

2006年9月2日(土) 晴時々曇り
伊吹山山頂は秋の花たちが盛りを迎えていました。
花の主役は3っ、
紫の深い色合いが高貴な印象を与える「イブキトリカブト」
秋風に揺れる純白の花穂は「サラシナショウマ」
クリーム色が優しい「フジテンニンソウ」
山頂のあちこちで3者が群落を作り、咲き競っていました。
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山頂測候所跡(東遊歩道へのスタート場所)
目立ちませんが、良く見れば多くの種類の花が咲いています。
空はまだ夏の青さ、湧くように生まれて来るモクモク雲たち。
柵内には、ミヤマトウキ(花期7〜8月)の花後の株がたくさん見られました。
この植物の根は「血を作る」とされ、漢方薬には欠かせないもの(特に婦人薬には不可欠)。
江戸時代に薬草使用目的で乱獲され、各地で絶えてしまった植物です。
花は地味なので盗掘される事も無く、ドライイブウエー沿線や山頂部で
非常に多く見られるようになっています。
みなさんくれぐれも
「花を手折る」「掘り起こされ持ち帰る(盗掘)」「写真を撮るために柵内に入る(植物の周りの土を踏み固めて暮らし難くさせてしまう)」
などをされないようにお願いいたします。
この日は見ませんでしたが、柵内に入り込んでいるかたには声をかけて止めていただくようにしています。
(その場合、激しい言葉にならないよう注意します)
聞いていただけるかたもありますが、まったく無視される事もあります。

山頂写真撮影スポット、ヤマトタケルノミコト(日本武尊)像
記念撮影する人が絶えない状態です。
山頂・山小屋郡の一番奥、
青い屋根が「花の山小屋」として名高い「えびすや」さんです。
店内は花の写真でいっぱい、
売店には伊吹の花博士「松井純典(じゅんすけ)さん」「ダニエルさん」がいて、
「見ごろ花の状況」「見られる場所」の情報を
やさしく教えてくれます。
その後方に見えるのは伊吹測候所跡、
現在は閉鎖されています。
今後の花の予告
【 山 頂 の 花 】
| 予想される花の時期 | 見頃の花(メインになるもの) | イメージ |
| 10月初旬 | リンドウ、リュウノウギク、コイブキアザミ | 「山頂遊歩道を縁取るリンドウ」 |
【 3合目の花予測 】
| 予想される花の時期 | 見頃の花(メインになるもの) | イメージ |
| 10月初旬 | イブキトリカブト、ハクサンフウロ、エゾフウロ | 「トリカブトとフウロソウの群落」 |
| 10月末〜11月 | センブリ | 「最後にやって来る白花」 |

中央遊歩道のサラシナショウマ群落@
東遊歩道のサラシナショウマ群落を追いかけて5年間を過ごしました。
けれどそれと同様、もしかしてそれ以上の美しい群落・・・。
「中央遊歩道のサラシナショウマ群落」
思わずため息が出るほどの、ステキな光景が広がります。
「よかった」という思いと「秋の寂しさ」を同時に感じて
涙が出そうになります。

中央遊歩道に広がるサラシナショウマ群落A
午後3時30分頃の撮影、
9月も中旬を過ぎると、秋のお日様は急激にパワー(光量)が落ち、
午後3時過ぎの写真撮りは難しいものになります。

サラシナショウマ
花穂には、ブラシのようなフワフワ感があります。

サラシナショウマの花穂に・・・
しがみついたまま秋に散った「いのち」
穂の先端にいたのは
もっと遠くを見たかったからなのでしょうか?
己が生命の尽きた、その後にある風景

