Masako Imai's Cafe

子守話3(51話〜)  since2008/04/14

娘のたまを寝かしつけるときに即興で作って聞かせている子守歌ならぬ子守話。いまいまさこカフェ日記に不定期に掲載しているものをまとめました。1〜25話26〜50話もあわせてどうぞ。

子守話91「まほうつかいたまちゃん かさのまき」

あめふりの ひの できごとです。
まほうつかいの たまごの たまちゃんは
かさを さして レインコートをきて ながぐつを はいて
みずたまりだらけの みちを あるいていました。

あめが やんで そらに にじの はしが かかりました。
あの にじまで とんでいきたいな。
たまちゃんは そうおもったので そらとぶ まほうを
つかうことに しました。
「ちちんぷいぷい。たまちゃんの かさ たまちゃんを
 おそらへ つれていけ」
まほうは だいせいこう。
かさは ねっききゅうみたいに ふわりと うきあがり
たまちゃんの からだを もちあげて ぐんぐん そらへ
むかっていきました。
たまちゃんが にじの うえで すべりだいあそびを
していると はるかかなたの じめんから おともだちが みあげて
「たまちゃん いいな いいな」
「ぼくも やりたい」「わたしにも やらせて」とおおさわぎ。
「あとで そらとぶ かさを かしてあげるね」
にじの うえから たまちゃんは いいました。
たまちゃんの まほうの ききめは 3かかんも あるので
みんなで かわるがわる そらを とぶことが できるのです。

ところが きゅうに そらとぶ かさの ききめが なくなって
たまちゃんは したへ したへと おちていきました。
そらを とぶのは とても ちからが いることなので
まほうが おもいのほか はやく とけてしまったのです。
「たいへん たいへん。たまちゃんが おっこちてくる」と
ちじょうでは おともだちが おおさわぎ。
「どうしよう。じめんに ぶつかったら いたいよう」と
たまちゃんも なきべそです。

そのときです。ほうきに のった まじょが ちかづいてきました。
いじわるな まじょですが たまちゃんを たすけに きてくれるとは
やさしいでは ありませんか。ところが まじょは
「そらを とぶのなんて 100ねん はやいよ。
 まほうつかいの たまごの くせに」と いじわるを いうだけで
おっこちていく たまちゃんを みているだけです。
「おねがいです。そらとぶ ほうきに のせてください」と
たまちゃんは ひっしに さけびましたが
「これも しれんだよ。じぶんの まほうで かいけつしな」
まじょは そういって とびさって しまいました。

たまちゃんは もういちど かさに まほうをかけましたが
かさは いうことを きいてくれません。
どうしよう。どうしよう。
そのとき たまちゃんは いいことを おもいつきました。
かさに まほうが かからないなら
ほかの ものに まほうを かければ いいのです。
「ちちんぷいぷい たまちゃんの レインコート、パラシュートになあれ」
ききいっぱつで まほうが きいて
レインコートは パラシュートに へんしんしました。
たまちゃんは ゆっくりと じめんに むかって おちていきます。

じめんが ちかづくと ねんのために ながぐつにも まほうをかけました。
「ちちんぷいぷい ながぐつ トランポリンに なあれ」
すると ながぐつは トランポリンに へんしんしました。
たまちゃんが あしから じめんに おっこちると
ながぐつのトランポリンが ぽーん ぽーんと はずんで
しょうげきを うけとめてくれたので
たまちゃんは けがひとつ しませんでした。
たいそうせんしゅみたいに ポーズを きめて
たまちゃんは みごとに ちゃくちしました。

はらはらして みていた おともだちは ほっとして
おおきな はくしゅを してくれました。
「つぎに そらを とびたい ひと だあれ」と
たまちゃんは ききましたが だれも へんじを しませんでした。
たまちゃんも そらを とぶのは もうこりごりです。

◆日記2009年08月05日(水) ビデオを忘れるほどカメラに夢中 に掲載。

子守話90「まほうつかいたまちゃん そうじきのまき」

まほうつかいの たまごの たまちゃんが
いちばん にがてな おてつだいは そうじきを かけること。
たまちゃんには そうじきは おおきすぎて おもすぎて
おもいどおりに うごいてくれません。
そうじきが かってに おそうじしてくれたら どんなに らくかしら。
たまちゃんは そうおもったので まほうを かけることにしました。
「ちちんぷいぷい そうじきさん かってに おそうじして まわれ」
まほうは だいせいこう。
そうじきは たまちゃんの てを かりずに
へやのなかを ひとりでに あっちへいったり こっちへいったりして
  つぎつぎと ゴミを のみこみはじめました。

「いいぞ いいぞ そのちょうし」
たまちゃんは ゆかいになって はたらきものの そうじきを みていましたが
「あ! それは ダメ!」と あわてて そうじきに かけよりました。
なんと そうじきは たまちゃんの だいじな おもちゃまで
てあたりしだい のみこんでいるのです。
どうやら「かってに おそうじして まわれ」と
  まほうを かけてしまったのが いけなかったようでした。
そうじきは とても じぶんかってな あばれものに なってしまい
たまちゃんの おにんぎょうを ふんづけたり
たまちゃんに たいあたりしたり やりたいほうだいです。
そして とうとう たまちゃんと パパと ママまで のみこんでしまいました。

ほこりまみれの そうじきの なかで
たまちゃんたちは げほげほと せきこみながら
まほうが きれるのを じっとまちました。
ところが こんなときに かぎって たまちゃんの まほうは
  いつもより ききめが ながくなってしまうのです。
4かめに ようやく まほうが きれて かってきままな そうじきは
のみこんだ ありとあらゆるものを はきだしました。
もちろん たまちゃんと パパと ママも ぶじに
そとに でてこられました。
3にんは そうじきが すいこんだ おかしを たべて
うえを しのいでいたのです。
そのあと とっちらかった いえのなかを そうじするのに
いっかげつも かかってしまいました。
「そうじきを みるのも いやだろ。これを つかいな」と
まじょが そらを とばなくなった おふるの ほうきを
  もってきて くれました。
「わかったかい? へたくそな まほうは しごとを ふやすんだよ」と
おとくいの いやみを いうのも わすれませんでした。
やれやれ。いちにんまえの まほうつかいには なかなか なれそうに ありません。 

◆日記2009年08月04日(火)「役目を終えた」と思えば捨てられる に掲載。

子守話89「まほうつかいたまちゃん おふろのまき」

まほうつかいの たまごの たまちゃんは プールあそびが だいすき。
でも ほいくえんの プールの じかんは あっというまに
おわってしまうので いつも もっとあそびたいなと おもっています。
そこで たまちゃんは おうちの おふろに まほうを かけることにしました。
「ちちんぷいぷい たまちゃんちの おふろ うんと おおきくなあれ」
おふろは ほいくえんの プールよりも おおきくなりました。
これで たまちゃんは すきなだけ プールあそびが できます。

ところが こまったことが おきました。
ちいさな おうちの めいっぱいまで おおきくなった おふろは
たまちゃんちの ほかのへやを のみこんでしまったのです。
だいどころも ベッドも トイレも ようふくだんすも
  みんな みずのそこに しずんでしまいました。
しまったと おもったときには ておくれでした。

まほうがとけるまでの 3かかん たまちゃんと パパと ママは
じいじばあばの おうちに ひなんしました。
そして 3かごに おそるおそる うちに もどってみると
おふろは もとの おおきさに もどっていましたが
あとの ものは もとどおりにならないぐらい
びしょびしょの みずびたしに なっていました。

たまちゃんに まほうを おしえた まじょが あらわれて
「とんだ しっぱいを やらかしたものだねえ」と
  ゆかいそうに いいました。
まじょは いじわるなので しっぱいを みるのが だいすきなのです。
「おねがいです。おうちを もとどおりにしてください」と
たまちゃんは おねがいしました。
「テーブルに いすに ベッドに ふとんに
 たんすに テレビに カメラに ぬいぐるみに アルバム。
 これじゃあ まほうが いくつあっても たりないねえ」
まじょは おおげさに ためいきを ついて
「この あめだまを なめて もとどおりにしたい ものの なまえを
 となえなさい。ただし ひとつだけだよ」と
ふしぎな いろの あめだまを さしだして きえてしまいました。
「どうしよう。たった ひとつだけなんて」
たまちゃんは こまってしまいましたが
「いい かんがえが あるわ」と ママが いいました。
なるほどと たまちゃんは うなずき あめだまを なめて
ママの おもいついた なまえを となえました。

すると どうでしょう。うちの なかは なにもかも
  たまちゃんが おふろに まほうを かける まえに もどりました。
でも あめだまの まほうで もとどおりに できるのは
たったひとつ だったはず。
そうです。たまちゃんは 「じかん」を もとどおりにしたのでした。
まほうを じょうずに つかうには ちえも ひつようだなと
  ひとつ かしこくなった たまちゃんでした。

◆あいかわらず、たまには不評のまほうつかいシリーズ第3弾。日記2009年08月03日(月)応援団と朝日歌壇と子守話はエールつながりに掲載。

子守話88「まほうつかいのたまちゃん せんたくもののまき」

たまちゃんが まじょに でしいりして まほうを おそわりました。
「まほうは よくきく くすりだけど
 かしこく つかわないと どくに なるよ」と
  まじょは こわい こえで たまちゃんに いいました。
たまちゃんの まほうの ききめは たった3かですが
たまちゃんは まじょの ことばも 3かで わすれてしまいました。

あるひ たまちゃんは ママの おてつだいが
めんどうくさくなって せんたくものに まほうをかけました。
「ちちんぷいぷい。せんたくもの おりこうさんになあれ」

おりこうさんになった せんたくものは じぶんで
せんたっきの ドアをあけて そとに とびだし
いちもくさんに ものほしだいまで かけていきました。
そでのながいシャツが ものほしざおを もちあげると
シャツたちは するすると さおに そでを とおしていきます。
そのあいだに ブラウスは ハンガーに とびついて ひっかかり
くつしたとズボンは われさきにと たこあしに ぶらさがりました。
みんなで いっせいに とりかかると あっというまでした。

