Loveheroes1

 

 

 

 

 

 

 

〜愛の勇者たち〜       

 

 




 

*注意事項:

#本作は、8主×ゼシカと6主×バーバラのコラボSSです。
#以前アップした「マボロシノ@ ボウケン」の続編扱い(そちらを読んでいなくても然程

困ることはありませんが/汗)、 再びDQ6の世界へ迷い込む主ゼシの話で す。
#今度は普通の大人状態で行くこ とになり、6の世界での時代設定もED後になり、

8主とゼシカが主バハッピーエン ドの為に協力することになります。
・以上のことを踏まえた上でも興 味あるという方は、このままスクロールをお願いします(^^)







              *******



              〜プロローグ〜



 ポルトリンクから少し北上した緑の丘に建つ、ゼシカの 幼少期の親友カレンが

家族と共に経営する宿屋、スノーヴァレイ亭は、宿ならで はの清潔さを保ちながら

家庭的な雰囲気も併せ持つ、心安らげる場所。世界の平和 を再び確立した後、

二人で一つの未来へ向かうことになったエイトとゼシカ は、この宿を訪れた際、

お互いの過去に関して驚くべき事実を知った。それは、お 互いが幼少の頃、

同じ異世界へ飛ばされ、そこで両者とも偽名を名乗りなが らも、実は一緒に

冒険していた、ということだ。その異世界には、レイドッ ク王国という国があり、

長い金髪の凛々しい王子と、その婚約者シェーラがいて、 彼らの国が危機に

曝されそうになったとき、魔物の子供たちと助け合って幼 いながら可能な

限りの協力をしたのを覚えている。実に不思議な出来事 だったが、夢とは

思えない。現に、二人をその異世界へ導いた蜘蛛の巣のよ うな結界を張った

という二人の小さなエルフ、ホルルンとテルルンは今もス ノーヴァレイ亭に

いて、客が気づかない所でカレンの手伝いをしている。

「おはようエイト、今日も気持ち良い朝ね!」

その幼少期 の奇妙な冒険を思い出して語り合った翌朝のスノーヴァレイ亭にて、

まだ頭が働かないまま眠たそうにベッドで起き上がったエ イトは、そう言いながら

窓のカーテンを開けて眩しい日光で部屋を照らすゼシカを 見上げた。ピンク色の

キャミソールを纏い、片手を頭の後ろに置いて腕を上げな がらその光を浴びる

彼女は実に女神のようで、その姿を拝めばあっという間に 眠気が去っていく。

「おはよう、ゼシカ・・・ちょっと、何を・・・!」
 気づけば首に抱きついて朝一番のキスを交わす愛らしい 女神。丈の短い

キャミソールの下からむき出しの長い脚は、片方が無意識 にも背後で曲げられ、

上がってしまう光景は、もし他人が見ていたらとても微笑 ましく感じるだろう。

「昨日の話、本当に信じ難いわね・・・」

「そうだね。あの後、みんなどうなったのかな・・・」

「気になるわよね。異次元の世界だから、今度見ることが できたらずっと

その後になっているかもしれないし・・・」

「うん、レイドックの王子とシェーラ妃に子供ができて、 その子供も今じゃ

成長しているのかもしれない」

「そうそう、あのバーバレラという大魔女の魂が予言して いた生まれ変わりも

叶って、そっちの魔王を無事倒せたらいいわね・・・」

そう話して いるゼシカは突然目が輝き出した。

「ねえ、エ イト!もし、またあの世界へ行けるチャンスがあったら、

直接行って見てみたい?」

「えっ?!そんなこと急に言われても・・・」

そう質問さ れて少々戸惑うものの、少し頬を膨らませてかわいらしく

見つめてくるゼシカを見たら、エイトは微笑んで答えた。

「・・・でも、ゼシカが一緒なら、また冒険したい な・・・」

 

着替えた 後、エイトとゼシカは食堂へ下りた。ゼシカは、他の客がいなくなると、

朝食を運んでくれた親友に早速訊ねる。

「ねえ、あのエルフたち、その後何か話した?」
 カレンは、現在とりわけ急用が無いのを確認すると、席 へ座り、小声で

話し始めた。
「ええ。ホルルンの方は最初トロデーン城に飛ばされたけ ど、テルルンと

再開して私たちの宿屋で落ち着いて、最初は隠れるのに必 死だったけど、

段々と馴染んで、例え元の世界へ帰れたとしても、残りた くなった、って。

でも・・・」

 カレンは少し気掛かりなことがあったようで黙り込む。

「どうかしたの?」

「二人とも、言わなかったけど何か心配していることもあ るような気がしたの。

訊いてはみたけど、私が気にすることじゃないから、っ て、教えてくれないの。
何なのかしら・・・」

「確かに、そう言われると益々心配になってしまうわ ね・・・」

 ゼシカは、ある意味弟たちのように思っているポルクと マルクのことを

思い出した。あの二人も何か気掛かりがあると、“ゼシカ 姉ちゃんを心配

させるほど落ちぶれた男じゃないからな”等と格好をつけ てきたことが

何度もあったが、最後はゼシカが二人の問題を解決する結 果となっていた。

ゼシカはふとカレンに訊ねる。

「ねえ、あの二人、帰りたくなくなった、って言っていた けど、帰れない、

ということはないの?」

「そうね、元の世界へ通じる道は、一度消えた、というこ とは言ったけど、

必死に探していながらどうしても見つからない、みたいな 雰囲気じゃなかったわ・・・」

「ふ〜ん・・・ね、エイトは何か良い案ない?」

「そうだな・・・エルフは普段人間が気付かない所でこっ そり見ているけど、

逆にこっちが気付かないように覗いてみたら、何で困って いるのか、

わかるんじゃないかな・・・」

「名案ね!今夜早速やってみましょう!」

 ゼシカには、エイトのそういう発想は、自分に中々言い 出せない悩みがある

時でもそれを探って気遣おうとする彼の優しさから来るも のだろう、と感じられ、

嬉しそうに答えた。

 

