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NHK-FM青春アドベンチャー『アクアリウムの夜』あらすじ (02/07/18up)
今から聴いても遅くない。前回までのあらすじは、こんな感じ。
■第1回■高校2年の新学期。主人公のギー(広田義夫 声:松田洋治)は幼なじみの大鳥良子(声:國府田マリ子)、高校1年からの親友、高橋(声:有馬克明)と同じクラスになった。良子を花見に誘って断られ、高橋と市民公園を訪れたギーは、その一画にある野外劇場で『驚異の魔術 カメラ・オブスキュラ』という怪しい見せ物に出会う。黒々とした髪と白い口ひげの怪しい案内人(声:清水紘治)が、ピンホールカメラの原理で、公園の風景を凹面鏡に映し出していく。見なれた水族館が映ったそのとき、ギーと高橋は、「水族館にはあるはずのない地下への階段」を見た……。

■第2回■多佳子(声:秋元紀子)の喫茶店『ヴォイス』で、良子が「こっくりさんをやろう」と持ちかける。ギーと高橋が「水族館の幻の階段」のことを聞くと、「チカニハイルナタレカヒトリハシヌ(地下に入るな誰か一人は死ぬ」。お告げを書き留めた紙を見て、高橋は青ざめる。数日後、ギーを水族館に呼び出した良子は、「水族館を建てた大鳥善次郎は、おばあちゃんのおじにあたる人。おばあちゃんは『あそこには善次郎さんの牢屋がある』と言った」と告げ、「毎晩、白い鱗の獣が夢に出てくる」と怯える。

■第3回■憧れの司書の英子(声:谷川清美)がいる図書室を訪ねたギーは、水族館のことを調べようと郷土史の本を開き、旧かな遣いの新聞の切り抜きを見つける。「大鳥善次郎氏と歓談する宗教家の出門鬼三郎」の写真に目を凝らしたギーを目眩が襲う。出門鬼三郎なる人物は、カメラ・オブスキュラの案内人の男に瓜二つだった。一方、高橋は、霊界ラジオにとりつかれ、ホワイトノイズの間から自分を呼ぶ声が聞こえると言い出す。「うちの高校に大鳥善次郎のことを調べている人がいる」という良子の情報で、良子とギーは英子のアパートを訪ねる。そこで英子が口にしたのは、出門鬼三郎の名前だった。

■第4回■大学時代から新興宗教・白神教の研究を続けている英子は、教祖・出門鬼三郎が書いたと思われる自伝を手に入れていた。それによると、出門は不老不死の桃源郷『シャンバラ』を求め、インドからチベットを旅していた。その旅費を出したのが良子の先祖、大鳥善次郎だった。自伝は眉唾ものだが、「出門はチベットであるものを手に入れ、帰国したのでは」と英子。「水族館は、あるものを祭るための器として建てられた」という推理だ。さらに「出門がシャンバラへ行って不老不死の身になっていたら、今も生きている可能性がある」と言い、ギーをますます混乱させる。

■第5回■高橋はギーを家に呼び出し、霊界ラジオの通信内容を報告する。金星人の霊と交信していたと言う高橋は「金星は、いくつもの肉体が溶けて融合した怪物に支配されている」「金星人は、この町に来ている」などと口走る。精神のバランスを崩した高橋が療養のため町を離れた夏休みの間に、ギーと良子の距離は縮まる。2学期がはじまり、ギーたちのクラスは白雪姫を英語劇でやることになった。王子役の高橋はすっかり落ち着きを取り戻したように見えたが、文化祭の当日、姿をくらます。高橋がいないままに幕を開け、劇は進行。そのとき、舞台天井から白雪姫役の良子をかすめ、びしょぬれの黒い物体が落ちてきた。学生服を着た高橋の死体……こっくりさんのお告げが現実のものとなってしまった。

■第6回■こっくりさんのお告げ「誰か一人は死ぬ(ヒトリハシヌ)」には、高橋の名前が隠されていた。並べ替えると「高橋ひとり濡れ」……死因は溺死だった。事件後、ギーに届いた高橋からの手紙には「僕以外に金星人からのメッセージを受け取っていた人物がいた」とあり、その人物は「ギーもよく知っている人」で、「近いうちに金星人の居場所に案内してもらう」と書いてあった。「ギーが聞いてなるほどと思う場所」というヒントから、高橋は水族館で殺され、体育館に運ばれたと推理するギー。文化祭当日、高橋が司書の英子の車に乗っていたのを見た、と多佳子が証言する。多佳子は、ギーたちの高校の卒業生で、英子とは同級生だったが、高校卒業以来、英子から逃げていた。

■第7回■高校時代のある日、骨董屋の軒先で雨宿りしていた多佳子は、同級生の憧れの的だった英子に声をかけられ、親しくなる。英子は「邪な霊から守ってあげる」と言い、多佳子の髪と血を捧げる儀式をし、霊たちが遊ぶ怪しく甘美な世界に多佳子を誘う。英子に夢中になる多佳子だが、英子が他の女の子と仲良く歩いている現場を目撃し、嫉妬に狂う。数か月後、町で女子高生連続失踪事件が起きる。行方不明の学生の中に、多佳子を嫉妬に狂わせた女の子がいた。多佳子は「女の子たちは生け贄に選ばれた」と言い、その根拠に「英子の母が白神教の信者だった」ことを挙げる。高橋を消したのも英子なのか。だが、ギーに直撃された英子は「高校時代の多佳子は精神のバランスを崩していて、現実と妄想の区別がつかなかった」と言い、高橋の死は再び謎に包まれる。

■第8話■高橋が殺されてから3か月経ち、クリスマスが近づいていた。良子にプレゼントのリクエストを聞かれたギーは「高橋が帰って来て欲しい」と答える。高橋の死の謎を解くため、良子とともに真夜中の水族館に忍びこむギー。恐怖で足がすくんだ良子をギーが抱きとめ、二人はぎこちないファーストキスを交わす。魚たちの餌を準備する部屋、見なれた観覧水槽を抜け、機械室にたどり着いた二人は、地下へ続く落とし扉を見つける。その先に貯水槽だけあること、そして、秘密の地下室などないことを確かめれば、見えない恐怖は妄想だったと証明されるのだ。良子とギーが引き返す最後のチャンス。だが二人は、何が待ち受けているか知れない闇へ足を踏み入れようとしていた。

■第9話■水族館の機械室から下に降り、地下道に出たギーと良子。天井を走る配水管らしき二本のパイプをたどり、貯水槽を目指す。だが、どれだけ歩いても、どこにも行き着かない。地下だけが異様に広いのか……恐怖にかられた二人が立ちすくんだそのとき、ギーは地面にぽっかり空いた穴とそこから下へ続く階段を見つける。それは、カメラ・オブスキュラで高橋と見た幻の階段にそっくりだった。一気に階段を駆け降りたギーは、良子がついて来ないと気づき、引き返そうとする。だが、今来た階段は消え、近付いてきた人影は良子ではなく高橋の亡霊だった。死にものぐるいで逃げまどうギーの頭は恐怖と疲労で朦朧とし、出門鬼三郎が洞窟の中で味わった孤独と絶望を感じる。シャンバラの幻を見て気を失ったギーは、良子の声で意識を取り戻す。そこは野外劇場の舞台の上。助かったと安心したのも束の間。二人は見えない壁に囲まれていた。良子が言うには、そこはカメラ・オブスキュラの中らしい。悪夢はまだ終わっていなかった。

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