無期懲役判決リスト 2005年度





 2005年に地裁、高裁、最高裁で無期懲役の判決が出た事件のリストです。目的は死刑判決との差を見るためです。
 新聞記事から拾っていますので、判決を見落とす可能性があります。お気づきの点がありましたら、ご連絡いただけると幸いです。
 控訴、上告したかどうかについては、新聞に出ることはほとんどないためわかりません。わかったケースのみ、リストに付け加えていきます。
 判決の確定が判明した被告については、背景色を変えています(控訴、上告後の確定も含む)。




地裁判決(うち求刑死刑)
高裁判決(うち求刑死刑)
最高裁判決(うち求刑死刑)
118(10)+1
64(9)+1
53(6)

 司法統計年報によると、一審:119件(控訴後取り下げ9件)、控訴審78件(棄却63件。破棄自判15件。上告後取り下げ6件、上告51件)、上告審70件。


【2005年度 無期懲役判決】

氏 名
太田亜矢子(旧姓原田 26)/安芸健太郎(34)
逮 捕
 2002年8月26日(死体損壊、死体遺棄容疑。安芸被告は7月13日に起こした強盗殺人未遂容疑で、原田被告は事件直後に逃走した安芸被告に対し、県外への逃走を勧めたとして、犯人隠避容疑で、それぞれ逮捕、起訴されていた)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗殺人未遂、窃盗、銃刀法違反、死体損壊、死体遺棄、建造物侵入、窃盗、犯人隠避
事件概要
 会社員原田亜矢子被告と無職安芸健太郎被告は、現金を奪う目的で、原田被告の知人女性(当時27)の殺害を計画。2002年7月7日未明、原田被告が女性を呼び出し、安芸被告が和歌山市内でドライブ途中に女性の首をタオルで絞め殺害した。現金約35000円を奪い、遺体は和歌山県かつらぎ町の山中に運んで焼いた。原田被告は、殺害した女性の弟とも出会い系サイトで知り合い、交際していた。
 さらに安芸被告が以前勤めていた同市内のカー用品店店長(当時48)から売上金を奪うため、殺害を2人で計画。同月13日夜、安芸被告がサバイバルナイフで刺し、重傷を負わせた。
 原田被告と安芸被告は2001年8月、携帯電話の出会い系サイトで知り合った。空き巣や車上狙いなど計5件の窃盗罪でも起訴されている。いずれも原田被告の指示で安芸被告が実行した。
裁判所
 大阪高裁 那須彰裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年1月11日 無期懲役(検察・被告側控訴棄却)
裁判焦点
 検察側は一審で2人に死刑を求刑。死刑を回避した一審判決に対し「矯正は不可能。死刑以外ありえない」と主張し控訴した。被告側は量刑不当が理由か?
 那須彰裁判長は「動機は短絡的、残忍な犯行で、死刑選択も考慮に値するが、反省しており、極刑がやむを得ない場合にはあたらない」「遺族に反省の手紙を出すなど、矯正の可能性はある」とし、両被告を無期懲役とした一審和歌山地裁判決を支持、検察側の控訴を棄却した。
備 考
 2004年3月22日、一審無期懲役判決。安芸被告は上告せず確定。太田被告は上告した。2005年12月12日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
斎藤忠克(36)
逮 捕
 1989年2月28日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 無職斉藤被告は1989年2月21日午前、川崎市川崎区のゲームセンターで、開店準備中の店長(当時64)の頭を建材の鉄筋で十数回殴って殺害した上、金庫から現金105,800円を奪った。
裁判所
 最高裁第三小法廷 上田豊三裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月11日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 被告側は捜査段階で自白したものの、公判ではアリバイの提示や、自白は誘導であったとして無罪を主張。
 上告審でも無罪を主張。
備 考
 1999年4月28日、横浜地裁川崎支部にて一審無期懲役判決。2004年1月14日、東京高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
上辻一道(29)
逮 捕
 2003年5月26日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 大阪府寝屋川市の元スナック店長上辻一道被告と元従業員(無期懲役が確定)は、店の経営不振などから経営者(当時28)が給料を支払わないことなどに恨みを抱き、殺害して金品を奪おうと計画。2003年3月9日午前5時頃、スナック店内で経営者の頭を金属バットで殴って殺害し、現金約12万円を奪ったうえ、10日午前10時頃、奈良県十津川村の山中に遺体を捨てた。
裁判所
 最高裁第二小法廷 福田博裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月17日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか。
備 考
 2004年2月17日、一審無期懲役判決。2004年7月8日、控訴棄却。

氏 名
渡辺敬介(42)
逮 捕
 2002年5月23日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死他
事件概要
 消費者金融会社に約100万円の借金があった静岡県の無職渡辺被告は2002年3月25日夜、飲食店などを経営する会社の専務だった神奈川県平塚市の元上司(当時84)方を郵便局員を装って訪問。出てきた男性の鼻や口を手でふさぐなどして窒息死させ、現金10万円と時計を奪った。
 渡辺被告は被害者と同じ会社で係長を務めていたが、1996年に会社の売上金1265万円余を盗むなどして解雇された。
裁判所
 最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月17日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一審途中から無罪を主張。
備 考
 2004年1月22日、一審無期懲役判決。2004年8月26日、被告側控訴棄却。

氏 名
飯田勝久(60)/太田勝(57)
逮 捕
 2003年3月13日 覚せい剤約260キロ(末端価格約156億円)を押収。
殺害人数
 0名
罪 状
 覚せい剤取締法違反(営利目的所持)他
事件概要
 貿易商飯田被告、無職太田被告、馬被告(無期懲役が確定)は暴力団幹部畠山正男被告、三浦久一被告と共謀。2003年1月から3月にかけて、覚せい剤の結晶など計約470キロを陶磁器製の人形の台座に隠す手口で中国・上海からコンテナ船で横浜港に密輸した。
裁判所
 最高裁第二小法廷 津野修裁判長
求 刑
 無期懲役 罰金1000万
判 決
 2005年1月17日 飯田被告:無期懲役 罰金1000万円、太田被告:無期懲役 罰金 800万円(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか。
備 考
 2004年3月8日、一審無期懲役+罰金1000〜800万円判決。2004年9月17日、被告側控訴棄却。

氏 名
国沢豊(59)
逮 捕
 2002年2月28日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄
事件概要
 広島県三次市の土木建築会社社長国沢被告は、社員(当時46)の態度が日頃から反抗的だとして、元同社役員(逮捕時覚せい剤取締法違反で服役中 二審懲役20年判決確定)と共謀して殺人を計画。2001年4月12日正午頃、広島県庄原市の同社資材置き場で、社員の腹などを包丁で刺して殺害。遺体を同所に埋めた。
裁判所
 広島高裁 大渕敏和裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月18日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 国沢被告は一審第2回公判から起訴事実を否認。遺体は未だ見つかっていない。凶器などの物的証拠もない。逮捕後の自白については「借金などで自暴自棄になっていた」と説明。検察側はT被告の供述を元に主犯と認定した。
 控訴審でも被告側は無罪を主張したが、大渕敏和裁判長は「T被告の供述は迫真性に富み、公判でも国沢被告の前で動揺せずに明確な供述を維持し、信用できる」と指摘。遺体については「犯行後に別の場所に移した可能性が高い」と述べた。
備 考
 国沢、T両被告は過去にも殺人事件を起こし服役している。 2003年11月21日、一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年8月30日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
伊勢裕一(46)
逮 捕
 2004年6月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 土木作業員伊勢被告はゲーム機賭博やパチンコなどで借金を抱え、家賃を滞納するなど生活に困っていた。2004年の春からは、借金返済や子どもの学費、生活費を工面するために、青森県むつ市のアパート経営者の男性(当時75)宅の新築工事に雇われて収入を得ていた。2004年5月31日、伊勢被告は夕方までに給料の大半をパチンコ店で使ってしまったため、男性に借金することを思いついた。同日夜、男性宅を訪れて借金を申し込んだが、「お前みたいなやつに金を貸す気はない」などと言われて、男性の殺害を決意。午後7時50分頃、男性方居間で、起きていた男性の背後から肩と首をつかんで仰向けに引き倒し、左手で首を絞めた上、両腕で挟んで締め付けて圧迫し、窒息死させた。その後、伊勢被告は室内の数カ所から現金合計約10万2000円を奪った。被告は強奪した金で借金を返済し、残った金は生活費やパチスロや宝くじの遊興費に充てた。
裁判所
 青森地裁 高原章裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月19日 無期懲役
裁判焦点
 伊勢被告は初公判で起訴事実を全面的に認めたが、第二回公判以降は現金目的ではなく、被害者に家族を侮辱されたことに憤慨し殺害したと主張。弁護側も被告が女性に借金の申し込みをした際に「ろくに仕事もできないのに、金は貸せない」などとののしられたことに腹を立てて殺害し、その後で室内の金を盗んだとして、「罪名は強盗殺人ではなく殺人と窃盗に該当する」と意見を述べた。
 検察側は、殺害時に金品を奪う意思が認められ、捜査段階の供述も信用できるとして強盗殺人罪にあたると主張した。
 高原章裁判長は「わずか十分の短時間で、殺害し金を奪って逃げたのは、殺して金を持ち帰る意図があったと認められる」と、強盗殺人罪を認定した。量刑理由では「被告人が反省していることなどを考えても酌量減軽はできず、厳罰をもって臨むしかない」と述べた。
備 考
 伊勢被告は「どんな判決が出ても控訴はしない」と話していたという。控訴せず確定か?

氏 名
加藤建昭(61)
逮 捕
 2004年5月15日(窃盗容疑で)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体損壊、非現住建造物等放火
事件概要
 岐阜県各務原市の工員加藤被告は2004年2月7日午前10時半ごろ、大野町に住む女性(当時80)の首をナイフで刺して殺害。仏具などを奪い、証拠を隠そうと女性方の居間に新聞紙を置いてライターで火をつけ、木造2階建住宅を全焼させた。
 加藤被告は神戸市内に本拠を置く新興宗教の熱心な信者で、夫を亡くした被害者に教えを説いて信者にするとともに、純金製普賢ぼさつ像108万2000円、十八金製お鈴367万5000円など総額は1000万円以上の仏具を販売していた。仕事が長続きせず、生活費やパチンコ代を工面するため借金を重ね、2002年10月には2回目の破産宣告を受けた加藤被告はヤミ金融にも手を出して切羽詰まった状態であり、裕福な一人暮らしの女性に目を付けた犯行であった。
裁判所
 岐阜地裁 土屋哲夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月21日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「被告はパチンコなどで多額の借金を抱え、家族に知られることを恐れて被害者を殺害し、金品を奪うことを計画するなど、動機は自己中心的で短絡的。約1カ月前から準備するなど計画的で、遺族の処罰感情も重い」と述べた。
 土屋哲夫裁判長は「パチンコなどで借金がかさみ、孫の成長を楽しみにしていた被害者を殺害したもので、自己中心的かつ残忍な犯行」と断じた。
備 考
 

