求刑無期懲役、判決有期懲役 2013年度





 2013年度に地裁、高裁、最高裁で求刑無期懲役に対し、有期懲役・無罪の判決が出た事件のリストです。目的は、無期懲役判決との差を見るためですが、特に何かを考察しようというわけではありません。あくまで参考です。
 新聞記事から拾っていますので、判決を見落とす可能性があります。お気づきの点がありましたら、日記コメントでご連絡いただけると幸いです(判決から7日経っても更新されなかった場合は、見落としている可能性が高いです)。
 控訴、上告したかどうかについては、新聞に出ることはほとんどないためわかりません。わかったケースのみ、リストに付け加えていきます。
 判決の確定が判明した被告については、背景色を変えています(控訴、上告後の確定も含む)。


【2013年度の有期懲役、無罪判決】

氏 名
前岡栄子(57)
逮 捕
 2011年5月2日(現行犯逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反
事件概要
 大阪府柏原市の無職・前岡栄子被告は2011年5月1日午後2時半頃、自宅で母親(当時95)に睡眠導入剤を飲ませて眠らせ、包丁で心臓を刺して殺害。さらに自宅から北西約1kmのところにあるアパートに住む知人の男性(当時64)宅に行き、睡眠薬を栄養剤に飲ませて寝かせた後、包丁で首などを刺して殺害した。
 翌日朝に睡眠薬を飲んだ後の午前9時頃、付近の民家に上がり込み、恨んでいた住人女性(当時64)を追いかけ回して路上で包丁を突きつけるなどしたが、女性の夫に取り押さえられた。近所で暴れているところを近くの住人が110番通報。駆けつけた柏原職員が前岡被告を殺人未遂と銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。逮捕時は朦朧としており、病院に搬送された。
 前岡被告は母親を以前から介護しており、3年前からは近くの介護施設に入院させていたが、男性を殺害すれば残された母親が不憫だと思い、殺害前日に自宅に連れ戻していた。前岡被告は知人男性に金をせびられ続けていたとされ、恨んでいたいう。
 5月23日、母親への殺人容疑で再逮捕。6月13日、知人男性への殺人容疑で再逮捕された。
裁判所
 大阪地裁堺支部 畑山靖裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年2月4日 懲役30年
裁判焦点
 裁判員裁判。検察側は精神鑑定を行い、責任能力に争いはない。
 前岡被告は、起訴内容を認めている。
 2013年1月30日の論告で、検察側は「強固な殺意にもとづいた冷酷な犯行。身勝手だが、精神的に追い詰められた面は大きい」として無期懲役を求刑した。弁護側は「被告は精神科医に通い、当時は精神的に不安定だった」と情状酌量による有期刑適用を求めた。
 畑山靖裁判長は判決理由で、2人の殺害前に睡眠薬を飲ませた点などを挙げ「強固な殺意による冷酷な事件」と指摘。一方、約10年前からの近隣トラブルや、寝たきりの母親の介護で思い悩んでいたことを踏まえ「精神的に追い詰められた末の犯行だ」と判断した。
備 考
 

氏 名
森田繁成(44)
逮 捕
 2009年6月19日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 滋賀県米原市の会社員森田繁成被告は2009年6月10日午後9時頃から11日午前1時頃までの間、米原市の汚水槽近くにおいて、交際相手で長浜市に住む会社員の女性(当時28)の頭を鈍器のようなもので何度も殴って頭蓋骨陥没・粉砕骨折などの瀕死の重傷を負わせ、汚水層の中に落として窒息死させた。女性は午後8時ごろに退社、人を待つ姿が目撃された後、行方不明になっていた。
 長浜市の工場で検査監督だった森田被告と、派遣社員として勤めていた女性は2007年ごろまでに交際を始めていた。しかし森田被告の異性関係を疑われ、2009年6月以降けんかがちになっていた。
 12日早朝、清掃作業員が女性の遺体を発見した。10日の携帯電話の通信記録から森田被告が交際相手として浮上。県警米原署捜査本部は、助手席側フロントガラスにひびが入るなどした森田被告の乗用車を押収し、シートから女性の血液痕を検出するなどしたため、19日に逮捕した。
裁判所
 最高裁第三小法廷 大谷剛彦裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年2月4日 懲役17年(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 森田被告は一・二審で無罪を主張している。
備 考
 2010年12月2日、大津地裁で求刑無期懲役に対し、懲役17年判決。2011年10月7日、大阪高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
黒瀬和政(37)
逮 捕
 2011年7月20日(現行犯逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反
事件概要
 広島県三原市の無職、黒瀬和政被告は2011年7月20日午後5時55分ごろ、文化包丁(刃渡り約16cm)と刺し身包丁(同約20.5cm)を持って同市内の不動産会社に乗り込み、室内にいた母(当時63)と、同社経営者の女性(当時78)の腹部を刺して死亡させ、共同経営者の男性(当時71)に重傷を負わせた。他に女性従業員2人もいたが、逃げ出して無事だった。
 通報で駆けつけた広島県警三原署員が、殺人未遂容疑で現場にいた黒瀬被告を現行犯逮捕。黒瀬被告は自分の腹部も刺したため、釈放されて病院で治療され、2日後に退院。8月3日、殺人および殺人未遂容疑他で再逮捕された。
 広島地検は8月16日、黒瀬和政被告を精神鑑定するための鑑定留置を広島地裁に請求し、認められた。3か月の鑑定留置により、刑事責任能力を問えると判断し、12月16日に起訴した。
裁判所
 広島地裁 芦高源裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年3月4日 懲役30年
裁判焦点
 2013年2月18日の初公判で、黒瀬和政被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 検察側は冒頭陳述で「父親の介護や自分に定職がないことなど、家庭のさまざまな悩みから解放されたいと考えた」と動機を指摘。弁護側は事実関係は争わず、「責任能力はあったが、当時は精神安定剤を服用した影響で興奮状態で、行動をコントロールする力が低下していた」として減刑を求めた。
 27日の論告で検察側は、「無抵抗な母親だけでなく、止めに入った2人も包丁で次々と刺すなど非情で残忍」と指摘。さらに「被害者2人に落ち度はなく、動機は短絡で自己中心的だ」と述べた。同日の最終弁論で弁護側は「黒瀬被告は当時、薬物使用で行動をコントロールする力が低下していた」などとして懲役25年が妥当と主張した。
 判決理由で芦高源裁判長は「極めて悪質で、結果も非常に重大。その場に居合わせただけの2人を刺した理不尽な犯行だ」と指摘した。一方で「祖母の介護など家族に尽力してきた被告が、母を殺して自分も死のうと思い詰めた点には同情の余地がある。当時は薬物の服用で行動をコントロールする能力が低下していたことは否定できない」などとして有期刑が相当と判断した。
備 考
 

氏 名
篠本功(54)
逮 捕
 2011年11月2日(現行犯逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、殺人未遂
事件概要
 東京都日野市の機械部品設計業、篠本功被告は2011年11月2日午前3時半〜同5時55分、妻(当時49)と高校3年だった長男(当時18)の頭などをツルハシで何度も殴って殺害し、大学3年生だった長女(当時20)の頭に重傷を負わせた。
 逃げ出した長女が路上でうずくまっていたところ、出勤中の警視庁職員が発見し、110番した。女性が「父親にやられた」と話したため、駆け付けた日野署員が向かうと、篠本被告が犯行を認めたため、同署は殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
裁判所
 東京地裁立川支部 深見玲子裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年3月18日 懲役30年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年3月8日の初公判で、篠本被告は「違っている点はありません」と起訴内容を認めた。
 検察側は冒頭陳述で「仕事がうまくいかなくて家賃が払えず未来が描けなかった。家族から疎外されているとの思いもあり、全員を道連れに死のうと考えた」と動機を指摘。弁護側は事実関係は争わず、機械設計業の経営が悪化したことで多額の借金を抱えており、弁護側は「家賃滞納をきっかけに無理心中の決意を強めていった」として、「反省しており、どんな刑でも受け入れるつもりだ」と述べた。
 14日の論告で検察側は「妻子は被告がいなくても自活できた。残虐な殺害方法から家族への愛情は感じられない」などと指摘。「(経済的困窮があったが)短絡的で独りよがりの犯行。一生をかけて反省させることが相当」と求刑理由を説明した。 一方、弁護側は「死ぬ最後くらい家族と一緒にいたいという孤立感と愛情があった」と主張。懲役25年が相当と訴えた。また、論告に先立ち、事件で頭部に重傷を負った篠本被告の長女が「殺して終わりにしようなんて自分勝手すぎる。事件は決して終わっていない」と意見陳述。家族を奪われ、残された立場のつらさを訴えた。
 深見玲子裁判長は判決で「被告人が収入の減少を家族に明かさずに借金を重ねたことが経済的な行き詰まりの主因」と指摘。「家族と話し合うことや打開策を探ることなく犯行に及んだことは、独善的で、強い非難に値する」と指弾したが、「家族の幸せを願っていたことも認められ、借金を断られ、追い詰められて犯行に至った経緯に、同情の余地が無いとまでは言えない」とも述べた。
備 考
 