せんたくものたちは おひさまに あたって かわくと
さおや たこあしや ハンガーから はなれて へやに とびこみました。
シャツや ブラウスや ズボンは ふたつおりになったり よつおりになったり
じぶんで じぶんを きれいに たたみました。
くつしたは あいてを みつけて くるりと まとまりました。

らくちん らくちん。
たまちゃんは まほうの ききめに だいまんぞくでした。

ところが こまったことになりました。
おりこうになりすぎた せんたくものたちの
いやいやが はじまってしまったのです。
たまちゃんが シャツを きようとすると
「やあだよ」とシャツは にげていきました。
ズボンは「おむつと くっつくのは やあだよ」。
  くつしたは「どろんこに なるのは やあだよ」。
たまちゃんは むりやり シャツをきて ズボンをはいて
くつしたを はきましたが げんかんを でるまえに
「ほいくえん いくの やあだよ」と みんなが にげだして
たまちゃんは はだかんぼに なってしまいました。

やれやれ ほいくえんまで いくのも ひとくろうです。
まほうの ききめが つづく 3かかんが
なんと ながく かんじられたことでしょう。
いつも たまちゃんに てを やいている ママの きもちが わかって
たまちゃんは すすんで おてつだいするように なりました。
「あら たまちゃんに まほうが かかったみたい」と
ママは おおよろこびです。

◆たまには不評のまほうつかいシリーズ第2弾。いまいまさこカフェ日記2009年07月14日(火)「好き!」を見せるとトクをするに掲載。

子守話87「まほうつかいのたまちゃん れいぞうこのまき」

たまちゃんが まじょに でしいりして
まほうを おそわりました。
まほうつかいの たまごの たまちゃん。
まほうの ききめは たったの 3かです。

さあて なにに まほうを かけようかな。

たまちゃんが さいしょに まほうを かけたのは れいぞうこでした。
「ちちんぷいぷい れいぞうこの なかの たまちゃんの すきなもの
 たまごを うんで どんどん ふえろ」
じゅもんを となえて どれどれと れいぞうこを あけてみると
だいすきな プリンの となりに たまごが ひとつ。
わってみると なかから プリンが でてきました。
そのプリンを たべている あいだに
れいぞうこの プリンが また たまごを うみました。

バナナも りんごも チョコレートも
  たまごを うんで れいぞうこの なかは たまごだらけ。
だいすきな おやつを たべほうだいです。

ところが こまったことが おきました。
たまちゃんの きらいな にんじんや ピーマンも
たまごを うんで しまったのです。
たまちゃんの まほうが へたくそだったのでしょうか。
にんじんを いやいやたべても
れいぞうこの にんじんは なくなりません。

「さあ たまちゃん これを たべなさい」
ママが ホットケーキを やいてくれました。
  ほんのり あかくて あまあい ホットケーキです。
こんなに おいしい ホットケーキを
たまちゃんは たべたことが ありませんでした。
「その あかいろは にんじんの いろよ」と ママが いったので
たまちゃんは めを まんまるくしました。
ホットケーキには すりおろした にんじんが はいっていたのです。
まるで ママが にんじんに おいしくなる まほうを かけたようでした。

たまちゃんは すっかり にんじんが だいすきになって
「もっと もっと たべる!」といいましたが
まほうの ききめが きれて にんじんは もう ふえませんでした。

◆マジックショーを見に行ったのにちなんで、魔法使いの話。なぜか、たまには不評で、怖がられた。いまいまさこカフェ日記2009年07月13日(月)ちびっ子総立ち!東京大学奇術愛好会のマジックショーに掲載。

子守話86「たまちゃんの てつがく」

たまちゃんは 2さいです。
そらの うえから ちじょうに やってきて まだ2ねん。
だから ちじょうに ながく くらしている ママが
  すっかり わすれてしまっていることを まだ おぼえています。

そんなたまちゃんと おはなししながら
ママは そらの うえに いたころの とおい むかしを
おもいだします。

「たまちゃん、どうして泣いちゃったの?」
「だって、こころが、あっち」
「心があっち?」
「うん」
「心ねえ。たまちゃんの幸せって、どこにあるのかな?」
「(上を指差し)こっち」
「こっちって、どこ?」
「あたまのうえ」
「頭の上?」
「きのうのあしたの、あしたのきのう」
「昨日の明日の明日の昨日……じゃあ、夢はどこにあるの?」
「どこにもないよ」
「じゃあ、たまちゃんは、なんで生きてるの?」
「ゆめじゃないかねえ」

たまちゃんと おはなしを していると
ママは ふわふわした きもちになって
たまちゃんより さきに ねむってしまいました。

そして しあわせな ゆめを みました。

◆ママのおっぱいを「とんとん」と名づけたのにちなんで、自分のを「ちいとん」と呼んでいるたまが、「ちいとんもないたの ママがいいようって」と言い、ドキッ。子どもの何気ない言葉に哲学が宿っている。いまいまさこカフェ日記2009年07月02日(木)「胸が痛む」のではなく「おっぱいが泣く」という感覚に掲載。

子守話85「せかいでいちばんちいさなうみ その2」

たまちゃんが かっていた かめの タートルが
  にげだして いなくなってしまいました。
「きっと タートルは ふるさとの うみに かえったのよ」と
ママが いいました。
タートルのことを おもいだしていたら
たまちゃんは なみだが ぽろぽろ こぼれてきました。
「ママ なみだが しょっぱいよ」と
たまちゃんは なきながら いいました。
「なみだは せかいで いちばん ちいさな うみだから」と
ママは いいました。
タートルの いる とおい とおい うみが
たまちゃんと つながった きが しました。
これから なみだが こぼれるたびに
たまちゃんは タートルのことを おもいだすでしょう。

◆「なみだすっぱいよ」というたまの言葉で昔「涙は世界でいちばん小さな海」というタイトルのドラマを提案したことを思い出したのがヒント。子守話84を作った後で、もう1タイプ。いまいまさこカフェ日記2009年06月29日(月) 涙は世界でいちばん小さな海に掲載。

子守話84「せかいでいちばんちいさなうみ その1」

こんどの にちようび うみに つれていってあげるねと
たまちゃんの ママは やくそくしていたのに
おしごとで うみに いけなくなって しまいました。
「ママの うそつき」
たまちゃんは かなしくて なみだが こぼれました。
なみだは しょっぱくて うみの あじが しました。

ひとつぶめの なみだで たまちゃんは
きょねんの なつに いった うみを おもいだしました。
ふたつぶめの なみだで たまちゃんは
  さかなが あしの あいだを すりぬけた くすぐったさを おもいだしました。
さんつぶめの なみだで たまちゃんは
  うきわで なみに ゆられた きもちよさを おもいだしました。

「たまちゃん ごめんね」と ママが だきしめて
たまちゃんの なみだは かぞえきれなくなりました。
「いいの たまちゃんは いま うみに いるから。
 せかいで いちばん ちいさな うみで あそんでるの」と
たまちゃんは いいました。
すると ママの めからも なみだが ふってきて
たまちゃんの ほっぺたに ちいさな うみが できました。
ほんものの うみは つめたいけれど
おふろみたいに あったかい うみでした。

◆「なみだすっぱいよ」というたまの言葉で昔「涙は世界でいちばん小さな海」というタイトルのドラマを提案したことを思い出したのがヒント。子守話85とあわせて2タイプ。いまいまさこカフェ日記2009年06月29日(月) 涙は世界でいちばん小さな海に掲載。

子守話83「かもめかもね 」

だいどうげいにんの おにいさんが たまちゃんに
みずいろの ふうせんで つくった とりを くれました。
「これは かもめよ」とママは いいましたが
たまちゃんは かもめを しりません。
「みずいろだから とんぼさんだ」
たまちゃんは そういって
  とんぼのめがねの うたを うたいだしました。
「とんぼの めがねは みずいろめがね
 あおい おそらを とんだから とんだから」
みずいろの ふうせんは
「とんぼかもね。でも、かもめかもね」と
こまった かおを しながら
  たまちゃんに ぶんぶん ふりまわされて
そらを とんでいました。

そのひから まいにち たまちゃんは
みずいろの ふうせんと あそびました。
おさんぽも おかいものも いっしょに でかけます。
「とんぼさん とんぼさん」と たまちゃんが よぶたびに
「かもめかもね」と みずいろの ふうせんは こたえました。

ふうせんの なかの くうきが すこしずつ ぬけて
みずいろの ふうせんは しょんぼりして いきました。
たまちゃんが ぶんぶん ふりまわしても
もう そらを とびまわる げんきは ありません。

あるひ ママが ずかんの ページを ひらいて いいました。
「たまちゃん これが かもめよ。
 ほら ふうせんの とりさんに よくにているでしょう」
たまちゃんは やっと みずいろの ふうせんが
とんぼじゃなくて かもめだと わかりました。
そして 「かもめさん かもめさん」と はじめて
ほんとうの なまえで よびかけました。
でも ふうせんは すっかり くうきが ぬけて
ぺしゃんこになって ゆかに ひっついていました。
「かもめかもね」とは いってくれませんでした。

◆江ノ島で大道芸人の「のぢぞう」さんにもらった風船のカモメをたまが「トンボ」と呼んだことがヒント。いまいまさこカフェ日記2009年06月26日(金)  江ノ島の大道芸人「のぢぞう」さんに掲載。

子守話82「おバカなカバのヒポパタマス」

たまちゃんが みちばたで カバさんに あいました。
「こんにちは カバさん」と あいさつすると
「わたしは カバではなく ヒポパタマス ですけど」と
ヒポパタマスと なのる カバさんは ふんぞりかえって いいました。