氏 名
小池始志(39)
逮 捕
 2002年6月25日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 暴力団組員小池始志被告は、同じ暴力団の幹部松本和隆被告(求刑無期懲役に対し、一審懲役20年)ら2人と共謀し、埼玉県川口市で2001年9月に仲間の韓国人男性が殺害された事件の報復を決意。10月10日午前6時ごろ、千葉県柏市の飲食店から出てきた韓国籍の日本人学校生(当時24)ら4人を犯人の一味と思い込み、学校生の左胸などに拳銃4発を撃ち込んで殺害した。学校生は小池被告らと面識はなかった。
裁判所
 東京高裁 河辺義正裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月27日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 河辺義正裁判長は「上命下服の暴力団内で指示があったとはいえ、執ように4発も拳銃を発射し、酌むべき事情はない」として、一審判決を破棄し、検察側の主張通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 2004年3月19日、千葉地裁で懲役20年判決。下山保男裁判長は「罪のない人間を殺害した、身勝手で残虐な犯行」だが「犯行の首謀者は松本被告で、小池被告は指示に従って殺害を実行した」とした。
 殺害を指示した容疑などで組長の平田正幸容疑者(52)は指名手配されている。
 被告側は上告した。2005年6月10日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
鶴貝政枝(39)
逮 捕
 2004年3月11日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 桐生市のホームヘルパー、鶴貝被告は生活費や借金返済のため、母親(当時70)を殺して金を奪うことを計画。長男でホストの男性(20 事件当時19)とともに2003年9月20日、近所に住む母を自宅に呼び出した後、20時30分頃、タオルのようなもので首を絞めて殺害。遺体を市内の山林に捨て、21日未明、母宅から現金489万円を盗んだ。鶴貝被告は10月28日に捜索願を出していた。遺体は2004年2月23日夕方、一部白骨化した状態で発見された。奪った現金は生活費や借金の返済などに充て、長男にも一部渡していた。
裁判所
 前橋地裁 久我泰博裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月27日 無期懲役
裁判焦点
 二人は起訴事実を認めていた。
 検察側は論告で、鶴貝被告が奪った金でブランド品を買うなど、「金銭、物への執着の程度は醜悪」と批判し、金目当ての犯行だったと主張。逮捕後には長男1人に罪をかぶせようとするなど「とても母親とは思われない」と述べ、ウソの供述を続けた態度には「反省、悔悟の情は見いだせない」とした。
 長男についても「金に困っていたわけでもないのに(100万円の)報酬に目がくらんだ」と、責任の重さを指摘した。
 弁護側は、鶴貝被告が実母から子どもの養育方法でなじられるなど、感情のもつれがあったと主張した。また鶴貝被告は公判中、幼少期に被害者から一切、母親らしいことをしてもらえなかったと主張。惨めな思いをさせた母がためた金を使っても当然と供述していた。
 長男については「正直に供述し、反省している」と述べた。
 久我泰博裁判長は「極めて利欲的で自己中心的な犯行。酌量の余地はない」などとした。長男に対しては「奪った金から合計110万円程度を利得しているなど、犯行後の情状もよろしくない」と批判した。
備 考
 長男は求刑通り懲役15年判決。鶴貝被告は起訴後、長男に「1人でやったことにしてくれ」などと手紙を送ろうとしていた。

氏 名
弘末克己(72)
逮 捕
 2003年1月30日(2001年の窃盗罪で2003年1月14日に逮捕、起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗他
事件概要
 高知市に住む無職弘末克己被告は2002年11月29日夜、近所に住む顔見知りの独居老人女性(当時84)宅に侵入。就寝中の女性の顔などを部屋にあった木刀で殴りつけるなどして現金2万8000円を強奪した。女性は翌30日に外傷性ショックで死亡した。また2001年4月13日、知人女性(当時65)の銀行のキャッシュカードを盗み、計15万円を引き出して盗んだ。
裁判所
 高知地裁 永渕健一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月28日 無期懲役
裁判焦点
 弘末被告は逮捕当初こそ犯行を認めていたものの、2003年4月の初公判から、「事件発生日に女性方には行っていない。強引な取り調べで自白を強要された」と起訴事実を否認し、窃盗罪も「知人女性から現金引き出しを頼まれ、カードを預かっただけだ」と一貫して全面無罪を主張した。
 検察側は「被告は、犯行を自白後に『部屋は本や服が乱雑に散乱していた』などと話した供述を、否認に転じてからは『想像で話した』とするが、自白の供述は実際の現場の状況と一致し、体験した事実にほかならない」と指摘。同被告が「否認しても聞き入れてもらえなかった」とする主張に対し、「自白の強要はなく、不合理な弁解で刑事責任を免れるためのものだ」と反論。「家族の借金の返済資金欲しさの動機は身勝手で酌量の余地はない」と論告した。
 弁護側は無罪主張を展開。「取り調べで否認した際の調書は作成されておらず、自白調書は、事前に分かっている客観的事実を基に誘導して作成されたものだ」と調書の信用性を否定した。また「犯人逮捕への焦りが捜査官に偏見と先入観を抱かせ、強引な捜査に駆り立てた。別件の窃盗罪での身柄拘束を利用した違法な取り調べだ」と捜査手法を批判した。
 永渕健一裁判長は「自白には秘密の暴露に当たる供述はないが、実体験に基づくとみるのが自然で任意性、信用性を欠くとはいえない」「いくつかの不自然不合理な点を含む自白だが、多くは証拠と合致しており、被告の犯行であることは明らか」と指摘。「捜査員に自白を強要された」との弁護側の無罪主張を退けた。
 その上で「金銭欲のために他人の命までも犠牲にした身勝手で短絡的な犯行。公判では不合理な弁解に終始し、反省も認められない」と述べた。
備 考
 2004年10月26日、高知地裁は「証拠調べが不十分」として、27日に予定していた判決言い渡しを延期することを決めた。永渕健一裁判長の職権で弁論を再開し、同日は検察側に立証を促すとしている。
 12月27日、高知地裁で公判が開かれ、検察、弁護側の双方が弁論を補充して結審した。
 弘末被告の弁護人は、「矛盾点はあるが、矛盾しない方が多いから有罪という判決の論理は納得できない。控訴については本人と相談する」と話した。
 被告側は控訴した。2007年3月22日、高松高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
藤井智洋(33)
逮 捕
 2002年11月23日(7月18日の事件の殺人容疑)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人他
事件概要
 藤井被告は自衛隊を除隊後の2000年9月、かつて自分をいじめた同級生らに殺意を抱いていたが実行できず、「だれでもいいから人を殺せば気が晴れる」と考え、9月5日未明、北区のアパート敷地内でアパートに住む男性(当時67)を折りたたみ式ナイフで刺殺した。  2002年7月18日午前9時半頃、板橋区内の公園で散歩中だった男性(当時76)をの胸など20数ヶ所を折りたたみ式ナイフ(刃渡り約10cm)で刺し、殺害した。本事件では、容疑を免れるために自ら110番通報している。
裁判所
 東京地裁 小坂敏幸裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月28日 無期懲役
裁判焦点
 藤井被告は起訴事実を認めている。
 藤井被告の責任能力が争点。同被告は捜査段階で「無性に人を殺したくなり、弱そうな老人を狙った」と供述。東京地検が簡易鑑定を実施し、責任能力に問題ないとして起訴した。
 起訴前の簡易鑑定では「刑事責任を問える」とされたが、公判段階で改めて精神鑑定を行った結果、「統合失調症の残遺症状の影響で心神耗弱状態だった」とされた。
 検察側は論告で「無差別通り魔殺人で残忍な犯行。本来であれば極刑以外の余地はないが、心神耗弱状態は否めない。誠に断腸の思いではあるが、刑を軽減し、無期懲役に処するのが相当」と述べた。弁護側は最終弁論で、「心神耗弱状態を十分考慮すべき」と主張し、結審した。
 小坂敏幸裁判長は「何の落ち度もない被害者2人を所構わず刺しており、生命の尊厳への尊敬の念は全くない。通常であれば極刑」としながらも、統合失調症による責任能力の減退を認めて刑を軽減した。
備 考
 控訴せずに確定。

氏 名
翁武文(31)
逮 捕
 2003年2月7日
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗致傷、住居侵入他
事件概要
 職業不詳、中国人翁武文(ウェン・ウウェン)被告は余小華被告や他の中国人や日本人の仲間数人と共謀。2001年2月27日夜、東京都中野区内の民家に押し入り、家族を縛ってけがをさせた上、現金約1億円と腕時計などを奪ったほか、2002年10〜11月、1都4県で同様の犯行を繰り返し、現金計約1億2300万円や貴金属などを盗んだ。
 翁武文被告は30人前後とみられる日中強盗団のメンバーであった。
裁判所
 東京高裁 植村立郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月31日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 判決理由で植村立郎裁判長は「首謀者ではないことなど一審が認めた有利な情状はあるが、組織性の高い危険な犯行で、全事件で実行役を果たし、1000万円以上の高額な分け前を得たことなどから、有期懲役は軽過ぎる」と述べた。
備 考
 2004年、東京地裁で一審懲役20年判決。被告側は上告した。

氏 名
鈴木実(36)
逮 捕
 2002年9月3日(死体遺棄容疑 18日強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄他
事件概要
 名古屋市の会社員六鹿慎祐被告(無期懲役が確定)は、名古屋市に住む元ホステスの女性(当時36)と1年ほど交際していたが、別の女性と婚約したため別れ話を持ち出したところ、オートバイ購入金や小遣いなどの返済を求められたため、関係を清算するために殺害を決意し、知人の内装業鈴木被告に殺害を依頼。鈴木被告は遊び仲間の無職愛甲龍二被告(無期懲役が確定)とともに実行役を担当。
 2002年6月5日夕方、六鹿被告は女性を自宅から連れだし、名古屋市中区内で鈴木被告らに女性を引き渡した。愛甲被告らは約26時間にわたり女性をレンタカーに監禁、暴力団員を装って「金を返せ」と脅迫。レンタカーを交代で運転して愛知県内や千葉県内を連れ回し、名古屋市内の郵便局などで女性の口座から現金約650万円を引き出させて奪ったうえ、6日午後8時ごろ、湖西市の海岸で愛甲被告がスコップで女性の頭を殴り殺した。  遺体は2002年9月3日に見つかった。
裁判所
 名古屋高裁 小出☆一裁判長(☆=金ヘンに享)
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月31日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 鈴木被告は「実行行為はしておらず、一審判決は量刑が重くて不当」などと主張したが、小出裁判長は「計画、準備段階で極めて重要な役割を果たし、犯行実現の原動力となった刑事責任は重い」と退けた。
備 考
 2004年6月25日、六鹿被告、愛甲被告とともに一審無期懲役判決。鈴木被告のみ控訴していた。

氏 名
本多孝彰(27)
逮 捕
 2003年5月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 名古屋市の風俗店店員本多被告は、消費者金融に借金があったため、2003年5月13日夜、仕事仲間を通じて知り合った愛知県長久手町のタクシー運転手(当時46)方に侵入し金品を物色中、運転手に見つかり包丁で左胸を刺して殺害、現金20万円などを奪った。
裁判所
 名古屋高裁 小出☆一裁判長(☆=金ヘンに享)
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年1月31日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 本多被告は控訴審第2回公判から「刺したのは共犯者」と供述を変えたが、小出裁判長は「共犯者がいるという供述は合理性がない」などとして、単独犯行と認定した。そして「計画的かつ凶悪な犯行で、刑事責任は重大」として控訴を棄却した。
備 考
 2004年4月16日、一審無期懲役判決。

