病気・薬について
高インスリン血性低血糖症ジアゾキサイド(diazoxide)についての簡単な説明です。
この疾患は非常に稀なため、情報量も極端に少なく、得られる情報がほとんどない状態です。
また最近になって解明されつつある疾患のため、名称なども統一していないように思われます。
こちらでは一般的な説明を掲載致しますが、担当医師より詳しく説明を受ける事をお勧めします。


高インスリン血性低血糖症  こういんすりんけっせいていけっとうしょう
『高インスリン血性低血糖症』とは、様々な理由により、すい臓内で過剰なインスリンが分泌され、低血糖を引き起こす病気です。 低血糖症の多くは、生まれて間もない新生児から1歳未満児に発症し、血糖値は常時50以下を示します。  多くの場合、症状として低血糖によるけいれん発作があり、早期に適切な治療が行われないと、永続的な脳障害を残す危険がある重篤な疾患です。 そのため早期発見、早期治療する事が、治療予後にも非常に重要になります。

生まれて間もない新生児では、必ず検査にて血糖値の測定をするので、早期に診断がつくケースが多いです。 しかし、その後の発症の場合は、けいれん症状を伴うので、てんかんや他の病気と診断される例が非常に多く、 てんかん治療薬が長期間投与された例も多く報告されています。
ある資料には「説明のつかない意識障害またはけいれん発作のあるあらゆる患者に対して、直ちに血糖検査を行うべきである」と記載されており、 今後このような状態の患者さんに対して、少しでも早い対処を望みます。

診断の内訳として、ロイシン過敏性低血糖症、膵島細胞腫、特発性低血糖症などの病名がありますが、 最近では『高インスリン血性低血糖症』としてひとまとめにし、その中でさらに細かい病名に分かれるようです。 また『高インスリン血症(けっしょう)』という名称を使っている場合もありますが、 稲穂の会では『高インスリン血性(けっせい)』という名称で統一していきたいと思います。
国内未承認薬 ジアゾキサイド(diazoxide)  こくないみしょうにんやく じあぞきさいど
低血糖症の有効な治療薬として『ジアゾキサイド(diazoxide)』があり、その効果は確実なものとして認められています。 現在30数ヶ国で販売され、海外では低血糖の確実な治療薬として広く認知され使用されていますが、 日本はこの流れに乗り遅れる形となり、厚生労働省は「承認薬」として認めず、未承認薬のままで今に至っています。 簡単に言うと、ジアゾキサイドは「日本で使えない薬」なのです。

ジアゾキサイドが国内において承認されていない事情から、 医師から説明を受けた患者さん本人やご家族の方が「危険な薬かもしれない…」と誤解し、 服用を受け入れない(受け入れられない)ケースも見られます。
また、未承認薬を服用するためには、倫理審査委員会の許可が必要になります。 その審査は、申請から一ヶ月以上もかかる事があり、早期発見、早期治療が重要である低血糖症児を目の前にしながら、 治療のための薬を使用できないという非常に矛盾した事態になり、治療が遅れるケースがあるというのが現状です。 その間患者さんは、24時間点滴で血糖値を保ったり、入院が長引いたり、ご自身やご家族にとって、心身共に厳しい状況にならざるを得ません。

このように、厚生労働省が認めないジアゾキサイドの現状は非常に厳しいものです。
しかし、ジアゾキサイドは、教科書的にも第一選択薬として認められており、治療薬とし て非常に有効で、重大な副作用も見られない薬です。 稲穂の会では、国内における早期の承認を強く希望し、厚生労働省に承認化を求めて活動して行きたいと思っています。


追記:
ジアゾキサイドは、全ての病状に必ず効果があるとは限りません。風邪薬と同じように「効く」人もいれば「効かない」人もいます。
実際、会の中でも薬が効き、飲み続けているお子さんもいますし、全く効果が出ず、他の治療方法に変更したお子さんもいます。
必ず主治医の先生から説明を受けてご相談の上、お子様の病状にあった治療方法をお探し下さい。