2014年6月28日
毎日新聞


ニホンザリガニ南限生息地 保護・再生へ緊急調査――大館 /秋田

 ニホンザリガニの生息地を調査する緊急調査委員会関係者=大館市内で


 ニホンザリガニの南限生息地とされる大館市内の現状を調査し、保護・管理のあり方について検討する「天然記念物ザリガニ生息地緊急調査委員会」(委員長・小笠原〓(こう)秋田大学名誉教授、6人)の初会合が25、26の両日、同市釈迦内の大館郷土博物館であった。国天然記念物に指定された生息地域だが、宅地化が進んで生息が危ぶまれており、委員らは危機感を強めている。

 同市では八幡沢地区が昭和初期の1934年1月、ニホンザリガニ生息地として国天然記念物に指定された。しかし、周辺では2002?03年に実施された現地調査で生体がわずかに確認されて以降、見つかっていない。一方、市民の目撃情報などをもとに、郷土博物館が指定地外で調査した結果、12年に餅田地区で231匹を確認。「天然記念物指定」を維持・継続していく上で、市は保護・管理のあり方の再検討を迫られている。

 このため、市教育委員会は大学教授や高校教諭、市民団体「大館自然の会」メンバーら専門知識を持つ関係者で緊急調査委員会を設置。26日は指定地域を巡回し、水路がコンクリート化したり生活排水が流入したりして、生息が困難となっている状況を確認した。今後2年がかりで指定地域見直しを含め、保護・再生に向けた検討を進める。

 ニホンザリガニは北日本に生息する在来種で、江戸時代の文献に薬用や吸い物に用いられたとする記述がある。しかし、1960年代以降、都市化に伴って各地で生息数が激減。環境省は絶滅危惧2類に指定している。小笠原委員長は「生息地の保護・管理には、周辺の地権者や市民の関心の高まり、理解が欠かせない」としている。



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