氏 名
福田薫(56)
逮 捕
 2001年5月29日(詐欺罪で起訴済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 有印私文書偽造,同行使,詐欺,電磁的公正証書原本不実記録,同供用,窃盗,死体遺棄,殺人,横領
事件概要
 絵画リース業福田被告は、高校の同級生だった会社員(当時51)に画廊の共同経営資金として投資させた300万円の返済を迫られ、2000年3月8日、北九州市の空き事務所にて会社員を殺害。14日に知人(60、死体遺棄罪等で実刑確定)と共謀して山口県美祢市の山中に埋めた。福田被告は、2000年4月に会社員の名前を騙り消費者金融から20万円をだまし取った件につき詐欺罪で2001年逮捕、起訴。同じく会社員のクレジットカードを使用した件で捕まった知人の供述により、遺体が発見された。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月1日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 被害者を殺害したのは共犯者であると主張。控訴審でも無罪を主張。上告審でも同様か。
備 考
 1986年に殺人と死体遺棄で懲役15年の判決を受け、事件当時は仮出所中。 共犯者は死体遺棄で懲役6年が確定。
 一審福岡地裁小倉支部にて2003年3月10日、無期懲役判決。2004年、被告側控訴棄却。

氏 名
少年(19 事件当時18)
逮 捕
 2004年2月26日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗
事件概要
 少年は2004年2月13日早朝、勤めている明石市二見町のラーメン店に牛刀を持って押し入り、仕込み作業をしていた店長の男性(当時26)の首を切りつけて殺害し、売上金およそ100万円を奪った。遊ぶ金欲しさの犯行であった。以前にも、レジの売上金を奪っていた。
裁判所
 神戸地裁姫路支部 伊東武是裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月2日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「牛刀や軍手などを事前に用意し、犯行時、防犯ビデオにも細工した」「犯行は計画的で、成人の犯罪以上の悪質性すらある」と指摘。これに対し弁護側は「生育環境なども大きな要因で、矯正の可能性は高い」と不定期懲役刑を求めた。
 伊東武是裁判長は「矯正教育による更生の可能性がないとはいえない」とした上で「犯行は恐ろしく身勝手で極限の非難に値する。生涯かけての贖罪によって更生の道を歩ませるほかない」とした。
備 考
 逮捕後、神戸家裁姫路支部に送致され、家裁支部は「残忍な犯行で、刑事処分以外の措置は適当とは認められない」として検察官送致(逆送)を決定。神戸地検姫路支部が起訴した。
 控訴せず、確定。
 姫路支部は2005年10月、少年と母親に対し、精神的苦痛による慰謝料など約6500万円の支払いを命じている。
 殺害された男性の両親は、ラーメン店運営会社に対し、店員を雇っていた使用者責任があるとして、約8000万円の損害賠償を求めたが、2006年9月4日、神戸地裁姫路支部は判決で「犯行は業務とは関連性がなく、使用者責任は認められない」とした上で、「殺人事件の発生を予測する義務があったとはいえない」との判断を示し、請求を棄却した。

氏 名
佐々木博幸(41)
逮 捕
 2003年11月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 無職佐々木被告は覚せい剤購入資金欲しさから愛知県扶桑町近隣で盗みを繰り返し、1992年9月14日午後11時ごろ、会社員宅に侵入。物色中に会社員の妻(当時54)が目を覚まして騒いだため首を絞めて殺し、何も取らずに逃げた。佐々木被告は、別の窃盗未遂事件で拘置中だった2003年、11年前の犯行を自ら告白し逮捕されていた。
裁判所
 名古屋高裁 川原誠裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月3日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 一審は、検察側が「(自首は)被害者の声が聞こえるような錯覚から解放されたかったためで、反省からではない」などとして法定刑である無期懲役を求刑したが、判決は自首を考慮して刑を減軽。検察、弁護側双方が控訴していた。
 控訴審判決で川原裁判長は、本来の自首減軽の意義について「捜査の労力・費用が省かれ、無実の別人が処罰される危険を避けることにある」と指摘。今回の自首は犯行から長期間たっていたことや、その間、被害者の夫が周囲から犯人と疑われた経緯があったとして「減軽すべき実質的理由がない」と結論付けた。その上で「犯行は執よう、悪質で殺害の意思も強固だった」と述べた。
備 考
 2004年9月8日、名古屋地裁一宮支部で懲役15年判決。遠山和光裁判長は佐々木被告の自首を減刑理由に挙げた。被告側は上告した。2005年5月23日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
井原邦松(75)
逮 捕
 2004年6月9日(窃盗容疑。23日に強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗他
事件概要
 千葉県館山市の無職井原被告は2004年6月7日午前9時頃、隣人の女性(当時79)宅に侵入。現金約7万円など入りのバッグを奪い帰宅。隣室にいた女性に気づかれたと思い、15分後に引き返して首をストッキングで絞めて殺害した。同日、市内の銀行で女性の妹名義のキャッシュカードで現金55万円を引き出した。井原被告は飲食店などに約16万円の借金があった。
裁判所
 千葉地裁 加登屋健治裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月3日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「金欲しさの冷酷非情な犯行」とし、無期懲役を求刑した。
 弁護側は最終弁論で「バッグを盗んだ後、殺害に戻るまで時間が経過している」とし、強盗殺人罪ではなく、殺人罪と窃盗罪を適用すべきだと主張した。
 加登屋健治裁判長は「犯行は冷酷、残忍かつ卑劣極まりない。公判段階で一転、殺意を否認するなど、真摯な反省の情はうかがえない」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2005年8月16日、東京高裁は一審を破棄し、懲役20年の判決。河辺義正裁判長は「強盗殺人に匹敵する残虐な犯行だが、窃盗行為の終了後に殺害しており、強盗は成立しない」と述べた。2005年11月30日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
余小華(36)
逮 捕
 2003年9月30日
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗致傷、住居侵入他
事件概要
 職業不詳、中国人余小華(ユイ・シャオホァ)被告は中国人翁武文被告(二審無期懲役判決)や日本人の仲間数人と共謀。2002年10月、愛知県豊田市の民家に押し入って家族を縛り、現金約340万円と指輪など約5200万円相当を奪うなど、2002年7月から2003年3月にかけ6都県で現金計約2800万円と指輪やネックレスなど計約770点(約8900万円相当)を奪った。
 余小華被告は30人前後とみられる日中強盗団のメンバーであり、日本へは不法入国している。
裁判所
 東京高裁 植村立郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月4日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 判決理由で植村立郎裁判長は「首謀者ではないが、全事件に実行犯として関与しており、首謀者に準じる役割を果たした。高額な分け前も受け取った被告に懲役20年は軽すぎる」と述べた。
備 考
 2004年7月8日、東京地裁(大島隆明裁判長)で一審懲役20年判決。被告側は上告した。

氏 名
服部潤之輔(51)
逮 捕
 2002年6月5日
殺害人数
 2名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 服部被告は、携帯金融を含む業者30社から借りた約1300万円の返済に追われていた。2002年4月15日午後2時頃、義母である福岡市のアパート経営者(当時82)方を訪問。5年前に病死した義父の遺産について分与を依頼したが断られた。さらに同居している義姉(当時51)から借金問題でも避難されたため、二女の殺害を決意。同日、鉄パイプなどを用意して義母方に侵入。義母と義姉の頭を殴って殺害、現金47万円などを奪った。奪った現金は返済に充てていた。
裁判所
 福岡高裁 虎井寧夫裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年2月8日 無期懲役(検察側控訴棄却)
裁判焦点
 虎井寧夫裁判長は「2人もの命を奪った誠に凶悪な事件だが、更生の可能性があり軽すぎて不当とはいえない」と述べた。
備 考
 2004年3月17日、一審無期懲役判決。上告せず、確定。

氏 名
少年(21 事件当時17)/少年(21 事件当時17)/少年(21 事件当時18)
逮 捕
 2001年7月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 千葉県船橋市で2001年6月20日、少年は仲間2人(ともに当時17)と共謀し、たまたま通りかかった大学生(当時21)を車に押し込んで現金5000円を奪った。さらに近くの山林に連れ込んで金属バットで数10回殴り続けて殺害した。
裁判所
 最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月10日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 判決理由で同小法廷は「被告側は単に法令違反、事実誤認、量刑不当を主張しているに過ぎず、適法な上告理由に当たらない」と述べた。一・二審で被告側は、殺意を否定し、傷害致死の適用を求めていた。
備 考
 2002年6月20日、千葉地裁で一審無期懲役判決。2003年5月15日、22日、27日、東京高裁で被告側控訴棄却。
 少年法では従来、18歳未満の少年が無期刑相当の犯罪に及んだ場合、10〜15年の有期刑に軽減することとされていたが、01年4月の改正で厳罰化が図られ、無期刑を科すことが可能になった。法改正後、18歳未満に無期懲役を言い渡した初のケース。

氏 名
後藤重幸(71)
逮 捕
 1996年11月8日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗
事件概要
 元船員の後藤被告は、1996年8月8日午後11時30分頃、遊ぶ金欲しさで長崎市旭町の食料品店に侵入。二階で寝ていた女性(当時68)に気付かれたため絞殺、現金約83万円を奪った。また1995年10月23日夜にも同店に侵入し現金や切手など計6万円相当を盗んだ。後藤被告は1996年10月23日、知人の女性に言い掛かりを付けて殴り傷害容疑で逮捕、起訴されていた。
裁判所
 最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月14日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 後藤被告は、捜査段階では自白したが公判では一貫して無罪を主張。
備 考
 2002年1月31日、長崎地裁で一審無期懲役判決。2003年12月25日、被告側控訴棄却。

氏 名
陳明(30)
逮 捕
 2002年11月15日(陳祥発の偽名を使用。窃盗罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反、強盗傷害、窃盗他
事件概要
 2002年1月5日、中国人陳明(チェン・ミン)被告は、中国人何家忠被告らと共謀し、埼玉県川口市のJR西川口駅前の雑居ビルで麻雀店を経営していた、中国人マフィアの幹部(当時32)を射殺した。また、2002年7月2日から8月24日にかけて香川県高松市、岡山県倉敷市、三重県伊勢市で合計15件の強盗致傷事件や窃盗などを重ね、現金や手形など計4億4千万円相当を盗むなどした。
裁判所
 最高裁第三小法廷 金谷利広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月14日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか。
備 考
 2003年7月28日、一審さいたま地裁(福崎伸一郎裁判長)で懲役20年判決。2004年3月25日、二審東京地裁は一審判決を破棄し、無期懲役を言い渡していた。