中央遊歩道のサラシナショウマ群落B
| サラシナショウマ ( 晒菜升麻 ) 花期 : 8月中〜9月中 場所 : 山頂(3合目にも少数) 草丈 : 1m程 花 : 10cm〜30cm(花穂の長さ) 雄しべ多数、雌しべ2〜8個 葉 : 2〜3回3出複葉 小葉による多数編成の葉 互生 寿命 : 多年草 生活の場 : 山林の林の中、森の周辺 北海道〜九州 科属 : キンポウゲ科 サラシナショウマ属 (2005年原稿)サラシナショウマの群落が広範囲で見られ、それは実に見事なものでした。2002年から3年間は山頂 を撫(な)でた台風により花蕾が飛ばされてしまい良い具合に広がる群落が見られませんでした、けれどこの2005年は「 生まれたばかりの秋風」にそよぐたくさんのサラシナショウマが見られました。花をさわって見れば、白毛のブラシの如く 「フワフワ」の弾力があるサラシナショウマなのです。山野草の中では大きな花(花穂の長さ・草丈)と言って良いもので す。前週訪問から良い具合が継続していて、9月中旬頃までは生き生きとした株が見られる事でしょう。中央遊歩道(最 短コース)は歩いていませんが、聞いた所によれば「見事な群落が広がっていた」との事。西遊歩道ではあちこちに咲き 広がっていましたが、群落として撮影するには距離が遠いものが多かったです。一番良かったのは東遊歩道、歩いてい るといろいろな規模の群落が目の前に次々に現れ、撮影するのも植物を感じるのにもとても良い状況でした(前回訪問 8月28日のほうが、より優れている印象。毎年開花の状況は変わります)。 (2004年9月の原稿) 山頂のサラシナヨウマは花期の終わりを迎えようとしていました。ブラシのような外見、さわってみるとふわふわしていま す。雨に、風に、体を揺らしていたサラシナショウマたち。白いブラシのような花穂が、とても美しく写ります。8月中旬、 シモツケソウの紅の花野を突き破るように「ひょい、ひょい」と1m程にも伸びて、次々に花を咲かせます。伊吹山では山 頂でのみ、目にすることが出来ます。花のピークは9月1日くらいでしょうか、8日に訪れた時には「少し遅かったなあ」と 感じました。春、まだ草丈が低い頃の若葉を1〜2日流水で晒(さら)しアク抜きをし、ゆでてから山菜として食べます。こ こで漢方の考え方をひとつ記します。「気」というものについて考えてみましょう、これは「ひとの元気・エネルギー」とか 「気合」とか言い換える事が出来るのですが、筋肉や臓器を持ち上げる力でもあるのです。 「胃下垂」 「脱肛・子宮脱 (痛みの少ないもの)」 「眼瞼下垂(まぶたが下がる)」 「食事の後、異様に眠たくなる」「筋無力症」 など筋肉に力が入 らないイメージの疾病です。サラシナショウマの根茎は、これらの症状に良いとされています(→中気升提・升拳陽気)。 気を補う代表処方は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。元気が無い、話していると声が段々小さくなる、常に下痢気 味だとか、体を打ちつけた覚えも無いのに青アザが出来ているというかたにも、良い漢方薬です。 |

イブキトリカブト(伊吹鳥兜)
「猛毒があるから」って色眼鏡で見られる事が多いけど、
その紫花には気品が感じられ貴婦人の様相です。
深い色合いには「ため息」が出そうです。
本音を言えば、雨に濡れたトリカブトがもっとステキです。
花びらが雨に濡れると色合いが深みのあるものに変わるのです。

