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:日本のスクリーンで、:日本で発売されたDVD、:ep放送などのテレビで視聴、:日本語字幕なし)

チャンドラムキ

監督:P・バース

ラジニカーント,ナヤンタラ,
ジョーティカ
まさかインド版エクソシストだったとは!!

いやぁ、びっくりした。ストーリーに関しては何の情報も仕入れていかずに観たのだが、てっきりいつものお笑いラジニとばかり思っていたら、なんとホラーだった。インド映画の映画祭上映を1年間待ちに待ったファンをなめとんのかぁという約150名収容の狭い館内は当然満席。こりゃチケットもすぐ売り切れるわな。ラジニファンらしき人々も多いようで、「SUPER STAR」のクレジットが流れると場内に大きな拍手が沸き起こる。

前情報でアクションシーンはCG使いまくりということだったがやはりその通りで、ラジニはほとんど動くことなく、カメラワークを駆使したり、敵が必要以上に吹っ飛んでいったりして、ラジニの体力の衰えをカバーしようとするところが見ていて若干つらかった。ダンスも以前よりキレがなく重い。

トルコのカッパドキアでのミュージカルシーンにはちょっとびっくりした。私が今まで見たインド映画の中でトルコロケは始めてだ。

タミル語映画って登場人物がやたら多いような気がするのだが、これはたまたまなのだろうか?登場人物の人間関係を把握するまで1時間近くかかった。字幕でも従弟と従妹を使い分けていたりして、誰と誰が血縁関係なのか把握しづらい。

途中でちょっとだらだらした感じがあり、お笑いシーンもアクションシーンも特になく、この時点では「この作品はちょっと・・・」と思っていたのだが、ラストに向かい、見事にこちらの期待を良い意味で裏切ってくれた。

特にクライマックスのダンスシーンは圧巻。最初の登場場面では単なる友人の嫁という脇役かと思ったら、彼女こそこの作品の主役だった。ラジニをも食ってしまうかのような鬼気迫る演技に、すっかり途中のだらだらが吹っ飛んだ。ここまできて最後は子供だましな作戦というのがいかにもラジニ作品ぽくもあり、とほほな笑いを誘っていた。

お笑いホラーと言えばよいだろうか。最後にはスクリーンに釘付けになってしまった。タオルなどの小物でキメにキメルラジニを楽しみにしていたファンはどう感じたかわからないが、私としては結構楽しめた作品だった。
Black

監督:Sanjay Leela Bhansali

アミターブ・バッチャン,ラーニー・ムカルジー
インド版ヘレンケラーに泣けた

生まれながらに3重苦を背負ったラーニーと、サリヴァン先生の役割のアミターブ・バッチャンが「奇跡」を起こし、自立していくまでを描いた作品。ミュージカルシーンはない。

・アミターブ・バッチャンの圧倒的な存在感。
彼はだてにスーパースターなわけではなく、確かな演技力に裏づけされたものであることを実感。
・子役の少女のうまさ。
天下のバッチャンに引けをとらない、ハンデを負った少女役を好演。
・ラーニー・ムカルジーの体当たりの演技。
インドの女優さんはきれいな衣装を着て踊るイメージがあり、ハンデを負った泥臭い演技など嫌なのではないかと思ったが、彼女は見事にこの難しい役を演じ、他の女優との差別化をはかった。彼女の代表作の一つになることは間違いないだろう。

ミュージカルシーンがあるのがインド映画の特徴で、それがあるゆえ日本では異色に感じられることもあるが、インドはやはり映画を作るのがうまいのだと思った。世界に配信しても遜色がなく、ストーリーがわかっていても泣けた。泣けるけど、観終わった後に心が温かくなる。それがインド映画だ。
ちなみにこの監督は「ミモラ」「Devdas」「1942:A Love Stry」を手がけた。

これまでいくつかのインド映画を観てきたが、このような作品は初めてだ。娯楽映画と芸術映画の中間のような作品。機会があったら是非観てほしい。
Bluffmaster!