氏 名
藤居慎治(46)
逮 捕
 2001年10月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、死体遺棄、逮捕監禁他
事件概要
 人材派遣業藤居慎治被告は京谷和也被告(現姓早竹 一審無期懲役が確定)、京谷雅代被告(二審懲役5年判決)、元暴力団員山岡秀憲被告(一・二審懲役15年判決)、無職川口ゆう子被告(2005年7月6日 懲役12年判決)らと共謀。2001年9月1日、工事業者を装って待ち伏せ午後11時15分頃、名古屋市中区のマンション前の路上でタクシーから降りた名古屋市のホストクラブ経営者(当時54)を銃撃し、車のトランクに押し込めて拉致し逃走。さらに近くのマンションのベランダで犯行を目撃し悲鳴を上げた経営者の知人女性に向けて発砲、負傷させた。さらに拉致した経営者がトランクの中で死亡していたため、所持金と貴金属類を奪ったうえ、遺体をドラム缶にコンクリート詰めにして滋賀県彦根市の川に沈めた。
 犯行は、藤居被告が山岡被告に「金もうけの話がないか」と持ちかけたのが発端。藤居被告が指示役で、同被告の人材派遣会社で働いていた京谷被告や日系ブラジル人数人(うち二人は逮捕監禁容疑で指名手配)が実行役を務めた。
裁判所
 名古屋地裁 柴田秀樹裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月16日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「中心になって事件を計画、指示した首謀者。金銭目的の動機は自己中心的」と無期懲役を求刑した。弁護側は「関与は認めるが主犯的立場でなく、実行や殺害を決意したのは共犯者らだ」と寛大な判決を求めた。
備 考
 被告側は控訴した。

氏 名
カンソ・マルコ・アントニオ・カルドーソ(29)/ヘスス・アントニオ・ナテス・リンコン(28)
逮 捕
 2003年1月30日(窃盗罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、窃盗、強盗致傷他
事件概要
 名古屋市に住むブラジル国籍の無職カンソ・マルコ・アントニオ・カルドーソ被告、コロンビア国籍の無職ヘスス・アントニオ・ナテス・リンコン被告は他の外国人2名とともに、2002年8月31日午後11時40分頃、愛知県七宝町に住む贈答品販売会社社長(当時65)宅に押し入り、社長夫婦を粘着テープで縛り、スタンガンを押しつけるなどして現金約258万円を奪って逃げた。社長は粘着テープで口と鼻をふさがれ、病院に運ばれたが、窒息により死亡した。両被告は奪った金の分け前を本国の家族に送金した。
 2被告は名古屋市内の外国人がよく集まるバーで、別のコロンビア人らしき2人から誘われた。他の2人は既に海外へ逃亡した可能性がある。
 他に2001年11月30日午前、別のブラジル人男性2人(起訴済)と共謀し、名古屋市中区のコンピューターソフト開発会社に押し入り、社長の顔に催涙スプレーをかけて現金約40万円を奪い、粘着テープで目隠しするなどして逃走した。
 2被告らは2001年11月からの約1年間に、愛知県内で現金や貴重品など計約900万円相当を盗んだり奪うなどした。
裁判所
 名古屋高裁 川原誠裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月17日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 両被告は「量刑が重すぎる」などと主張したが、判決は「尊い人命が奪われ、被害も多額」として退けた。
備 考
 2004年8月20日、一審無期懲役判決。カルドーソ被告は上告した。リンコン被告は上告せず確定。2005年6月20日、カルドーソ被告の上告棄却、確定。

氏 名
鈴木広宣(22)
逮 捕
 2003年10月6日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体損壊、死体遺棄、有印私文書偽造、同行使
事件概要
 千葉市の運転手鈴木(犯行当時の姓は石橋)広宣被告は、姓を変えることで借金の取り立てから逃れ、新たな借金をする目的で、2003年7月に飲食店アルバイト女性(当時16)に謝礼として10万円を払い偽装結婚をした。このとき女性は両親に無断で婚姻届を出しており、親の同意書は鈴木被告が偽造していた。鈴木被告は詐欺と窃盗の罪で有罪判決を受けて執行猶予中だった。鈴木被告は3度目の入籍だった。
 「石橋」姓での借金が限度に達し、離婚を申し入れたが、了承を得られなかった。さらに女性に結婚同意書を偽造したことを警察にばらすといわれ、執行猶予が停止することを恐れ犯行を決意。遊び仲間である16〜18歳の少年4人と共謀し、2003年10月1日未明、「離婚について話し合おう」と女性を千葉市若葉区の墓地駐車場まで誘いだし、ハンマーや石で額や後頭部を殴るなどして殺害。元専門学校生を除く4人が、遺体にライター用オイルをかけて焼いた。
 鈴木被告は少年4人のうち元土木作業員ら2人に「(女性が)おまえたちがやった強盗事件を吹聴している」と偽り、口封じのために殺害することを持ちかけた。元専門学校生ら2人は仲間意識から犯行に加わった。
 鈴木被告は犯行直後、同居している少女(当時17)を現場に連れて行き、女性の遺体を見せていた。少女に犯行を打ち明け、「(自分と)一緒に寝ていたことにしてほしい」とアリバイ工作を依頼していた。
 鈴木被告は、女性との結婚に、女性の両親が同意したといううその内容の同意書を区役所に提出した有印私文書偽造、同行使などの罪でも有罪とされた。
裁判所
 千葉地裁 加登屋健治裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月22日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「動機は自己中心的で酌量の余地はなく、たぐいまれな残忍な犯行」として、無期懲役を求刑した。
 弁護側は起訴事実は認めたが、「少年らとは『ぼこす(暴行する)』と話しただけ」「被告は『偽装結婚をばらす』と脅されてはおらず、殺害の動機がない。少年らの暴行がエスカレートするのを現場で見て殺意を抱いた」と主張し、計画的な殺人を否定し、情状酌量を求めていた。
 加登屋健治裁判長は、「暴行は想像を絶する残忍さ。自己中心的で幼稚極まりない動機に酌むべき点はない」「確定的殺意に基づく極めて残虐な犯行。矯正は不可能」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 殺害された女性の両親は、戸籍上の夫である鈴木被告に対し、女性との婚姻の無効確認を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(溝口稚佳子裁判官)は2004年2月10日、両親の訴えを認めた。
 殺人罪で起訴された元専門学校生の少年と、女性の両親との間で示談が成立。賠償は20年間に総額1000万円。毎月定額払い続ける内容である。少年が出所した場合、「遺族の自宅付近で生活しない」との約束を交わした。元専門学校生の弁護側が公判で「示談の準備がある」との意思を示したことから、交渉を続けていた。両親は「支払いの間、少年や親も事件を忘れずに反省を続けてほしいという意味で合意した。謝罪を受け入れた訳ではない」と話している。
 少年4人は千葉家裁の少年審判の後、千葉地検に逆送。2004年8月12日、千葉地裁は少年3人に求刑通り懲役5年以上10年以下、遺体を焼く行為には加わらなかった元専門学校生には懲役3年6月以上7年以下(求刑・懲役4年以上8年以下)の実刑を言い渡した。少年4人はいずれも控訴せず、刑は確定している。
 被告側は控訴した。4月19日までに被告側控訴取り下げ、確定。
氏 名
中村年代(43)/火置史宏(37)
逮 捕
 2000年10月15日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 2000年7月20日夕方、不動産業の中村被告と会社員火置被告はもう一人の会社員と共謀し、火置被告や会社員が勤めていた大阪市鶴見区の建築会社社長(当時46)を事務所に呼び出し、頭を鉄棒で殴るなどして殺害、現金15万円や携帯電話を強奪した。さらに遺体をドラム缶にコンクリート詰めにし、同市の駐車場に隠した。仕事上のトラブルや、火置被告らの借金問題が動機とされている。
裁判所
 最高裁第二小法廷 滝井繁男裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月22日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一審で両被告は殺意を否認。
備 考
 2003年4月22日、一審大阪地裁で無期懲役判決。控訴審判決日不明。犯行に荷担した会社員(当時24)は2000年8月上旬に入水自殺している。

氏 名
津村忠(60)
逮 捕
 2003年1月23日(2002年7月の放火事件で12月に逮捕、起訴済)
殺害人数
 0名(死者2名)
罪 状
 現住建造物等放火
事件概要
 土木作業員津村被告は2001年10月26日午前1時半頃、福岡市戸畑区中本町商店街内の店舗兼共同住宅(木造2階建て)通路に置いてあったスリッパにライターで放火。29件を全半焼させ、逃げ遅れた住人の男性(当時64)ら2名が焼死した。焼失面積は約1765平方メートル。
 2002年7月、以前住んでいた同区のアパートの部屋に放火し、押し入れ棚0.1平方メートルを焼いた。
裁判所
 福岡地裁小倉支部 野島秀夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月25日 無期懲役
裁判焦点
 津村被告は逮捕後、容疑を認めていたが、公判では「現場を通りかかったが、放火には関与していない」と一貫して無罪を主張していた。
 検察側は「ささいなことでうっ憤がたまると放火して気分を晴らす性癖が絶望的に深まっている」として無期懲役を求刑した。
 野島裁判長は「寝場所が見つからないうっぷん晴らしのため、放火した身勝手極まりない犯行。死者二人を出した上、商店主たちの財産的被害も多大であり、その刑責は極めて重い。犯行後別の放火をしており、再犯性も高い」と述べた。
備 考
 津村被告は、過去にも岡山県で連続放火事件を起こすなどしている。被告側は控訴した。2005年9月9日、被告側控訴棄却。

氏 名
土井平行(36)
逮 捕
 2002年2月1日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 暴力団幹部土井被告は他の仲間と共謀して2000年2月7日、東京都港区のビジネスホテル1階レストランにいた元幹部(当時49)を、路上から窓越しに短銃で2発撃ち、射殺した。元幹部は1999年7月に組から絶縁されたが、組の名を騙って活動していたため、報復としての行動とされている。
裁判所
 最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年2月28日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 逮捕当初は組幹部からの指示を含めて殺人容疑を認めていたが、一審初公判で、幹部からの指示について否認していた。その他の焦点は不明。
備 考
 一審東京地裁は懲役16年。2004年8月、二審東京高裁で無期懲役判決。

氏 名
伊藤弘幸(41)
逮 捕
 2003年4月17日(覚せい剤取締法違反の罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂他
事件概要
 神奈川県松田町の無職伊藤被告は、職に就けないことなどのうっぷんを晴らすため、2003年3月29日夜、同町の町道で軽乗用車を運転し、歩いていた男性(当時58)の左腰を運転席から包丁で刺して殺害。さらに同日と21日、車から歩行者を刺したり、はねたりして3人にけがを負わせた。
裁判所
 最高裁第二小法廷 今井功裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月1日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 伊藤被告は「無期懲役は軽すぎる。死刑にしてほしい」と上告していたが、同小法廷は「被告人に不利益な主張であり、適法な上告理由に当たらない」と退けた。
備 考
 2004年2月27日、一審無期懲役判決。2004年10月6日、被告側控訴棄却。