東遊歩道で見られるイブキトリカブトの群落
例年に比べると、花の訪れは若干遅いくらいでしょうか・・・。
全体としてはまだ咲き始め〜4分咲きの状況

| イ ブ キ ト リ カ ブ ト ( 伊吹鳥兜 ) 花期:8月中旬〜10月 場所:3合目〜山頂 草丈:30cm〜1m程 花 : 3〜4cm(花の長さ) 花びら(がく片)5枚 葉 : 掌のようで3〜5裂 互生 寿命 : 多年草 生活の場 : 本州(ヤマトリカブトは関東西部と中部地方東部) 科属 : キンポウゲ科 トリカブト属 トリカブトの花を目にすると、秋の訪れを実感するのです。夏の激しさが去った伊吹山を、紫の彩りが情深く包んでいる 気がします。1週間前の8月28日のトリカブトは(全体としては)咲き始めで、まだ固い印象を与えていましたが、この日 は各所で美しい花姿を見せてくれていました。花は刻々と状況変えて、我々に花姿を見せてくれるのです。西遊歩道と 中央遊歩道ではトリカブトも思うほどたくさん見られませんが、東遊歩道へ足を運ばれますと多くの花姿が見られます。 花の美しさに誘われ(写真撮影のため)柵を乗り越え花の近寄られるるかたがいらっしゃいますが、根を踏む事で草た ちは弱ってしまいます。柵を乗り越えなくても東遊歩道後半には、花を手に取るくらい近い場所で咲いている株を見る事 が出来ます(*^_^*)。 トリカブトの花は「能楽でかぶる帽子・烏帽子(えぼし)に似ている」というのが命名の理由になっていますが、そんな事 は知らなくても確かに「帽子」の様に見えます。スズメがかぶったら、ちょうど良いくらいのサイズでしょうか? おとぎば なしの世界では重宝しそうな可愛い帽子です。この原稿を打ち込みながら歴史物のテレビを見ていますが、聖徳太子 が取り入れた「官位12冠」の制度は、冠の色を12種作り一目で官位が分かるようにしていたものだとか。一番位が高 いのは「高貴な色を表す紫色」で、その姿は大きなトリカブトの花をかぶっているようにも見えたかも知れません。「深く 神秘的な色合い」「濃く毒々しい色合い」ひとによってトリカブトの花に対する感じ方は様々でしょう。トリカブトは「猛毒 を持つ事」から色眼鏡で見られる事が多い植物、けれど減毒化したものを「体を温める」医薬品として使っていて、ひと の役にも立っているのです。 (2004年9月の原稿) 美しい花をつけるトリカブト(根だけでなく、全ての部分に毒があるとされる)、その蜜を集める昆虫たちは見知っていまし たが、花びらをガリガリと食べる虫を見つけて驚きました。虫たちはアコニチンの毒を何とも思っていないようです。2003 年8月17日に訪れた時、咲き始めたトリカブトを山頂で見てからもう2ヶ月が過ぎました。山頂・登山道ではもうトリカブト の花は見られないけれど、3合目ではごく少数のトリカブトが寒風を避ける様にして咲いていました。昨年は11月初旬ま で深い青紫の花を見る事が出来ました。山頂でのトリカブト群落を楽しもうと思えば、8月25〜9月5日頃がお奨めにな ります。猛毒を持つとして知らぬひとは無いこの植物は、能楽でかぶる帽子・烏帽子(えぼし)に花の形が似ているので 「トリカブト(鳥兜)」と名付けられています。地域の変種が多い植物で、単に「トリカブト」という種名は無く、「ミヤマ」とか 「イブキ」とか「エゾ」などが必ず頭に付きます。日本には30種類ものトリカブトがあります。トリカブトの花言葉は「復讐 」「栄光」「美しい輝き」「人間嫌い」、含まれる毒のせいか微妙な言葉たちが並んでいます。ギリシャ神話では地獄の番 犬ケルベロスの吐いた泡からトリカブトが生まれたと伝えられます。トリカブトの根は矢毒として狩りに使われていまし た。根だけでなく全草に毒がありますが、減毒加工(減圧加熱、または塩水2〜3日で煮る、または濡れた和紙に包ん で熱の残る灰に埋めておく)を施し漢方薬として使います。減毒処理(もちろん厳密な検査を経たものを使い、生命に影 響を与えないもの)したトリカブトを「ブシ(附子)」と呼び八味地黄丸などに配合、体を強く温める役割があります。トリカ ブトの解毒剤・・・、黒豆を煎じた液を飲むのが良いのだそうです(実証者あり)。その他にはサソリ(粉末にして飲む)が 良いとも伝えられます。合成薬でもトリカブトの毒(アコニチン、メサコニチンなどの猛毒アルカロイド)を完全に消すも のは作られていません。 |