「まちがえて ごめんなさい」と たまちゃんが あやまると
「きにしないでください。ネバーマインド」と
ヒポパタマスと なのる カバさんは もっと ふんぞりかえって いいました。
ふんぞりかえりすぎて せなかが いたくなって
「あいたたた アウチ!」と いいました。
カバさんの いうことは たまちゃんには はんぶんぐらいしか わかりません。

「えいごを しらないなんて シリーですね。おバカさん」
ヒポパタマスと なのる カバさんは そういって さかだちしました。
「カバさんが さかだちしたら おバカさんだ!」と たまちゃんが いいかえすと
「わたしは ヒポパタマスですから さかだちすると スマタパポヒです」と
カバさんは すずしい かおで いいました。

たまちゃんは なんだか つまならなくなって
「バイバイ カバさん」と てを ふって たちさりました。
「なんだ えいごを しゃべれるじゃないですか。またね。シーユー」と
ヒポパタマスと なのる カバさんは さいごまで
たまちゃんの しらない ことばを つかいたがりました。

ヒポパタマスと たまちゃん。なまえは ちょっと にているけれど
ざんねんながら おともだちには なれませんでした。

◆カバは英語でヒポパタマス(hippopotamus)で、中に「タマ」が入っているぞと発見したのがヒント。いまいまさこカフェ日記2009年06月23日(火) 人脈が金脈を呼ぶ魔女田式錬金術に掲載。

子守話81「にちようびの ほいくえん」

きょうは にちようび。ほいくえんは おやすみです。
おやすみの ひの ほいくえんは だれもいなくて とっても しずか。

と おもったら
 
おやおや にぎやかな こえが しますよ。
ちょっと のぞいて みましょうか。

だれも いない はずの きょうしつで
つみきあそびを しているのは おにんぎょうの ぽぽちゃんたちです。
ぽぽちゃんたちは いつも ほいくえんの こどもたちが
つみきで あそぶのを うらやましいなあと おもっているのです。

つみきあそびに あきると ぽぽちゃんたちは おせわごっこを はじめました。
「わたし おかさん やりたい!」「わたしも」「わたしも」
みんな おかあさんやくを やりたくて しかたありません。

おすもうごっこで ゆうしょうした
あかい かみのけの ぽぽちゃんが おかあさんやくに えらばれました。
そして いつも こどもたちに されているように
ほかの ぽぽちゃんを だっこしたり
  ごはんを たべさせたり ふくを きがえさせたりしました。

おせわごっこの つぎは おにわに でかけます。
ベランダから すべりだいを すべりおりて すなばに ちゃくち。
すなの プリンや ケーキを つくって パーティごっこです。
ぽぽちゃんたちの ようふくも ぬので できた てと あしも
  あっというまに どろんこに なりました。

みんなが やってくる げつようびまでに
  もとどおりの きれいな ぽぽちゃんに ならなくては なりません。
ベランダに もどって せんめんだいで ジャバジャバ プールあそびです。

どろが おちて きれいになると こんどは みずを とばします。
みんなで わになって ぐるぐる まわれ まわれ。

まわりつかれたら おひるねの じかんです。
きょうしつで ひなたぼっこしながら ぽぽちゃんたちは すやすや。
ねむっている あいだに ようふくも からだも すっかり かわきました。

おひるねから さめると ぽぽちゃんたちは はこの おうちへ かえります。
それから げつようびの あさまで もうひとねむりするのです。


◆「きょう ほいくえん やすんでるんだよ」と擬人的に言ったのがヒント。いまいまさこカフェ日記2009年06月22日(月) 手は焼けるけど世話も焼きたい、たま2才10か月。に掲載。

子守話80「 おすしと くるくる」

あるひ パパと ママが たまちゃんに
「くるくる まわる おすしやさんに いこっか」と いいました。
ダンスが だいすきな たまちゃんは
「たのしそう!」と おおよろこびで でかけました。

ところが くるくる まわるのは たまちゃんではなく おすしでした。
すっかり まわるつもりだった たまちゃんは がっかりです。
「ママ おねがい。いっしゅうだけ まわらせて」と おねがいすると
「ちちんぷいぷい。たまちゃん おすしぐらい ちいさくなあれ」と
ママが まほうを かけてくれました。

ちいさくなった たまちゃんを ママは
おやゆびと ひとさしゆびで ひょいと つまんで
まわってきた いなりずしの おさらに のっけました。
「いっしゅうだけ まわったら もどるんだぞ。
 いなりずしの おさらごと ひきあげるから」と パパが いいました。
「はーい。いってきます」と たまちゃんは いくらの つぶより
ちいさくなった てを ふって しゅっぱつしました。

おさらから ながめる けしきは とても ゆかいです。
「みてみて。おやゆびひめ みたいな おんなのこが のってる!」
いなりずしの よこに ちょこんと たっている たまちゃんを みて
おきゃくさんたちは おおさわぎ。
でも だれも たまちゃんを たべる ゆうきは ありません。
「バイバーイ」と あいさつして
たまちゃんは つぎの テーブルへ むかいます。
パシャリと しゃしんを とる おにいさん。
「わたしも のりたいよう」と なきだす おんなのこ。
「おにんぎょうの かたちの おすしなんて あったかしら」と
てんいんさんは めを ぱちくりさせました。

あっというまに いっしゅうの たびが おわって
  たまちゃんは パパと ママがいる テーブルに もどってきました。
「たまちゃん さあ おしまいよ」と
  ママが いなりずしの おさらに てを のばしました。
「やだ! もう いっしゅう まわる」と たまちゃんが いうと
「やくそくは やくそくだ」と パパ。
でも くいしんぼの ママは いたずらっこの たまちゃんが いないと
ゆっくり おすしを たべられるので
「じゃあ もう いっしゅうだけね」と ゆるしてくれました。

たまちゃんは おおはりきりで にしゅうめを まわりはじめました。
ところが おきゃくさんは もう びっくりして くれません。
たまちゃんが てを ふっても おすしに むちゅうで しらんかおです。
たまちゃんは ゆかいな きもちが きえて
だんだん こころぼそく なってきました。

ながい ながい にしゅうめが おわって
パパと ママの いる テーブルが みえてくると
たまちゃんは なみだが でそうに なりました。
「パパ ママ ただいま!」
たまちゃんが おおきな こえで いうと
ママが たまちゃんの ほうを みました。
ところが なんということでしょう。ママが てを のばしたのは
  たまちゃんが のっている いなりずしの おさらでは なくて
  その うしろから きた まぐろの おさらだったのです。
パパも あなごの おすしを ほおばるのに いそがしくて
  たまちゃんに きづいて くれません。

ぐずぐずしていると パパと ママの いる テーブルを
とおりすぎてしまいます。
たまちゃんは いなりずしの おさらから ジャンプして
テーブルに もどろうと しましたが
きゅうりまきの きゅうりより みじかい あしでは むりでした。
「パパ ママ さようなら〜」
その こえも パパと ママには とどきません。
たまちゃんの さんしゅうめの たびが はじまりました。

パパと ママが みえなくなると なんだか もう にどと
  パパと ママに あえないような きがして
たまちゃんは なみだが ぽたぽた おちてきました。
「ちいさくなって まわりたい なんて いわなきゃよかった」
「いっしゅうだけで やめとけば よかった」
くやんでも もう ておくれでした。

と そのときです。
めのまえに とつぜん おとしあなが あいて
いなりずしの おさらは あなに おっこちてしまいました。
たまちゃんも いっしょに まっさかさま。
なんしゅうも まわった おすしは すてられて しまうのです。
たまちゃんも ゴミに なってしまうのでしょうか。
そうしたら ほんとうに パパと ママに あえなくなってしまいます。

どうしよう どうしよう どうしよう。

どすんと おすしの ゴミの やまのうえに しりもちを ついた
たまちゃんは びっくりして めを さましました。
あれれ そこは くるくる まわる おすしやさんの なかではなく
たまちゃんの おうちです。
たまちゃんが ベッドから おっこちた おとで
パパと ママも めを さましました。
「どうしたんだい たまちゃん」とパパ。
「こわい ゆめを みたの?」とママ。
たまちゃんは パパと ママに だきついて
  「もう おすしやさんで まわりません」と べそを かきました。

◆はじめての回転寿司に行く前に「たまちゃん まわる!」とはしゃいだのがヒント 。いまいまさこカフェ日記2009年06月19日(金) 報酬系とドーパミンと子守話80話親子で「まわるおすし」デビュー に掲載。

子守話79「いいにおいやさん」

たまちゃんとママが おさんぽしていると
みちの むこうがわから いいにおいが してきました。
「あまーい におい。これは クレープね」と ママが いいました。

クレープがやける いいにおいは みちの むこうがわに とめた
オレンジいろの ワゴンしゃから ながれてきます。
「クレープやさんだ」「いってみよう」
ママと たまちゃんは うきうきと あるきだしました。

ところが オレンジいろの ワゴンしゃに ちかづいていくと
やきいもの においが ながれてきました。
「あれれ クレープやさんじゃなくて やきいもやさんかな」
ママと たまちゃんは くびを かしげました。

もっと ちかづいていくと
  こんどは カレーライスの においが してきました。
「あれれ いったい どうなってるの?」
ママと たまちゃんは かおを みあわせました。

「いらっしゃい なんのにおいに しますか」と
くるまの なかから おにいさんが こえを かけました。
オレンジいろの ワゴンしゃは クレープやさんでも
  やきいもやさんでも カレーやさんでも ありませんでした。
いいにおいを うってくれる おみせだったのです。