氏 名
中村早苗(25)
逮 捕
 2010年7月30日(死体遺棄容疑。8月10日、殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人
事件概要
 元風俗店店員下村早苗被告(旧姓)は、長女(3)、長男(1)と大阪市内のワンルームマンションで暮らしていたが、食事を与えなければ死亡することを知りながら、2010年6月9日ごろ、居間の扉に粘着テープを張り、玄関に鍵をかけて2人を自宅に閉じ込めて放置し、同月下旬ごろに餓死させた。
 下村被告は長男を出産して7カ月後、同級生との浮気が原因で離婚。2010年7月29日の夜、50日ぶりに帰宅し、変わり果てた姿のわが子2人を見つけたが、そのまま男性と遊びに神戸に出かけ、ホテルに宿泊していた。
 7月30日、死体遺棄容疑で逮捕。8月10日、殺人容疑で再逮捕。2011年12月21日付で大阪地検は、処分保留となっていた死体遺棄罪を不起訴(起訴猶予)処分とした。
裁判所
 最高裁第二小法廷 小貫芳信裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年3月25日 懲役30年(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審で被告側は殺意を否認している。
備 考
 旧姓下村。一審判決後、養子縁組で改姓。
 2012年3月16日、大阪地裁で求刑無期懲役に対し一審懲役30年判決。2012年12月5日、大阪高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
白井正美(53)
逮 捕
 2012年12月24日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 愛知県みよし市の飲食店従業員白井正美被告は2012年12月23日午後、鳴沢村の貸別荘で、持ち込んだ市販のロープを使い、交際相手である東海市に住む短大生の女性(当時20)の首を絞め、窒息させて殺害した。
 白井被告は21日ごろに女性と2人で愛知県を車で出発。23日夕に貸別荘に入っていた。
 白井被告は24日午前4時35分頃、「人を殺した」と富士吉田署に自首。現場に同行した署員が、女性の遺体を発見し、殺人容疑で緊急逮捕した。
裁判所
 甲府地裁 菱田泰信裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年5月17日 懲役20年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 検察側は冒頭陳述で、2人の交際は2011年頃に始まり、白井被告が2012年夏頃から女性が別れたがっていることを認識していたと指摘。「同情の余地のない身勝手な犯行。強い殺意の下、(女性の)首を一方的かつ強力に絞めつけた。20歳の女性を死亡させた結果は重大だ」と述べた。一方、弁護側は白井被告が自首したことなどを挙げ、「被告は真摯に反省している。犯行は被告が女性の携帯メールを見て(内容を)追及し、女性に開き直られ、突発的に行った。計画性はない」と主張した。
 15日の論告で検察側は、「女性が思い通りに行動しないと残忍な報復をするゆがんだ考えを更生するのは非常に難しい」と指摘。「犯行の動機や経緯に同情の余地がなく身勝手」と断じた。弁護側は最終弁論で、「突発的に首を絞めたのであって計画性はない。自首しており、罪を認めて捜査にも協力している」と情状酌量を求めた。被害者の父親は、被害者参加制度を利用して出廷し、「どんなことがあっても許すことはできない」と強い口調で述べた。白井被告は最終陳述で「(望んでいた)死刑を求刑されなくて残念だ。求刑を超えた判決も考えてほしい」と裁判員らに求めた。
 判決は、女性の浮気を疑った白井被告が、女性に睡眠薬を飲ませ、携帯電話のメールを盗み見るなどして激高し、犯行に及んだと認定した。被告が被害女性とは別に同居している女性がいたにもかかわらず、被害女性と交際を続けており、「誠実で真摯なものだったとは評価できない」と指摘。菱田裁判長は「短大卒業を控え、就職も決まっていた被害者の命が奪われており、結果は極めて重大。自己中心的な経緯、動機に酌量の余地はない」とした一方、自首の成立などを酌量した。
備 考
 白井被告は1988年7月18日、国分寺市で当時交際していた17歳の女性を殺害し、懲役10年の判決を受けた前科がある。被告側は控訴した。2013年10月3日、東京高裁で被告側控訴棄却。2014年1月27日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
斎田秀樹(54)
逮 捕
 2010年4月15日(死体遺棄容疑。5月6日、強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 3名
罪 状
 強盗殺人ほう助、死体遺棄
事件概要
 愛知県西尾市の自営業者斎田秀樹被告は、リフォーム会社従業員伊藤和史被告、建設会社従業員松原智浩被告、同池田薫被告、共謀。2010年3月24日未明、伊藤被告が勤めるリフォーム会社の実質経営者であり、長野市に住む韓国籍の男性(当時62)方2階で、男性の長男(当時30)に睡眠導入罪を混ぜた雑炊を食べさせて眠らせた。同日午前8時50分頃、長男の様子を見に来た長男の内妻(当時26)が昏睡していることに気付いたため、内妻の首をロープで絞めて殺害。その後、寝室で昏睡していた長男を殺害した。9時25分頃、自室のソファで寝ていた男性を絞殺し、現金約416万円を奪った。さらに3人の遺体を運び出し、長野市内でトラックに積み替えた後、25日午前に愛知県西尾市内の資材置場の土中に埋めて遺棄した。その後、男性の車を関西方面に走らせて3人が失踪したように見せかけ、奪った現金は4被告で山分けし、飲食代や他の借金返済に充てた。
 内妻殺害は松原被告と池田被告、長男殺害は伊藤被告と松原被告、男性殺害は伊藤被告と松原被告が実行している。睡眠導入剤や死体遺棄場所、トラックなどは報酬目当てで参加した斎田被告が提供した。
 男性は松原被告、池田被告が勤める建設会社ならびに伊藤被告が勤めるリフォーム会社、金融業などを経営。松原被告、伊藤被告は男性方へ住み込みをしていた。斎田被告は男性の知人だった。
 松原被告は2004年頃、男性宅の内装工事を頼まれたときに金銭トラブルが起きて借金を背負い、男性宅に住み込んで働いていた。池田被告は2009年頃まで長野市内で居酒屋を経営していたが、開店資金を男性から借りていた。斎田被告は男性の会社と取引があり、伊藤被告に誘われた。
 他に伊藤和史被告は、神戸市に住むH被告、後に被害者となる長男と共謀。2008年7月21日、兵庫県尼崎市内の駐車場で、沖縄県浦添市出身の知人男性(当時35)の遺体を乗用車に積み、同22日に長野市内へ運んだ。同23日には遺体を箱に入れて鍵をかけ、同市内の空き地に車ごと放置。さらに同年8月20日ごろには、同市にある貸倉庫に車を移して遺棄した。
 殺害された男性と3人は神戸市内の暴力団を通じて面識があり、男性が兄貴分であった。

