『哲ねこ 七つの冒険』FAQ
よくある質問集。


ちなみに、よくある質問集のFAQとは、いったい何のことだろう? と、ずっと思っていましたが、

Frequently Asked Question

「頻繁に尋ねられる質問」

の意味だそうです。

ここでは、実際に、寄せられた質問の中から、多かった順にお答えしていきますね。

『哲ねこ 七つの冒険』FAQ
質問集。



 Q1:『哲ねこ 七つの冒険』は、絵本なのですか?

A:1
 いいえ。絵本ではありません。
 440ページ分、文字が書いてある物語の本です。
 見たところ、文字も大きくて、漢字にふりがながふってあるので、小学校低学年向けの本のように見えます。
 でも、実は、これは、子育てに悩んだりしているお母さんのために書いた本です。
 多くのお母さんたちが、子どもとうまくコミュニケーションがとれなくて、困っています。
 あげくのはてに、子どもを愛していたはずなのに、母親自らの手で自分の子どもを殺してしまう、という事件があとを断ちません。
 どうしたら、お母さんたちが、子どもを追いつめたり、責めたりせずに、楽しく子育てができるのか。
 ずっと、それを考えていた私は、ある日、とてもいい解決法を見つけました。

 この世界には、いろんな考え方があるのだ、ということに、お母さんたちが気づいてくれさえすればいいのです。
 それには、哲学がとっても役にたちます。
 西洋の哲学は、二千年以上の歴史を持ち、優秀な哲学者たちは、一生をかけてそれぞれの哲学を探究してきました。
 彼らにとって、それは、きっと「真理」です。けれども、次の時代には、また新しい哲学者が現れ、新しい哲学が現れる。
 そんなことに気づくと、私たちが「絶対に正しい」と信じて疑わないことも、疑わしくなってくることに気づきます。

 お母さんたちが、子どもたちを追いつめたり、自分の子育てに落胆したりした末に、悲劇は起こります。
 だとしたら、お母さんたちが、「自分が正しいと思ってることだけが正しいわけじゃないんだ」ということを、気がついてくれるだけで、すべては変わります。

 子育てに不安を持っているお母さん。子どもとの関係がうまくいかなくて悩んでいるお母さん。
 そういう人は、ぜひ、『哲ねこ 七つの冒険』を読んでみてください。





Q2:『哲ねこ 七つの冒険』を子どもが読んではいけないのですか?

A:2
 いいえ。
 
もちろん、子どもの皆さんが読んでくれるのも大歓迎です。
 やがて、あなたが大人になって、自分の子どもを育てる時に、悪い大人にならずにすみますから。
 でも、子どもの皆さんは、面倒なところは、全部飛ばしてかまいません。
 おもしろいところだけ、どんどん読んでくださいね。
 それから、子どもの皆さん。
 あなたのお母さんに、ぜひ、この本を読むことをすすめてください。
 きっと、あなたの生活が、明日から少しはよくなりますよ。





 
Q3:『哲ねこ 七つの冒険』には、哲学のお勉強の本なのですか?

A:3
 いいえ。違います。
 大人と子どもが仲良く生きていくために、どうしたらいいだろうか。
 という問題を解決するためのアイテムとして、この物語では、哲学を利用しています。
 この本を読んで哲学を勉強してほしいのではありません。
 今まで、まるで知らなかったことを、ちょっと知ってみると、それだけで、私たちの生活は大きく変わる、ということを実感してほしいのです。
  哲学が、勉強したい人は、専門の哲学書を読めばいいです。
 でも、そんな難しい本、読みたくないよ。という人は、ぜひ、『哲ねこ 七つの冒険』を読んでください。
 ミルルとママと一緒に冒険をしているうちに、今まで考えてみたこともなかったことが、いつのまにか頭の中に浮かんでくるでしょう。
 それは、あなたの次の扉を開くのに、とても役にたつかもしれません。