くいしんぼの ママは さっきの クレープの においを
  「もういちど」と おねがいしました。
おにいさんが 「クレープ」と ラベルに かいた びんから
ひとしずくを おさらに たらして かぜを ふきかけると
  ふわあっと クレープの あまい においが ひろがりました。
ママは うっとりと めを とじて においを すいこみながら
「バナナと チョコレートクリームも いれてくださいな」と いいました。
おにいさんが 「バナナ」と「チョコレート」のびんから
  ひとしずくずつ おさらに たすと
  バナナチョコレートクリームいりクレープの においに なりました。

こんどは たまちゃんの ばんです。
さあ なんの においを おねがいしましょうか。
たまちゃんは うーんと かんがえて
「にじの いいにおいを くださいな」と いいました。
あめあがりの そらに かかる なないろの にじは
どんな においなんだろうと たまちゃんは しりたくなったのでした。

ところが おにいさんも うーんと かんがえました。
  ずらりと ならんだ いいにおいの びんの なかには
  「にじ」のラベルは なかったのです。
「たまちゃん ほかの においに したら?」と
  ママが いいましたが たまちゃんは いいだしたら ききません。

しばらく かんがえていた おにいさんが
「そうだ」と てを たたきました。
いいことを おもいついたようです。
おにいさんは ならんだ びんの なかから
  ななつの びんを とりだしました。
そして 「めを とじて くださいな」と たまちゃんに いいました。

たまちゃんが めを とじると いちごの においが しました。
たまちゃんの あたまの なかに
  いちごみたいな あかい いろが ひろがりました。

いちごの においを おいかけて みかんの においが しました。
たまちゃんの あたまの なかは
あかいろと だいだいいろに なりました。

こんどは レモンの においがして
そのあとに はっぱの においが しました。
たまちゃんの あたまの なかに
あかいろと だいだいいろと きいろと みどりいろが ならびました。

さあ つぎは なんの においでしょう。
うみの しょっぱい においが してきて
たまちゃんの あたまの なかに うみの あおいろが くわわりました。

そして この あまずっぱいのは なすの おつけものの におい。
うみの いろよりも ふかい あいいろを
たまちゃんは おもいうかべました。

それから もういちど あまい くだものの においが しました。
むらさきいろの ぶどうの におい。
あかいろ だいだいいろ きいろ みどりいろ
あおいろ あいいろ むらさきいろ。
たまちゃんの あたまの なかに ななつの いろが そろいました。

「さいごに おかあさんが ぎゅっと だっこしてあげてください」
と おにいさんの こえがしました。
おかあさんが たまちゃんを ぎゅっと だっこすると
おひさまの においを いっぱい すいこんだ
  せんたくものの いいにおいが してきました。
たまちゃんの あたまの なかに
よく はれた あおい そらが ひろがって
きれいな なないろの にじの はしが かかりました。

◆ワゴン車のクレープ屋を「いいにおいやさん」と名づけたことからふくらませたお話。最初は「ママのいいにおい」を注文する内容にしていたのだけど、ママが隣にいるなら注文しなくていいはずで……と発想を転換。いまいまさこカフェ日記2009年06月16日(火) 親子で「まわるおすし」デビュー に掲載。

子守話78「わたしはわたし」

わたしは たまちゃん。
じぶんのことを 「たまちゃん」と よびます。
パパも ママも じいじも ばあばも ほいくえんの せんせいも
みんな わたしのことを 「たまちゃん」と よびます。

でも あるひ おもちゃの とりあいをしていて
「これ たまちゃんの!」と わたしが いうと
「たまちゃんは わたしよ」と あいての おんなのこが いいました。
「なに いってるの? あなたは みみちゃんでしょ」と いうと
「ううん。わたしは たまちゃん。あなたが みみちゃんよ」と
ほんとは みみちゃんの おんなのこが いいました。

ところが ほいくえんの おともだちと せんせいまでも
「あなたは みみちゃんで こっちが たまちゃん」と
いいだしたので わたしは とても こまりました。

どうしたら わたしが みみちゃんじゃなくて たまちゃんだって
わかってもらえるのでしょう。

たしかに わたしと みみちゃんは よくにています。
どちらも 8がつ うまれで せたけも おなじくらい。
かみのけの ながさも おなじくらいです。

どこか ちがうところは ないかしら。
わたしは いっしょうけんめい さがしました。

そうだ!わたしは ぎゅうにゅうが すきだけど
みみちゃんは ぎゅうにゅうが きらいです。
わたしは みんなの まえで ごくごくと ぎゅうにゅうを のみました。
ところが みみちゃんも ごくごくと ぎゅうにゅうを のみました。
おあいこです。

こまった こまった どうしよう。わたしは うーんと かんがえました。

そうだ! みみちゃんは てつぼうぶーらんが できるけど
わたしは てつぼうぶーらんが できません。
ところが わたしが てつぼうに ぶらさがると
ぶーらん ぶーらん なんと せいこうして しまいました。

わたしは ますます こまってしまいました。
わたしに ぴったりな ふくは みみちゃんにも ぴったり。
わたしだけが おぼえていると おもっていた うたを
みみちゃんも ぜんぶ うたえます。
なにから なにまで みみちゃんは おなじです。
とうとう わたしは じぶんが たまちゃんなのか
みみちゃんなのか わからなくなってしまいました。

  みんなが ちがうって いっても わたしには わかる。
わたしは ぜったいに たまちゃんで
みみちゃんでも ほかの だれでも ないんだよ。
だって 「あなたは たまちゃんじゃない」っていわれたら
こんなに かなしくて くやしくて たまらないもの。

「それが わたしが たまちゃんだっていう しょうこ!」
わたしは じぶんでも びっくりするぐらい おおきな こえで いいました。
そのこえに びっくりして めが さめました。
となりで ねむっていた パパと ママも めを さましました。
「たまちゃん どうしたの?」
パパと ママが どうじに いって わたしの かおを のぞきこみました。
「たまちゃん」と よばれて こんなに うれしかったことは ありません。

◆「わたし」「あなた」をはっきりさせたがるようになった2才9か月のたまへ、アイデンティティーのお話。いまいまさこカフェ日記2009年06月04日(木) 『ぼくとママの黄色い自転車』ノベライズ刊行準備中に掲載。

子守話77「くうきチョコレート」

おなかが すいたら おやつは くうきを たべましょう。
おててを のばして つかんで おくちに ぽいっ。
きょうの おやつは くうきチョコレート。

くうきチョコレートは くうきだから だれにも みえません。
いろも かたちも ありません。においも あじも しません。
だけど たまちゃんには
チョコレートのいろ チョコレートのかたち
チョコレートのにおい チョコレートのあじ。

くうきだから たまちゃんが おもいうかべた
  いろや かたちや においや あじに へんしんできるのです。

おいしくなあれと たまちゃんが おまじないをかけると
チョコレートは とっても おいしくなりました。

たまちゃんは くうきりんごと くうきバナナも たべました。
おなかのなかで くうきりんごチョコレートと
くうきバナナチョコレートが できあがりました。

「たまちゃん ばんごはんよ」と ママが よびにきましたが
「おなか すいてないよ。くうきチョコレートと
   くうきバナナと くうきりんごを たべたから」と
たまちゃんは いいました。

「だったら たまちゃんの おなかに はいった
 くうきのチョコレートと バナナと りんご
 ママが たべちゃおう」
ママは そういうと たまちゃんの おなかに
  おててを のばして つかんで おくちに ぽいっ。
「おいしいわねえ」と ママが うっとりと たべると
たまちゃんは また おなかが からっぽに なりました。

「くうきの おやつも おいしいけど ほんものの おしょくじは
 はごたえも たべごたえも あるわね」と
  ばんごはんを もりもり たべながら ママが いいました。
「たべすぎて ふとりぎみの ママは
 くうきで おなかいっぱいに したほうが いいんじゃない?」
たまちゃんは そういいたかったけれど
くちごたえは やめておきました。

◆保育園へ行く途中、たまが空気をつかんで口に放り込み、もぐもぐしているのを見て「何しているの?」と聞いたら「くうき ばべてるの」。あんまりおいしそうに食べるので、見ていておなかがすいた。いまいまさこカフェ日記2009年06月02日(火) 『友子とモコ』第46回ギャラクシー賞奨励賞受賞に掲載。

子守話76「まいごのママとたまちゃん」

ママと たまちゃんは いつも いっしょ。
ママと たま なまえも よくにて なかよしこよし。

ところが デパートにでかけた あるひのこと。
つないだ てと てが はなれて
たまちゃんと ママは はなればなれに なった。

「ママー」と たまちゃんが よぶと
たくさんの おんなのひとが いっせに ふりむいた。
そして たまちゃんを みて
「うちのこじゃないわ」と いった。たまちゃんは
「みんな わたしの ママじゃないわ」と なきべそをかいた。

とそのとき「たまちゃーん」とこえがした。
ふりかえったのは たまちゃん ひとり。
ママが なきべそかいて はしってきた。
「ママー」「たまー」「ママー」「たまー」
なんども なまえを よびあっていたら
  なみだが ぽろぽろ こぼれてきた。
 
「もう はなれないでね」と
  ママが たまちゃんの てを ぎゅっと にぎった。
たまちゃんも ぎゅっと にぎりかえした。

◆家の中でたまの姿が消え、ダンナともどもパニックに! 布団の中に潜り込んでいるのを見つけるまでの数分の長かったこと! 迷子は親の身を細らせると実感し、自省を込めて迷子のお話。いまいまさこカフェ日記2009年06月01日(月) 子どもが消えた!パニックに掲載。

子守話75「かみなりの かみきりや」

たまちゃんの かみが ずいぶん ながくなったので
きりに いくことに しました。

ふたつ ならんだ かみきりやの かんばんを みると
ひとつは「かまきりの かみきりや」
もうひとつは「かみなりの かみきりや」とありました。
かまきりは かまで かみを きるのでしょうか。
たまちゃんは ちょっぴり むしが にがてなので
かみなりの かみきりやに きってもらうことにしました。