山頂部に咲くフジテンニンソウ

まだ満開になっていない東遊歩道の花たち。
(全体として)サラシナショウマは6分咲き
トリカブトは咲き始め〜4分咲き
フジテンニンソウも咲き始め〜4分咲き
写真の右手前がフジテンニンソウですが、まだつぼみです。
| フ ジ テ ン ニ ン ソ ウ ( 富士天人草 ) 花期 : 7月末〜9月 場所 : 3合目〜山頂 草丈 : 40cm〜1m 花 : 20〜30cm(花穂の長さ) 葉 : 長楕円形〜広披針形、長さ15cm〜25cm 鋸歯あり無毛 寿命 : 多年草 生活の場 : 山地の木陰 科属 : シソ科 テンニンソウ属 山頂で目に付くのはサラシナショウマ・トリカブト・アザミにアキノキリンソウたちですが、このフジテンニンソウも山 頂の広範囲で見られる花です。淡いクリーム色の花色、花は花穂の下から咲きあがる状態です。美しい花で山野 草として愛されても良いくらいのものですが、地下茎で確実に繁殖していくからなのでしょうか(取り除こうとしても 苦労するから)、山野草販売店では目にした事がありません。6〜7合目あたりから群落が見られ、(フジテンニン ソウ花前線は)山肌を登るようにして山頂に到達しています。フジテンニンソウは山地の日影を好む植物で、草丈 は1m程で山野草としては背が高いほう。茎は硬く四角形になり、葉の裏の中肋に毛(開出毛)があり事が特徴で す。富士山周辺に多い事からフジテンニンソウと呼ばれています。 (2004年10月の原稿) 6合目過ぎと、7合目過ぎに小群落がありました。この株たちが咲き終わると、フジテンニンソウも来年までサヨナ ラとなるでしょう。葉っぱが青々としていて、来期へのエネルギーをためているように見られました。フジテンニン ソウがひとりでいる事は少なく、数株で群れている場合が多いのです。その理由はフジテンニンソウが地下茎を 伸ばして生活の場を広げて行くという事からなのです。山頂にテンニンソウが増えて行くほど、8月のお花畑の中 心女優シモツケソウが暮らし難い状況になって行く事は確実で、心配しています。 ノイバラ・キイチゴ・イタドリの 類も地下茎を伸ばして仲間を増やして行きます。 |

オドリコソウ
オドリコソウは長い花期で、登山者の目を楽しませてくれます。
一度に咲くわけでは無く、花はまばらに付きます。
花だけみればイブキジャコウソウと印象が似ています、ともにシソ科の植物だから
なのでしょう。

シオガマギク
ピンクの渦巻きを描くシオガマギクの花。
葉は茶色がかっています。
濃い緑の葉を付けている株もあります。
| シ オ ガ マ ギ ク ( 塩 竈 菊 ) 花期 : 8月〜9月 場所 : 3合目〜山頂 草丈 : 30cm〜50cm 花 : 花びらは上下で2枚、上は尖り下は浅く3裂 花は茎上部に横向きに付く 葉 : 下部で対生、上部で互生 葉の縁には形の揃った鋸歯 長さ〜8cm・幅〜2cmの狭卵形 寿命 : 多年草 生活の場 : 北海道・本州・四国・九州 山地の草地 科属 : ゴマノハグサ科 シオガマギク属 (2005年の原稿) シオガマギクは茎の途中(茎長の上半分に感じられる程)にも花をつけるもの、トモエシオガマは茎の頭頂部に花を 咲かせるものです。「先端に巴形の花が付いている」から「トモエシオガマ」ではありません。登山道で出逢うピンク 花(濃)のシオガマギクは人の目を惹きつけるもの、昨年は東遊歩道出口近くで多く見ました。時期の所為かも知れ ませんが、今年はあまり見られなかった印象です。 (2004年の原稿)風車を連想させる花、花びらの先端は必ず右へカーブを描きます。伊吹山ではトモエシオガマと シオガマギクの両者が見られ、登山道7合目辺りから山頂にかけて、結構多くの株を見る事が出来ます。シオガマ ギクの仲間は、花びらだけでなく葉の形・色も独特のもので、【「葉まで美しい」が転化し「浜で美しい」】→【結晶化す る塩の美しさ】→【浜辺で海水を煮詰めて塩を取り出すためのおかま「塩釜」】→【シオガマギク】。 そんな伝言ゲー ムのような経路で命名されたと伝えられていますが、あまりに不自然な展開に「命名には何か他の理由があるので は?」と勘ぐってしまいます。ちなみにトモエシオガマはキク科では無く、ゴマノハグサ科・シオガマギク属の植物で す。ゴマノハグサ科の植物は薬用にするといわゆる「濃い」薬味(毒性を持つものもある)になるものが多いと言われ ています。 |