監督:Rohan Sippy

Abhishek Bachchan, Priyanka Chopra,
Nana Patekar,Ritesh Deshmukh
*ロイは詐欺師。結婚を決めた恋人のシミーにそれがばれて別れてしまう。ロイに詐欺を仕掛けようとしたちょっと間の抜けた詐欺師のディットゥと組み、更なる詐欺を働くが、ロイは医者に余命いくばくもないことを宣告される。

最後に騙されるのは誰だ!?

ムンバイの「INOX」というシネマコンプレックスにて。100ルピーと200ルピーの席があり、200の方で観た。日本のシネコンと遜色のない映画館は、インドの中流家族連れでにぎわっていた。インドの映画館は日本に比べてどこも画面がとても大きい気がする。

かなり強引なオチのつけかたではあったが、文句なく楽しめた。様々な詐欺の手口を見ているだけでもおもしろいので、字幕がなくても楽しめると思う。

アビシェーク・バッチャンは親の七光りでのデビューではあったが、ここのところ彼自身にとても魅力がでてきた。やはり蛙の子は蛙か。挿入歌の「Right Her Right Now」はファンキーな曲。やはりアビシェークが出演した映画『Dus』は未見だが、「Dus Bahaane」という曲もなかなかテンポの良い曲で、インドのテレビでこの両曲はよくかかっていた。しかし最近アビシェークは『Bunty Aur babli』といい、詐欺ものに縁があるようだ。

Ritesh Deshmukhは『Masti』や『Kyaa Kool Hai hum』で見せたような情けない男の役がよく似合う。例えば『Munnabhai M.B.B.S.』なんかでもそうなのだが、子分役によって主役がとても生きてくる。今回もちょっと間の抜けた詐欺師を演じることで、アビシェークのクールさが引き立った。

さらにナーナー・パーテカルはさすが。敵役のギャングのボスを見事に演じきっていた。最後のオチの演技が見もの。

今回のインド旅行では機内1本を含め計5本の映画を観てきたが、この作品が一番面白かった。詐欺やギャングが出てくる映画ではあるものの、誰にでも楽しめる映画だと思う。ボリウッドの本場ムンバイの大画面で観たという点でどうしても点数が甘くなってしまうが、DVDを買ってもう一度見直してみたい。  
Bunty Aur Babli

監督:Shaad Ali Sahgal

Abhishek Bachchan, Amitabh Bachchan, Rani Mukherji
*成功を夢見るラケーシュと女優を夢見るヴィンミィ。しかし世間は甘くなく、偶然出会った二人はお金がなかったゆえサギを働く。これがうまくいき、バンティとバブリーとして詐欺師の旅が続く。愛し合う二人だったが警察官のダシュラートが彼らをマークし始める。
ポップでオシャレな2人のインド詐欺旅行

軽快で痛快なストーリー。まず音楽が全曲すごくいい。音楽担当のShankar-Ehsaan-Loyのトリオとしては『Kal Ho Naa Ho』でお馴染み。アイシュワリア・ラーイが1曲ゲストで出演するオマケつき。

そして衣装。普段映画の衣装に注目するとしても「ああ、きれいでお金がかかったサリーだなぁ。」という感じなのだが、詐欺師として働く二人の七変化、特にラーニーの衣装がものすごくカワイイ!

インド映画は基本的に勧善懲悪だ。悪いものがよしとされることはまずない。ギャングなどが主役となる場合、さてどうやって収めていくかということが途中から気になってくるのだが、今回も詐欺師の二人をどうするかが注目だったが、今回の映画で言えば「無難」という感じ。

キャスティング、音楽、衣装、ロケーションと他のすべてが良かった分ストーリーが若干弱く思えたが、でも間違いなくインド映画らしさを楽しめる映画。

個人的にこのようなテンポのよい軽快なラブストーリーは大好きなので、高評価になってしまうが、字幕の英語やヒンディー語がわからなくても見ているだけで楽しい映画なので、インド映画初心者にも勧められる作品だ。
Dosti:
Friends Forever


監督:Suneel Darshan

Akshay Kumar, Bobby Deol, Juhi Chawla, Lara Dutta, Kareena Kapoor
裕福だが家族の愛情に恵まれていなかったラージは子供のときに命を助けてもらってからカランと深い友情を築いていた。お互いに結婚したい女性ができるが、なぜかラージは相思相愛だった彼女と突然別れてしまう。それには理由があった。

