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 お酒の科学   アルコール発酵
と発泡
 日本酒と米   焼酎の雑学   気体と液体の界面
における発泡
「お酒の科学」
  甘酒と日本酒は原料が同じである。前に、このページで「酒ができるまで」を紹介したが、 もう一度「甘酒」と「手作りの日本酒」を科学的に考えてみよう。 酒はどの酒でも、砂糖またはぶどう糖を酵母菌でエチルアルコールに変換することでつくられます。日本酒で代表される穀物の酒は、 先ずデンプンを糖化して糖にしなければなりませんが、この糖化は日本酒の場合は麹菌にやらせます。甘酒はデンプンを糖化したものです。 ビールやウイスキーは麦芽にやらせています。そして酵母の力でアルコール発酵が行われます。
  この発酵時に発泡しますが、ときにはこの泡を制御する必要があります。 ぶどう酒は糖化と発酵の工程が分かれているので単式発酵、酒やビールは糖化と発酵を同時に行うので複式発酵と区別されています。 糖分が多くなると浸透圧が高くなり、酵母が弱ってしまいますが、複式発酵では糖の濃度が極端に高くならずバランスよく進行します。

 1.甘酒

◎甘酒とは
  一夜酒(ひとよざけ)とも言います。「一夜酒とは、今日造れば明日は供するものなり、一夜をへだつる竹葉の 酒なれば一夜酒と申すなり・・・・」と数時間でおいしい甘酒ができます。 米麹とご飯を等量まぜ、約一昼夜55℃前後に放置すると甘酒になります。これは米麹が持っているアミラーゼ(糖化酵素)が働いてご飯の デンプンを糖化し、甘くなります。この原料の配合はさまざまで、米麹とご飯を等量まぜるのは「かた造り」、 米麹とご飯の全量の半分から等量の湯を加えて造れば「うす造り」となります。 「早造り」は米麹と等量か、倍量の湯を加え、ご飯を加えない造り方です。 「うす造り」で約5〜6時間、「早造り」では4時間の糖化時間が必要で、温度は55〜60℃に保つことが コツとされています。糖化が終わったら90℃以上に温度を上げて酵素を失活しておくことが必要です。 飲むときは甘味に応じて適量に湯でうすめ、また少量の食塩、しょうがなどを加えると甘味が引き 立ちます。甘酒の成分はその造り方でさまざまですが。糖分は20〜30%になります。

☆「今度、一杯やりましょう」という便利な言葉

  日本人はあいさつ代わりに、「今度、一杯やりましょう」とよく言う。本当に飲む気が なくても、いわれれば悪い気はしない。いう方も約束していないし、いわれる側も約束を守らないと 怒る人もいないだろう。度々使われると「なんだ!」という気にもなるが、この「一杯やる」という感覚は 酒を飲むことで、「互いの連帯意識を確認する」ということもあって良いことだ。時には酒を飲むと性格が変わり、 喧嘩をする奴もいるが、酒には人と人の間をスムースにする効用がありそうだ。あなたはこの言葉を頻繁に使って いますか。
  ところで、マレーシアに滞在していた時に経験したことであるが、中国系 マレーシア人はよく「今度、一緒に食事しましょう」という。単身赴任なので、当てにして いてもその後お声がかからない。そこで思い出したのがこの「一杯・・・」で、どこの国にも便利な言葉があることを 知った。

☆清酒メーカーは地球温暖化防止に知恵を(アルコール発酵と炭酸ガス)

  「発酵」と人類の泡とのつきあいで最も古いものの一つは、酒造りであったといわれて います。古今東西、ほとんどの世界で酒は人びとと共にあったようです。土器に入れておいた果実の ジュースや蜂蜜がすっぱくなってまずくなってしまうこともあったが、あるものはさかんに泡だって いて、これを飲むと何ともいえないいい気分になりました。これがお酒であったのです。 果汁などがアルコールに変わることを「発酵」といいます。「発酵」はfermentationの訳ですが、 酒ができるとき盛んに泡がもりあがる現象をさしていました。
  日本酒、つまり清酒の原料は念入りに精米した米とおいしい水、それと米麹です。 酒ができる発酵はアルコール発酵ですが、酵母という微生物による複雑な生化学的な反応で進みます。 つきつめれば、次のようになります。