 Q4:『哲ねこ 七つの冒険』には、歌がいくつもでてくるそうですが、子どもへの読み聞かせの時、どんなメロディーで歌ったらいいのか、心配で心配でたまりません。

 A4:いえ。大丈夫です。
 一番重要な「哲ねこのテーマ」は、巻末に楽譜が載っていますから、こんなかんじで、「適当!」に歌ってください。
 あとの曲はもう、なんでもいいですから、勝手なメロディーで、楽しく歌いましょう。
 たいていの曲は、三拍子になっていますから、《ツンタッタ、ツンタッタ》と、ステップを踏むのをお忘れなく。

 





 Q5:『哲ねこ 七つの冒険』の、挿絵を描いているMICHIRUという人は、まだ中学二年生、ということですが、これは誰ですか?

 A5:MICHIRUは、私の娘です。
  本人は、将来、絵の道に進みたい等の希望は、まったく持っていないのですが、今回の挿絵は、猫のかわいさと、哲学者の哲学者らしさという二つの要素を表現しなければならないため、他の画家の方に、そこまで面倒な要求をすることが難しかったので、一番身近にいる、いつも私と一緒に物を考え、哲ねこを原稿の時から、何度も読み、子どもの視点から、重要な指摘をし続けてくれたMICHIRUに、挿絵を頼みました。

 完成するまでには、さすがに、厳しい局面が、何度もありました。けれども、私も、あきらめなかったし、MICHIRUも負けずにがんばったので、とうとう、「母子合作」という、夢のような本が誕生しました。この難しい局面を、二人で乗り越えられたことは、哲ねこにとってもよかったことだと思っています。このことには、『哲ねこ 七つの冒険』を読んだ皆さんにも、ぜひ、親子で一緒に、何かに取り組んでみてほしい、という思いもこめられています。ただし、かなりつらいのは、覚悟の上で。






 
 
Q6:『哲ねこ 七つの冒険』のカバーイラストは、飯野真澄+MICHIRUとなっていますが、二人で一緒に描いたのですか?

 A6:カバーイラストは、文字通り、母娘の合作です。
   以前、私が、物語のイメージを作るために描いておいたアレーテイアの木と宇宙の画像の上に、今回新しく、MICHIRUに描いてもらった、猫たちの絵を配置しました。私の形作った宇宙と木の中で、MICHIRUが生み出した猫たちが、それぞれの主張をこめて存在している姿は、この物語の母子合作の意味を、象徴しているようで、私はとても気にいっています。
 二人の力が集まって、初めて、この『哲ねこ 七つの冒険』という物語が成立っているということは、このカバーイラストを見ていただくだけで歴然ですね。





 
 Q7:『哲ねこ 七つの冒険』の帯や、奥付部分に、小さな文字で「この本の著者印税の10%は、世界の子どもたちのしあわせを願ってユニセフに寄付されます」と、書いてありますが、その寄付の分だけ、本の価格が、高くなっているのではありませんか? また、本当にユニセフに寄付されるのでしょうか?

 A7:ユニセフへの寄付と、本の価格とは、関係はありません。
   ユニセフへは、著者に支払われるべき印税の中から10%を寄付するもので、これは私の個人的な判断によるものです。けれども、実際の寄付にあたっては、ユニセフとNHK出版との間で契約がかわされ、著者印税の10%は、確実にユニセフに寄付されますので、どうぞご安心ください。
また、募金さえすればそれでいい、と考えているわけではありませんが、世界中の子どもたちは、日本の子どもたちよりも、もっともっとつらい苦しい状況にいる、ということを、親子で話し合うきっかけになってくれたらいいと思っています。
 そして、皆さんが『哲ねこ 七つの冒険』を買うために費やしてくれた大切なお金の一部が、確実に世界のどこかの国の子どもの命を助けるために役立つのだとしたら、『哲ねこ 七つの冒険』は、世界の子どもたちにとっても、ほんの少し存在の価値を持つのではないかと思っています。
 






飯野真澄。

2006.9.13.更新。




森へ帰る


『哲ねこ 七つの冒険』(C)2006.飯野真澄.NHK出版。