「友情よ、永遠に・・・」って今どきどうよ


封切直後のこの作品をアウランガバードで観た。デリーやムンバイに比べると映画の料金も安く、Goldieという映画館はは25ルピーと40ルピーの席があり、40(約100円)の方で観た。その後に行ったデリーでもいたるところにこの映画のポスターが掲げられていたが、見る前の予感どおりあまりおもしろい作品とは言えなかった。

なんというか、すべてが古臭い感じなのだ。裕福なのに家族の愛情に飢えていた少年と貧しい少年が出会い友情を育んでいく。途中で困難はあるものの、深い絆は大人になっても変わることはない、仲たがいをしても壊れることのない男の友情。そして自分の命が長くないことを知り、敢えて彼女の幸せのために身をひくという愛情。

こうした古典的な内容でも作り方によっては感動作に仕上がることがある。例えば『Kal Ho Naa Ho』なんかでも、主人公は自分の病気ゆえに好きな女性がいたにもかかわらず身をひくのだが、せつない思いがにじみ出ていた。しかしこの作品ではなんだか安っぽい感動という印象しかもてなかった。

また友情と愛情が詰まった思い出の町並みとカフェが何回も出てくるのだが、この場所ばかりが登場し、セットにお金がかかっていない感じ。曲もいまいち。

ついでにこの映画館での上映中3回ほど停電のように真っ暗になり、それがまたチープさに拍車をかけ気持ちをそがれた。インドの安映画館にはよくあることだが。
Garam Masala

監督:Priyadarshan

Akshay Kumar, John Abraham, Paresh Rawal, Rimi Sen, Neha Dhupia
マックはカメラマンとして働いていたが、友人のサムが写真の賞をとりアメリカに渡ることになりショックを受ける。やけになって3人のスチュワーデスと同時進行で付き合い始めるが、鉢合わせしそうになったりして大変。同居しているおじやアメリカから帰国したサムを巻き込んでの大騒ぎ。

スッチーとの3股交際

インドでは近年このテの浮気ものドタバタコメディがヒットしているようだ。ストーリーこそ違えど、浮気がばれないかとあわてふためく様子をおもしろおかしく描いているのは共通だ。この作品なんかもその最たるもの。

「Ada」というヒット曲と共にアクシャイとジョンが美しい海を背景に、カメラマンとして水着姿の女性たちにシャターを切るところから映画は始まる。これがもう反則技のようにかっこよすぎる。さすが元モデルの2人はキメのポーズが本当にキマル。これで観客女性たちのハートはがっちりつかんだ。

そのせいというわけでもないのだが、アクシャイが3股交際していても嫌悪感を感じなかったのは不思議だ。同じ役を今回主人公の友人役のジョンや、あるいはサルマンあたりが演じたらもう少しエロイ感じがして多少の反発を感じたかもしれないが、アクシャイが甘い言葉をささやきつつあわてふためく様子はあまりいやらしさを感じることもなく、ギャグとして純粋に笑えた。

とんでもないことをしているのはアクシャイなのだが、どのスッチーも気が強そうだったせいで余計にアクシャイの方に肩入れしてしまったのかもしれない。

ジョンはコメディだとちょっと演技が大げさすぎてぎこちない感じがした。逆におじ役のベテランParesh Rawal がすごくよかった。どたばたになんとも言えぬ深い味付けをしている。コメディこそ演技力がものをいうのだと思った。

一人の女性がドアを閉めた瞬間、隣の部屋にいた女性がドアを開けるといった吉本新喜劇並みのこてこてのコメディだったが、主演俳優らのかっこよさもあり単純に楽しめた。曲も全体的に良い出来。

字幕なく観たのだが、それでも楽しめた映画だった。  
Insaan

監督:K.Subhash

アクシャイ・クマール,アジャイ・デーヴガン
*アムジャッッドは正義感の強いタクシー運転手。ガールフレンドのヘーナや仲間たちと楽しく過ごしていたが、事件で失踪した兄の行方を母と共に案じていた。一方、テロリストに婚約者を殺された警察官のアジットはその行方を追う。