ブドウ糖(1分子) → エチルアルコール(2分子)+炭酸ガス(2分子)
  ブドウ糖は一番単純な糖で、生命現象のエネルギー運搬で重要な役割をします。動物では血液中に、植物ならば果実などに大量に含まれています。 日本酒の原料である米のような穀物にはブドウ糖が無数に結合したデンプンというかたちで貯蔵されていて、 これをいったん米麹で糖に分解したあと発酵させます。エチルアルコールができるとき必ず二酸化炭素(炭酸ガス)が発生し、 それが微少な気泡となってもろみを泡立たせます。これはあらゆる酒づくりに共通する原理ですが、 日本酒1.8リットルができるときに発生する炭酸ガスの容積は、約100リットルに達します。
☆酒は百薬の長か<上手な酒の飲み方>
  日本酒やビールに含まれるエチルアルコールは、立派な栄養源です。ご飯やウドンの 澱粉はさまざまな消化酵素で分解され、最終的にはブドウ糖になります。このブドウ糖は小腸内壁の粘膜 から血液中に吸収されます。しかし、アルコールは胃の粘膜から速やかに血液中に入るので、なによりも てっとりばやく体のためになります。胃壁からのアルコールの吸収能率がよいと、速やかに血液中のアルコール 濃度がふえて酔ってしまう。反対に、吸収が遅くアルコールの分解の速い人は血液中のアルコール濃度 高くならないから多量に飲んでも酔うことはありません。すなわち、めっぽう酒に強いということです。 したがって、酒の上手な飲み方は、充分な脂肪や蛋白質と一緒につまみながら、胃からのアルコールの 吸収速度を遅らせることです。

 2.日本酒の手作りに挑戦しよう

◎手作りの科学
  酒はつね日頃口にするものであり、催事や儀式の折など必ずといっていいほど登場するなど、 日本の食生活、生活習慣に溶け込んでいる飲み物です。また最近は手作りの味、自分だけのものが 流行していてわが家の酒の味はどうでしょうか。 本物の酒とはどれか、酒にこだわる人ならば一度チャレンジしてみたいものです。私もいずれ挑戦した いと考えていますが、酒税法という法律がありますので、注意しなければなりません。できた手作 り品は体に悪いようなものではありませんが、くれぐれも飲み過ぎないように。口当たりがいいので、 ついつい飲み過ぎるとあとから猛烈に利いてきます。

☆手の「ふるえ」と酒

  酒席でとっくりでお酌をしたり、さかずきでお酌を受けるときに手がブルブルとふるえる 人を見かけることがある。この原因を酒の飲み過ぎによるものと誤解している人が多いので、悩める 酒飲みの名誉のためにも一言ふれておこう。この「ふるえ」は緊張によるもので、ふるえ以外にはなんの 症状もない「本態性振戦」という一種の病気だそうだ。初対面の名刺を交換するときの手のふるえ、挨拶で マイクを持つ手がふるえるのも同じ病気である。高齢になるほど多いらしい。
  ところで、この「ふるえ」を緩和する妙薬があるのをご存知だろうか。なんとアルコールである。 アルコールによって緊張がやわらぐためである。
アメリカでは、second cocktail effect(2杯目のカクテル の効果)といって手のふるえる患者の治療に飲酒をすすめている医師もいるようだ。
酒席での手のふるえに悩んでおられるむきには、とりあえず「駆けつけ三杯」を試されてはどうだろうか。 ただし飲み過ぎはいけませんぞ。
  緊張による「ふるえ」のしくみは次のようだ。 緊張や興奮などの精神的ストレスは脳の活動を活発にし、副腎髄質というところからアドレナリンが たくさん分泌される。ホルモンの一つであるこのアドレナリンは心身の緊張を高める交感神経のはたらきを 活発にし、血管を収縮させたり、心臓の動きを激しくするほか、筋肉を収縮させる作用もある。その結果、 骨と骨をつないでいる関節を動かす筋肉が一定のリズムで収縮を繰り返すので、自分の意志とは関係なく 関節が動いてしまう。これが「ふるえ」となって現れるのです。 (柳澤信夫、気になる「ふるえ」がわかる本)