キンミズヒキの花
夕暮れの光に黄金に輝いています。
山頂部に群生していて、8月末が最盛期になります。


ツリガネニンジンの青い花
秋の涼風に揺られ、澄んだ音を立てているような印象

| ツリガネニンジン ( 釣 鐘 人 参 ) 花期 : 7月末〜10月 場所 : 2合目〜山頂 草丈 : 30cm〜1m (2004年の原稿) 咲き始めのシャンとしたツリガネニンジン、まだつぼみのものが多くて8月に入ってからが楽しみです。花盛期になれ ばしなやかで曲線的な印象になるツリガネニンジン、淡い青の花色は盛夏のなか、涼しげな揺らぎを送ってくれてい るようです。 (2003年の原稿) 8月に入るとその存在感を強く感じます。ツリガネ二ンジンの花が揺れる野原を見ると、幻想的な気分になり昔語りの 物語の世界に引き込まれる気がします。花の盛りは8月ですが、11月初旬までは2〜4合目で見られます。ツリガネ 二ンジンの花は青ガラスの鐘のようです。この地に残された「信長が命により開いた南蛮人のハーブ園」の伝説と相 まって、幻想的な雰囲気をかもし出しています。遠慮がちに吹く風に揺られ澄明な音を響かせているように思えました 。ツリガネ二ンジンの花が揺れる野原を見ると、幻想的な泉鏡花の小説の世界を思います。鏡花の小説には魑魅魍 魎(ちみもうりょう)がよく出てきますが、それらは確かに時に残忍な行動もとりますが、多数出てくる「欲にかられた」 人間よりずっと純粋な心を持ち、理にかなった行いをします。「夜叉が池」の白雪姫、「天主物語」の天主の姫、「高野 聖」の山中の美女がそれです。可憐に咲くのと同時に、厳しい生存競争を勝ち抜く花たちの主張と重なるように思え てきます。「山でうまいはオケラ(白朮)にトトキ(ツリガネニンジン)」と里謡で唄われるように、若芽を山菜として食用 にします。根は朝鮮人参のような形になり「ナンシャジン(南沙参/北沙参はハマボウフウの根)」として、空咳・ノドの 痛みに使われます。ツリガネニンジンなどのキキョウ科の植物はノドの痛みの改善に用いられています。 |

これはソバナ
花の様子はツリガネニンジンと間違えてしまうほど似ています。
ソバナは「ラッパ形」の花形
ツリガネニンジンは「ツリガネ形」です。

午後4時過ぎの日射しとタムラソウ
アザミの花とそっくりですが、タムラソウにはトゲがありません。
(タムラソウもアザミもキク科の植物、親戚関係ではあります)


タムラソウ
あれ、カタツムリがかくれんぼ
| タ ム ラ ソ ウ ( 田 村 草 ) 花期 : 8月〜9月 場所 : 3合目〜山頂 草丈 : 30cm〜1m20cm 花 : 筒状花多数 枝先に上向きに咲く 葉 : 切れ込み深い羽状複葉 トゲ無し 互生 寿命 : 多年草 生活の場 : 本州〜九州 山地の草原 科属 : キク科 タムラソウ属 (2005年原稿) アザミにしか見えない花姿、けれど葉にはトゲがありません。やさしいやさいしい花姿です。先週は多くの花姿が見 られましたが、1週間を経た9月4日にはその数を減らし始めていました。山頂全般で姿が見られますが、東遊歩道 (弥三郎泉水〜駐車場)で多く見られます。群生したものが微風に揺れる様子は、ため息が出る程美しいものです。 花の外周には先端が「クリンクリン」(3〜5裂)したものが写っています、それらは花中央のものと違って雄しべ雌し べがありません。 (2004年原稿) タムラソウは9月も、3合目から山頂に至る広範囲で花姿を見せてくれていました。けれど盛りは越した状況で、下 の写真のように枯れた花も見られました。つい「あっ、アザミの花!」と言ってしまうタムラソウ、アザミと違い葉や茎 にトゲがありません。名前の由来ははっきりと分からないのですが、花が「玉」のように群れているからタマムレソウ (玉群草)、それが転化したとも言われますが素直に納得できるものでは無い気がします。 |