氏 名
引地寛(32)
逮 捕
 2004年9月9日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 トラック運転手引地被告は、2004年8月27日午前2時半頃、宮城県大河原町のスナックで、経営者の女性(当時42)の頭を金づちで数回殴ったうえ首を絞めて殺害し、売上金など現金約67000円入りの財布2個と、携帯電話などが入った手提げバッグ(計15万7000円相当)などを奪った。引地被告は女性と以前交際しており、女性から215万円の借金があった。
裁判所
 仙台地裁 佐々木直人裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月1日 無期懲役
裁判焦点
 論告求刑公判で検察側は、「300万円を借してもらうなど恩義があったのに、借金が親に知られるのを恐れて口封じのために女性を殺害した。動かなくなるまで首を締めつづけるなど凶悪な犯行だ」と指摘した。
 佐々木裁判長は引地被告が遊興費や女性との交際費にあてるため、女性から金を借り、消費者金融からも借金を繰り返したことが犯行につながったと指摘。「自堕落で勝手気ままな生活態度の結果というほかなく、くむべき点は皆無」と述べ、判決で「被害者の好意に付け込み返済を滞らせたうえ、殺して口封じをしようとした動機に酌量の余地はない」と指摘。「いくら謝罪を重ねても無期懲役は免れない」と述べた。
備 考
 

氏 名
安達誠(23)
逮 捕
 2004年4月29日(恐喝未遂容疑。5月21日、強盗殺人容疑他で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、逮捕監禁、恐喝未遂他
事件概要
 愛知県岡崎市のとび職安達被告は、暴力団組員で人材派遣業梅田嘉栄被告(30 公判中)と社員の少年(19 一審懲役5年以上8年以下)と共謀して、2004年3月9日夜、市内の路上で元愛知県職員の男性(当時71)を拉致し、車のトランクに監禁して現金約3万円と預金通帳などを奪った。3月11日未明、男性を後ろ手にして手錠をかけ、手足にそれぞれ鉄アレイを針金で結びつけ、同県半田市の岸壁から海に投げ込み殺害した。
 男性は2003年8月、梅田被告夫婦が乗っていた車との接触事故を起こし、梅田被告に治療費など60万円余りを支払った。しかし、梅田被告は安達被告らと共謀して、休業補償などの名目で現金250万円を脅し取ろうと、男性の自宅に押し掛けたりしていた。
裁判所
 名古屋地裁岡崎支部 堀毅彦裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月2日 無期懲役
裁判焦点
 主犯格の梅田被告は「拉致には加わったが、それ以外は知らない」と起訴事実を一部否認。安達被告は全面的に認めた。
 判決理由で堀裁判長は「顔を見たこともない男性を、分け前を期待して殺害したことに酌量の余地はない。役割も重要不可欠で地域社会に与えた影響は大きい」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。2005年9月5日、被告側控訴棄却。上告せず確定。

氏 名
池田昭雄(60)
逮 捕
 2004年3月20日(被害者の車を盗んだ窃盗容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 福岡県の元暴力団員池田被告とスナック経営村田芳彦被告(公判中)はともに1000万円を超える借金があったため、池田被告が村田被告に相談。村田被告が、福岡市南区で不動産事務所を経営する知人の男性(当時64)に架空の土地建物売買の話を持ちかけて現金を用意させ、その報告を受けた池田被告が男性を殺害して現金を奪うことを決意。、2004年2月10日午前11時半頃、男性の不動産事務所で、池田被告が男性を殺害。現金800万円などを奪って遺体を車で運び出し、翌日、宮崎県小林市の雑木林に埋めた。
裁判所
 福岡地裁 谷敏行裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月3日 無期懲役
裁判焦点
 判決理由で谷裁判長は「知人がヤミ金融業者から借金する際に保証人になったり、自ら借金して知人の返済に用立てたりした結果、四百数十万円の借金返済に窮していた」と動機について指摘。「当初は金を脅し取ることも考えており、確定的殺意はなかった」とした弁護側主張について、谷裁判長は「事前に粘着テープなどを準備しており、計画的な犯行」として退けた。
備 考
 被告側は控訴した。2005年11月18日、被告側控訴棄却。上告せず確定。

氏 名
森本猛(26)
逮 捕
 2004年7月20日(窃盗罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗
事件概要
 無職森本被告は、2004年7月3日午後、広島県大柿町のアパート経営者の女性(当時80)方を訪れ、もめごとの仲介を装って手数料をだまし取ろうとし、玄関先で約3時間居座った。同4時ごろ、電話に出ようとして1階居間に入った女性を追うように押し入り、玄関にあった動物の置物(重さ約2.5キロ)などで女性の頭を数回殴ったうえ、倒れた女性の首を踏みつけ、さらに両手で首を絞めて殺害。金庫やバッグなどから現金約8万円などを奪って逃げた。
 森本被告は、呉市郊外でのホテル生活の費用や遊興費に困り、以前にも独り暮らしの女性宅に盗みに入ったり、詐欺行為を重ねて数10万円を得ていた。森本被告は2002年から約10ヶ月間、女性所有のアパートに住んでいた。
 森本被告は4月4日、広島県江田島町の商店から現金約78000円を盗んだとして、江田島署が行方を追っていた。7月5日夜になって同署に電話を掛けてきて出頭した。
裁判所
 広島地裁呉支部 渡辺了造裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月4日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「金銭的欲望を満たすための利己的で身勝手な犯行」として無期懲役を求刑した。
 判決理由で渡辺裁判長は、前の住居を家賃滞納で追い出された森本被告を女性がアパートに入居させた点に触れ「被告が周辺の人間をたかりや窃盗の対象とし、家主への忘恩行為までした無軌道ぶりには目を見張る」と述べた。さらに、生活費や遊興費欲しさの犯行で「他人の生命を一顧だにしない冷酷さには戦慄を覚える」と指摘した。
備 考
 

氏 名
天羽正三郎(69)
逮 捕
 2002年2月20日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、殺人未遂
事件概要
 天羽(あもう)正三郎被告は、1996年3月に山形県羽黒町の小学校の校長を退職後、脳梗塞で倒れ、言葉や歩行が不自由となった。さらに2001年秋には妻も寝たきりとなり、将来を悲観するようになった。
 2001年12月6日午前2時45分頃、天羽被告は自宅1階で就寝中の義父(当時87)と義母(当時82)の頭を木製こけしで殴った上、首を絞めるなどして殺害。1階の別の寝室で寝ていた二女(当時30)も殴って重傷を負わせ、さらに長女(当時32)に軽い怪我を負わせた。
裁判所
 山形地裁鶴岡支部 伊藤敏孝裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月4日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は、妻が病気で倒れたことなどから、家族の将来を悲観して犯行に及んだ背景を説明した上で「被害者の恐怖や絶望は、察するに余りある。犯行は、家族で頑張っていこうとしていた父母や娘の気持ちを無視した、被告人の勝手な思い込みによるもので、人間性の片りんすら見られない」と厳しく指摘した。また、責任能力については、精神鑑定の結果に基づき「軽度から中度のうつ状態で、自分の行動に対する判断能力はあった。完全な責任能力があった」とした。
 これに対し、弁護側は「被告人は犯行当時、心神耗弱状態にあり、自分の行動に対する判断能力は弱っていた」とし、情状酌量を求めた。
 判決理由で伊藤裁判長は「個人の尊厳を無視し、生命の価値を軽視したあまりにも身勝手で短絡的な犯行」と述べた。また、弁護側が同被告が犯行時心神耗弱の状態にあったと主張していたのに対し「具体的に犯行を計画しているなど、完全な責任能力を有していた」とした。
備 考
 2度の精神鑑定が行われている。

氏 名
村田清子(64)
逮 捕
 2003年7月31日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、詐欺他
事件概要
 保険外交員村田被告は高価な服や宝石を買い続けて借金を重ねたことから、長野市妻科で2003年5月7日深夜、金品を奪おうと一人暮らしのたばこ店経営者(当時81)方に侵入。目を覚ました経営者の頭などを叩いて金のある場所を聞き出そうとしたが、経営者が大声で助けを求めたため殺意をもって懐中電灯で殴り、粘着テープなどで顔と両手足を縛り、外傷性ショックで死亡させた。郵便貯金通帳などが入った手提げバッグを奪い、5月8日に現金200万円を引き出した。
裁判所
 最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月7日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 村田被告は「殺意はなかった」と主張し、強盗致死罪の適用を求めていた。
備 考
 被害者の遺族らは2004年4月26日、村田被告から遺族らに対して謝罪の意思表示がないことを重視。被害者が殺されたことへの慰謝料2500万円のほか、村田被告が被害者の貯金通帳を使って現金を引き下ろしたとされる被害額200万円の支払いなど、総額約2830万円の支払いを求める訴えを長野地裁に起こした。9月29日、被告側が全額支払うことで和解が成立。
 2004年3月4日、一審無期懲役判決。2004年7月15日、被告側控訴棄却。

氏 名
野沢哲夫(45)
逮 捕
 1999年11月4日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、現住建造物等放火
事件概要
 元建設会社社長野沢被告は自分の借金返済のため、東京都江戸川区に住む知人のマージャン店店長(当時49)殺害を計画。1999年8月24日夜、店長宅を訪ね、頭部を鈍器で十数回殴打し、首をタオルで絞め、両手首の内側を切るなどして殺害した。その上で、店長が同被告に貸すために用意した現金200万円を奪い、持参したガソリンを室内にまいて放火、室内の一部を焼いた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年3月8日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審で被告側は無罪を主張。
備 考
 2002年8月30日、一審東京地裁で無期懲役判決。野沢被告は無罪を主張していたが、池田裁判長は同被告が事件当日にガソリンを購入していたことや、血を洗い流したとみられる紙幣を所持していたことなどから、同被告の犯行と認定。その上で「残虐な犯行で、反省もしていない」と述べた。
 2004年7月14日、検察・被告側控訴棄却。

氏 名
中村剛司(29)/大島谷悠(24)/竹内崇晴(23)
逮 捕
 中村被告:2004年6月20日(死体遺棄容疑)/大島谷被告、竹内被告:2004年6月10日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 愛知県半田市のフィリピンパブ店従業員中村被告、無職大島谷被告、型枠大工竹内被告は、パブ店従業員細山田年郎容疑者(強盗殺人、死体遺棄容疑で指名手配中)と共謀し、2004年5月31日午前4時ごろ、中村被告が働くパブ店内で、パブ店経営者(当時36)の頭や背中を木刀やハンマーで十数回殴って殺害、現金400万円や財布、カードなどを奪った。さらに男性の遺体を毛布で巻いてテープで縛り、6月1日午前10時ごろ、乗用車で伊勢市の雑木林に遺棄した。中村被告は、細山田容疑者に持ち掛けられ、2人で男性殺害を計画、パブの客だった大島谷被告、竹内被告に奪った金の分け前を渡す約束で殺害を依頼した。細山田被告は韓国経由で他国へ逃亡したと見られている。
裁判所
 津地裁 天野登喜治裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月9日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「犯行は残虐、執ようなもの」とし、中村被告については「男性を殺害して事業を乗っ取ろうとした犯行で、厳しく非難されるべきだ」と指摘した。弁護側は、犯行の主導的役割を果たしたのが細山田容疑者であったことや、中村被告に店を乗っ取る意思がなかったことなどを主張した。
 天野裁判長は実行犯の大島谷、竹内両被告に対して「公園で殺害の練習をしたり、殺害方法をメモ書きして検討もした」と計画性を指摘。「殺害の実行行為で重要な役割を担った」と述べた。中村被告には「世話になった被害者を殺害する忘恩行為は厳しく非難されるべきだ。直接殺害行為を行っていないが同等以上の責任がある」と断罪した。
備 考
 大島谷被告は控訴せず確定。中村被告、竹内被告は控訴した。2005年9月8日、被告側控訴棄却。上告せず、確定。