「いらっしゃい」
かみなりの びようしが たまちゃんを むかえてくれました。
かみを きっているのも きられているのも みんな かみなりです。
「かみなりじゃないんですけど いいですか」と
たまちゃんが きくと
「かみが あれば だいじょうぶです」「おきゃくさまは かみさまです」と
びようしたちは いいました。
ぴかっと ひかって ごろごろと なる かみなりは
こえが おおきくて あかるい せいかくの ようです。

「きょうは どんな かみがたに しますか」ときかれたら
たまちゃんは 「みじかくして かわいくしてください」と
こたえるつもりでした。
ところが かみなりの びようしは なにも きかずに
たまちゃんの かみを あまみずで じゃぶじゃぶと あらって
ぼうふうで ごうごうと かわかして
いなづまで じょきじょきと きっていきます。

たまちゃんは なんだか しんぱいに なってきました。
かみなりの かみきりやの びようしも おきゃくさんも
みんな きんいろで くるくるの かみなりあたまを していました。
たまちゃんも おなじ かみがたに されてしまうのでしょうか。

その しんぱいは おおあたりでした。
しあげに かみなりショックを どかんとおとされて
たまちゃんの かみは いっしゅんで
  きんいろ くるくるに なってしまいました。

かみなりあたまの たまちゃんを みて
  パパも ママも めを ぱちくり くちを あんぐり。
もっと こまったことに たまちゃんは
かみなりらしいことを したくて たまらなくなりました。

でんきを ちかちかと つけたり けしたり
たいこを どんどん たたいたり していると
「いいかげんにしなさい!」
とうとう ママの かみなりが おちてしまいました。

◆生まれてから一度も髪を切っていないたまに「髪切ろっか」と聞いたときところ、「かみなりの かみきりやさんで きる」という返事。「かみきり」から「かみなり」を連想? いまいまさこカフェ日記2009年05月31日(日) つばさ第10週は「愛と憎しみの川越」 に掲載。

子守話74「チョコレートのちきゅう」

ちきゅうの あちこちで
きょうも くにとくにが けんかして
ミサイルの あめを ふらせています。
ひとをきずつけ いえをこわし まちをもやし
  たくさんの なみだの あめも ふらせます。

ミサイルが チョコレートだったら いいのに。
ちじょうに おちてくる あいだに ねつに とけて
みんなのおやつに なればいい。
チョコレートなら だれも なにも きずつけずに
やさしい きもちに してくれるでしょう。

いっそ ちきゅうが チョコレートだったら いいのに。
けんかして あつくなったら とけて とろけて
くにと くにの さかいめが きえればいい。
チョコレートの うみに ぷかぷかうかんで
はて いったい なにを あらそって いたのでしたっけ。
ひとと ひとの あいだの コチコチも ギザギザも
  チョコレートみたいに とけてしまうでしょう。

◆平和の大切さを伝える話を作ってみたくなり、人と人、国と国を隔てる壁がチョコレートだったら……という筋立てを思いついた。いまいまさこカフェ日記2009年05月30日(土) 『絶後の記録』映画化めざしてキンガさん再来日に掲載。

子守話73「はだしのおんなのこ」

おまつりのよるに あらわれる はだしの おんなのこ。
おんなのこには くつがない。
おんなのこには かげもない。

あしおともたてず おんなのこは そうっと ちかづいてくる。
そして「くつを かして ちょうだい」と
ちいさな こえで ささやく。

かわいそうに ちいさなあしが よごれて すりむいて。
くつを かしてあげると おんなのこは あるきだす。
その うしろには かげぼうしが ついてくる。

そして くつと かげぼうしを さらわれて
はだしになった おんなのこは
こんどの おまつりを じっと まつ。

おまつりのよる
「くつを かして ちょうだい」と こえを かけられたら
つぎは あなたが はだしの おんなのこ。

◆たまが保育園へ登園する前に「はだしのおんなのこ いるんだよ。おまつりになったらくるの」と突然怖いことを言い出して生まれた初ホラー。いまいまさこカフェ日記2009年05月29日(金)  子守話にホラー誕生に掲載。

子守話72「さびしいよる」

だいすきな おにんぎょうと いっしょに ねむったのに
  さびしくなるのは どうしてかしら。

ねるまえに つないだ てと ては
  ねがえりを うつと はなれてしまうから。

わたしが ゆめのなかで わらっても
おにんぎょうが みている ゆめは ちがうから。

ひるまは あんなに なかよしだったのに
ねむっている あいだは はなればなれ。

さびしくて こいしくて めがさめたら
  となりで ねむっている
  おにんぎょうを ぎゅっと だっこした。

たまには そんな ひもあるの。

◆たまが起きがけに「おにんぎょうと いっしょに ねんねしたのに さびしかったの。たまには そんなひも あるの」とドキッとするような台詞を言ったことから生まれたお話。「たまには」は「たまちゃんには」と「ときには」を掛けている? いまいまさこカフェ日記2009年05月28日(木) 水瓶座は12年に一度の幸運期らしいに掲載。

子守話71「クレヨンのにじ」

そらに おおきな にじが かかった あるひのこと。
たまちゃんが にじを ゆびさして いいました。
「あの にじに のぼりたいよう。
 にじに よじのぼって すべりおりたいよう」

ところが にじは はしっこが きえてしまって
じめんから とおく はなれた
  そらの とちゅうから はじまっていました。
「どうしよう。はしっこがないと にじに よじのぼれない」
こまった たまちゃんは にじの はしっこを かくことにしました。

なないろの クレヨンを つかって
  たまちゃんは そらに にじを かいていきました。
ところが にじを かいている あいだに
ほんものの にじが どんどん きえていきました。
クレヨンの にじを かいても かいても
ほんものの にじが にげていきました。

とうとう クレヨンの にじだけが のこりました。
まだまだ にじは みじかいけれど
たまちゃんの なないろの クレヨンは すっかりみじかくなって
つづきを かけなく なくなってしまいました。

そこに、
「わあ クレヨンの にじだ」
「ぼくにも かかせて」
クレヨンをもった おともだちが あつまってきました。
なないろの クレヨンを もった おともだち。
あかい クレヨンだけを もった おともだち。
あおい クレヨンだけを もった おともだち。

みんな かきかけの クレヨンの にじに のって
  なないろの にじの つづきを かきました。
みんなの クレヨンが どんどん みじかくなって
クレヨンの にじは どんどん ながくなりました。

クレヨンの にじが そらいっぱいに ひろがりました。
ほんものの にじよりも くっきりした いろあいの
にぎやかで たのしい にじです。
たまちゃんと おともだちは にじに よじのぼって すべりおりると
こんどは はんたいがわから よじのぼって すべりおりました。

なんども よじのぼったり すべったりしているうちに
みんなの ふくに クレヨンが くっついて
クレヨンの にじは どんどん やせほそっていきました。

そして いつのまにか クレヨンの にじも きえました。 

◆たまが「よじのぼる」を「にじのぼる」と言い間違えたことから生まれたお話。いまいまさこカフェ日記2009年05月27日(水) プロデューサーに言われた信じられない言葉に掲載。

子守話70「日ようびと月ようび どっちがいちばん?」

日ようびと 月ようびが けんかした。
「いっしゅうかんのはじまりは 日ようびだ」
「いやいや 月ようびだ」
「月ようびは 日ようびのあとだ」

「いやいや 月ようびではじまり 日ようびでおわるのだ」 どちらも いじっぱりで ゆずらない。

「お日さまは お月さまより えらいから 日ようびがさきだ」
「日ようびは かいしゃも がっこうも おやすみで
 なまけているから えらくない」
「お日さまがなかったら お月さまはまっくらだから 日ようびのほうがえらい」
「なん月なん日というときは 月のほうがさきだ」
どちらも いっぽも ゆずらない。

けんかをみていた ほかのようびたちも くちをはさんで
「火がないと こまるから 火ようびが いちばんえらい」
「それをいうなら 水だって」
「いいえ 木がなかったら もっとこまる」
「水がなければ 木はそだたないよ」
「それなら 土もひつようだ」
「お日さまを わすれちゃ こまるね」
「お金があれば なんだって かえるさ」

「われこそは いっしゅうかんで いちばんえらい!」と
ぜんいんが いいはって おおげんか。
  それをみていた たまちゃんが
「だったら 玉ようびを つくる!」といいだした。
「た、玉ようび?」
7つのようびが びっくりしてききかえすと、
「いっしゅうかんは 玉ようびから はじまる!
 だって このカレンダーは たまちゃんのものだから
 玉ようびが いちばんえらい!」と
たまちゃんは じしんたっぷりに せんげん。

いっしゅうかんが 8にちになったら
7にちに1かいだった でばんが 8にちに1かいに なってしまう。
ラッキーセブンの7 にじいろの7 7が8になるのはイヤだ!
ひじょうじたいを まえにして
いっしゅうかんの ようびたちは たちまち なかなおり。
「玉ようびだけは やめてくれ!」と いっちだんけんけつして
8つめのようびが くわわるのを くいとめた。

日ようびがさきか 月ようびがさきか そんなことは どうでもよくなった。

◆一週間の始まりはどっち?で日曜日派のダンナとケンカしたことから生まれたお話。いまいまさこカフェ日記2009年05月25日(月) 「一週間は月曜日からか火曜日からか」の不一致に掲載。

子守話69「おりこうたまちゃん へそまがりたまちゃん」

たまちゃんは このごろ いじっぱりで いじわるで へそまがりです。
ママのことを ほんとうは だいすきなくせに
「ママ だいきらい」といって こまらせるのが だいすきです。
ママが「たまちゃん おしょくじよ。てを あらってらっしゃい」というと
  「はーい。てを よごしまーす」と いたずらを はじめます。

