでしょう。
強制バラン 「完全平衝型アンテナ用なんだけど、実際はそんなの無いしなぁ。でも崩れた平衝型アンテナにも使えるよ。」
フロート(ソーター)バラン 「本来は不平衝型アンテナ用なんだけど、崩れた平衝型アンテナにも使えるよ。」
私の印象としては、どっちもどっち。使えりゃどっちもOK。お気に入りのシステムで出たほうが気分はスッキリですよね。
ちなみに電波障害で悩んだとき、このバランの方式別を試してみるといいのかもしれないですね。
それと、バランのつくりが甘く、SWRがそれ程良くないと言った場合には、SWR特性のV字が鋭角になるのでなく、底辺が平らになるだけのようです。
図で言うと下図のようになるかと思います。
バランがうまく作れていれば赤点線のようになるのですが、バラン自体のSWRが1.25となっていれば、このようになるかと思います。SKYDOORと組み合わせてSWRを測定した時は、このような感じでしたよ。
ですのでバラン自体のSWRが1.5以下なら実際の使用には差支えが無いと言う事ですね。
最後に一言。これをそっくりマネ(参考に)して性能が出ない、破損や損害・傷害等が発生しても、それは自己責任ということで一つ。
元ネタを解析ス / ZCAT3035-1330でバランを作る / ZCAT2436-1330でバランを作る / ZCAT2035-0930でバランを作る / 感想 / 補足
※アマチュア無線機による通信は該当する国家資格が必要です。