氏 名
何家忠(30)
逮 捕
 不 明
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 判決によると、中国籍の無職何被告は知人の借金をめぐって男性幹部とトラブルになり、仲間(無期懲役が確定)と共謀して2002年1月5日午前3時40分ごろ、埼玉県川口市の雑居ビルで、拳銃で幹部を射殺した。その際、仲間に「早く撃て」と指示するなどした。
裁判所
 さいたま地裁 若原正樹裁判長(中谷雄二郎裁判長が代読)
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月9日 無期懲役
裁判焦点
 若原正樹裁判長は「動機や経緯は短絡的で自己中心的。酌量の余地はない」と求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
 何被告は「(仲間との)共謀も、拳銃を発射したこともない」と無罪を主張したが、若原裁判長は「共犯者に発砲を指示するなどまさに本件の主犯」と退けた。
備 考
 

氏 名
ロバート・リー・ペック・ジュニア(28)
逮 捕
 2004年8月4日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 米国籍の無職ペック被告は婚約者に立て替えてもらった転居費に充てる資金を奪うため、2004年7月21日午後1時40分ごろ、神奈川県海老名市の食料品店で、金を奪うため店長の男性(当時51)の頭を鉄製の台車で数回殴り殺害した。
 ペック被告は6月下旬に来日。同県大和市に住む米軍関係者の父親を頼ったらしい。
裁判所
 横浜地裁 松尾昭一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月16日 無期懲役
裁判焦点
 ペック被告は「ナイフを取り上げられ、払い落とすために(店にあった)台車を振り回したら男性に当たった」と殺意を否認した。
 論告で検察側は「定職にも就かず遊興生活を続けるための身勝手、短絡的な犯行」と指摘した。弁護側は最終弁論で「殺意はなかった」と主張した。
備 考
 被告側は控訴した。2005年9月22日、被告側控訴棄却。

氏 名
犬丸正則(49)
逮 捕
 2004年9月16日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 大分県宇佐市の無職犬丸被告は、2004年9月12日夜、自宅を訪ねてきた友人の男性(当時53)が「戸を開けろ」などと大声を出して玄関戸をたたいたことに立腹。室内に入れたが口論になり、自宅にあったドライバーなどで胸や背中を突き刺した。その後、意識がない男性を軽乗用車に乗せて同市内のカラオケ店駐車場へ行き、現金10万円を奪った後、持っていた出刃包丁で男性の首を刺し失血死させた。
裁判所
 大分地裁中津支部 五十嵐常之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月17日 無期懲役
裁判焦点
 五十嵐常之裁判長は「被害者が犯行を誘発したのは否定できないが、執ような殺害行為に酌量の余地はない」「強固な殺意に基づき確実に絶命するまで続けられた残虐な犯行」などと述べた。
備 考
 

氏 名
落合理(25)
逮 捕
 2002年9月21日(富士市での強盗容疑)
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗致傷、強姦他
事件概要
 富士市の空調設備作業員落合被告は2002年2月11日午前1時10分ごろ、富士市の路上で、20歳代の女性を押し倒して脅し、現金1000円を奪った。以降、同年3月14日午前1時50分ごろ、同市の路上で30歳代の女性を脅した後、高校のグラウンドで乱暴するなど約7カ月間に23人の女性に暴行を加えるなどして計約90万円を奪った。
裁判所
 東京高裁 田尾健二郎滋裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月22日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 判決理由で田尾健二郎裁判長は「無法無体の限りを尽くした自己中心的な犯行で酌量の余地はない」と述べ、弁護側の量刑不当の主張を退けた。
備 考
 2004年5月6日、一審無期懲役判決。

氏 名
豊田晶子(42)
逮 捕
 2001年1月31日(窃盗容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、窃盗他
事件概要
 無職豊田被告は2000年3月1日夜から朝の間、川崎市で一人暮らしの母親(当時67)宅で、母親を刃物で刺すなどして殺害。母名義の預金証書などを奪い、現金約1542万円を引き出した。遺体は2001年1月28日に発見された。豊田被告は消費者金融に約2000万円の借金があった。犯行直前、二人が激しく言い争い、警察官が仲裁に入っている。
裁判所
 東京高裁 安広文夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月22日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 凶器などの物証は発見できず、検察側は状況証拠を積み重ね「借金を抱え、死後に現金を引き出すなど被告が殺害したのは明らか」と主張。被告側は「逮捕されるまで母親が死んだことも知らなかった。現金は下ろしたが、盗むなどしていない」「状況証拠は殺害との関連性が乏しい」と無罪を主張していた。
 控訴審でも弁護側は「逮捕まで母親の死を知らなかった」と無罪を主張したが、安広文夫裁判長は「何度も母親宅を訪れたと認めながら遺体に気付かなかったなどという弁解は不自然」として退けた。
備 考
 2004年5月19日、一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年10月31日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
川戸義雄(67)
逮 捕
 2002年11月8日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 無職川戸被告は2002年7月1日午前11時35分前後、三重県亀山市にある不動産業者の女性(当時70)の自宅兼不動産事務所で、女性の左胸を刃渡り17センチ以上の刃物で刺して殺害。手提げかばんの中にあった現金200万円を奪った。
裁判所
 津地裁 天野登喜治裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月23日 無期懲役
裁判焦点
 凶器の刃物や血痕、指紋など物証は見つかっていない。検察側は間接証拠の積み重ねで起訴に踏み切った。
<事件の争点>
(1)目撃証言  犯行時刻は2002年7月1日午前11時33分以降。同11時34分から45分ごろまでの間、川戸被告の車に似た車が女性宅の敷地内に止まっていたという。さらに検察側証人は、女性が亀山市内の銀行で200万円を引き出した同日午前11時20分ごろより5分ほど前、同じ銀行の前で川戸被告と会釈したと証言した。さらに川戸被告の知人が事件の数日前、「女性が約束手形の決済のために現金を集めている」と、川戸被告に話したという証言について、複数の証言が一致することや目撃現場での実況見分などから、信用性はあると主張した。そして銀行駐車場で川戸被告を目撃した知人に対し、川戸被告が「警察の事情聴取があったら、別の時間に見たと話せ」などと同調するよう、事件1ヵ月後に働きかけたと指摘した。
 弁護側は犯行時間帯に女性の家の前で川戸被告を目撃したという証言について「目撃時間はわずか2、3秒で信用性が低い」とした。
(2)事件後に多額の借金を返済
 川戸被告は約1700万円の借金があり、返済に苦しんでいた。ところが事件のあった1日と翌日の2日間で、一挙に計120万円以上を返済。検察側は、川戸被告はこの間に金を借りておらず、原資は女性から奪った金しかないと主張する。
(3)アリバイ
 川戸被告は犯行時刻に別の知人とハンバーガーショップに行ったと主張。検察側は「事件の翌日だった」との公判での男性の証言を挙げ、否定した。
 弁護側は男性が逮捕前までは「事件の日は(川戸被告と)一緒に歯医者に行った後、ファストフード店に行った」と話していたのに、逮捕後に「一緒にいたのは事件の翌日だった」と証言を変えたことを問題視。それに対し男性は、取り調べ中に「事件があった日そのものを1日勘違いしていたことに気づいた」と話した。
 弁護側は「拘置中に証言が変わったのは不自然で、供述の信用性に疑問がある」として、男性の供述調書の証拠開示を求めたが拒否されている。一方、検察側は「川戸被告が逮捕前に、男性に対し『事件当日に一緒にいたことにしてほしい』とアリバイ工作をしていた」としている。
 また弁護側は、川戸被告が同日午前11時35分ごろに被害者宅に入って抵抗する被害者を刺殺、手提げバッグを探し当てて200万円を奪い、同59分に同ATMに到着するのは時間的に不可能だとした。
(4)凶器
 発見されていない凶器は「刃渡り17センチ以上の刃物と推察され、見るまでもなく殺傷能力が明白」と検察側は断定した。
(5)物証の不在
 血痕に関して弁護側は、女性が殺害された直後の7月1日午前11時59分に、亀山市内の銀行支店現金自動預払機(ATM)で記録された川戸被告の姿について「衣服に血痕らしきものは映っていない」と指摘。「現場には大量の血痕が残っており、犯人は返り血を浴びているはずだ」「被告の車内からも血痕は見つかっていない」と述べた。
 事件で使われた凶器は発見されておらず、現場には大量の血痕が残されていたが、川戸被告の手、衣服、靴、車のいずれからも血痕は見つかっていない。現場に指紋も残されていないことから「被告人が犯人でないことは明らか」と述べた。
(6)トラブル
 川戸被告は1996年ごろまで女性の不動産業を手伝うなど旧知の間柄だった。だが報酬や謝礼金をめぐってトラブルになっており、犯行数日前にも知人に対し「ぶっ殺してやる」などと話していたという。