ストーリー自体は悪くないけど焦点がぼやけた感じ

タクシー運転手と仲間たちのちょっととぼけた話と、テロリストを追うシリアスな警察官の話が平行して進んでいき、途中からつながっていく。

のだが、なんだか全体的にとっちらかった印象を受けた。一応テロリストものなのだが、いろいろなものを詰め込みすぎてどっちつかずな感じになってしまった。

アクシャイ演じるタクシー運転手も、アジャイ(彼はスマートになってとても渋みがでてきた)演じる警察官も好演しているのにどちらの視点を主に描いているのかが不明。そこに2人の恋愛話を絡めた。まぁここまではいい。

それに運転手の俳優志願の友人のエピソードと恋愛話を入れた。これは完璧に余計。どうせならテロリストとなってしまった男の悲劇を前面に出してもよかったのではないかと思われる。が、いまいち彼の動機も語りだけで終わらせてしまった。

ただRahul Devという人は鋼鉄の体に冷血な瞳とクールな表情で、インドで一番テロリスト役が似合う俳優ではないだろうか。今後も脇を固める俳優としてお目にかかりそうだ。

アジャイは素行の悪い警察官の役ではあるのだが、ほとんど殺人未遂のようなことを犯したり、テロリストのくせに空港のカートに荷物を忘れて身元がばれるといったマヌケなことをしでかす奴がいるなど、ツメが甘い。違う撮り方をすればもっとおもしろい作品になった気がする。
Lucky:
No Time For Love


監督:Radhika Rao,vinay Sapru

サルマン・カーン,スネーハ・ウッラル 
*父の仕事の関係でロシアに住んでいるラッキーは女子高生。家族・友人らと楽しく暮らしていた。ある日学校に向かう途中ロシア各地で頻発していた暴動に巻き込まれ、偶然出会ったアディと共になんとか家族の元へ戻ろうとするが、その頃インド人全員に帰国命令が出た。

ドラマティックな構成ではあるが、随所が変

ロシアの女子高生の制服はこんななのかと目を見張るオープニングの曲「Lucky Lips」はマニアも納得のかわいさで必見。

ロシアの美しい風景の中、暴動に巻き込まれた二人が戦火をかいくぐっていくうちに恋が芽生えていく。・・・と、全体的にはドラマティックな内容で思っていたよりは悪くなかったのだが、随所に強引すぎるつじつま合わせがみられた。こちらが映画を観ていて「え?」となった時点で、映画の流れが何回も寸断されてしまうのだ。

最たるものは突然謎の男が現れて二人を危機的状況から救ったり、比較的近所で起こった暴動なのに、とてつもなく遠い場所から帰ってこなくてはならないような描き方をされていたり、そもそも車があるのになぜか車を使わないし、挙げたらきりがない。

また曲の入り方も不自然で、ストーリーの流れを断ち切ってしまった。むしろ入れない方がよかった曲もいくつかあった。

これがデビュー作となるスネーハ・ウッラルはアイシュ似で大きな瞳が印象的。役名がラッキー・ネギというのだが、「ネギ」というのはインド人に多い名前なのだろうか?この作品では演技力のなさも純情な女子高生の役どころなので、むしろ純朴な感じがして良かったが、今後はこういうわけにはいかないだろう。
No Entry

監督:Anees bazmee

Anil Kapoor,Salman Khan,
Fardeen Khan,Bipasha Basu,
Lara Dutta,Esha Deol,Celina Jaitley
*真面目なキシャン(アニル)に浮気をさせようとたくらんだプレイボーイのプレーム(サルマン)。セクシーなボビー(ビパーシャ)が家に押しかけてきたところに嫉妬深いキシャンの妻が。とっさにキシャンはボビーを部下のサニー(ファルディン)の妻だと紹介する。一方サニーは恋人と結婚しようとするが、とあるアクシデントで恋人の家族にボビーをキシャンの妻と紹介する。あちこちで混乱がおき、キシャンとサニーはごまかすために四苦八苦。最後には浮気性なことを妻にばれないようにうまくやっていたプレームまでもが巻き込まれていく。

全く男ってヤツは・・・大ヒットのコメディ

2005年度1番のヒット作は、とてもよくまとまったコメディだった。
「浮気」をテーマにしているので、家族で観に行くといった類の作品ではないが、テーマのわりには下ネタやエロチックになりすぎることがなく、明るい笑いを誘う。また登場人物が比較的多いのだが、人間関係が混乱することもない。最後まで飽きることなく観ることができた。