ミヤマコアザミのお寝坊さんかな?
イブキアザミも咲いている頃です
滋賀県自然観察グループのかたの説明によれば「イブキアザミにはとげが無い(少ない?)」との事、
写真の株はトゲが確認できますから。

咲き始めのコイブキアザミ
小さなアザミ花が群れる様子は、蝶の群れを見ているようです。
| コ イ ブ キ ア ザ ミ (小 伊 吹 薊) 花期 : 8月末〜10月 場所 : 5合目〜山頂 草丈 : 50〜80cm(花の直径2cm程) 花 : 茎や枝の先に多数咲かせる 葉 : 長さ〜20cmで羽状深裂 4mm程の鋭いトゲを持つ 葉は密に付いていて緑が多い(濃い)印象 寿命 : 多年草 生活の場 : 6合目〜山頂付近の草地 石灰岩地を好む 伊吹特産種 科属 : キク科 アザミ属 撮影に熱中しすぎてコイブキアザミの葉を触れば、たくさんの鋭いトゲのために飛び上がる程痛いのです。山頂で 暖かな花色を見せていたコイブキアザミ、ひとつひとつの花は(ノアザミに比べてずいぶん)小さいのですが群れに なり咲く姿には迫力があります。この日は特に元気な花姿を見る事ができました。ヒメアザミ(姫アザミ)から生まれ た特産種で、伊吹山で生まれたものと考えられています。上の写真は花盛期の状況ですが、下の写真のように咲 き始めのものもあり、開花状況は場所によりばらついています。山頂のコイブキアザミは9月中旬頃から元気を失 いますが、登山道6〜8合目では10月一杯は元気な花姿を見る事ができます。 小さな花が群れ集うようになるコイブキアザミ、5〜8合目で多くの花盛りの株を見る事が出来ました。山頂では若 干ピークを越えた状態でした。コイブキアザミはヒメアザミから生まれたものと考えられており、伊吹山特産の種で す。花期は長く8月から9月末頃までの2ヶ月ですが、9月に入ってからは花色が徐々に薄くなって行きます。8月 は主に山頂で花姿が見られ、9・10月には登山道6〜8合目で見られます。徐々に山肌を降りる状態で花を見せ てくれます。アザミの花言葉は「厳格」、5月・ノアザミの開花で始まったアザミたちの競演も、この10月で区切りに なりそうです。 |