 その晩、エイトたちは宿の地下倉庫へそっと忍び込ん だ。エルフは極めて

用心深い生き物である。人間の気配に予め察知し、姿を隠 す術においては、

先ず真似できない。それを、気付かれずに観察するのは至 難の業。しかし、

過去幾度と魔物の生息地へ忍び込んだ偵察をしてきたエイ トとゼシカなら、

エルフたちの話を盗み聞きするにも成功の見込みはある。 そんな経験を

持たないカレンを上の階段に残し、山積みされた箱の裏か ら、耳を傾ける。

「・・・どうしたらいいんでしょう?」

「やっぱり、戻ってみるべきかな・・・」

「でも、こんなか弱いエルフに何かができるとは思わない し、それに、

あれからどれだけの時間が経っているのかもわからな い・・・」

「カレンちゃんと別れるのも辛いし・・・」

 衣類にかかった大きなカバーに隠れ、ホルルンとテルル ンはやはり悩みを

話していた。二人がいた元の世界に、何か問題が起こって いるのだろうか。

もしも、二人の出身地に危機が迫り、それを他人に話せず 困っているのなら、

無理してでも手を貸さなければならない。ここは、相手に 誤魔化す余裕も

与えないよう咄嗟に話を持ちかけるべきだ、と思ったゼシ カは、飛び出して、

二人のエルフを覆っていたカバーを剥ぐ。

「あなたたち、何を悩んでいるの?!」

 強気に押し入られどうして良いのかわからないホルルン とテルルンだったが、

ゼシカはその戸惑いを利用し、二人の頭の位置まで屈んで 優しい顔で続けた。

「大丈夫よ。良ければ私たちに話して・・・」

 お互いの顔を見てまだ暫く戸惑う二人のエルフだった が、ゼシカたちは

暗黒神から世界を救った勇者であり、カレンに話しても心 配をかけるだけだと

思ったことも、この二人になら相談できそうだと考えた。

「それが・・・」

 二人は交互に話し始めた。以前自分たちがいた、レイ ドック王国がある世界の、

この世界へ通じる道は何年も前に断たれてしまい、二人の 力を使っても中々

見つけ出せなかった。二人はスノーヴァレイ亭での生活に 満足していたので、

それほど気にならなかったのだが、最近、その異次元空間 が再び、ほんの少し

ながら何度も接近しているようで、何やら不吉な予感がす るという。それが

単に、神鳥レティスが異次元を移動してこの世界から去っ ていく際に起こった

異変かもしれぬが、やはり二人は、自分たちの出身地が心 配のようだ。そこにも

魔王がいたわけだし、それが、もしかするとこの世界にま で手を伸ばせるくらい、

強大な力を得てしまったのかもしれない。

「ともかく、異次元同士なので、一度去ってしまったら、 同じだけ時間が

流れた頃に戻れるかわかりませんし、その間に何が起こっ たか予想できないので、

とても心配なんです・・・」

 話が終わる頃にはカレンも下りてきており、聞いてい た。ゼシカは、

エイトの方を見る。つい今朝、あの世界がどうなっている のか気になる、

と話していた。エイトもゼシカが言いたい意図がわかり頷 く。

「ねえ、私たちがそこに行けないかしら?」

「えっ?!」

「一度はその世界を旅しているし、今の私たちなら、例え そこに魔王が

いても対抗できるわ!」

 その提案にはホルルン、テルルンは勿論、カレンも驚い たが、エイトも

本気で考えているようだし、それが最良の手段。寧ろ、世 界を救った

英雄なのだから、異世界でも同じような危機があれば、助 けにいくのは

寧ろ使命かもしれない。

エイトとゼ シカは一旦戻り、装備品を整え、準備万端で再度下りてきた。

その頃、ホルルンとテルルンも魔力を集中させ、その巨大 な蜘蛛の巣のような

結界を作り出してみた。

「なんとか、大丈夫みたいです。今ならあの世界に通じる 異次元へ行けるかと

思います!」

 双方のエルフが集中して力を合わせる中、エイトとゼシ カはゆっくりと

その蜘蛛の巣へ手を押し込み、巻き起こる淡い青色の光へ と引き込まれていった。

「なんか、すごいわね・・・」

 この度は幼少期と違い、ここで気を失うことは無く、周 囲どこを見ても

青い光が高速で通り過ぎていく、自分たちを吸い込むトン ネルのような

ものを見てゼシカが言う。

「ゼシカ、手を離さないように気をつけてね」

「ええ!」

 お互い、片手を握りながら、時には猛烈な勢いで飛んで くる様々な物体を、

剣や鞭で退けて飛んでいく二人。突然、遠くには虹色に輝 く、人のシルエット

のようなものが出現した。あれは何だろう、と目をそらし て観察しようとすると、

突然消えるが、その後、一瞬一瞬現れ、段々と近づいてく るように見える。

二人はそれを気にしている所に、巨大な岩石が飛んでき た。

「ゼシカ、危ないっ!」

 一足早く気付いたエイトは、全身でゼシカを庇い、正拳 突きでその岩を

割ったが、同時に、二人を吸い込むその力によりゼシカと 繋いだ手が離れて

しまった。再び届くよう、お互い浮きながら手を伸ばす も、エイトの方は、

既に隣まで来た先程の虹色の人間のシルエットが、まるで 自分の手を

引っ張っているかのようで、そちらへ流されてしまった。 結局、二人は

お互い少々異なる方へ跳び、光の中へ消えていくのであっ た・・・。

 

 

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