ボリウッド・ベスト特集

(香水のポスターより)

シャー・ルク・カーンとは誰なのか?

1965年11月2日生まれ、現在42歳。既婚。一男一女の父。
1988年のテレビデビュー後、活躍の場を映画に移す。
アンチヒーロー役の好演で脚光を浴び、
『Dilwale Dulhania Le Jayenge』(通称DDLJ)のスーパーヒットでボリウッドでの地位を確固たるものとする。
なおDDLJは1995年公開後、記録的なロングラン作品となり、
この作品を知らないインド人はいないのではないかと思われるほどである。
その後も数多くの大ヒット作品を生み出し、“キング・オブ・ボリウッド”、“キング・カーン”と呼ばれる。
インド国内で最も権威ある映画賞のFILMFARE賞では7度の最優秀男優賞を受賞している。

シャー・ルク・カーンの人気はインドにとどまらず、インド映画が上映されている近隣諸国、在インド人が多いイギリス、アメリカなどでも彼の名は知られるところである。
もちろん、密かに日本でも彼のファンは多い。
シャー・ルク・カーンの魅力

かっこいい。
しかし、いわゆる端整な顔立ちの二枚目というのともちょっと違う。
老若男女男女、あらゆる層で人気がある。
なぜにこれほどまでに彼がスーパーヒーローであり続けるのか?
それはやはり彼の演技力、内から輝きだす彼自身の魅力たる所以だろう。

悪役をやってもなぜか憎めない、
早口でまくしたてる独自のスタイル、
戦いのシーンでは殴られまくって血まみれになり、
悲しみのシーンでは瞳をうるわせ大粒の涙を流す。

どんな役を演じても、彼が演じるとキャラクターが活き活きと輝く。
その輝きに観客は引き込まれ、自然に彼の気持ちと同化できてしまう。
これは小手先の演技のテクニックというものではない。
シャー・ルク・カーンという俳優は役柄に自分を重ね合わせて
その役柄の魅力を最大限に引き出すのが抜群にうまいのだろう。

女性から見たシャー・ルク・カーン

一番のお得意とするキャラクターは
ちょっと悪びれていていつも冗談ばかり言う、でも根は純粋な二枚目半。
これは女性なら一度は胸をときめかせたことがあるような、少女漫画的ヒーロー像でもある。

ほぼ同年代でボリウッドを牽引してた俳優にアーミル・カーン、サルマン・カーンという俳優がいる。
いずれも現在も大活躍する俳優である。
優等生的なアーミル・カーン、ちょっと浮気しちゃいそうなサルマン・カーン、
その中でシャー・ルク・カーンは「憎まれ口たたいても私だけを見ていてくれそう・・・」
と多くの女性を勘違いさせる魅力にあふれている。

そんな彼も中年の域に入っている。
若くて勢いのあるロマンティック・ヒーローから
人生の年輪を重ねてきた大人の男へと役柄は変化しつつある。
時に良き父、時にちょっとアブナイ男、様々な顔をファンに見せてくれる。
彼の魅力はあせることなく、今も輝き続けている。

(3枚とも2001年来日時。一番上は頂き物生写真、下2枚は管理人撮影)

ボリウッド・ベストの見所

(ポストカード撮影)

私が考えるインド映画の3大テーマは「」「家族」「愛国心」。
どの作品も様々な要素が込められているのがインド映画の特徴であるが、
『たとえ明日が来なくても』では主に「愛」を。
『家族の四季』では「家族」が。
『DON』のようなサスペンスはインド映画としては比較的珍しいが、
こうした作品も最近は増えつつあり、そういう意味では新しい。

3本とも是非時間があれば観ていただきたいが、
時間がない人、どれを観てよいかわからない人のためにここで簡単に私なりの作品紹介。

インド映画初心者、男性向け、アクション好きなら
『ドン/過去を消された男』(原題:Don)2006年,168分 オフィシャルサイト

全体的にハリウッド的な作りとなっており、
インド映画に馴染みがない人でも比較的違和感なく観ることができると思う。

シャー・ルク・カーンは久しく演じていなかった悪役を演じる一方で、
インド映画に大変多い一人二役(ダブルロール)で
彼の持ち味の人のいい役柄も演じており、一度で二度楽しめる。

男性向けとしたのはハードボイルド的であることもさることながら、
現在インドで大人気の女優の登場がある。
カリーナ・カプールはシャー・ルク・カーンをセクシーダンスで誘惑し、
元ミスワールドのプリヤンカー・チョープラーは全身のラインが出まくる衣装や
峰不二子ばりのアクションでキメル(おそらく吹き替えであるが)。
押切もえ似?の彼女は日本でも人気がでるかも。
女性ならアルジュンという元モデルの男優のイケメンさにも注目。