 3.酒造りの原則

  デンプンに麹菌を加える⇒分解(糖化)されて糖ができる⇒この糖に酵母菌を働かせると発酵してアルコールがでます。要するに酒つくりとは、麹菌と酵母菌の共同作業です。

(1) 酒 母

先ず、よく洗った米3升を桶に入れ、水3升を加えて3日ほど漬けておきます。 そのとき、茶碗二杯ほどのご飯をきれいな布袋に入れて一緒に浸します。1日1回ほどかき回し、 布袋をしごきます。3日もすれば、甘い発酵臭(酒の臭い)がします。この酒の臭いがしてきた水が モト(酒母、要するに酒の素)で、秋田ではこれを「くされモト」といっています。すなわち空気中 の酵母菌が水の中で培養されものです。

(2) 本仕込み

米をザルに揚げて、かために蒸したあと30〜35℃に冷やし2升の麹を加えてよく混ぜます。これを桶またはカメに入れて、先の「くされモト」を加え、新聞紙でフタをしてゴミが入らないようにします。 3日くらいから発酵が始まるので攪拌して水加減をみます。水の量は米の上に上がらない程度とします。 10日もすれば待望の「手作り品」が完成します。5、6日頃から味わってみると、初めは甘く、だんだん 辛くなってきます。その辛みがとまれば完成です。 パン用の生イースト菌をモトとして使ってもよく、 このやり方はモトをつくる手間がないので最も簡単な方法です。
(3) 失敗しないコツ
@ 容器は材質を問わないが、念入りに洗い熱湯で滅菌しておきます。
A 発酵を続けているときは、多く飲むことは禁物。ほんの初めは甘酒と同じだからいくらでも 飲めますが、胃のなかでも発酵するので後利きをします。
B もろみの入ったものもよいが、布袋や和紙で濾すと清酒のようなきれいな酒ができます。
(参考資料:酒をつくる 山田陽一、ドブロクをつくろう 前田俊彦)
ほどほどに!
原料米     山田錦   岡山、兵庫(粒が大きい)    
    五百万石   北陸 (大量に使用する)
精 米    精 米   20〜30%カット
   アルコール度        吟醸酒   濃度16度、精米60%
    純米酒   アルコールを添加する
甘 口    糖 分   多い
   アルコール       少ない
★日本酒と米(原料による名称)
(1) 米・米麹(こめこうじ)
(2) 米・米麹・醸造用アルコール
(3) 米・米麹・醸造用アルコール・醸造用糖類