 3月末に男性の親族より3人の捜索願が出たことから、長野県警は男性の自宅周辺などを捜査。4月8日、男性が実質経営するリフォーム会社が借りている長野市の貸倉庫周辺で異臭がするとの情報を入手。10日、貸倉庫内から長男の知人男性の他殺死体が見つかった。一方、県警は松原被告らを事情聴取。供述に基づき4月14日夜、資材置場から3人の遺体を発見。15日未明、4被告を死体遺棄容疑で逮捕した。5月6日、強盗殺人容疑で再逮捕した。
 知人男性の遺体について5月31日、長野県警は死体遺棄容疑でH被告を逮捕、伊藤和史被告を再逮捕している。8月27日、H被告と伊藤被告が殺人容疑で追送検、長男が殺人と死体遺棄容疑で容疑者死亡のまま書類送検された。しかし犯行に使われたとされる拳銃は発見されず、遺体の損傷が激しいため、銃弾による傷の特定も困難なことなどから、捜査本部は両被告の再逮捕の見送りを決めた。伊藤被告、H被告が死体遺棄容疑で起訴された。
裁判所
 東京高裁 村瀬均裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年5月28日 懲役18年(一審破棄)
裁判焦点
 2013年1月17日の控訴審初公判で、弁護側は、斎田被告は遺体の遺棄役にとどまり、強盗殺人の意思はなく、報酬の出所も知らなかったとして「強盗殺人の共謀はなかった」と主張。3人のうち、斎田被告が提供した睡眠導入剤が使われた1人に対する殺人ほう助罪と、3人の遺体を埋めた死体遺棄罪のみ認めるべきと指摘した。強盗殺人罪が成立したとしても「一審判決は不当に重い」とした。検察側は控訴棄却を求めた。この日の被告人質問で、斎田被告は「罪を犯し、申し訳ないと思っている」とした上で、「懲役28年は重い刑で納得がいかない。事実誤認であり、もう一度、真実を明らかにしてほしい」と述べた。
 2月21日の公判における最終弁論で、弁護側は改めて「強盗殺人の共謀成立などを認めた一審判決には事実誤認がある。仮に共謀が成立しても量刑は重すぎて不当だ」と主張した。また、弁護側は「裁判員裁判の結論であっても事実認定に重大な誤りがあれば事後審として正すべきだ」などとも訴えた。
 判決で村瀬裁判長は、「斎田被告は、親子から奪った金が遺体運搬の報酬に充てられると明確には認識しておらず、それだけで共謀は認められない」と指摘した。そして「斎田被告が遺体を埋めることを引き受け、駐車場で待機したことは強盗殺人の実行を心理的に支えていると認識していた」などとして、強盗殺人ほう助罪を認定した。そのうえで「強盗殺人についてはほう助にとどまり、反省を深めている。懲役18年が相当」などと量刑理由を述べた。
備 考
 松原智浩被告は2011年3月25日、長野地裁(高木順子裁判長)で求刑通り一審死刑判決。2012年3月22日、東京高裁(井上弘通裁判長)で被告側控訴棄却。被告側上告中。
 池田薫被告は2011年12月6日、長野地裁(高木順子裁判長)で求刑通り一審死刑判決。被告側控訴中。
 伊藤和史被告は2011年12月27日、長野地裁(高木順子裁判長)で求刑通り一審死刑判決。被告側控訴中。
 H被告は2010年9月16日、長野地裁(高木順子裁判長)で懲役2年(求刑懲役2年6月)判決。控訴せず確定。
 2012年3月27日、長野地裁の裁判員裁判で求刑無期懲役に対し、懲役28年判決。被告側は上告した。2013年9月30日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
高間美花(29)
逮 捕
 2011年7月25日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 奈良県大和郡山市のホステス高間美花被告は2011年7月21日未明、京都府木津川市のアパートで、アルバイト店員の女性(当時27)の胸や腕、背中などを刃物のようなもので刺し、バスタオルで首を絞めて窒息死させた。
 高間被告は数年前、勤務先のスナックで知り合った30代の妻子ある男性と交際を始め夢中になった。高間被告はこの男性に執着し、2009年10月には住んでいた大和郡山市のアパートの駐車場で別れ話を巡ってトラブルになり、男性を包丁で切り付け、けがを負わせたとして現行犯逮捕され、懲役3年執行猶予4年の有罪判決を受けた。
 この男性は、被害者が勤めていた高級クラブの常連客で女性をひいきにし、7月20日も2人で外で食事をしてから来店する同伴出勤をしていた。しかし、ただの従業員と客の関係であった。被害者と高間被告に面識はなかった。
 21日夜、女性と交際していた男性が死体を発見。被害者の女性を自宅まで送った代行運転業者が、後から車でつけてくる女性がいたと証言し、勤めていたクラブ近くの防犯カメラにも車が映っていた。レンタカーであることが判明し、記録から高間被告が浮上。25日、高間被告を逮捕した。高間被告は「女性宅に行ったら既に死んでいた」と容疑を否認した。
 京都地検は高間被告の精神状態を調べるため8月11日から約3カ月半、精神鑑定を行うために鑑定留置した。刑事責任能力を問えると判断し、12月2日、殺人罪で起訴した。
裁判所
 京都地裁 市川太志裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年5月31日 懲役17年
裁判焦点
 裁判員裁判。高間被告は捜査段階から一貫して否認していたが、2012年3月の公判前整理手続きを境に事件への関与を認めた。
 2013年5月21日の初公判で、高間被告は女性ともみ合いになった末に死亡させたことを認め、「殺すという気持ちはなかった」と傷害致死罪を主張した。
 検察側は冒頭陳述で、高間被告は元交際相手の男性が被害者の女性と親しい仲だと思い込み、男性への執着心から犯行に及んだと指摘。勤務先から帰宅する女性を追跡して家を突き止め、一方的に女性を攻撃して殺害したと指摘した。一方、弁護側は「もみ合いになった際に女性が先に被告の足を刺したので、包丁を奪って無我夢中で応戦した結果、女性を死なせてしまった。タオルで首を絞めたことは覚えていない」として、過剰防衛が成立すると主張した。
 24日の公判における被告人質問で高間被告は、逮捕直後に「女性の家に行ったら既に死んでいた」などと全面否認した理由について、「(当初は)自分のことしか考えず罪を認めるのが怖かった」と話した。また、女性の母親が意見陳述で、「何の罪もない娘がなぜ死ななければならないのか。できれば代わってあげたかった。無念で涙が止まらず家族は奈落の底に突き落とされた。死刑を望みます」と悲痛な思いを涙ながらに述べた。
 27日の論告で検察側は「高間被告から先に、一方的に攻撃した。殺意があったのは極めて明らか。凄惨で残虐な犯行だ」と述べた。室内に女性の外履きサンダルがあったことから、いきなり侵入してきた被告から逃げたと指摘し、女性の胸にあった深さ約11cmの刺し傷を殺意の根拠に挙げた。弁護側は最終弁論で「予期しない先制攻撃による偶発的犯行」と主張し、傷害致死罪の適用を求めた。殺意を否認している高間被告が、女性とのもみ合いの核心部分を「覚えていない」と述べている点について、「無我夢中で行動し、犯行状況を思い出せない部分があっても不自然ではない」とした。高間被告は最終意見陳述で「取り返しのつかないことをしてしまい、本当にすみません」と述べ、遺族に頭を下げた。
 判決で市川裁判長は、うつぶせに倒れた女性に被告が馬乗りになって首を絞めたとし、「抵抗できない被害者に対して一方的に強い攻撃を加えており、強固な殺意が認められる」と述べた。一方、高間被告が女性の胸などを包丁で刺したことについては、「女性が先に脚を刺した可能性は皆無ではない」と判断した。被告が包丁を持ち込んだと主張した検察側の主張には根拠がないとし、女性が自宅の包丁を持ち出したことが犯行の引き金になった可能性を認め、「非常に卑劣で悪質だが、計画性はなく突発的で激情的な犯行」と量刑理由を説明した。
備 考
 検察、被告側は控訴した。2014年6月27日、大阪高裁で一審破棄、懲役20年判決。2015年11月10日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
田中栄(58)
逮 捕
 2011年5月24日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄、暴力行為等処罰に関する法律違反
事件概要
 青森県弘前市の自称貸家業田中栄被告は、2011年5月23日午後9時前後、クロスボウを持って隣に住む親戚の無職女性宅(当時77)に無施錠の玄関から侵入。女性の腹に矢を撃ち、バールで頭を何度も殴った上、米袋を頭にかぶせ、犬用のリードで首を絞めて殺害し、遺体を1階和室床下に捨てたほか、帰宅した女性の夫(当時75)に洋弓銃を向けて脅迫した。夫は床に血痕があったため逃げ出し、近所の住民に通報を頼んだ。
 青森県警弘前署は24日午後4時45分、女性の遺体を発見。田中被告を任意で事情聴取したところ、夫を脅した疑いが強まり、同日午後11時51分に暴力行為等処罰に関する法律違反容疑で逮捕した。6月13日、殺人、死体遺棄容疑で再逮捕した。
 田中被告の妻と殺害された女性は、父親同士が兄弟。自宅周辺の土地の所有権をめぐって長年トラブルがあった。
裁判所
 仙台高裁 飯渕進裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年6月20日 懲役26年(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 2013年5月23日の控訴審初公判で、弁護側は改めて無罪を主張、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。
 飯渕進裁判長は判決理由で「被告宅から凶器のボーガンなどが見つかっている上、矢をストーブで燃やして証拠を隠滅した」と述べ、女性殺害を認定した。
備 考
 2012年11月22日、青森地裁の裁判員裁判で求刑無期懲役に対し、懲役26年判決。被告側は上告した。2013年9月6日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
小出久弥(48)
逮 捕
 2013年1月29日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 登別市の暴力団幹部、小出久弥被告は2013年1月29日午前11時45分頃、登別市の温泉ホテルで東京都足立区に住む元暴力団幹部の男性(当時61歳)を射殺した。
 発砲音の後、5人の男がワゴン車で走り去る姿が目撃された。午後2時頃、苫小牧市内の路上で停車しているのが見つかり、車に乗っていた男性がJR白老駅で降ろしたと説明したため、道警はJR室蘭線の各駅で警戒。午後3時過ぎ、JR洞爺駅で特急列車から降りて改札を出た小出被告を発見。小出被告は捜査員に自ら拳銃を差し出し、銃刀法違反で現行犯逮捕された。その後、他の3人が室蘭署などに出頭した。ワゴン車を運転した男性は1月30日、犯人隠匿容疑で逮捕された。
 苫小牧市では2011年2月、露店を出す暴力団の幹部が引退し、その後組も解散状態となったことから、露店を出す組織がない空白地帯となっていた。そこで同じ系列の幹部であり登別市などの露店を取り仕切っていた小出被告が権利を得ようとしたが、男性を代理人として東京から招いた別の苫小牧周辺の暴力団関係者も権利を得ようとし、トラブルとなっていた。事件前日の28日、双方が話し合ったが決裂していた。
 2月20日、小出被告を含む2人が殺人容疑で再逮捕され、共謀した3人も殺人容疑で逮捕された。2月22日、東京都台東区の露天商の男性と、杉並区の飲食業の男性を殺人容疑で逮捕した。3月13日、小出被告が殺人と銃刀法違反で、男性が犯人隠匿罪で起訴された。他の5人は処分保留で釈放された。
裁判所
 札幌地裁 加藤学裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年6月28日 懲役25年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年6月26日の初公判で、小出久弥被告は起訴事実を認めた。
 検察側は冒頭陳述で、露店の利権を巡って別の元暴力団幹部の絶縁処分を撤回するよう男性から強く求められた小出被告が「自分の縄張りを守るために殺す決意を固めた」と指摘した。弁護側は起訴事実を認めた上で、「被害者は脅迫を繰り返しており、小出被告は土下座までしてがまんを重ねていた。被害者が殴ろうとしなければ発射はなかった」と述べた。
 27日の論告で検察側は、「あらかじめ拳銃を準備して、いつでも発射できる状態にしていた。一般市民に危害を及ぼしかねなかった」と指摘した。被告人質問で、小出被告は、露店の利権などを巡って男性から執拗に責められたと説明したが、検察側は「人を殺す理由にはならない。犯行を正当化している」と非難した。そして「確実に殺そうとした残虐で冷酷な犯行」と一方、弁護側は「(男性の)脅迫のすさまじさを考えれば同情の余地がある。懲役10年を超えてはならない」と主張した。
 加藤学裁判長は判決理由で「至近距離から顔に2発も発射するという殺害が確実な行為に及んだ。一般人への危険性も否定できず悪質だ。被害者への謝罪の言葉もなく、生命を軽視する態度がみられる」と指摘。その一方で「被害者の(金銭的解決などの)執拗で不当な要求が犯行を招いた一面があることは否定できない」と、求刑を下回った理由を説明した。過去に暴力団抗争で服役したことがある点については「前刑の終了から20年近く経過しており、不利な情状と考慮するのは妥当ではない」と述べた。
備 考
 ワゴン車を運転した男性は犯人隠匿罪に問われ、2013年5月8日、札幌地裁(今井理裁判官)で懲役1年6月執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の有罪判決が言い渡された。
 検察、被告側は控訴した。2013年10月22日、札幌高裁で検察・被告側控訴棄却。上告せず確定。