これは一にも二にも脚本がしっかりしているということだろう。インド映画では下ネタも多いのだが、結構直接的で女性から見るとちょっと苦笑してしまうこともある。ただインド人男性はこうした直接的なギャグが好きなようだ。

また登場人物が多いと脚本がしっかりしていないとどうしても混乱をきたす。『チャンドラムキ』は脚本は悪くはないものの、日本語字幕があるにもかかわらずすぐには人間関係を把握できなかった。また最近『Hulchul』と『Hungama』という作品を観たのだが、大体の筋こそつかめたものの何を言わんとしているのかよくわからず、レビューを書けるまでにはいたらなかった。

脚本のよさに加え、俳優陣がさすが。アニル・カプールは言わずもがな。サルマン・カーンは2枚目半をやらせたら右に出るものはいない。登場シーンが決して多いわけではないのに印象が強い。この二人に比べるとファルディン・カーンの演技はどうしても劣るが、二人のベテランにうまく助けてもらった。


しかしこういった作品が大ヒットするといったことはちょっと驚きだった。
Salaam Namaste

監督:Siddharth Anand

Saif Ali Khan, Preity Zinta
*ニックはレストランのシェフ。ディスクジョッキーのアンバルと声では喧嘩したものの、実際に出会ってニックは引かれていく。行きがかり上二人は住むことになり、アンバルは妊娠する。しかしニックは結婚も子供も欲しくはなかった。アンバルのおなかはどんどん大きくなっていく。

インド版、できちゃった・・・婚!?

「サラーム」というイスラム教のあいさつと「ナマステ」というヒンドゥー教のあいさつのタイトルから、てっきり異教徒同士の恋愛物語かと思ったら2人が出会うきっかけとなったラジオ局の名前だった。全編オーストラリア、メルボルンが舞台になっている。

インド映画はラブストーリーがとても多い。ありとあらゆるパターンが出尽くした中で、いかに新しいストーリーを生み出していくか?今回は「できちゃった」をテーマに持ってきた。

妊娠して結婚を意識する女性と、結婚なんかしたくない男性。
これは日本ではもはや使い古されたテーマではあるが、インド映画だととても目新しい感がある。結婚する前の男女が同居を始めるということなど、これは海外在住のインド人だから許されることであって、インド国内が舞台であればあり得なかったろう。

また最近、インド映画でも唇を合わせたキスシーンやかるーいベッドシーンを見かけることも増えたが、何だかドキっとしてしまう。日本ではもっとすごいラブシーンが放映されているというのに。

「あぁ・・・プリーティーが、ラーニーが・・・」彼女らのファンの男性はショックを受けないのだろうか?なんか私はショックだった。

サイフとプリーティーの組み合わせは『Kal Ho Naa Ho』以来だが、この2人ってとても似合っていて画面の収まりがいい。本当につき合っているのでは?と思わせるくらいに並んだ時の違和感がない。美しい海のメルボルンロケということもあり、テーマに比してさわやかな印象を受ける。でも出産シーンはドタバタすぎ。大きなおなか(しかも不自然)で踊りまくるのもちょっと。。

ヤーシュ・ラージフィルムの作品はハズレが少ない。歌は主題歌とも言える「Salaam Namaste」がいいが、ジーンズからトランクスをのぞかせているファッションはもはや古いのでは?
Page3

監督:Madhur Bhandarkar

Konkona Sen Sharma, Tara Sharma,
Sandhya Mridul
*ヒロインは映画界などセレブな記事(page3)を担当する記者。華やかな舞台の裏側にはさまざまな人間模様、スキャンダルが渦巻いている。女友達二人も欲望の世界に飲み込まれていく。

インドセレブのスキャンダル

この映画は大きな流れはあるが、ストーリーで見せていくというよりはセレブな世界の裏側を断面断面で描いている。音楽は挿入されているが、典型的なミュージカルシーンはなく、異色な作品となっている。2005年は『Black』といい、異色作に人気が出ているようだ。