 検察側は間接証拠の積み重ねから有罪は間違いないと主張。弁護側は「(検察側の)状況証拠の積み重ねで有罪にすることには慎重であるべきだ」と主張。被告の犯行を積極的に裏付ける証拠が不足している同事件では「疑わしきは被告人の利益に」の原則を貫き、無罪とすべきだと述べた。
 判決では、川戸被告が、女性が多額の現金を用意することを知っていた▽借金を返済した原資について合理的説明がない▽知人にアリバイ工作を行っている▽動機があること−−など四つの根拠を挙げ、川戸被告の犯行であると判断した。そして「周到に準備された計画的犯行で残虐。アリバイ工作を行うなど態様も悪く、情状酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 この事件で津地検は2002年11月、公判維持は困難として川戸被告をいったん処分保留で釈放。だが、目撃証言の裏付け捜査を重ね、「十分に立証できる」として約10カ月後の2003年9月25日、起訴に踏み切った。
 被告側は控訴した。2006年7月24日、被告側控訴棄却。2006年12月4日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
和光晴生(56)
逮 捕
 1997年2月15日、レバノン当局が別の事件で逮捕。刑期を終えた2000年に帰国し、警視庁に逮捕された。
殺害人数
 0名
罪 状
 逮捕監禁、殺人未遂
事件概要
 和光晴生被告は1973年アラブに渡り、日本赤軍に合流。1974年5月13日、奥平順三容疑者(1977年9月28日のダッカ事件において超法規的措置にて釈放、国際手配中)、西川純被告(1975年8月4日のクアラルンプール事件において超法規的措置にて釈放。1997年11月18日、ボリビアで逮捕。現在東京地裁で審理中)と共にオランダ・ハーグにあるフランス大使館を攻撃して占拠した。フランス大使ら11人を人質に取り、フランスで逮捕されていた日本赤軍メンバーを釈放させた。また警察官2人に発砲して殺害しようとした。
 和光被告は奥平順三容疑者ら4人と共にマレーシア・クアラルンプールのアメリカ領事館を攻撃して占拠した。アメリカ領事らを人質に取り、日本で逮捕されていた5人の人物の釈放させた。この攻撃中に、警察官2名とビル警備員1名が負傷した。
 その後、日本赤軍からは離脱し、独自の戦いを続けた。
裁判所
 東京地裁 高麗邦彦裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月23日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「日本赤軍は多くの事件を起こしテロ組織の国際連帯を進める原動力となり、国際テロリズムの原点。被告が逃亡させたメンバーがまだ逃走中で日本赤軍の脅威は続いている」とした。和光被告側は改めて「殺意はなかった」と訴え、無期懲役の求刑は不当と主張した。
 高麗邦彦裁判長は「複数の国家を巻き込んだ組織・計画的な犯行。事件で釈放された被告の中には、逃亡中の者もおり、刑事司法秩序に与えた影響も大きい」と述べた。一方、当時の日本赤軍のリーダー重信房子被告のハーグ事件への共謀は認定しなかった。
備 考
 被告側は控訴した。2007年5月9日、東京高裁で被告側控訴棄却。2009年10月27日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
西沢裕司(34)
逮 捕
 1999年7月23日(現行犯逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 航空機の強取等の処罰に関する法律(ハイジャック防止法)違反(航空機強取等致死)、殺人他
事件概要
 無職西沢被告は1999年7月23日、羽田空港を離陸して新千歳空港に向かっていた全日空61便(乗客503人、乗員14人)の客室乗務員に包丁を突き付け、操縦室内に押し入り、副操縦士を室外に出し、機長(当時51)と2人きりになった。機長に対し、「横須賀方向に行け」などと要求。さらに飛行機を操縦させろと要求したが機長が聞かなかったため、首や肩などを包丁で刺し、機長を出血性ショック死させた。その後、副操縦士席で操縦しようとしたが、動かすことができずに飛行機が下降。警報音が聞こえたため墜落すると判断した数人がドアを蹴破って飛び込み、西沢被告を取り押さえた。飛行機は別の機長が立て直した後、副操縦士が操縦して羽田空港に着陸した。
 西沢被告は空港警備員への採用を求めていたがかなえられなかった。事件前には運輸省、警察、新聞社等へ空港の警備上の不備を指摘する文書を送っており、その指摘どおりに包丁を持ち込んでいた。羽田空港は以後、警備を強化している。
 西沢被告は1998年秋に約2ヶ月間、精神科病院に入院している。
裁判所
 東京地裁 安井久治裁判長
求 刑
 無期懲役 
判 決
 2005年3月23日 無期懲役
裁判焦点
 西沢被告は1999年12月の初公判で起訴事実を認めたが、弁護側は「心神喪失か心神耗弱の状態だった」として、責任能力を争っている。弁護側の申請で、同地裁が別の専門家に委嘱した1回目の精神鑑定は、責任能力には言及せず、「アスペルガー障害」と認定。検察側はこれに反論するため、再鑑定を申請した。
 東京地裁が委嘱した2回目の鑑定(慶応大の保崎秀夫名誉教授が担当)で、西沢被告の犯行を「本来のおとなしい性格とは全く別人格によるもの」と分析。犯行前の1999年2月以降、興奮作用のある4種類の抗うつ剤を連続投与されるようになり、暴力的な傾向が強まったと判断した。その上で、「追い込まれると抑うつ状態でパニックになりやすいが、知能は高く、統合失調症や(他人への共感性や理解力に乏しい)アスペルガー障害の疑いは認められない」と指摘。「犯行時は、抗うつ剤による治療の途中に生じた、鬱と躁が混じった精神状態だった」と結論づけた。
 検察側は「わが国のハイジャック史上、初めて死者が出た凶悪事件であり、本来は極刑に処するのがふさわしいが、事件当時、鬱状態と躁状態の混ざった精神状態にあった」として、無期懲役を求刑した。
 安井久治裁判長は「西沢被告が犯行当時に服用していた抗うつ剤は、攻撃性や興奮状態を出現させる副作用を伴う可能性があった」と述べて鑑定結果を支持し、心神耗弱の状態で、限定的な責任能力があったと認定。さらに「犯行は残忍なうえ周到に準備され、悪質。操縦席で最期を遂げた機長の絶望感は筆舌に尽くしがたい」とした。そして「我が国犯罪史上類を見ない悪質なハイジャック事案で、極刑もやむを得ない」としたうえで、精神鑑定結果を踏まえて量刑を判断した。
備 考
 国内初のハイジャック死亡事件。航空機強取等致死(ハイジャック致死)が適用された初のケース。
 全日空は約1億9400万円の損害賠償を求める訴訟を2002年7月18日、東京地裁に起こしている。
 控訴せず、確定。
 西沢裕司受刑者は、外部との手紙のやり取りを禁じた同刑務所長の処分は違法として、国を相手取り処分の取り消しを求めた。千葉地裁は2015年4月21日、請求を認める判決を言い渡した。広谷章雄裁判長は「刑務所長の判断は合理性がなく違法」などと指摘した。判決によると、同刑務所は2012年12月〜2014年1月、西沢受刑者と拘禁者の支援団体関係者などがやり取りしようとした7通について、団体の代表が死刑判決を受けていることなどを理由に、「矯正に支障が出る恐れがある」としてやり取りを禁じた。

氏 名
高崎勝(22)
逮 捕
 2004年8月24日(死体遺棄容疑 9月14日、強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、窃盗、詐欺
事件概要
 横須賀市の無職高崎被告は友人の車を事故で壊し、60万円の支払いを迫られていたことから、2004年8月10日午前1時ごろ、友人の横浜市神奈川区六角橋の運転手の男性(当時21)の車の中で、男性の首をひもで絞めて殺し、現金7000円やカードが入った財布を奪った。遺体を乗せた車を同月20日、横須賀市夏島町の路上に放置した。また、キャッシュカードで現金約28万円を引き出した。
 2人は横浜市内のガソリンスタンドのアルバイト店員として働き、知り合った。客の財布を盗みクビになった高崎被告に、男性が東京の運送会社の就職を世話し、その面接帰りに凶行に及んだ。
 高崎被告は乗用車を盗み、無免許で運転した罪で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を2月に受けた。8月の犯行時は保護観察の執行猶予中だった。
裁判所
 横浜地裁横須賀支部 福島節男裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月24日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「逆境の被告を助けようとした友人を、金と車への欲望のまま殺した。悪質極まる犯行」と無期懲役を求刑した。弁護側は「貧しく複雑な家庭環境で、いじめにあい中学1年から不登校になった。十分な教育を受けておらず、他人を思いやる感情が欠如しているが、まだ若く、更生の機会はある」と寛大な刑を求めた。
 福島節男裁判長は「生い立ちに同情すべき点はあるが、その場しのぎの犯行を重ね、真に悔悟の念に乏しい」「恩人を金目当てで殺した悪質極まる犯行」と求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 男性は母子家庭で、母親の「息子を失い、生きている意味がない。死刑しか考えられない」と検察調書が初公判で読みあげられると、法廷にすすり泣きがもれた。
 被告側は控訴した。2005年9月7日、被告側控訴棄却。2005年12月、最高裁で被告側上告棄却、確定。

氏 名
竹島信二(52)
逮 捕
 2003年9月12日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人他
事件概要
 暴力団員竹島被告は2003年8月31日夜、石川県金沢市のレストランで、同じ組の暴力団員4人と共謀。別の暴力団幹部ら2名を日本刀や包丁などで殺害した。竹島被告が所属する暴力団と、殺害された組員の暴力団との間には、金銭トラブルが生じていた。
裁判所
 金沢地裁 伊東一廣裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月25日 無期懲役
裁判焦点
 論告で検察側は「自分に疑うことなく従う配下の組員らを招集し、犯行を主導したのは明らか」「暴力団の論理で、非がすべて被害者にあるように話し、改しゅんの情はみじんもうかがえない。可能な限り長期にわたる矯正教育の必要がある」とした。
 竹島被告は殺意を否認。
 伊東一廣裁判長は、「事前に組員を集結させた上被害者に一方的かつ、執拗に攻撃した」として、殺意と共謀を認定。「公判で責任が被害者にあるかのような発言をするなど、反省の情はうかがわれない」と指摘。「生涯をかけて被害者と遺族に対して償いをさせるのが相当」と述べた。その上で「組のナンバー2として主導的な役割を果たし、事件が社会に与えた影響は極めて大きい」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2005年9月29日、被告側控訴棄却。2006年6月5日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
石田勇一(47)
逮 捕
 2002年8月31日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 無職石田被告は、2002年8月31日、神奈川県鎌倉市で女性(当時50)が運転するタクシーに乗車。藤沢市の路上に止めさせ、後部座席からナイフで女性の首や背中など十数カ所を刺し、「助けて」と車外に出た女性をさらに切りつけて殺害、タクシーを奪った。午前1時50分頃、通報を受けて駆けつけた藤沢北署員が発見。午前2時20分頃、約5km南のコンビニ店駐車場から石田被告が110番に電話をし、逮捕された。石田被告は「日頃から女が憎いと思っていた。いつか殺してやろうと思っていた。ナイフはいつも持ち歩いていた」などと供述した。石田被告は放火事件の服役を終え、出所したばかりであった。
裁判所
 横浜地裁 小倉正三裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月25日 無期懲役
裁判焦点
 論告で検察側は「幼少時に母親から受けた暴行などで、被告には女性への殺人願望があった。矯正は困難で再犯の可能性も高い」と指摘した。
 最終弁論で弁護人は、被告が幼少時に親から受けた虐待や、小学校時代のいじめなどが原因で、「統合失調症を発症していることは明らかだ」と主張。犯行時についても「思い浮かべていたのは母親らで、空気を刺したような記憶しか残っていない」などとして解離性障害が起きていた可能性を指摘し、「人格障害はあるが刑事上の責任能力はある」と認めた精神鑑定書に疑問を呈した。そして「被告は犯行時(精神病のため)心神喪失か心神耗弱状態だった。無罪か減刑されるべきだ」と訴えた。さらに殺害事件10日前、放火事件の服役を終えて出所する際などに、繰り返し殺人願望を訴えていた経緯に言及。「医療保護入院などの措置を講じることは必要かつ可能だった。国が被告のみを責めることは許されない」と情状酌量を求めた。
 小倉裁判長は「犯行自体も計画的で、幻覚や妄想に駆られて敢行したものではない。行動に著しく影響を及ぼすような精神状態ではなかった」と弁護側の主張を退け、「極めて悪質であり、厳しい社会非難は免れない。刑事責任は非常に重大」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 被告側は控訴した。2005年9月13日、被告側控訴棄却。上告せず、確定。

氏 名
馬野一也(59)
逮 捕
 2003年3月24日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂他
事件概要
 元暴力団組長馬野被告は、肝臓病のため堺市の病院で入退院を繰り返していたが、再入院を断られるなどしたことから、副院長とその弟の殺害を決意。
 2003年2月27日午後3時15分頃、病院を訪れ1階事務室で「副院長を呼べ」などと言い、看護師長(当時39)に拳銃を突きつけたが、看護師長が「警察を呼んで」と叫んだことに立腹。看護師長の胸に拳銃1発を発射して殺害した。さらに副院長の弟である医師(当時37)の右脇腹を包丁で刺し、重傷を負わせた。
 事件後、馬野被告は包丁で自殺を図り入院。持病も悪化したため、快復を待って逮捕された。
裁判所
 最高裁第三小法廷 上田豊三裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月28日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2004年6月28日、一審大阪地裁無期懲役判決。控訴審判決日不明。