氏 名
斎藤政人(39)
逮 捕
 2013年1月27日(現行犯逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、殺人未遂、現住建造物等放火
事件概要
 倶知安町の斎藤政人被告は2013年1月27日午後2時35分ごろ、自宅で妻(当時36)と小学4年の次女(当時10)の首などを包丁で刺して殺害。中学3年の長女(当時15)も腹を刺して殺そうとして軽傷を負わせた上、50分頃に自宅3階の布団などにライターで火を付けて放火し、2〜3階の内部を全焼させた。長女はもみ合いになった際に包丁を取り上げ、さらに斎藤被告が持ち出した別の刃物も取り上げて隣の家に逃げて119番した。
 斎藤被告は国家公務員として同町内にある農水省の出先機関で勤務していたが、2012年7月に体調不良による自己都合で退職した。2007年に約3000万円のローンを組んで3階建ての一軒家を新築していたが、就職先が見つからなく、無収入で住宅ローン返済のメドが立たず、無理心中を図ったものだった。
 倶知安署は同日、妻に対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。1月29日、殺人容疑で札幌地検小樽支部に送検した。2月18日、次女に対する殺人、現住建造物等放火の容疑で再逮捕した。3月6日、長女に対する殺人未遂容疑で札幌地検小樽支部に追送検した。
裁判所
 札幌地裁 田尻克已裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年7月11日 懲役26年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年7月5日の初公判で斎藤被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
 冒頭陳述で検察側は、家族に黙って約760万円の借金をしていたことを指摘。借金で経済的に追い詰められて無理心中を図ろうとしたと述べた。弁護側は「借金を相談できず、精神的に追い詰められていた。真摯に反省している」と情状酌量を求めた。
 同日の被告人質問で斎藤被告は無理心中を図った理由を説明し、「住宅や車のローンで借金があった。妻に責められると思い、言えなかった。離婚問題になって子供たちと会えないと考えた」と述べた。
 9日の論告で検察側は、事件の原因とされる多額の借金について、斎藤被告が妻に伝えていなかったとして、「現実を直視できず、プライドや見えから問題を先送りにしていた」と指摘。「身勝手に家族を巻き込んだ」と批判した。
 同日の最終弁論で弁護側は、「経済的、精神的に追いつめられて抑うつ状態になり、冷静な判断ができなくなっていた」と主張し、懲役13年が相当と述べた。
 判決理由で田尻克已裁判長は、「犯行の動機となった多額の借金は、被告だけの責任とは言えないが、収入を確保するなどの方策を尽くさず、無理心中という最悪の方法を選択した」と指摘した。そして「借金が膨らみ無理心中を決意したが、理由も分からないまま殺害された2人の無念や悔しさは計り知れない」と指摘。「「犯行は極めて残虐で、確固たる殺意があった。妻の親族は厳罰を望んでおらず、長女に被告とのつながりを求める気持ちがあることを考慮しても懲役26年は免れない」と述べた。
備 考
 