最初は女性3人のキャスティングということで、恋に仕事に・・・なんていうのを想像していたが、スキャンダル、ドラッグ、ゲイ、少年性愛など、かなりきわどいテーマが含まれており、社会派映画にもなっている。

インド人が好きな家族で観られるような映画ではない。なのにヒットしているのは、この映画自体がタブロイド紙のゴシップ記事を読むかのように、インド人のセレブな世界に対する好奇心を刺激したのか。逆に安穏とした映画が多い中、こうした映画はインド人には衝撃的だったかもしれないが、日本人からするとすでに目新しいことではなくなってしまったような気がする。

実はこの映画、字幕無しで観た。比較的英語で話すシーンが多くて助かったがそれでもはっきりとしたストーリーがないうえ、人々のうわさ話などのシーンが多く、理解が難しかった。

字幕つきで観たらよりおもしろく感じられたかもしれない。このような今までのインド映画になかった映画がヒットしているということに新しいインド映画の潮流が感じられて、むしろその事に興味を覚えた。
Parineeta

監督:Pradeep Sarkar

Sanjay Dutt, Vidya Balan, Saif Ali Khan
シェーカルとロリータは隣に住む幼なじみでお互いに好意を持っていた。だが実はロリータの家はシェーカルの家に莫大な借金を負い、家を抵当に入れていた。そこに遠い親戚であるロンドン帰りのギリーシュが現れ、借金を肩代わりするという。彼はロリータに魅かれていく。タイトルは「結婚している人」の意。

上質な大人のラブストーリー

例えば印英合作などと言われてもおかしくないような、雰囲気のある作品。

音楽は何曲か挿入されているのだが、どちらかというとバックミュージック的に使われており、ダンスらしいダンスは特別出演のレーカーが踊り子として踊るシーンくらいである。レーカーはまだ踊り子の役ができるところがすごい。この曲はフィルムフェア賞で振付け賞を受賞した。どの歌も映画の雰囲気を壊さず、というよりさらに彩りを加えるようなとても上手な使われ方をしていた。

インド映画のラブストーリーは結構ベタなものも多いのだが、この作品は必要以上に盛り上げたり踊ったりすることなく、大人の恋愛の心の機微をたくみに表現している。抑えた中にも力強さを感じる演技。サンジャイ、サイフともさすがにいい役者だ。

またこれがデビューとなるVidya Balanは清楚で透明感のある女優でありながら、初主演作でプチベッドシーンをこなすなどなかなか精力的。先の二人のベテラン俳優の演技に見劣りすることなく自然に溶け込めていた。予想通り見事に新人女優賞を受賞した。

ストーリーはいわゆる典型的な三角関係ものなのだが、全体の雰囲気がいい意味でインド映画らしくなく、それゆえインド映画の奥深さを感じる。これが初監督作品となるこの監督の次作にも期待がもてる。

この作品は、例えば日本の比較的女性向けな単館映画館などで上映したら結構受けるのではないだろうか?歌って踊って大笑いのようなインド映画しか知らない人に、こういうインド映画もあるのだということを教えてあげたいような気分だ。  
Pyaar Mein Twist

監督:Hriday Shetty

Rishi Kapoor, Dimple Kapadia
お互いの伴侶を亡くしたヤシュとシータル。偶然の出会い、そして静かに恋に落ちていく。しかし両家の子供たちは二人の恋愛を快く思わなかった。そこで二人は家族に内緒で友人の別荘にかけおちのようにして行ってしまう。

大人の恋愛は若い頃より難しい

ちょっとイイ感じの大人の恋物語。弾けるような感情はないものの、しっとりと落ち着いた中に心のときめきが感じられる。男性は中年太りになり、女性も美しいけれどしわも増え、でもこんな年のとり方は素敵だなと思わせるのは2人のベテラン俳優の演技力のたまものだろう。

お互いのパートナーを亡くし、大切に育ててきた子供も大人になり、独立した。昔のインド映画であれば未亡人は白い衣装に身をまとい、一生を亡き夫の面影を抱いて生きていくのだが、人生は長くなった。第二の人生を楽みたいと思ったって不思議じゃない。

ただ、年を重ねるにつれてしがらみも多くなる。そして皮肉なことに子供たちが一番のネックになってくる。日本でも結婚するときに「世間体」という実態のないものが時として足かせになってくるが、インドの社会ではさらに大きな問題となってくる。