コイブキアアザミの白花

アキノキリンソウ
夕日に黄金色に輝きます。
山頂にはたくさんのアキノキリンソウの花たち
寄り添って・集まっておしゃべりしているみたいです。

アキノキリンソウ

| アキノキリンソウ ( 秋の黄輪草 ) 花期 : 8月中旬〜10月 場所 : 2合目〜山頂 草丈 : 30cm〜80cm 花 : 1.3cm程(直径) 花びらに見えるのは舌状花で、4〜6枚 葉 : 楕円形(卵状) 互生 寿命 : 多年草 生活の場 : 山地の草地や丘陵や土手 北海道〜九州 科属 : キク科 アキノキリンソウ属 (2005年原稿)8月中旬頃から姿を見せ始めたアキノキリンソウ、訪れた方々はガイドブック片手に頭を悩ませてお られます。「これがオトギリソウ?」「それともトモエソウ??」「あれっ、キリンソウかも???」(^_^;)などと会話する声 が聞こえて来ます。寝っ転がって写真を撮っている自分に対し「これだけ熱心に花の写真を撮っているのなら、花の 名前くらい知っているだろう・・・」と思われるのでしょう「あれは何って名ですか?」と聞かれる事があるのです。鮮やか な黄色が観光客の目を惹くアキノキリンソウ、過去5年間で一番多く「これ何しょう?」と聞かれた植物です。「セイタカ アワダチソウですよねえ♪」と自信満々に聞かれた事もありました。この植物が現れると、秋の訪れを実感します。ま ずは山頂で姿が見られる様になり、山肌を降りるように花姿を見せます。3合目では10月末までアキノキリンソウの 黄色花を見る事が出来ます。トリカブトも同じように山肌を降り、同時期(10月)には3合目で花姿を見られます (2004年9月の原稿) 秋の日差しにアキノキリンソウ(黄色花)が輝いています。5合目標識上での光景、ワレモコウ(赤黒い花)も秋空に 誘われるかのように花姿を見せていました。アキノキリンソウの花言葉は「警戒心」、ワレモコウの花言葉は「愛し慕 (した)う」です。アキノキリンソウは秋の抜けるような青空を背景に、実に鮮やかな花色を見せてくれました。背が高 いもの・低いもの、花が密なもの・疎らなもの、各々の印象が微妙に異なり違った植物のように感じさせる時もありま すが、この時期に山野で鮮やかな黄色花を見たならアキノキリンソウである確率が高いと考えてください。ノドの痛 みがある場合にアキノキリンソウを煎じて飲むと良いと言う記述がありますが、現在はほとんど使われていません。 少なくとも市場品としては流通していません。鮮やかな黄色が写真ではうまく再現出来ませんでした、残念です。自 分はデジカメではなくフイルム写真を使っています、ここに載せている写真は現像屋さんでCDに入れ込んでもらっ たものを使っています。印画紙に焼いてもらうものより若干明るく仕上がっています。黄色の花を6〜7月に咲いて いたキリンソウ(黄輪草)に似ているという事から、「アキノキリンソウ」と名付けられました。茶花としてもよく使われ ます。 花粉症を引き起こすとされ町中で見られるセイタカアワダチソウはアキノキリンソウの仲間でキク科の植物 、ただしこれは北米から来た帰化植物です。 |

エゾフウロ
エゾフウロは3合目に多く、山頂でも少数見られます。
つぼみの外側と茎に「うぶ毛」が見られるのが特徴です。
ハクサンフウロはつぼみの外側には「うぶ毛」が無く、つるつるしています。

ヒメフウロ
山頂では、10月いっぱい花姿を見られます。
| 名 前 | 茎・つぼみの状態 | 葉 の 状 態 | 花 色 | 花の 大きさ(直径) |
花の時期 |
| エゾフウロ | 長い毛がつぼみに | 十字軍のマークのようで、 外に反る印象。 |
深紅色 (赤筋) |
直径 2cm |
6月初〜末 9月〜10月 |
| ヒメフウロ | 〃 | 細かく切れ込み、 菊の葉のよう |
淡紅色 花は、他のフウロソウに 比べると小さい |
0.7cm | 7月 |
| イブキフウロ | 〃 (エゾフウロの変形) |
3〜5裂、葉の縁はギザギザ | 淡紅色 花びらが3裂する ため、判別は容易 |
2cm | 6月〜8月 |
| ゲンノショウコ ( 医薬品 ) |
短い毛が全体に | 肉厚で大きい。深緑色。 3〜5裂、裂け方は深い。 |
紫赤:東海以西(→関西) 白:東海以東(→関東) 白(薄紅の筋)や、薄紅 もある |
1cm | 6月〜10月 |
| ミツバフウロ | 〃 | 小さく、柔らかそうな印象。 三つ葉のよう。 |
薄いピンク、まれに白花 (濃赤筋) |
1.8cm | 9月〜10月 |
| ハクサンフウロ | 毛はほとんど無く、 つるりとした印象。 |
ゲンノショウコと似ている が、小さい。 1/2ほどの印象。 |
ピンク〜薄いピンク、 まれに白花がある |
2cm | 8月〜10月 |