氏 名
藤森康孝(59)
逮 捕
 2011年8月22日(死体遺棄容疑。11月2日、殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、傷害致死、死体遺棄
事件概要
 大阪市天王寺区の藤森康孝被告は2006年4月9〜10日、自宅マンションで、妻(当時46)と大学生の長男(当時21)を何らかの方法で殺害。会社の倉庫で遺体を切断して一斗缶4缶に入れて勤務先である製薬会社の倉庫に保管していた。5月には2人の家出人捜索願を出した。2009年4月に退職後は自宅などに隠していた。2010年夏に同区内の別のマンションに引っ越したが、栄養失調で入院することが決まり、2011年7月頃、同区の公園などに遺棄した。死体損壊罪は公訴時効(3年)が成立している。
 藤森被告はパチンコなどのギャンブルで消費者金融などから数百万円の借金があり、2003年ごろ、妻に無断で保険を解約し、得た約440万円の大半を消費者金融の借金返済にあてた。しかし、2006年、当時大学生だった長男の学費用に保険を解約すると妻から持ちかけられ、無断解約が発覚してトラブルになっていた。長男は3月末、学費未納で大学を除籍されている。
 2011年8月14日朝、同区の公園で人の頭などが入った一斗缶を発見。同日午後にも近くの路上で、手や肩甲骨が入った一斗缶が見つかった。さらに15日、大阪市がごみとして回収していた一斗缶1個から左足首が発見された。
 大阪府警は、一斗缶は藤森康孝被告が当時勤めていた製薬会社が入荷したものと突きとめ、8月22日、近くに住む藤森被告を死体遺棄容疑で逮捕した。遺体の身元は、DNA型から妻と長男と分かった。長男の頭部など遺体の一部は見つかっておらず、司法解剖でも死因が特定できず、2人が殺害されたことさえ明確にならなかった。捜査本部は、2人に無理心中する動機がないことを周囲の証言などで裏付け、藤森被告が遺体発見時に通報しなかったこともあわせて供述には矛盾があると判断。第三者が介入した形跡がないなどの状況も慎重に検討し、「藤森容疑者が殺害した以外に2人が死亡する原因はない」と結論づけ、11月2日に殺人容疑で再逮捕した。
裁判所
 大阪地裁 長井秀典裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年7月17日 懲役28年
裁判焦点
 裁判員裁判。藤森被告は殺人容疑の再逮捕時は「私以外の関与はあり得ないが、今は説明できず困っている」と供述したが、その後は「2人は無理心中で死んだ」と否認している。
 2013年6月17日の初公判で、藤森被告は死体遺棄罪は認めたが、殺人罪については、「殺していません」と無罪を主張した。
 検察側は冒頭陳述で(1)藤森被告が妻子の遺体を見つけた際、どこにも通報していない(2)その後も徹底的に妻子の死を隠し続けた(3)妻子に悩んでいる様子はなく、自殺や無理心中は考えられない――などと指摘した。藤森被告は電動のこぎりで切断するなどしており、検察側は「労力がかかり、発覚すれば罪に問われる。殺人の犯人でなければするはずがない」と主張した。動機に関しては、藤森被告は消費者金融に借金があり、家族の養老保険を勝手に解約して返済に充てたと指摘。長男の学費の工面を巡り、妻らと何らかのトラブルが起きた可能性があると説明した。また藤森被告が逮捕後の調べに「2人の死に関係しているが、今は話す勇気がない」「妻が長男を殺して自殺した」などと供述を変遷させていたことを明らかにした。
 これに対し、弁護側は、藤森被告が外出先から帰ると、妻が風呂場で、長男が自室の布団の上でそれぞれ死亡していたと主張した。そして、妻が何らかの理由で無理心中を図ったと指摘した。遺体を隠した理由については、「修学旅行で不在だった次男が死を受け止められないと思ったから。藤森被告には発達障害の疑いがあり、正常な判断ができなかった恐れもある」と述べた。また、学費の原資はあったとして、家族内の金銭トラブルも否定した。そして「死因や凶器が特定されておらず、不十分な証拠で起訴した」として、検察側の捜査を批判した。
 26日の被告人質問で藤森被告は、2人の遺体を発見した状況を説明。2006年4月10日夜に帰宅すると、長男が布団の中で死亡しており、「首から下が血まみれで、足元に大きなハンマーが置かれていた」と述べた。さらに、手に付着した血を洗うために洗面台に行くと、隣の浴室内で妻がカッターで手首を切って倒れているのを発見し、「自殺したと思った」とした。
 7月1日の第7回公判で、起訴後に弁護側の依頼で被告の精神鑑定を実施していた臨床心理士の長谷川博一氏が証人出廷し、「被告は発達障害の疑いがある。殺害せずに遺体を解体し子供に知らせないために遺体を隠す、という行動は心理学的に説明は可能だ」と説明した。
 8日の論告で検察側は、「犯人でなければ遺体を解体したり、隠したりしない」と指摘、殺害への関与は証明されていると訴えた。動機は、借金返済のため家族の養老保険を勝手に解約したことによるトラブルの可能性が高いと説明した。そして「動機や経緯は自己中心的で身勝手。反省や更生の意思がみられない。残された次男ら遺族も、深い精神的ショックを受けている」と批判した。
 同日の最終弁論で弁護側は、藤森被告が帰宅したら妻らが死亡しており、2人は無理心中とみられると説明した。「藤森被告が殺害したことを示す証拠がなく、有罪立証は不十分。藤森被告は、次男に2人の死について知らせたくなかったから、一斗缶に入れて遺体を隠しただけだ」と死体遺棄罪を認める一方、改めて殺人罪の無罪を主張した。
 藤森被告は最終意見陳述で「遺体の損壊や遺棄をしたのは申し訳ないが、殺していない」と改めて訴えた。
 判決で長井裁判長は、「遺体を解体して隠し、周囲に『家出した』とうそをつくのは極めて異常。自分が死亡させたことを隠すためだと考えなければ、合理的な説明がつかない」と指摘し、藤森被告が2人の死亡に関与したと判断した。そのうえで、自宅に長男の大量の血痕があり、激しい暴力を受けたと推定されるとして殺意を認めた。妻については血痕などの証拠がなく、「何らかの暴行を加えて死亡させた。殺意なく死亡させた可能性も排除できない」として殺意を認めず傷害致死罪を適用した。その上で「連続で2人の命を奪った点は強い非難を免れない。社会に与えた衝撃も大きい。だが犯行は計画的でなく、動機も不明で求刑の無期懲役は相当でない」として懲役28年を言い渡した。
備 考
 被告側は控訴した。検察側は控訴せず。2014年4月24日、大阪高裁で被告側控訴棄却。2014年10月15日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
相沢洋輔(29)
逮 捕
 2012年6月30日
殺害人数
 0名
罪 状
 強姦、強姦致傷他
事件概要
 無職相沢洋輔被告は2006〜12年、北海道音更町の河川敷などで当時10〜40代の女性9人に乱暴するなどした。
 2012年6月30日、強姦致傷事件で旭川東署に逮捕された。遺留物のDNAが帯広、音更で発生した強姦事件と一致したことなどから、次々と余罪が発覚した。
裁判所
 釧路地裁 中川正隆裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年8月9日 懲役30年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年8月5日の初公判で、会沢被告は起訴事実を認めた。
 判決理由で中川正隆裁判長は「被告は夜間、通行人の女性に『携帯電話を落としたので探してほしい』と嘘を付き、人けのない場所に連れ出して襲うという手口を確立している。手慣れた常習的犯行だ。犯行は女性の人格や尊厳を著しく傷つける卑劣なもので、極めて悪質」と指摘した。
備 考
 控訴せず確定。

氏 名
田中栄(59)
逮 捕
 2011年5月24日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄、暴力行為等処罰に関する法律違反
事件概要
 青森県弘前市の自称貸家業田中栄被告は、2011年5月23日午後9時前後、クロスボウを持って隣に住む親戚の無職女性宅(当時77)に無施錠の玄関から侵入。女性の腹に矢を撃ち、バールで頭を何度も殴った上、米袋を頭にかぶせ、犬用のリードで首を絞めて殺害し、遺体を1階和室床下に捨てたほか、帰宅した女性の夫(当時75)に洋弓銃を向けて脅迫した。夫は床に血痕があったため逃げ出し、近所の住民に通報を頼んだ。
 青森県警弘前署は24日午後4時45分、女性の遺体を発見。田中被告を任意で事情聴取したところ、夫を脅した疑いが強まり、同日午後11時51分に暴力行為等処罰に関する法律違反容疑で逮捕した。6月13日、殺人、死体遺棄容疑で再逮捕した。
 田中被告の妻と殺害された女性は、父親同士が兄弟。自宅周辺の土地の所有権をめぐって長年トラブルがあった。
裁判所
 最高裁第二小法廷 小貫芳信裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年9月6日 懲役26年(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審で被告側は無罪を主張している。
備 考
 2012年11月22日、青森地裁の裁判員裁判で求刑無期懲役に対し、懲役26年判決。2013年6月20日、仙台高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
亀川栄一(38)
逮 捕
 2013年4月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗、詐欺
事件概要
 住所不定、無職亀川栄一被告は2013年4月17日午前7時15分ごろ、小田原市にあるアパートの実父(当時72)方で、ハンマーで頭を殴った上、ナイフで胸を突き刺すなどして殺害し、財布(現金約5万円在中)などを奪った。
 同日午前10時前、同じアパートの住民が発見。事件当時に同居していた父の妻(当時72)が室内におり、「長男が金の無心に来てトラブルになった」と説明。小田原署は亀川被告の行方を捜し、午後8時半ごろに現場から約200m離れたパチンコ店で発見し、翌日、強盗殺人容疑で逮捕した。
裁判所
 横浜地裁小田原支部 佐藤晋一郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年9月17日 懲役30年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年9月6日の初公判で、亀川被告は「間違いありません」と、いずれの起訴内容も認めた。
 検察側は冒頭陳述で、「殺害前日に父親から金をせびろうとしたが拒絶され、殺してでも奪うしかないと考えるようになった」などと指摘。「生活費や遊ぶ金欲しさの犯行で、動機は身勝手極まりない。犯行態様も非人間的で、更生は不可能」と述べた。一方、弁護側は、同被告が幼年期に児童養護施設に預けられていた生育歴などに触れ、「父親の育児放棄に深い恨みを抱いていたことが最も重要な原因だった」と主張。「犯行当時、統合失調症の薬が切れていたことで善悪の判断能力などが減耗していた」と指摘し、酌量減軽を求めた。
 11日の論告で検察側は、同被告の母や姉の処罰感情が厳しいなどとした上で、「あたかも殺された父親にも責任の一端があるかのような言動で、反省が不十分」と非難。更生も「極めて困難」と主張した。
 同日の最終弁論で弁護側は、「殺害行為がしつこいことなどからも、父親の育児放棄といった不幸な生育歴で生じた恨みを晴らすのが主目的だったことは明らか」と指摘。「犯行当時、善悪の判断能力などが減弱していた」などとして、酌量減軽を求めた。
 同被告は最終意見陳述で「父を殺した罪悪感は一生消えない。本当に申し訳ありませんでした」と述べた。
 判決理由で佐藤裁判長は、「金銭を手に入れる目的が主たる原動力で、悪質」などと、金銭目当ての犯行と認定。一方で酌量減軽の理由については、同被告が児童養護施設で学童期の大部分を過ごした点などに触れ、「不遇な成育環境が人格の著しい偏りの大きな要因となった」と指摘。その上で「こうした事情を、犯行が父親に向けられたことと切り離して考えられない」と説明した。
備 考
 被告側は控訴した。2014年4月30日、東京高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
斎田秀樹(54)
逮 捕
 2010年4月15日(死体遺棄容疑。5月6日、強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 3名
罪 状
 強盗殺人ほう助、死体遺棄
事件概要
 愛知県西尾市の自営業者斎田秀樹被告は、リフォーム会社従業員伊藤和史被告、建設会社従業員松原智浩被告、同池田薫被告、共謀。2010年3月24日未明、伊藤被告が勤めるリフォーム会社の実質経営者であり、長野市に住む韓国籍の男性(当時62)方2階で、男性の長男(当時30)に睡眠導入罪を混ぜた雑炊を食べさせて眠らせた。同日午前8時50分頃、長男の様子を見に来た長男の内妻(当時26)が昏睡していることに気付いたため、内妻の首をロープで絞めて殺害。その後、寝室で昏睡していた長男を殺害した。9時25分頃、自室のソファで寝ていた男性を絞殺し、現金約416万円を奪った。さらに3人の遺体を運び出し、長野市内でトラックに積み替えた後、25日午前に愛知県西尾市内の資材置場の土中に埋めて遺棄した。その後、男性の車を関西方面に走らせて3人が失踪したように見せかけ、奪った現金は4被告で山分けし、飲食代や他の借金返済に充てた。
 内妻殺害は松原被告と池田被告、長男殺害は伊藤被告と松原被告、男性殺害は伊藤被告と松原被告が実行している。睡眠導入剤や死体遺棄場所、トラックなどは報酬目当てで参加した斎田被告が提供した。
 男性は松原被告、池田被告が勤める建設会社ならびに伊藤被告が勤めるリフォーム会社、金融業などを経営。松原被告、伊藤被告は男性方へ住み込みをしていた。斎田被告は男性の知人だった。
 松原被告は2004年頃、男性宅の内装工事を頼まれたときに金銭トラブルが起きて借金を背負い、男性宅に住み込んで働いていた。池田被告は2009年頃まで長野市内で居酒屋を経営していたが、開店資金を男性から借りていた。斎田被告は男性の会社と取引があり、伊藤被告に誘われた。
 他に伊藤和史被告は、神戸市に住むH被告、後に被害者となる長男と共謀。2008年7月21日、兵庫県尼崎市内の駐車場で、沖縄県浦添市出身の知人男性(当時35)の遺体を乗用車に積み、同22日に長野市内へ運んだ。同23日には遺体を箱に入れて鍵をかけ、同市内の空き地に車ごと放置。さらに同年8月20日ごろには、同市にある貸倉庫に車を移して遺棄した。
 殺害された男性と3人は神戸市内の暴力団を通じて面識があり、男性が兄貴分であった。