ハリウッドなんかだと大人のラブ・ストーリーはとっくにポピュラーなものになっているが、インド映画でこうした題材を扱った作品はあまりなかったような気がする。そういう意味では新鮮だった。中高年の恋愛は1歩間違えば泥臭くなりがちなテーマだが、全体的にきれいにまとまっており、おしゃれな感じすらする。

これはもっぱらディンパル・カパーディヤによるところが大きいだろう。インドの女性は年をとるとどうしても「おっかさん」になってしまうが、彼女の場合は女性が憧れるような年のとり方をしている。

上映時間が2時間ということで、もしかしたら海外マーケットを意識していたのかもしれない。この作品を観たのは日本からインドへ向かう飛行機の中だった。しかし海外を狙うには熟年恋愛というテーマでは後発すぎるし、とりたてて筋に目を引くものがあるわけではない。インドの伝統や風習を背景として初めてこの作品の面白さが理解できるのかもしれない。  
Shabd

監督:Leena Yadav

サンジャイ・ダット,アイシュワリヤ・ラーイ,ザイード・カーン
小説家のシャウカトは大ヒット作を生み出すも、その後の2年間不振にあえいでいた。「リアルでない」という批評家の意見に彼は教師として働く妻のアンタラを同じ学校に赴任してきた年下の男性教師と仲良くするように仕向け、その様子を小説につづっていこうとする。

妻の不倫が自分の仕事へのエクスタシーになるエロティックな話

タイトルのShabdとは言葉という意味。語りのシーンが多いので、字幕がなければつらかったかもしれない。

まずはサンジャイ・ダットの演技力に感心させられた。彼はハードボイルド系が一番似合っていると思うが、『Munnabhai M.B.B.S.』に代表されるようなコメディもうまいし、今回の作品や『Parineeta』などでの今風に言えば「ちょい悪オヤジ」な大人の男の色気を感じさせるような役柄もはまる。そこいらの若造俳優なんかには到底真似のできない実績と経験と演技力がある。精力的に幅広く多くの作品に出演しているのも好感がもてる。ちなみに実際に彼に会ったことがある友人の話によると、とても優しくて紳士だったそうだ。

それからアイシュワリア・ラーイの美しさ。もちろん元がいいのは言うまでもないが、この作品についていえば、カメラワークがうまくて彼女の美しさを最大限に引き出していた。加えて小説の中の女性タマンナとして登場するときの妖しげなメークがまたすごくいい。と思って調べてみたらこのメーキャップアーチストのMickey Contractorという人はそうそうたる作品を担当していた。アイシュは瞳も美しいが、上唇がとてもセクシーだと思う。

ただ一つ残念だったのはザイード・カーンは決して悪い演技ではなかったのだが、アイシュの相手役としては役不足だった。小説の中のリアルを求めるという設定なのであれば、個人的には是非現実でアイシュの元恋人だったヴィヴェーク・オベロイにやってもらいたかったところだ。

現実と虚構の狭間で妻の浮気を助長させていくという設定はとてもエロティックであるが、こういうのはインド人にはあまりウケないだろうなとも思った。  
Shikhar

監督:John Mathew Matthan

Ajay Devgan, Shahid Kapoor, Bipasha Basu, Amrita Rao
*インドのとある風光明媚な場所でジャイの父は自給自足の理想的な村を築いていた。ジャイはやり手の実業家GGに影響され次第に考えが変わってくる。GGはャイに成金的ビジネスサクセスの手引きをし、ジャイもだんだんとその世界に染まっていく。いい車、いい酒、いい女・・・タイトルのShikharとは頂点、トップといった意味。それを悲しげに見守る幼なじみの彼女。しかしある貧しい村の村人に偶然助けらたジャイはその村の実態に嘆き、これまでの拝金主義的な考えが変わっていった。