   (1)に属する米と米麹だけでつくられた日本酒は、いわゆる「純米酒」で日本酒の 全生産量の2%にも満たない数量だといわれている。すなわち、市販されている日本酒のほとんどが (2)と(3)に属する酒で、エチルアルコールが添加された安酒である。 (1)の米と米麹と水で造りだされる「純米酒」は、原料とする白米1sから2.2gしかできない。すなわち、 白米1dから2,200g、紙パック1,100本できる勘定だ。ところが (2)に属する酒には、白米1dあたり100%の純アルコール換算で280gという酒税法の限度いっぱいの エチルアルコールを加えたものまでいろいろあります。「本醸造」、「本造り」は、アルコール添加量が 白米1d当たり120g以下のものに限られています。
   (3)のグループに属するのが問題の酒で、コストダウンするためにブドウ糖や水飴 などの醸造用糖類を使っている。この酒は原料白米1sから6.7gほどの清酒をつくりだす、いわゆる 「3倍増醸清酒」と言われる酒で、一般には(2)の酒とブレンドされて市場に出ているようだ。次に吟醸酒、 純米酒、本醸造酒の区別を分かりやすく説明しておこう。
【吟醸酒】精米歩合60%以下の米とこうじ、醸造アルコールが原料。固有の香味と光沢が持ち味で、大吟醸酒は 精米歩合50%以下のものが用いられる。
【純米酒】醸造アルコールを用いず、米と米こうじだけで造る。純米吟醸酒は精米歩合60%以下、純米大吟醸酒は 同50%以下。
【本醸造酒】精米歩合70%以下の米とこうじ、醸造アルコールが原料。少量のアルコールで適度に味を調整して いるので、冷や酒でも燗でもうまい酒が多い。
酒の「甘口」と「辛口」
   日本酒の「甘口」「辛口」の分け方は、水と比べて比重が大きいか、小さいかを測った ものです。当分が多いと比重が大きいので甘口、糖分が少ないと小さいので辛口とされています。
★「酒の涙」を観測しよう
   寒い冬の夜に、コップで熱燗を一杯やるのはいいものです。この時コップの内側に水滴ができ、 やがてこれが静かに落ちていくのが「酒の涙」といわれる現象で、経験された方も多いと思います。コップの内壁を 這い上がった酒の薄膜表面からアルコールが蒸発します。そして薄膜の先端部ほどアルコール濃度が低下するので、 その部分の表面張力が大きくなります。このように薄膜の表面上に表面張力の差ができると、表面張力の大きい部分に向かって 表面の液体が引き寄せられ、その影響で表面以外の液体も重力に逆らって上向きに流れます。ある高さで流れは停止しますが、 この部分はコップの円周方向に多数の液滴に分裂し、液体がたまって重くなった液滴は涙のように下方に流れます。
  アルコールは水の表面張力を下げる作用があります。そしてアルコールの濃度や温度分布によって液体の 表面張力の不均一分布による対流が起こるためで、これを「マランゴニー対流(密度差対流)」といいます。
 表面張力を利用したおもちゃに樟脳船があります。
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 焼酎うんちく