 3月末に男性の親族より3人の捜索願が出たことから、長野県警は男性の自宅周辺などを捜査。4月8日、男性が実質経営するリフォーム会社が借りている長野市の貸倉庫周辺で異臭がするとの情報を入手。10日、貸倉庫内から長男の知人男性の他殺死体が見つかった。一方、県警は松原被告らを事情聴取。供述に基づき4月14日夜、資材置場から3人の遺体を発見。15日未明、4被告を死体遺棄容疑で逮捕した。5月6日、強盗殺人容疑で再逮捕した。
 知人男性の遺体について5月31日、長野県警は死体遺棄容疑でH被告を逮捕、伊藤和史被告を再逮捕している。8月27日、H被告と伊藤被告が殺人容疑で追送検、長男が殺人と死体遺棄容疑で容疑者死亡のまま書類送検された。しかし犯行に使われたとされる拳銃は発見されず、遺体の損傷が激しいため、銃弾による傷の特定も困難なことなどから、捜査本部は両被告の再逮捕の見送りを決めた。伊藤被告、H被告が死体遺棄容疑で起訴された。
裁判所
 最高裁第一小法廷 山浦善樹裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年9月30日 懲役18年(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審で斎田被告側は、強盗殺人の意思はなかったと、殺人ほう助罪と死体遺棄罪のみ認めるべきと主張していた。
備 考
 松原智浩被告は2011年3月25日、長野地裁(高木順子裁判長)で求刑通り一審死刑判決。2012年3月22日、東京高裁(井上弘通裁判長)で被告側控訴棄却。被告側上告中。
 池田薫被告は2011年12月6日、長野地裁(高木順子裁判長)で求刑通り一審死刑判決。被告側控訴中。
 伊藤和史被告は2011年12月27日、長野地裁(高木順子裁判長)で求刑通り一審死刑判決。被告側控訴中。
 H被告は2010年9月16日、長野地裁(高木順子裁判長)で懲役2年(求刑懲役2年6月)判決。控訴せず確定。
 2012年3月27日、長野地裁の裁判員裁判で求刑無期懲役に対し、懲役28年判決。2013年5月28日、東京高裁で一審破棄、懲役18年判決。

氏 名
白井正美(53)
逮 捕
 2012年12月24日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 愛知県みよし市の飲食店従業員白井正美被告は2012年12月23日午後、鳴沢村の貸別荘で、持ち込んだ市販のロープを使い、交際相手である東海市に住む短大生の女性(当時20)の首を絞め、窒息させて殺害した。
 白井被告は21日ごろに女性と2人で愛知県を車で出発。23日夕に貸別荘に入っていた。
 白井被告は24日午前4時35分頃、「人を殺した」と富士吉田署に自首。現場に同行した署員が、女性の遺体を発見し、殺人容疑で緊急逮捕した。
裁判所
 東京高裁 河合健司裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年10月3日 懲役20年(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で弁護側は「被害者と誠実に交際していた被告が無理心中を図ったもので、懲役20年の量刑は重すぎる」などと主張。判決では「被告は別の女性とも長年にわたって交際しており、一審判決は妥当」とした。
備 考
 白井被告は1988年7月18日、国分寺市で当時交際していた17歳の女性を殺害し、懲役10年の判決を受けた前科がある。
 2013年5月17日、甲府地裁の裁判員裁判で、求刑無期懲役に対し一審懲役20年判決。被告側は上告した。2014年1月27日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
清水一樹(30)
逮 捕
 2012年3月11日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 尼崎市の無職、清水一樹被告は2012年3月10日午後5時10分ごろ、同市の美容室で、経営者の女性(当時75)の左胸を刃渡り約13.5cmの包丁で2回刺した。女姓は病院に運ばれたが約1時間後に死亡。店にはほかに女性客(当時57)1人がいたが、けがはなかった。
 清水被告は2011年3月26日、伊丹市におけるコンビニ強盗未遂容疑で現行犯逮捕された。裁判で弁護側は統合失調症の影響による心神耗弱状態を主張したが、裁判所は刑事責任能力を認め、9月27日に懲役3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。向精神薬の多用による薬物性精神疾患で10月1日から県内の病院に入院し、2日前の3月8日に退院したばかりだった。
 清水被告は約1年前に髪を金色に染めようと美容室を何軒か訪問し断られた。その1軒が被害者の美容室だった。男は事件前、被害者を逆恨みする言葉をインターネット上に書き込んでいた。
 現場近くに清水被告名義の自転車が止まっており、伊丹署は事件の約3時間後、現場の南約800mの歩道で清水被告が歩いているのを見つけて任意同行。事情を聴いたところ犯行を認めたため、11日に逮捕した。
 神戸地検は3月28日、清水被告を鑑定留置し、刑事責任能力があると判断して6月29日に起訴した。
裁判所
 神戸地裁 増田耕兒裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年10月17日 懲役30年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年10月2日の初公判で、清水被告は「やっていません」と起訴事実を否認、無罪を主張した。
 検察側は冒頭陳述で、清水被告が事件後、元交際相手に「人を刺した」「おれは凶悪犯や」とメールを送っていたことや、凶器の包丁を犯行直前に購入していたことを指摘した。
 弁護側は「取り調べでうその自白を強いられた」「刺したところを見た人はおらず、凶器の包丁は見知らぬ女性に頼まれて美容院まで持って行っただけ」と無罪を主張した。
 10日の論告で検察側は「1年前にブリーチを断られただけで近くにいた女姓を選んだ」と指摘し「不合理な弁明で、反省の態度を見せていない」と主張。そして「人を殺して有名になりたいという動機は身勝手で、無差別殺人に匹敵する悪質な犯行」と断じた。
 同日の最終弁論で弁護側は「美容室の中には入ったが刺したところを見た人はいない。犯人が他にいる可能性を否定しきれない」と無罪を主張。清水被告は「起訴内容を否認します」と述べて結審した。
 増田耕児裁判長は「あまりに理不尽で冷酷な犯行。人命を尊重する思いがみじんも感じられない」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。2014年4月10日、大阪高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
小出久弥(48)
逮 捕
 2013年1月29日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 登別市の暴力団幹部、小出久弥被告は2013年1月29日午前11時45分頃、登別市の温泉ホテルで東京都足立区に住む元暴力団幹部の男性(当時61歳)を射殺した。
 発砲音の後、5人の男がワゴン車で走り去る姿が目撃された。午後2時頃、苫小牧市内の路上で停車しているのが見つかり、車に乗っていた男性がJR白老駅で降ろしたと説明したため、道警はJR室蘭線の各駅で警戒。午後3時過ぎ、JR洞爺駅で特急列車から降りて改札を出た小出被告を発見。小出被告は捜査員に自ら拳銃を差し出し、銃刀法違反で現行犯逮捕された。その後、他の3人が室蘭署などに出頭した。ワゴン車を運転した男性は1月30日、犯人隠匿容疑で逮捕された。
 苫小牧市では2011年2月、露店を出す暴力団の幹部が引退し、その後組も解散状態となったことから、露店を出す組織がない空白地帯となっていた。そこで同じ系列の幹部であり登別市などの露店を取り仕切っていた小出被告が権利を得ようとしたが、男性を代理人として東京から招いた別の苫小牧周辺の暴力団関係者も権利を得ようとし、トラブルとなっていた。事件前日の28日、双方が話し合ったが決裂していた。
 2月20日、小出被告を含む2人が殺人容疑で再逮捕され、共謀した3人も殺人容疑で逮捕された。2月22日、東京都台東区の露天商の男性と、杉並区の飲食業の男性を殺人容疑で逮捕した。3月13日、小出被告が殺人と銃刀法違反で、男性が犯人隠匿罪で起訴された。他の5人は処分保留で釈放された。
裁判所
 札幌高裁 山本哲一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年10月22日 懲役25年(検察・被告側控訴棄却)
裁判焦点
 2013年10月1日の控訴審初公判で、検察側は量刑不当を主張、弁護側は刑の減軽を求め、即日結審した。
 判決理由で山本哲一裁判長は「事件現場はホテルで一般人に危険が及ぶ可能性があったことを考えると重すぎるとは言えない。被害者からの執拗な金銭的要求が犯行を招いた面もあるため、軽すぎるとも言えない」と退けた。
備 考
 ワゴン車を運転した男性は犯人隠匿罪に問われ、2013年5月8日、札幌地裁(今井理裁判官)で懲役1年6月執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の有罪判決が言い渡された。
 2013年6月28日、札幌地裁の裁判員裁判で、求刑無期懲役に対し、一審懲役25年判決。上告せず確定。