Shahid Kapoorに一目ぼれ


インド旅行中にデリーで観た作品。ゆえにちょっと思い入れが強い作品となった。

ストーリー的にはお金じゃないよ、人の心とインドの伝統が大事だよという古典的なものだ。
しかしこの映画の何がよかったかと言えば、アジャイの渋さとシャーヒドのさわやかさにつきる。シャーヒドの作品は今回始めて観たが、清潔感ある笑顔と顔に似合わぬ?筋肉質の体、そしてダンスのうまさにすっかりファンになってしまった。富と権力の世界に足を踏み入れていき、その華やかさに心奪われプチ成り上がり風に振舞うもどこかサマにならず、正義感を失わなかったという役柄も合っていた。
伝統を重んじる幼なじみの彼女や友人が、照れながら現代風の格好をして海外でもインド式にふるまうところもかわいかった。

特別ヒットしたわけではないが、個人的には気に入ってしまった。後日DVDを購入して改めて観て見たが、確かに大ヒットするような映画ではないかもしれないが、ストーリー的にそう悪くもなく、佳作の印象を受けた。こういう社会派の映画も悪くはない。

ジョン・アブラハムがジョンとして友情出演するオマケつき。
Vaada

監督:Satish Kaushik

アルジュン・ランパール,ザイード・カーン,
アミーシャ・パーテル 
*結婚後事故で目が見えなくなってしまったものの、ラフルは妻のプジャと愛のある生活を送っていた。しかしある朝プジャが自殺してしまう。自殺?他殺?そしてその理由は?親友のカランとプジャとの関係は?

アルジュンの火曜サスペンス劇場

なかなか面白いサスペンスだった。巧妙なトリックが仕掛けられている作品はその手法に驚かされひきつけられる。しかし「おいおい、そりゃぁないだろう」といった単純な罠も火曜サスペンス劇場のように面白がって観ることができる。しかも最後まで結論がわからなかったので楽しめた。

ザイード・カーンは『Main Hoon Na』での役があまりにもハマリ役だったためその後が心配だったが、ここではストーカーじみた役をうまくこなしていた。

アクションシーンがいまいちだったのは残念。確かにアルジュンの動きは重い。インドの若手俳優でアクションシーンがキマらないというのは本当にいただけない。しかしそれをカバーするのがカメラマンの腕というものではないか?なんかへんな風に空を飛んだりして「ここは笑かすシーンなのか?」としばし考えた。

最近のインド映画は無茶なワイヤーアクションシーンが目立つ。「そこまで飛ばなくてもいいよ」と思うのだが、例えばラジニ作品なんかだとそれがまたひとつの醍醐味であったりもするが。

ミュージカルシーンについては特筆すべきことはなし。
またタイトルの「Vaada」とは‘約束’の意味。誰の、何に対する約束かはラストで明らかにされる。
Vaah! Life Ho Toh Aisi

監督:Mahesh Manjrekar

Sanjay Dutt, Shahid Kapoor, Amrita Rao, Sushasini Mulay
アディは大家族で楽しく暮らしていた。そこには死んだ兄夫婦が残した子供たちも含まれていた。しかしある日アディは交通事故に遭って死んでしまい、気がつくとヤームラージが運転する天国に向かう車に乗っていた。天から見下ろすとアディの死後、家は危機にさらされていた。ヤームラージの温情でパワーをつけた透明人間として1週間だけ地上に戻ることが許された。

ファンタジーなおとぎ話はファミリー向け

インド、デリーにて観た作品。写真はポスターではなく、映画館の垂れ幕。大きい。

死んだはずのアディが不思議な力を持った透明人間として家を乗っ取ろうとする悪者をやっつける話。大勢の子供たちや彼女も巻き込んで大騒ぎ。本来天国への道案内をするヤームラージが人情もろい上、酒の味を覚えてこれまた大変・・・。全般的にファミリー向けな作品。CGも子供っぽくはあるが、そんなに悪くはなかった。実際家族で観に来ている人も多かった。

音楽は♪てりやーどやー、てり宿屋♪とすぐに口ずさめる「Teri Yaad Yaar」がよかった。テレビでもよく流れていて、隣の席の少女も一緒に歌っていた。またサンジャイ・ダットのヒット作『Munnabhai M.B.B.S.』のパロディーなど小ワザも効いている。

シャーヒド・カプールは体操のお兄さんのようなさわやかイメージが強いので、今後どのように役柄の幅を広げていくか興味深いところだが、アイドルの命は短いからこそ、今のはつらつさとした演技を大切にしてほしいと思う。