乾杯だ! (1)焼酎のルーツ
  焼酎は日本固有の蒸留酒ですが、酒を蒸留してアルコールをとることは中世の錬金術の 産物といわれています。この蒸留酒が日本に入ってきたのは諸説がありますが、中東やインドから中国、 沖縄を経由して16世紀頃に九州に伝わったとされています。
(2)焼酎の産地と原料
  焼酎の原料は地方により特色があり、沖縄と熊本県球磨地方では米、鹿児島県、宮崎県、 八丈島ではサツマイモ、大分ではムギが有名ですが、最近は宮崎の高千穂地方ではソバも使われて います。沖縄にはサトウキビからつくった黒糖焼酎もあります。
(3)甲、乙の雑学
  あなたはどんな焼酎をお飲みですか。焼酎は酒税法によって、甲類と乙類に分けられて います。甲類とは、いわゆるホワイトリカーなどと呼ばれるもので、工業的に大量生産されたエチルアルコール を水で薄めた焼酎です。すなわエタノールの25%水溶液です。これ以外の九州を中心に長い歴史を持つ コメ、ムギ、イモ、ソバの焼酎や今でもつくられている清酒の副産物である粕取り焼酎が乙類です。 また甲類は連続蒸留器で、乙類は単式蒸留器でつくる区別の方法もあります。
  甲類焼酎が登場したのは明治時代の末で、飲用目的ではなく生産されたアルコールの処分法 として「新式焼酎」の名で売り出されたのが始まりとされています。一方、昔ながらの九州の焼酎は、 コメ、ムギ、イモなど原料の違いがあるが、すべて麹をねかせもろみを蒸留してつくられています。 最近は甲類の焼酎に少量の乙類を混合して風味を良くしているものがあります。
  焼酎のおいしい飲み方は、お湯割りにすると、原料の香りと風味が増し、味わいが一層 引き立ちます。器にお湯を入れ、後から焼酎を加えるのが香り高いお湯割りを作るコツとか。また陶器製 の酒器で飲むのがお薦めらしい。
◎泡盛 琉球諸島の特産焼酎。製法はタイ国から伝えられてという。タイ産の砕米を原料とし、その 蒸米に「あわもり麹菌」という麹菌を殖やして麹を造る。泡盛の特色は、原料米全部を麹にして仕込む ことにある。したがって味も濃く、個性が強い。麹米100sに水130〜140リットルを加えてもろみとし、20〜30℃、 10日間ほど半分くらい地中にうめたカメで発酵させ、蒸留する。
◎黒糖焼酎  鹿児島と琉球の間にある奄美諸島の特産。奄美島にできる砂糖きびの搾り汁を濃縮した黒糖を原料に している。黒糖原料の特有の香気(ラムと共通の香)がある焼酎のようだ。まず米麹(泡盛 と共通の黒麹菌)と水で一次もろみを造り、熟成したところへ黒糖液を加えて発酵させ、単式蒸留器で 蒸留すえう。
◎いも焼酎 鹿児島県、宮崎県南部、伊豆七島が主産地。麦焼酎とともに代表的な乙類焼酎。製造は 米麹でイモの澱粉を糖化させ、発酵蒸留したものである。焼酎はふかしいものような特有の香りと柔らかい 甘みをもっている。一次もろみは米麹と水とで仕込む。二次仕込みのときに蒸したイモをかける。10〜 15日間くらい熟成して蒸留する。
◎麦焼酎 長崎県壱岐島の特産、大分でも造られている。丸麦または押麦を原料にしている。これらの 麦は十分吸水させてから蒸す。先ず米麹と蒸米とで酒母(一次もろみ)を造り、次いで米麹と蒸し麦を仕込む。 この焼酎は麦こがし様の芳香をもっている。
◎そば焼酎 宮崎県高千穂地方のそばを用いた特産品。この地方ではひえ、あわなどの焼酎も造っている。
◎球磨焼酎 熊本県南部の球磨郡、人吉市付近の特産品。原料は米で、米麹と蒸し米と水で もろみをつくり蒸留する。
(4)本格的な焼酎の飲み方
黒ぢょか   焼酎はお湯割り・水割り・ストレート・ロック等、様々な飲み方で楽しまれている。 焼酎の本場鹿児島では、焼酎の一番ポピュラーな飲み方はろくよん(焼酎:お湯 = 6:4)と言われていているが、焼酎の全国的な普及に伴い飲み方も多様化され、 飲む人の好みに合わせて様々な割合・飲み方で飲まれているようだ。 以前は8:2、7:3という濃いものを伝統的な「ちょか」という陶製の酒器に入れ、その酒器に直接火を当てて燗をし、 おちょこに入れて少しづつなめるように飲まれていた。その「ちょか」の中でも黒いものが主流で「黒(くろ)ぢょか」と呼ばれている。
「黒ぢょか」は400年の歴史を持つ「薩摩焼」の中の黒さつまという鹿児島の伝統工芸から生まれた。またチョカは、 その注ぎ口がイノシシの牙に似ていることから「猪牙(チョカ)」という説と、酒瓶の中国読みでチュカという言葉が琉球王朝時代の沖縄で酎家(ちゅうかあ)と呼ばれ、 それが鹿児島の「ちょか」になったという2つの説があるようだ。
(5)乙類焼酎はこうして作られる
  米や麦などの穀類はでん粉しか含まれていないので、麹菌を使ってでん粉を加水分解して糖に しなければならない。 すなわち、穀類から酒をつくるには、まず穀類に麹菌を付けて麹とし、その麹に酵母を 加えてアルコール発行させることはすでに述べたとおりである。
  焼酎の場合は、蒸した米に麹菌を付けて麹をつくる。これは米からつくったものなので米麹という。 一般に清酒をつくるときには黄麹を使うが、九州や沖縄の焼酎づくりでは黒麹が多く使われている。この麹と 水の混合物に焼酎酵母を加えて発酵させたものがモロミである。焼酎の場合には、これを「一次モロミ」といい、 この一次モロミに米、麦、芋、そばなど各種の原料を加えて発酵させたのが「二次モロミ」である。この二次モロミを 蒸留したものが乙類焼酎である。沖縄の泡盛は米からつくった一次モロミをそのまま蒸留したものである。 (化学 Vol.61 No.9 34(2006))
(5)ビールと痛風 : 酒類のプリン体含有量
  足の指のつけ根に激しい痛みをともなう痛風の発作は血液中の「尿酸」が増え、血液に 溶けきれず結晶となって体の中にたまったときに起きます。酒類には血液中の尿酸を増加させるプリン体が 多く含まれています。下の表のように、ビールにはプリン体が多いので注意が必要ですが、ウィスキーや焼酎など蒸留酒 は少なくなっています。(mg/100g)
夏の暑い日に汗をかいて、尿酸値の高い人がビールを飲むと痛風の発作は 間違いなしです。
  ビール    発泡酒     日本酒    ワイン  ウィスキー  焼 酎  
    7.25     3.41      1.21    0.39     0.12   0.03
 魚肉のプリン含有量は
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 気体と液体の界面における発泡