氏 名
松原守美(40)
逮 捕
 2012年12月24日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、横領、詐欺未遂、窃盗
事件概要
 住所不定無職、松原守美被告は2012年12月18日午後10時過ぎ、小田原市内に住む大工の男性(当時66)の自宅で、男性の頭部を鉄アレイのような鈍器(重さ約2.5kg)で数回殴って殺害し、借用書や預金通帳など12点を奪った。19日午前10時45分と午後1時10分頃、金融機関窓口で、男性の通帳と印鑑を使い、現金を引き出そうとしたが、印鑑が届出印と異なったことから未遂に終わったため、20日午前9時45分頃、男性宅を物色して現金約90万円を奪った。
 松原被告は南足柄市内の建築会社に大工として勤務しており、被害者の男性は2001年頃から下請けをしていたことから、仕事を通して知り合った。松原被告は男性に、2011年頃から総額325,000円の借金があった。松原被告は、秋葉原の小劇場を中心に活動する地下アイドルのファンで、借金や盗んだ金は、イベント参加費などに充てていた。
 松原被告は11月3日、当時の勤務先である建築会社からくぎ打ち機2台(時価計約90,000円)を平塚市の質屋に20,000円で質入れした後、11月下旬に平塚市の同社の社員寮から逃亡していた。
 2013年1月8日、松原被告はアイドルのイベントに参加した帰り、東京都千代田区の路上にいるところを発見され、横領容疑で小田原署に逮捕された。1月23日、詐欺未遂容疑で再逮捕された。3月5日、男性の軽乗用車を盗んだ窃盗容疑と12月20日に金を引き出そうとした窃盗未遂容疑で再逮捕された(両件とも後に不起訴)。3月16日、強盗殺人容疑で再逮捕された。
裁判所
 横浜地裁 伊名波宏仁裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年11月1日 懲役18年
裁判焦点
 裁判員裁判。検察側は強盗殺人容疑で起訴している。
 2013年10月25日の初公判で松原守美被告は、「人を殺してしまったことは確かだが、最初から金を取ったり借金を免れたりするつもりはなかった」と一部を否認した。
 検察側は冒頭陳述で、松原被告は消費者金融からの借金で自己破産した2011年ごろから男性に金を借りるようになり、返済を強く催促される中で事件を起こしたと指摘。「被告は男性からの借金を踏み倒そう、金を奪おうという気持ちがあった。動機は自己中心的で、酌量の余地はない」と批判した。
弁護側は「事件当日に男性を訪ねたのはさらに借金をお願いするつもりだった。(別件で)口論になり、被害者とトラブルになり、かっとして殴った。その後、金品を奪おうと思った。強盗殺人ではなく、殺人と窃盗罪が成立する」と主張した。
 29日の論告で検察側は、好意から金を貸した男性を殺害した上、事件後に証拠隠滅を図るなどした被告の行動を悪質と批判。「アイドルに金をつぎ込み、残金がなく困っていた」として男性を殺して金を奪う気持ちがあったと強調した。
 同日の最終弁論で弁護側は、当初から金品を奪うつもりはなく、殺人と傷害に当たると主張。「トラブルによる衝動的な犯行で、被告は反省している」と懲役20年を求めた。同被告は最終意見陳述で「犯した罪を背負い、一生をもって償っていきたい」と述べた。
 判決で伊名波宏仁裁判長は松原被告側の主張について「供述に不自然なところはなく、信用性を否定し切ることは困難だ」と指摘、「計画性はなく、被害者の言動を契機に衝動的に抱いた殺意に基づく犯行だった」との判断を示した。そして、強盗殺人罪ではなく、殺人と現金約90万円などを盗んだ窃盗罪を認定した。一方で「短絡的で身勝手な動機に酌量の余地はない」と批判した。
備 考
 

氏 名
福田伸也(39)
逮 捕
 2012年12月6日
殺害人数
 0名
罪 状
 殺人未遂、銃刀法違反(発射)他
事件概要
 指定暴力団工藤会系組幹部の福田伸也被告と藤野義光被告は2012年1月17日午前5時35分頃、福岡県北九州市に本社がある建設会社の中間支店前の路上で、社長(当時)の男性(53)に殺害しようと拳銃2発を発射し、全治約3か月の重傷を負わせた。男性は午前5時頃から支店内で仕事をしており、飲み物を買おうと道路に出たところを撃たれた。近くに居た母親が110番通報し、男性自らも119番通報した。事件後、男性は社長を退任している。
 福岡県警は19日、工藤会本部事務所など十数カ所を家宅捜索した。
 12月6日、福岡県警は福田、藤野両被告を逮捕した。2010年4月の同県暴力団排除条例施行後、県内で多発した民間人銃撃で立件された初めての事件。
裁判所
 福岡地裁小倉支部 大泉一夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年11月15日 無罪
裁判焦点
 両被告は逮捕当初から犯行を否認している。
 裁判員裁判の対象だったが、福岡地検小倉支部は2013年5月14日、対象から除外するよう福岡地裁小倉支部に請求した。9月9日、福岡地裁小倉支部(平島正道裁判長)は、裁判員裁判の対象から除外することを決めた。平島裁判長は「工藤会の主張や構成員の言動により、裁判員の生命や財産に危害が加えられる具体的な恐れがある」と判断した。除外されたのは全国で2例目。
 公判前整理手続きでは、▽福田被告は実行犯かどうか▽実行犯の場合、福田被告は藤野被告と事前に共謀したのか−−が主な争点とされている。
 11月5日の初公判で、福田被告は「被害者とは面識もなく、そのような場所に行ったことはない」、藤野被告も「無罪です」などと主張した。
 検察側は冒頭で、薬きょうなどをごみ袋に入れたとして、藤野被告を1日に証拠隠滅罪で追起訴したことを明らかにした。そして、男性の建設会社などが業界で暴力団排除を進め、発砲事件が多発していた北九州市内が工藤会の独占的な勢力範囲であることが、「事件の背景」と指摘。「(犯人が使った)拳銃は見つかっていないが、福田被告宅から出されたゴミ袋に、薬きょう数個と(拳銃発射時に付く)硝煙反応が検出された衣服と、拳銃のネジが入っていた。(事件の)弾丸と薬きょうは38口径の回転式拳銃用。ネジも同型拳銃のものと類似している。衣服の特長が被害者の目撃情報と一致している」と述べた。そして「被害者と(被告の間に)個人的なトラブルはなく、組織的に計画された犯行。福田被告が実行犯として銃撃し、唯一の配下である藤野被告が薬きょうなどをゴミ袋に入れた」とした。藤野被告について、検察側は「薬きょうが入っていた手袋に付いていた粘着テープ片から藤野被告の指紋が検出された。福田被告が最も信頼を置く唯一の配下であり、事前に共謀して証拠隠滅を行った」とした。
 一方、弁護側は「薬きょうは福田被告が2011年10〜11月、2回にわたって知人から借りた拳銃を遊びで海上に発射した際のもの。検察側の主張は臆測にすぎず、藤野被告が事前に共謀した事実も具体的に提示されていない」と反論。藤野被告について「事前共謀の具体的な事実を主張していない」と述べた。
 11日の論告求刑で検察側は、事件の弾丸は「鉛弾丸」で、ごみ袋内の薬きょうと同じ38口径の回転式拳銃用。2011年に起きた発砲事件18件のうち、同じ鉛弾丸が見つかったのは1件。ただ、弾丸に付く発射痕が今回とは異なっており、「事件で使用した薬きょう以外の余地はない」と強調した。そして「2回にわたって遊びで拳銃を海上に発射した」との福田被告の説明については、「(当時は)発砲事件が11件発生し、被告の使用車両も警察に把握されていた。安易な理由で発砲したというのは余りにも不可解」とした。薬きょうなどの証拠隠滅罪にも問われた藤野被告について、検察側は「福田被告は捜査段階で薬きょうの個数を把握していた。薬きょうが入っていた手袋に付いていた粘着テープ片から藤田被告の指紋も出ており、関与は明白」とした。そして、「工藤会特有の行動原理に基づき、他の暴力団が通常攻撃しない一般人に組織的かつ計画的に発砲した我が国でも類をみない、極めて凶悪な犯行で、断固たる厳罰をもって臨むべきだ」と非難し、福田被告に無期懲役、藤野被告に懲役20年を求刑した。
 弁護側は最終弁論で、「組織性のある真犯人であれば、(薬きょうを)『犯行翌日に捨てる』など取り得ない行動だ。検察側の主張は勝手な臆測に基づくもの」と反論した。藤野被告について弁護側は「いつ、どこで薬きょうを処分したのかが立証されていない」とした。
 判決で大泉一夫裁判長は、「(福田被告の)供述は極めて不合理で変遷を重ねている」と信用性を否定し、「(事件から)26時間後に薬きょうが発見されたことは、本件に使用された可能性を強く疑わせる」とした。しかし、薬きょうと元社長の体内から摘出された弾丸に残っていた発射の際の跡が整合するという鑑定について、「科学的に確立されておらず採用できない」と判断。「薬きょうからは(拳銃の)使用時期を判別できない。薬きょうは5個だが弾丸は2発。今回の事件以外で使用された可能性も完全には排除できない」「拳銃は発見されておらず、(薬きょうなどは)巧妙とは言い難い方法で捨てられている」と指摘した。拳銃の部品や、発砲の際に残る硝煙反応が出たとされた衣類についても「犯行の可能性を示すにとどまる」と結論付けた。廃棄された衣服が被害者の目撃証言と一致するとした点も「際立った特徴がなく、福田被告と犯人の同一性を認定できない」と退けた。そして、「(福田被告が)実行犯である可能性は相当高いが、犯人とするには合理的疑いが残る」と結論付けた。また福田被告が実行犯でない以上、藤野被告の共謀なども認められないとした。
備 考
 検察側は控訴した。2015年6月29日、福岡高裁で検察側控訴棄却(無罪判決)藤野被告も無罪判決。上告せず、確定。