ところが あるひのこと。
たまちゃんが てに インクをつけて せっせと よごしていると
せんめんじょから たまちゃんそっくりな おんなのこがでてきて
「おててを あらいました」と きれいなてを さしだしました。
「あら たまちゃんが ふたり!」
ママは びっくりしましたが たまちゃんは もっとびっくり。

しょくじのまえに たまちゃんは ふざけて
「ごちそうさま」と いいますが
  たまちゃんそっくりな おりこうさんは「いただきます」と てをあわせます。
もちろん だれかさんみたいに スープにぎゅうにゅうをいれて
「こうしたほうが おいしいよ」なんて いじわるを いったりしません。

おなかがいっぱいになると たまちゃんは
「まずかったー。おなか ぺこぺこー」と いいますが
おりこうたまちゃんは「おいしかったです。ごちそうさまでした」
と てをあわせます。

おふろにはいって あまたをあらうとき
たまちゃんは いやだいやだと あばれますが
  おりこうたまちゃんは おとなしくしています。

「おりこうたまちゃんと いたずらたまちゃん
 どっちが ほんものの たまちゃんかしら」と ママがいいました。
「こっちが ほんものにきまってるじゃない」と
たまちゃんは いおうとしましたが ひねくれものの くせがでて
「こっちは にせものでーす」と いってしまいました。
「へそまがりたまちゃんが にせものたまちゃんってことは
 おりこうたまちゃんが ほんものたまちゃんなのね」と ママは いいました。
おりこうたまちゃんは 「はい そうです」とこたえました。

と、そのときです。
「うえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!」
たまちゃんは じぶんでも びっくりするぐらい おおきなこえで
なきながら ママに だきつきました。
「ほんものの たまちゃんは こっちよ こっち!
 ママ そっちの たまちゃんは にせものだよ!」
ママは たまちゃんのあたまを よしよしとなでながら いいました。
「そんなこと わかっているわよ」
「え?」とおどろいて たまちゃんは ママをみました。
「たまちゃんのこと ママは せかいでいちばん よくわかっているからね。
 どんなに そっくりな にせものでも ママは ぜったいに みぬけるわよ」
でも たまちゃんが あんまり へそまがりで いじっぱりなので
ママは にせものたまちゃんに だまされた ふりをしたのでした。

たまちゃんが ないているあいだに
にせものの おりこうたまちゃんは いなくなっていました。
「さっきの たまちゃんは どこにいったのかな」
たまちゃんと ママが まどのそとの そらをみあげると
ちいさなほしが ぐんぐんと そらたかく のぼっていくのが みえました。

もしかしたら こまったママを たすけるために
おほしさまが おりこうたまちゃんに ばけたのかもしれません。

◆いまいまさこカフェ日記2009年05月22日(金) 「いじわるのへや」の女王、たま2才9か月。に掲載。

子守話68「うるさい ごめんなさい」

どうぶつむらに サイくんのかぞくが ひっこしてきました。
サイくんは はずかしがりやですが みんなと すこしずつ なかよくなって
  どうぶつむらが だいすきに なりました。

ところが あるひのこと。
サイくんと いつも いっしょにあそんでいる カバくんが
おもちゃの とりあいになったときに いいました。
「うるさい! うるさい! うるさーい! サイだから うるさーい!
 うるさい サイは あっちいけ!」
カバくんは おもちゃを とりあった いきおいで いったことでした。
「サイだから うるさい」なんて いったのも ふざけて いったことでした。
けれど サイくんは とっても かなしくなりました。
ころんだわけでも ないのに むねのおくが ずきずきと いたくなりました。

そのひから サイくんは だまりこくってしまいました。
カバくんが はなしかけても へんじをしません。
カバくんは じぶんが「うるさい」といったから すねているんだなと おもいました。
けれど あやまるのは おもしろくありません。
「なんだよ ふざけて いっただけなのに。
 ともだちなんだから わらって ゆるしてくれたら いいじゃないか」

ところが カバくんは ゾウくんと あそんでいて こういわれたのです。
「カバくんは バカだねえ。バカが さかだちしたら カバだもんね」
ゾウくんは おもしろがって いったのですが
カバくんは ちっとも おもしろくありませんでした。それどころか
「ゾウくんは ぼくのこと バカだと おもってたんだ」と かなしくなったり
「ぼくって ほんとに バカなのかな」と なやんだりしました。
また「バカ」といわれるのが こわくて カバくんは だまりこくってしまいました。

くちを きかなくなった カバくんが うつむいて あるいていると
ドスンと なにかにぶつかりました。
「ごめんなさい!」
おもわず こえがでて あやまった あいては サイくんでした。
「こっちこそ ごめんなさい」とサイくん。
「だいじょうぶ? ケガはなかった?」
「うん。サイくんも いたくなかった?」
サイくんと カバくんは おたがいを しんぱいする ことばをかけて
「だいじょうぶって きかれると なんだか うれしいね」
「うん。あったかい きもちになるね」とうなずきあいました。
サイくんと カバくんは しばらく だれとも おしゃべりしていなかったので
おしゃべりって やっぱり たのしいなと おもいました。

「こないだは うるさいなんていって ごめんなさい。もういわないよ」
とカバくんは あやまりました。
「ごめんなさいにも サイがついてるけど いわれても イヤじゃないね」
とサイくんは わらって いいました。

◆いまいまさこカフェ日記2009年05月21日(木) 「バカ」と言われて傷つき、「うるさい」と叫ぶ。に掲載。

子守話67「パパが いっぱい」

たまちゃんが ほいくえんからかえってくると
「たまちゃん おかえり」
パパが げんかんで おでむかえして
たまちゃんのうわぎをぬがせました。

うわぎをぬいだ たまちゃんは いいにおいのする だいどころへ。
「たまちゃん おかえり」
なべをかきまぜているパパが ふりかえりました。
「あれれ パパ いつのまに たまちゃんを
 おいこして だいどころに きたの」と
たまちゃんは びっくり。
「きょうの ばんごはんは カレーだよ。
 さあ てをあらっておいで」
パパは なべをかきまぜながら いいました。

たまちゃんが せんめんだいで てをあらっていると
「ああ いい おゆだった」と
おふろから はだかんぼのパパがでてきました。
「あれれ パパ いつのまに おふろにはいったの?
 おなべを ほったらしにして だいじょうぶなの?」と
たまちゃんは またまたびっくり。
パパは バスタオルでからだをふきながら
「たまちゃん パパのきがえをとってきてよ」といいました。

たまちゃんが タンスのあるへやにいってみると
パパが せんたくものをたたんでいました。
「あれれ パパ いつのまに こっちのへやにきたの?
 おまけに いつのまに ふくをきたの?」と
たまちゃんは もっとびっくり。
「たまちゃん ふくがびしょぬれだよ。これに きがえなさい」と
パパは たたんだばかりのシャツを さしだしました。

シャツをきがえた たまちゃんが だいどころにもどってくると
なべのまえに パパがいました。
「あれれ パパ いつのまにか もどってる」
たまちゃんは もう なにがなんだか わけがわかりません。

トイレへいくと ドアがしまっていて なかから
「うーん。もうちょっとまっててね。うーん」と
パパのこえがします。
うわぎをぬがせたパパと おなじパパでしょうか。
それとも またもうひとり ふえたのでしょうか。

「あ そうだ。おふろあがりのパパ!」と
たまちゃんがおもいだして せんめんじょにかけこむと
バスタオルをまいたまま パパがふるえていました。
「たまちゃん はやく きがえをもってきてよ」

たまちゃんは タンスのあるへやに まいもどって
せんたくものを たたんでいるパパから
おふろあがりの パパがきるふくを うけとると
せんめんじょに いそいでもどりました。

ふくをきた おふろあがりのパパが
たまちゃんといっしょに だいどころにくると
テーブルには 3にんのパパがいました。
カレーをつくっていたパパと
せんたくものをたたんでいたパパと
げんかんで たまちゃんのうわぎをぬがせたパパ。
そこに「ああ すっきりした」と
トイレからでてきたパパが くわわりました。
「1、2、3、4、5。パパが 5にん!」
どうなってるのと たまちゃんは めをぱちくり くちをあんぐり。

どうして こんなことがおこったのでしょう。
それは あわてんぼてんしの しっぱいでした。
こどものねがいをかなえてあげるのが てんしのしごとなのですが
あわてんぼてんしは とんだ ききまちがいをしたのです。
きのうのよる たまちゃんがぐずって
「パパ こわい。パパ こわい」とないたのですが
なみだごえで はながつまって
「パパ ごばい。パパ ごばい」と
くものうえの てんしには きこえたのでした。
パパ ごばい。
パパ 5ばい。
いつもは ひとりのパパが 5ばいの 5にんだったら。
たまちゃんの おねがいを かんちがいした あわてんぼてんしは
  はりきって たまちゃんのパパを 5にんにふやしたのでした。

てんしがかなえるねがいごとの ききめは たった30ぷん。
カレーをたべおわると
5にんだった パパは ひとりになりました。
どうやら カレーをつくっていたパパが ほんもののパパだったようです。
「おさらを あらうときまで いてくれたら ラクだったのにな」と
ひとりになった パパは ブツブツいいながら
5にんのパパと たまちゃんの カレーのおさらを あらいました。

◆いまいまさこカフェ日記2009年05月20日(水) 魔の2歳児のイヤイヤがはじまったに掲載。

子守話66「しゃぼんだまの じゅうたん」

こうえんで たまちゃんは おともだちのみんなと
しゃぼんだまあそびをしました。
「おおきな おおきな しゃぼんだまをつくろう。
 いちばん おおきな しゃぼんだまをつくろう。
 たまちゃんより おおきな しゃぼんだまをつくろう」
はりきった たまちゃんがつくった しゃぼんだまは
たまちゃんが りょうてを ひろげても
かかえきれないほど おおきくなりました。