  界面活性剤や天然の活性成分が液体に溶けると、気体と液体、液体と固体、液体と液体などの 界面に吸着して発泡や乳化、湿潤などの界面現象が現れます。
  気泡(Bubble)は気体が液体に包まれた状態をいいます。 代表的なのがシャボン玉で、ただ一つの界面を持っています。 泡沫(Foams)はビールの泡や洗濯している時の洗濯機の中の泡のように多数集まって、 薄膜を隔てて密接に存在する泡で二つの界面を持っています。

(1)ビールの泡
  コップに注いだビールの泡を観察すると、安定な厚い泡の層ができるときと、泡がすぐに消えて しまうときがあります。これはコップの汚れと関係があります。よく洗ってあるコップでは、 泡の層の厚さ(高さ)が大きく、泡の寿命も長くなります。汚れたガラスに接触している泡は不安定で 寿命が短くなります。すなわち、汚れが泡の膜を破ってしまいます。ビールの味は泡と一緒にのど を通る感覚で味わうものですから、コップの洗い方をいい加減にすることはできません。
  またよく冷えたビールを静かにコップに注いだとき、コップの側面付近に発生する泡に注目して みよう。泡が浮上するにしたがってやや大きくなり、泡の間隔が上方ほど大きいことに気付き ます。この泡は上昇中にもビールに溶けている炭酸ガスが入り込んで、成長しながら浮上している のです。また、この泡は変形しないので、まっすぐに上昇します。
★ビールの泡とエチケット
  ビールの栓を抜くとき、栓抜きで王冠をたたく人がいるが、これは泡が吹きこぼれない ようにと誤解しています。これは誤りで、王冠をたたくと、むしろ泡立ちを促進することになります。ビールには ショックや振動はタブーです。
それに、ビールは上の泡から飲むものと思っている人が多いようです。 ホントにおいしい飲み方は、上唇で泡をおさえ、液体分だけ飲むのが基本です。ビール党を自認するなら、このことは 知ってほしいエチケットです。

★おいしい水の条件
  水道水がまずいのは、カルキとカビの匂いが大きな原因です。カルキの匂いは浄水場で 塩素を使っているからです。水道水でも10〜15℃に冷やしてやるとおいしく感じます。冷やすと塩素の 匂いが感じられなくなること、冷たいとすっきりした感じになること、味の感覚がにぶくなって匂いや 味が気にならなくなることが原因です。
  おいしい水の条件には、この匂いのほかにミネラルと二酸化炭素 すなわち炭酸ガスがあります。ミネラルとはCa,Mg,Na,Kなどが水に溶けている鉱物質で、水1リットルに100ミリグラム くらい含まれているとまろやかな味になります。また炭酸ガスは水にさわやかな味を与えます。
(2)世界のビール消費量
  何かの雑誌に、「国別一人当たりの年間ビール消費量」が出ていたので紹介しておこう。(2004年、大瓶換算)
一番多く飲む国のトップは12年連続でチェコの248本。2位はアイルランド(207本)、3位はドイツ(183本)、 以下、オーストラリア、オーストリア、イギリス、ベルギーと続くが、日本は32位の81本である。
(3)ビールの輸入と製造の歴史
  ビールが正式に日本へ輸入されたのは明治初年にイギリスからであったという。明治4年(1871)には イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ産が輸入されるようになった。明治5年に近代工業としての工場生産が 始まった。

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