氏 名
藤平浩(53)
逮 捕
 2012年9月28日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 神奈川県三浦市の市営住宅に住む無職藤平浩被告は2012年9月24日午後4時頃、市営住宅の隣家に住む無職女姓(当時83)方で、女姓の顔や首をレジャーナイフ(刃渡り約14.5cm)で複数回突き刺すなどして殺害。その後、市営住宅の敷地内で近くに住む会社員の男性(当時62)の首など10か所以上をナイフで刺して殺害した。
 藤平被告はその後、自らの身体をナイフで刺して自殺を図り、重傷を負った。
 訪問介護に来た女姓介護士が倒れている女性を発見し110番した。駆けつけた神奈川県警三崎職員が、女性や男性、藤平被告を発見した。男性が病院へ運ばれる途中、男に刺されたと話したことから、退院後に事情を聞き、9月28日、藤平被告を男性殺害容疑で逮捕した。10月19日、女性殺人と銃刀法違反の容疑で藤平被告を再逮捕した。
 横浜地検は11月から約4か月間、藤平容疑者を鑑定留置して犯行時の精神状態を調べた結果、刑事責任を問えると判断し、2013年3月6日、横浜地裁に起訴した。
裁判所
 横浜地裁 田村真裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年12月13日 懲役27年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年11月25日の初公判で、藤平被告は「覚えていない」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、藤平被告が知人に「生きていてもつまらない。隣人を道連れにする」などと漏らしていたと述べ、「精神疾患はあったが、完全責任能力がある」と主張。弁護側は「事件まで10年以上も精神疾患を治療しないままで、自分をコントロールできなかった。事件は突発的だった」と述べ、「統合失調症で心神喪失か心神耗弱の状態にあった」として責任能力を争う姿勢を示した。
 被告が統合失調症を患っていたことに争いはなく、検察側は「完全責任能力がある」、弁護側は「心神喪失か心神耗弱の状態」と主張している。
 12月5日の論告で検察側は、生活に困っていた被告が自殺を考えるようになり、2人を道連れにしようと襲ったと指摘。「被害者に落ち度はなく、動機は身勝手で、犯行は危険で悪質」と批判した。被害者遺族も代理人を通じて意見陳述し、「一切の謝罪がなく、被告は罪と向き合っていない」と極刑や厳罰を求めた。弁護側は最終弁論で、犯行当時は心神喪失か心神耗弱の状態だったと主張。「精神疾患の影響は明らか」と無罪を訴え、適切な治療を受けさせるよう求めた。
 田村裁判長は動機について、境界をめぐるトラブルで隣に住む女性に嫌悪感を募らせ、相談を受けていた近所の男性にも悪感情を抱いたと指摘。起訴内容を事実としながらも、「統合失調症の影響もあり動機が理解しにくく、犯行時に不可解な行動をしているが、違法性の認識はあった」として、被告は物事を理解し自分の行動をコントロールする能力が著しく低下していたと判断した。そして「強固な殺意に基づく残虐な犯行で、被害者遺族の処罰感情も厳しい」とする一方、被告は事件当時、統合失調症で心神耗弱の状態にあったとして刑を減軽した。
備 考
 被告側は控訴した。2014年4月23日、東京高裁で被告側控訴棄却。2014年8月6日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
島岡丞(36)
逮 捕
 2012年9月28日(死体遺棄・損壊容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄・損壊、詐欺
事件概要
 住所不定、無職島岡丞(たすく)被告は、未公開株を巡る詐欺グループのメンバーである、弟YK元被告、K元被告、Y元被告と共謀。
 2009年5月、東京都台東区で飲食店を経営している男性(当時27)を、石川県小松市のアパートで、睡眠薬入りの酒を飲ませて眠らせてから刺殺。遺体を都内の倉庫の冷凍庫に隠していた。島田被告、弟YK元被告、K元被告の3人は2011年7〜8月、新潟県湯沢町で冷凍していた遺体をハンマーで損壊。長野県白馬村でバーベキューコンロで焼くなどして捨てた。
 島岡被告は男性に約2000万円ほどの借金があった。
 他に島岡被告は、弟YK元被告らと共謀し、埼玉県内の80歳代の男性から未公開株購入名目で現金450万円をだまし取った。
 島岡被告と弟YK元被告は2012年8月に詐欺事件で逮捕、起訴された。警視庁は2012年9月28日、島田被告、弟YK元被告、K元被告を死体遺棄、死体損壊容疑で逮捕。凶器の包丁や遺体を入れるための容器などを小松市内で買ったことも購入記録などから裏付けられた。また、航空機の搭乗記録などから男性らが事件当時、小松市を訪れていたことも確認された。殺害現場とみられるアパートの部屋から採取した検体から男性のDNA型が検出された。10月18日、別の詐欺容疑で逮捕されていたY元被告と3人を殺人容疑で再逮捕した。
裁判所
 東京地裁 大熊一之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2013年12月20日 懲役30年
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2013年12月2日の初公判で、島岡丞被告は「事件に関与していません」と起訴事実を否認した。
 検察側は冒頭陳述で、「被告は計画段階から主導的な役割を果たした」と主張した。
 判決で大熊一之裁判長は「被告を首謀者とする共犯者らの証言は信用できる」と無罪主張を退けた。そして「被害者から借金返済を迫られるのを避けるための身勝手で計画的な犯行だ。包丁を交換して刺し続け、強固な殺意がうかがえる。遺体を徹底的に解体して証拠隠滅も図っていて悪質性は高い。首謀者の責任は極めて重い」と述べた。
備 考
 Y元被告は2013年5月29日、東京地裁の裁判員裁判で懲役14年(求刑懲役18年)判決。大熊一之裁判長は「犯行は計画的で残忍。役割は従属的だが、被害者に睡眠薬を飲ませるなど重要な役割を果たした」と述べた。2013年11月6日、東京高裁(金谷暁裁判長)で控訴棄却、上告せず確定。
 弟YK元被告とK被告2013年8月29日、東京地裁の裁判員裁判で懲役14年判決(求刑懲役18年)。大熊一之裁判長は「2人は従属的な立場だったが、犯行時に被害者の体を押さえるなど重要な役割を果たした」と述べた。いずれも控訴せず確定。
 被告側は控訴した。2014年10月3日、東京高裁(三好幹夫裁判長)で被告側控訴棄却。2015年中に最高裁で被告側上告棄却、確定。




※銃刀法
 正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法」

※麻薬特例法
 正式名称は「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」

【参考資料】
 新聞記事各種

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