女性向けラブストーリー、今時のインド映画の完成形
『たとえ明日が来なくても』(Kal Ho Naa Ho)2003年,186分 オフィシャルサイト

世界各地に住むインド人を多少ならずとも意識して
海外ロケをする作品が最近とても増えてきている。
この作品の舞台はニューヨーク。そこに住むインド人たちの物語。

韓流の美しいラブ・ストーリーに多くの女性が魅了されたが、
軽快で、コミカルで、でもちょっとせつなくなるラブストーリーはインド映画の真骨頂。
人を好きになること、こうしたテーマをストレートに描いており、直球で胸に響く。

この映画の見所のひとつは完成度が大変高いミュージカルシーン。
「インド映画はストーリーと関係なく急に踊りだす」と若干揶揄的に言われてきたが、
このミージュカルシーンは入り方もきれいだし、何よりも音楽、振り付けがすばらしい。
インド的色使いを駆使した衣装にも注目。
インド映画の楽しみのひとつは世界に類なきこうしたミージュカルシーンを見ることにもある。
個人的には今回の3本の中で一番お気に入りの作品。

超豪華キャスト、ディープにどっぷりとインド映画に浸る
『家族の四季/愛すれど遠く離れて』(Kabhi Khushi Kabhie Gham...)2001年,210分

インド映画のエッセンスがつまった大変インド映画らしい作品はたっぷりと3時間半。
おそらく今後この顔ぶれはもう揃わないのではないかと思われるほどの超豪華キャスト。
特に父親役を演じるアミターブ・バッチャンは若かりし頃から現在に至るまで国民的大スター。
圧倒的な存在感に注目。

キャストも豪華ならロケも豪華。
舞台となるインドはデリーの下町やイギリス、
そして1つのミュージカルシーンを撮影するだけでエジプト、ピラミッドでのロケなど。

出だしのお城のような邸宅にシャー・ルク・カーンがヘリの乗りつけるシーンをはじめ、
豪華絢爛のミュージカルシーンなど、インド映画のド派手さを象徴していて面白い。

しかしその一方でテーマはシンプルに日本人にも通じる家族の絆。
家族の関係が希薄になりつつある日本人に、もう一度家族というものを考えさせられる。
まばゆい映像と心に染みるストーリーでインド映画の世界に引き込まれる。


いずれも大ヒットした作品である。
作られた年度、作品のタイプ、シャー・ルク・カーンの役柄…
今回、こうしたバラエティー豊かなインド映画が、日本では一般公開される機会が非常に少ない現状で、
まとめて観られることができるのはとても貴重だ。

インド映画ファンに限らず、これまでインド映画を観たことがなかった多くの人に
この機会に是非触れてほしいと思う。

そしてインド映画に興味が出てきた方は当サイト
「インド映画通信」にまた遊びに来て下さいね♪


(ご参考)
日本で公開されたシャー・ルク・カーン主演作品


一般公開(映画祭公開含む)
(写真は所有しているパンフレット、チラシ及びチケット)

Raju Ban Gaya Gentleman(ラジュー出世する)
1992年/日本公開1997年
・・・記念すべきシャー・ルク・カーン日本初一般公開作品。
が、まだ日本でインド映画が認知されていなかった。



Dilwale Dulhania Le Jayenge(シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦)1995年/日本公開1999年
・・・インドでのスーパーヒットも日本ではいまいち。タイトルが作品のイメージと合わなかったとの評判もあった。



Anjaam(アシュラ)1994年/日本公開2000年
・・・どろどろ系の映画。なぜにこの作品を選んで日本に持ってきたのか不明。
当時離婚でもめていた沢田亜矢子さんがなぜか応援団長に。

Dil Se..(ディル・セ 心から)1998年/日本公開2000年
・・・名監督の作品だが、日本ではなじみにくいテーマ(部族によるテロ)だったかも。

映画祭公開
Kabhi Haan Kabhi Naa
Karan Arjun
Yes Boss
Kuch Kuch Hota Hai
Asoka
Kabhi Alvida Naa Kehna

テレビ放映
Koyla
Devdas

いくつもの大ヒットを生み出したジュヒー・チャウラーと(2001年来日時。左:頂き物生写真、右:管理人撮影)


『家族の四季』主演女優カージョル1998年来日時(管理人撮影)