「わあ すごい」
たまちゃんが しゃぼんだまを のぞきこんだ そのとき
つるんと たまちゃんの からだが しゃぼんだまの かべを とおりぬけて
たまちゃんは しゃぼんだまの なかに すっぽり はいってしまいました。

たまちゃんを つつみこんだ しゃぼんだまは
かぜにふかれて そらへ そらへと のぼっていきます。
さいしょは こわがっていた たまちゃんも
だんだん たのしくなってきました。
しゃぼんだまあそびを している おともだちが ちいさくみえます。
みんな そらとぶ たまちゃんを うらやましがっているのでしょう。

「こんにちは たまちゃん」
しゃぼんだまの そとから ことりさんが はなしかけてきました。
「ねえ わたしも しゃぼんだまの なかに いれてくれないかしら。
 じぶんで はねを うごかして とぶのは つかれてしまったの。
 しゃぼんだまに のっけてもらえたら らくちんだわ」

たまちゃんが どうしようかなと まよっているあいだに
ことりさんは とがった くちばしで
しゃぼんだまの かべを つつきました。
そのとたん パチンと しゃぼんだまが はじけて
  たまちゃんは じめんめがけて まっさかさま。

たまちゃんを みあげていた おともだちは びっくり。
「みんな たまちゃんに むかって しゃぼんだまを ふくんだ!」
おともだちが いっせいに しゃぼんだまを ふきました。
いくつもの しゃぼんだまが くうちゅうで くっついて
おおきな しゃぼんだまの じゅうたんが できあがったそのとき……
すとん!と たまちゃんは じゅうたんの うえに ちゃくちしました。

「いいな いいな」「わたしも のせて」「ぼくも ぼくも」
みんな おおさわぎで おしあいへしあい。
「みんなも こっちにおいでよ」
たまちゃんは てをのばして おともだちを ひとりひとり
しゃぼんだまの じゅうたんに ひっぱりあげました。

そんなに たくさん のっかって だいじょうぶ?

ところが みんなで しゃぼんだまを ふきつづけたので
しゃぼんだまの じゅうたんは ちいさくなるどころか
どんどん おおきくなって ぐんぐん そらたかく とんでいきました。
そして なまけものの ことりさんも のっけてあげました。

◆いまいまさこカフェ日記2009年05月14日(木) 信号の「赤」の位置はどこ?に掲載。

子守話65「あわてんぼママと あばれんぼタマ」

あわてんぼママが あばれんぼタマの あたまを あらいます。
アイラブユーシャンプーの あぶくを あわだて
あいじょうこめて あらいます。
「あすかやまこうえんで あさから あそびに あけくれて
 あせまみれの あれほうだい。
 あたまを あらわなきゃ あくまが あらわれるよ」

アガガガガガガガ! アガガガガガガガ!
あらたいへん あわてんぼママの アラームが
  ありえない あらあらしさで あたりいちめん アガガガガガガガ!
あわてんぼママは あらゆることに アバウトで あらっぽいので
あばれんぼタマは あんしんできません。

あわてんぼママは アラームのある アールデコの あらいばへ
  あっというまに あっぱれダッシュ。
あっ そういえば あさごはんの あらいものが あとまわし。
あわてんぼママは あぶらまみれの あらいものを あらいます。

あろうことか あばれんぼタマの あたまは あわだらけのまま。
「ああどうしよう。あくまが あらわれちゃうよ」
あわだらけあたまの あばれんぼタマは あわくって あわわわわ。
「ああ あわれな あぶくあたまの あばれんぼタマよ」
あからがおの あくまが あらわれ あらっぽく あいさつしたので
あばれんぼタマは 「ああああああああ!」 あびきょうかんです。

「あぶくを あらいながさないと あたまの あちこちが
   あかくなって あれてしまうぞ」
あくまは あばれんぼタマの あたまの あぶくを
あわてんぼママのかわりに あらいながして あげました。
「アイラブユー あんたを あいしてる
 アイラブシャンプー あらいがみを あいしてる
 あたまよ あたま あたらしくなって ありがとう」
あからがおの あくまは あかるい あたまのいい あくまでした。

◆いまいまさこカフェ日記2009年05月05日(水) 言葉遊び絵本「あいうえおパラダイス」にぶっ飛んだに掲載。

子守話64「ぞうさん あかくなったのおはなし」

いじわるなおうさまが おしろでかっている ぞうがいました。
おしろのにわは ひろびろとしていましたが
ぞうはなかまがいなくて ひとりぼっちで まいにち ないていました。
「おうさま どうか おしろのそとに だしてください」
ぞうは おうさまにおねがいしましたが
おうさまは おおきなぞうを おきゃくさんにじまんしたいので
ぞうを てばなしたくありませんでした。
「だめだ だめだ」
「どうしても だめでしょうか」
「そこまでいうなら おまえがあかいぞうになったら じゆうにしてやろう」
ぞうがあかくなるなんて ぜったいにむりだとおもって
おうさまは むりなちゅうもんをしたのです。ところが ぞうは
「じゃあ きょうのゆうがた もういちどおこしください
 あかいぞうに なってみせます」
ときっぱりと いってのけました。
そのひのゆうがた おうさまが にわにやってくると
そこには まっかなぞうがいました。
そのうしろには おおくて まっかな ゆうひがありました。
ぞうのからだは ゆうやけいろにそまって あかくなっていたのです。
おうさまは やくそくどおり ぞうをおしろのそとにだしてやりました。
ぞうはよどおしあるきつづけ あさがきて ひるになってもあるきつづけ
まるいちにちかかって なかまのぞうがいるのはらにたどりつきました。
ちょうど ゆうひがおちてくるじかんで
たくさんの あかいぞうが はなをふりまわして
  よくきたねと かんげいしてくれました。

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月22日(水) 反抗期とぼやきのたま2歳8か月に掲載。

子守話63「ちょうちょさん あかくなったのおはなし」

ちょうちょさんの しろいはねが あかくなったのはどうしてかな
あかいはなびらが しろいはねのうえに まいおりたからかな
それとも あかいはなのみつをのんで しろがあかにそまったのかな
それとも すてきなちょうちょにこいをして はじらったからかな

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月22日(水) 反抗期とぼやきのたま2歳8か月に掲載。

子守話62「くまさん あかくなったのおはなし」

おおきなおおきななべで たまちゃんは
いちごジャムをぐつぐつと にました。
あまいものがだいすきなくまさんが
  いいにおいにさそわれて やってきて
たまちゃんがいなくなったところに こっそりつまみぐい。
あんまりおいしいので もうひとくち もうひとくちと
たべているうちに たいへん たまちゃんがもどってきました。
くまさんはあわててジャムのなべのなかにドボン!
なべをのぞきこんだたまちゃんは
「あれれ? ジャムがふえてる。おかしいな」
そのとき いきがくるしくなったくまさんが
ジャムのなかからかおをだし たまちゃんはびっくり。
「もう、くまさんあじのジャムなんか、たべられないよ!」
ジャムのあかいいろにそまったくまさんは
  たまちゃんにこっぴどくしかられました。そして おわびに
  あたらしいジャムをつくるいちごをつみにでかけました。
あかいろのくまさんは おおきなおばけいちごみたい。
みつばちがあつまってきて
くまさんにくっついたジャムをたべようとするので
くまさんは からだじゅうを はちにさされてしまいました。
もうにどと つまみぐいはしないぞと
くまさんは べそをかきながらちかいました。

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月22日(水) 反抗期とぼやきのたま2歳8か月に掲載。

子守話61「ひよこさん あかくなったのおはなし」

たまちゃんが ケチャップのチューブをいきおいよくおしたら
ピュウッと ケチャップがとびだして
とんでいったさきは ひよこさんの きいろいはね。
ひゃ〜たすけて〜。
ひよこさんはびっくりして はねをバサバサ。
するとケチャップがとびちって からだじゅうがケチャップまみれ。
トマトのにおいの あかいひよこさんの できあがり。

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月22日(水) 反抗期とぼやきのたま2歳8か月に掲載。

子守話60「むしさん あかくなったのおはなし」

あわてんぼの まっくろむしは ころんでばかり
すってんところんで ぬりたての あかいペンキのうえに ちゃくちした

まっかになった あわてんぼむしは
またまた すってんころりん ひっくりかえって
あかいせなかに くろいすなつぶひとつ ひっついた
 
しばらくあるいて またまたすってんころりん
ころぶたびに せなかに くろいすなつぶが ひっついて
ななかいころんで あかいせなかに ななこのくろいてんてん
ななほしてんとうむしの できあがり

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月22日(水) 反抗期とぼやきのたま2歳8か月に掲載。

子守話59「アラブの あぶらうり」

子守話59   アラブの あぶらうりが
  あらしのうみこえ あらわれたのは あるいなかまち
あらあら あきれた あぶらうり
  あさからばんまで あっちこっちへ あそびあるいて
あれじゃあ あきない あがったり
あれがほんとの あぶらうり

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月20日(月) 日本°語で言葉°遊ぴに掲載。

子守話58「あかいろの ありんこたち」

あまいかおりの あかい あめだま
あれは あくまがしかけた あまいわな
あわてんぼの ありんこたちが あつまってきて
あやしむまもなく あめだまに ありついた

あれあれ あらら あわわ あーめん
  あわてて あわくって あばれて あきらめて
あっというまに ありんこたちは あくまになった

あめだまみたいな あかいろの ありんこたち
あわれ あくまになった ありんこたち

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月20日(月) 日本°語で言葉°遊ぴに掲載。

子守話57「9のないせかい」

あるひ こわいまじょが そらとぶほうきにのってとんできて
  たまちゃんにいいました。
「0から9のあいだで ひとつだけすうじをもらっていく。
 どのすうじにしようかね?」
たまちゃんは うーんとかんがえました。
できればひとつもなくなってほしくありませんが
どうしてもひとつだけというなら
なくなっても いちばんこまらないすうじにしよう。