オオヒナノウスツボ
えびすやさんロックガーデンで見た花。
茶色い小花は印象深いものです。

ゴマナ
東遊歩道出口付近で。
登山道9合目でも少数見られました。

8月中旬〜下旬に花を咲かせるルリトラノオ
この日はわずかな株でしたが花を付けていて
訪れる人々を歓迎していました。
| ル リ ト ラ ノ オ ( 瑠璃虎の尾 ) 花期 : 7月末〜8月 場所 : 9合目〜山頂 草丈 : 30cm〜60m(花穂長さ20cm〜30cm) (2004年原稿)9合目標識前で上の写真を撮りました。ルリトラノオは西遊歩道と山頂部(駐車場が見える斜面)で 見られ、東遊歩道ではほとんど見られません。まずは1本の花穂が出てそれが咲きます。そのまま終わるものもあ りますし、脇から小さな花穂が出てきて改めて咲き始める場合もあります。写真に写っている株たちは「意欲的」な のか「欲張り」なのか、たくさんの花穂を出しています。 (2003年原稿)山頂部で目にする青い穂はルリトラノオ、この種は伊吹山固有のもので珍しいものです。葉は写真 のように対生2枚葉になっています。大変似た花姿を見せるものにクガイソウがあります。花だけでは区別は難しい のですが葉の状態は違っていて、茎を取り巻くえりまきのようになっています。ルリトラノオは西遊歩道に多く、クガ イソウは東遊歩道に多く広がっています。 |

アカソ
濃い赤色、種を作っています。

花たちの劇場、伊吹山頂
サヨナラを言う間もなく去って行く
美しい花たち。
濃い赤色は、花が終わったシモツケソウ。
シモツケソウは8月初旬の山頂花畑の主役でした。
白い穂は、9月初旬の主役サラシナショウマです。

山頂東遊歩道で、

アケボノソウの花
山頂えびすや・ダニエルさんに咲いている場所を教えてもらいました。
柵の中でしたから(それも夕暮れ時)、アップで撮影出来ませんでした。
今年最初で最後の対面になると思います。
| ア ケ ボ ノ ソ ウ ( 曙 草 ) 花期 : 9月 場所 : 8合目〜山頂 草丈 : 30〜60cm 花 : 直径2cm程 深く5裂する 黄緑色斑点は蜜腺溝 葉 : 卵形または披針形 長さ10cm程 目立つ3主脈 寿命 : 2年草 生活の場 : 北海道・本州・四国・九州 山地の水辺 科属 : リンドウ科 センブリ属 (2005年の原稿) 行きの西遊歩道・散策は皆でまとまって歩き、目にとまる植物にはその都度説明を入れさせてもらいました。けれ ど休憩後歩いた帰り道・東遊歩道は、写真を撮っている間に集団がばらけてしまい、「待って〜(>_<)」とばかりに 追いかけましたが追えども追いつかず、とうとう「もういいや!」と開き直りゆっくり写真を撮って行程を終えました。 アケボノソウは歩き始めて間がない頃、西遊歩道で出逢いました。時期が早かったせいもあり、この株しか見つけ られませんでした。この株にしても頭頂部の1花しか開いてない状態でした。花びらをキャンバスに、造形の神様 が絵を描かれたと言う感じの花。「黄色い満月」「茶色の星」が浮かび上がって来て、なるほどアケボ(曙・夜明け) の空の様子に思えます。センブリ(同じくリンドウ科センブリ属)と同じ2年草、両者は近年数を減らしていますが「 薬草」に用いられるセンブリ(開花した時期に抜かれタネを作ることが出来ない)と比べれば、若干運が良いのか も知れません。 (2004年秋の原稿) てるえさん、hirokoさん、そしてLHDさんのお客さまがたに少しでも多くの花を見て頂きたかったので、目を皿のよう にしての山頂遊歩道散策でした。西遊歩道を歩き出して3〜4分、「む・む・む、あの花姿は!」アケボノソウを見つけ る事が出来てホッとひと安心です。花びらをキャンバスに創造の神様が絵を描きました、「黄色い円(朝日に照らさ れた月)」と「赤茶色の点々(地平に残る僅かな闇に宿る☆たち)」が曙を表しているのです。虫や蟻たちが花に擦り 寄っていました、よほど蜜が美味しいのでしょう。8合目登山道、センブリと親戚筋(ともにリンドウ科・センブリ属)の アケボノソウが歓迎してくれました。花びらの白いカンバスに、「濃茶の粒々」と「黄色い円」が描かれています。これ を「夜明けの星たち」と「朝日に彩られる月」に例えてアケボノソウと名付けられています。名前の由来を聞いてから 改めて花を見ると、強い印象・感動を受けます。 |