たまちゃんは2さい。
0さいのときのおもいでも 1さいのときのおもいでも たいせつなので
0から2のすうじがなくなっては こまります。
3じのおやつがなくなるのも こまります。
たまちゃんのおうちは4かいだから
4がなくなっても こまります。
たまちゃんがすんでいるのは5ちょうめだから
5がなくなっても こまります。
7はママのすきなすうじなので
なくなるとママのきげんがわるくなって こまります。
たまちゃんは8がつうまれなので 8がなくなるのもこまります。
のこったのは 6と9です。
たまちゃんは あと4ねんで6さいになるので
6か9なら 9がなくなったほうが こまらなさそうです。

「どうしても ひとつだけ すうじをもらっていくんだったら
 9にしてください」
とたまちゃんは まじょにいいました。
「9をもらっていいのかい? あたしのだいすきなすうじだよ。
 だって あたしのながいまがったはなに よくにたかたちだからね」
まじょはおおよろこびして
「ほんとうにいいんだね」とねんをおしました。
たまちゃんは「はい。しかたないです」といいました。

まじょがおまじないをとなえ そらとぶほうきをひとふりすると
せかいから すうじの9がきえました。
とけいから9じがきえ カレンダーから9がつがきえ
エレベーターから9かいがきえました。
9のないせかいは やっぱりへんでした。
9がつうまれのおともだちや 9かいにすんでいるおともだちに
わるいことしちゃったなと たまちゃんはおもいました。
もしかしたら「どんなすうじもあげない」といいはれば
まじょはあきらめてくれたかもしれません。

そして もっとこまったことになりました。
たまちゃんがだいすきなおみせ「ショップ99」もきえてしまったのです。
「ああ 6にしとけばよかった」とたまちゃんはためいきをつきました。

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月17日(金) 2歳児の「ない」という感覚に掲載。魔女と言えば、今井雅子が脚本協力している朝ドラ「つばさ」第8週(5/18〜23放送)、第9週(5/25〜30放送)に『まじょのなみだ』という絵本が登場。子どもをさらってごちそうにする悪い魔女のお話は番組オリジナル。2週間かけて物語の内容が少しずつ紹介されるのでどうぞご覧ください。絵本とは違うハートウォーミングなラストも用意されていて、こちらも9週の中で明らかに。

子守話56「きえたゆきねずみ」

ゆきがたくさんふって つもった そのよるのこと。
のはらのまんなかに どうぶつたちがあつまりました。
おおきなからだの ゆききりん ゆきらいおん ゆきしまうま。
ちいさなからだの ゆきうさぎ ゆきねずみ ゆきことり。
こどもたちが ゆきをかためてつくったどうぶつたちが
こどもたちが ねしずまったあとに うごきだしたのです。

どうぶつたちは おいかけっこをしたり かくれんぼをしたり
おもいっきり からだをうごかして あそびました。
よるがあけて おひさまがのぼってきました。
「ひかげにかくれないと ゆきがとけて からだがなくなってしまうよ」
とあたまのいい ゆきうさぎがいいました。
「それはたいへん。いそいでひかげにいこう」とゆききりん。
「さあ ちいさなみなさんは ぼくたちのせなかにのりなさい」とゆきらいおん。
そこで ゆきうさぎは ゆきらいおんのせなかに
ゆきことりは ゆききりんのせなかに ちょこんとのっかりました。
「さあさあ はやく ゆきねずみさんも」とゆきしまうまがいいましたが
「いやだ。もうすこしあそんでいく」とゆきねずみ。
「そんなことしたら とけてしまうよ。
 ひかげでやすんで よるになったらまたあそべばいいじゃないか」
とゆきうさぎがいいましたが、ゆきねずみは
「たいようなんか こわくないよ」といって、うごこうとしません。
しかたがないので ゆきねずみをのこして みんなはひかげににげていきました。

のこったゆきねずみはどうなったかって?
あくるよる ゆきうさぎたちがのはらにやってくると
まっくろなこいしがふたつ おちていました。
ゆきがとけて ゆきねずみのめだまだけがのこっていたのでした。

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月17日(金) 2歳児の「ない」という感覚に掲載。

子守話55「なーになに」

なーになに
  みちばたに あかいのっぽの さんかく

だれかのとんがりぼうしかな
うさぎさんのぼうしだったら おおきすぎる
ぞうさんのぼうしだったら ちいさすぎる
うまさんのぼうしだったら ちょうどいいかな

それともこれは アイスクリームのいれものかな
こんなにおおきなアイスクリームをたべるのは ぞうさんかな

それともこれは ゆびわをたてるものかな
こんなにおおきなゆびわをするのは だれかな
てんしのわっかかもしれないね

それともこれは つのかな
いっかくじゅうのおとしものか おにのつののかたっぽか
あかおにさんは つのまで あかいのかな

つのじゃなくて きばかもしれない
おにか おばけか きょうりゅうか
きばをおとしたら こわくなくなっているかな

なーになに
みちばたに あかいのっぽの さんかく

◆いまいまさこカフェ日記<2009年04月15日(水) カラーコーンで「なーになに」ごっこに掲載。

子守話54「ニュースたま」

きょうもたまちゃんはほいくえんでたくさんあそんだもようです。
トイレもしっかりできて、おむつは1まいですみました。
♪ニュ〜スたま

たまちゃんはばんごはんのおでんのウィンナーひとりで3ぼんもたべました。
おデブよほう、いちだんとよこにおおきくなるでしょう。
♪ニュ〜スたま

たまちゃんとママはビーズのおもちゃであそびはじめましたが、
ママのほうがむちゅうになって、たいくつしてしまいました。
♪ニュ〜スたま

たまちゃんはまちくたびれて、はやくねようよとなきました。
ねむかったのでおふろもはみがききもやめました。
♪ニュ〜スたま

それでは きょうはここまで。たまちゃんはたのしいゆめをみて、
あしたのあさはママと「つばさ」をみるよていです。
♪ニュ〜スたま

◆いまいまさこカフェ日記<2009年04月13日(月) 子どもそっちのけで親が夢中に!アイビーズに掲載。

子守話53「オレンジいろの そらとぶじゅうたん」

オレンジいろのはながいちめんにさいている
おはなばたけに たまちゃんがやってくると
どこからか ちいさなこえがしました。
「たまちゃん はるがきたよ。
 いっしょに はるをさがしにいこうよ」
たまちゃんは あたりをみまわしましたが
たまちゃんのほかには だれもいません。
「どうやって はるをさがしにいくの」とたまちゃんがきくと
「おはなのうえに ねっころがってごらん」とこえがこたえました。

そこで たまちゃんが おはなのうえにねっころがると
オレンジいろのじゅうたんが ふわりとまいあがりました。
たまちゃんをのせた そらとぶじゅうたんは 
なんと たくさんのちょうちょたちでした。
おはなとそっくりなオレンジいろのはねのちょうちょたちが
おはなばたけのはなのうえで たまちゃんをまちうけていたのです。

そらのうえからみおろすと みどりがくっきりとみえました。
いろとりどりのおはなばたけも みえました。
とりたちがうたいながらとぶのも みえました。
そこにもここにも はるがたくさんありました。

そらとぶじゅうたんは はらっぱにおりたちました。
たまちゃんをおろしたオレンジのはねのちょうちょたちは
たまちゃんにバイバイしながら いっせいにとびたちました。
そらにおはなばたけがあらわれたようで そこにもはるがありました。

◆いまいまさこカフェ日記<2009年04月03日(金) たんすの肥やしに絵を描くに掲載。

子守話52 かみなりかぞく

そらがピカッとひかって 
ドンガラガッシャンとおとがして
あめがザーザーふっている。
どうして こうなっているか わかる?
そらのうえで かみなりのかぞくが おおげんかしているから。

ピカッとひかるのは かみなりママの てかがみ。
かみがたが うまくきまらなくて
あさからずっと かがみとにらめっこ。
「おい いつまで やってんだよ!
 はやく ばんごはんを つくってくれよ!」
おなかをすかせた かみなりパパが おこりだして
たいこをたたいて ドンドンドンドン。そうしたら
「もう しずかにしてよ! べんきょうできないよ!」
かみなりにいちゃんも おこりだして
あしをふみならして ドンドンドンドン。そうしたら
「うるさくって でんわがきこえない!」
かみなりおねえちゃんも おこりだして
かべをたたいて ドンドンドンドン。そうしたら
「しずかにしないと ごはんつくらないわよ!」
ばくはつあたまのママも いかりがばくはつして
なべをたたいて バンバンバンバン。そうしたら
たなのものがゆかにおっこちて ドンガラガッシャン。
ねんねしていたかみなりあかちゃんが めをさまし
エーンエーンとなきだして あめがザーザーふりだした。

◆いまいまさこカフェ日記2009年04月02日(木) 御伽話な法螺話が気持ちいい『フィッシュストーリー』に掲載。

子守話51 えがおでバイバイバイ

おやつをぜんぶ たべたら バイバイ
おはながひらいて ちったら バイバイ
ことりたちが とびたったら バイバイ
おともだちが ひっこしたら バイバイ
はるがきたら ふゆはバイバイ

でも バイバイしても きえないものもある

おやつの あまいあじ
おはなの きれいないろ
ことりたちの うたごえ
おともだちを だいすきなきもち
たくさんあそんだ ふゆのおもいで

バイバイしても いっしょにいるから
えがおでバイバイバイ

◆いまいまさこカフェ日記2009年3月31日(火)春は旅立ちの季節に掲載。
>>>子守話1〜25話  >>>子守話26〜50話


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