氏 名
穂積一(27)
逮 捕
 2003年11月5日(9月6日に自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人他
事件概要
 穂積被告は2000年8月頃、中学時代の同級生だった会社員の女性(当時22)を偶然見かけ、一方的に好意を持って待ち伏せするようになった。10月16日午後8時50分ごろ、徒歩で通りかかった女性を乱暴する目的で車で低速ではね、道路脇の畑地に運び、持参した洋包丁で首を刺して殺害した。
裁判所
 横浜地裁 松尾昭一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月28日 無期懲役
裁判焦点
 穂積被告は自首したものの、拘留中から黙秘に転じ、初公判で無罪を主張。両親が昨夏、自立させるため、引っ越し先の福島県から以前住んでいた同区の自宅へ連れて行き、1人で生活させようとしたが、穂積被告は「大きな騒ぎを起こせば両親が迎えに来ると考え、テレビで未解決事件として特集されていたこの事件の犯人であるとの虚偽の自白をした」と主張した。
 検察側は捜査段階の自白で「車ではねた」と供述した点などを重視。遺体の損傷と符合するうえ、警察が想定していない手口で「秘密の暴露があり信用性十分」と述べた。そして論告で「極悪非道の所業で反社会的性格は顕著。矯正教育はおよそ不可能で死刑を考慮すべき事案だが若年だ」などと述べ、無期懲役を求刑した。
 松尾昭一裁判長は、争点だった捜査段階での自白供述の任意性を認めたうえで、「秘密の暴露がある」として主要部分の信用性を認定。被告・弁護側の嘘の自白であるという主張を「不自然極まりない」と退けた。そして「まれにみる極悪非道の所業で、不合理な弁解を繰り返した」と述べた。
備 考
 女性の家族は検察側が無期懲役を求刑した後、「家族の意見、思いが十分反映された判決を」と訴える署名活動を始めた。
 被告側は控訴した。2006年8月29日、被告側控訴棄却。2007年6月12日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
阿部透(36)
逮 捕
 2003年1月21日
殺害人数
 0名
罪 状
 強姦致傷、強姦他
事件概要
 東京都板橋区の無職阿部被告は、1998〜2003年に、杉並、練馬、中野、世田谷各区で、独り暮らしの若い女性を事前に探し、無施錠のベランダなどから部屋に侵入。「騒ぐと殺すぞ」などと脅し、12〜34歳の女性16人を襲い、うち6人を強姦。6人を負傷させた。
裁判所
 最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2004年3月26日、一審無期懲役判決。2004年11月、被告側控訴棄却。

氏 名
岡田久忠(34)
逮 捕
 2003年7月1日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、住居侵入
事件概要
 無職岡田被告は、母親(当時59)に金を無心したが断られたため、2003年7月1日午前3時ごろ、東京都大田区にある母親の自宅の窓を割って侵入。部屋にいた母親の顔を殴ったり、帯ひもで首を締めたりして死亡させ、現金56000円を奪った。
裁判所
 東京高裁 阿部文洋裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月31日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 一審判決は「被告はその日のうちに交番に出頭、『金の無心に来たが断られたので暴行した』と話しており、一連の行為全体では、金目当ての暴行(強盗致死)だったと自首している」と強盗致死罪での自首の成立を認め、無期懲役の求刑を退けた。しかし、阿部裁判長は「被告は傷害致死としてしか自首しておらず、金目的だったと自首したとは認められない」として、自首による減軽を認めなかった。
備 考
 2004年8月19日、東京地裁川口政明裁判長は「放蕩の限りを尽くしたあげく、むごたらしい暴力を一方的に与えており、犯情は極めて悪い。反省しているかも疑わしい」と述べたが、自首の成立を認めて懲役15年判決。検察側が控訴していた。
 被告側は上告の方針。

氏 名
李※洙(※=火へんに亢 イハンス)(41)
逮 捕
 2001年7月30日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、強盗他
事件概要
 大阪市で焼肉店を経営していた李被告、信販営業代行池上肇被告(一審懲役12年判決)ら5人(うち韓国マフィアの幹部と見られる実行役2人は韓国で身柄拘束)は、1998年3月から1999年11月までに、大阪府、兵庫県で資産家を次々に襲い、家人を縛り上げ「カネ、カネ、キンコ」などと片言の日本語で脅し、金品を奪う事件が約30件(被害総額約2億4000万円相当)が発生した連続緊縛強盗(K号)事件を引き起こした。そのうち1999年5月には大阪府豊中市の会社役員宅で家政婦(当時66)の両手両足を縛り、口をふさいで窒息死させたうえ、現金25,000円を奪っている。李被告は襲撃先の選定及び運転手役だった。起訴件数は不明。
裁判所
 最高裁第一小法廷 甲斐中辰夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月31日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 主犯の李龍煕(イ・ヨンヒ)容疑者は2000年に韓国内で、民家に侵入し、駆けつけた警察官にけがを負わせたとして強盗致傷罪で服役。日韓両国間の犯罪人引き渡し条約に基づき、2005年3月中に日本国内に移送し、逮捕する手続きを進めていたが、刑期満了日の3月13日早朝に自殺した。孫栄教容疑者は韓国で別の事件で服役後に逃亡。2005年4月初旬に身柄を拘束。日韓犯罪人引き渡し条約に基づき、日本に移送、逮捕された。
 2004年1月26日、一審無期懲役判決。2004年11月、被告側控訴棄却。

氏 名
猪瀬武夫(63)
逮 捕
 2003年9月25日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 宇都宮市の暴力団幹部猪瀬被告は、元暴力団組長(当時55)の殺害を計画。生活の面倒を見ていた李正宇被告(求刑無期懲役に対し、一審懲役20年判決)に命じ、2003年7月10日午前2時半頃、宇都宮市内のホテルで元組長を拳銃で射殺させた。
裁判所
 東京高裁 裁判長不明
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年3月 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 猪瀬被告は容疑を否認している。
備 考
 2004年10月7日、宇都宮地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年6月17日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
江村知恵子(31)
逮 捕
 2002年8月5日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、住居侵入、死体遺棄、窃盗
事件概要
 無職江村知恵子被告と夫の無職滋映被告は、消費者金融などからの借金返済のために、2002年6月24日深夜、智恵子被告が以前交際していた、千葉県松戸市のマンションに住む文具メーカー社員の男性(当時50)宅に侵入して待ち伏せ。帰宅した男性の頭や顔を大理石の灰皿で殴り殺害。遺体を車で大栄町の山林に捨て、男性のキャッシュカードを使って131万円を引き出した。また、殺害前の1999年から合鍵で男性宅への侵入を繰り返し、盗んだキャッシュカードで現金257万円を引き出すなどした。引き出した現金は生活費や遊興費、消費者金融への返済、高圧電流銃購入に使った。
裁判所
 最高裁第一小法廷 甲斐中辰夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月11日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審では強盗目的を否定。
備 考
 江村知恵子被告、滋映被告は2004年4月12日、一審無期懲役判決。2004年11月15日、被告側控訴棄却。滋映被告は上告せず確定していた。

氏 名
武田晴信(33)
逮 捕
 2003年6月29日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 大阪府の無職武田被告と女性2人は2001年12月14日午前2時40分頃、姫路市のレストラン駐車場で姫路市内の女性の車からバックを盗んだ。武田被告がワゴン車を運転、逃げる際、女性と交際している会社員(当時26)がその前に立ちふさがり、バックを取り返されるのを防ぎ逮捕を免れるため、会社員をはねて死亡させた。
裁判所
 最高裁第二小法廷 福田博裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月11日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 武田被告は一・二審で未必の殺意を否定していた。上告審では不明。
備 考
 2004年4月14日、一審無期懲役判決。2004年12月2日、被告側控訴棄却。

氏 名
村瀬国隆(33)
逮 捕
 2000年12月20日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗強姦未遂他
事件概要
 無職村瀬被告は2000年10月頃?に通りすがりに見かけた東京都板橋区の女性会社員(当時26)の自宅に3回にわたって侵入。1回目は女性に叫ばれて逃走し、2回目は不在だったが、3回目の2000年12月16日、金を盗もうと侵入したが気付かれたため首をタオルで絞めて殺害。現金1500円が入った財布や携帯電話などを奪った。
裁判所
 最高裁第三小法廷 金谷利広裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年4月12日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2002年9月4日、一審東京地裁は無期懲役判決。2003年10月22日、検察・被告側控訴棄却。被告側のみ上告していた。

氏 名
前田孝恵(50)
逮 捕
 2001年1月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 福岡県遠賀町の前田被告は夫(当時50)と共謀し、約170万円の借金があった北九州市の九電集金員(当時60)の殺害を計画。2000年10月16日、夫が集金員に睡眠薬入りのジュースや農薬入りドリンク剤を飲ませた上、芦屋町内の駐車場で、首をカッターナイフで切り付けて殺害した。
 夫は犯行直後に遺体で見つかり、被疑者死亡のまま書類送検されている。自殺と見られている。
裁判所
 福岡高裁 浜崎裕裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月13日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 前田被告は逮捕直後には容疑を認めていたが、公判で一転「殺害を思いとどまるよう夫を説得した」などと起訴事実を否認。無罪を主張していた。
 控訴審でも被告側は「殺害を決めたが断念し、夫にやめるように説得した。共謀は成立しない」と無罪を主張していたが、浜崎裁判長は「捜査段階で共謀を認めた被告の供述は関係者証言とも符合し、信用性が高い」と退けた。
備 考
 2004年5月17日、福岡地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年9月27日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
男性(22 中国籍、犯行当時19)/金ビン秀(26 韓国籍 ビンは「王文」を一字にした漢字
逮 捕
 2002年2月7日
殺害人数
 男性:2名 金被告:1名
罪 状
 男:強盗殺人、強盗致死傷、強盗傷害、銃刀法違反、住居侵入
 金被告、安被告:強盗致死傷、強盗傷害、銃刀法違反、住居侵入
事件概要
 別府大留学生である中国福建省出身の男(事件当時19)は、同大留学生朴哲容疑者と共謀。2001年12月26日夕、大阪市内のビジネスホテルに風俗店の女性(当時35)を呼び出し、男がナイフで脅して手足をテープで縛り、キャッシュカードを奪った上、ナイフで胸や首を多数回刺して殺害した。男は朴哲容疑者に約12万円を貸しており、借金の返済を求めたところ、強盗に誘われた。
 男と韓国馬山市出身の金ビン秀被告、中国吉林省出身の安逢春被告は、主犯格である同大留学生朴哲容疑者、張越容疑者と共謀。2002年1月18日午前2時半ごろ、大分県山香町の建設会社会長(当時73)宅に強盗目的で侵入し、社長の妻の顔などを棒や拳で多数回殴り、刺し身包丁で胸部を刺すなどして重傷を負わせ、社長の腰部を刺して殺害した。男と金被告、朴容疑者、張容疑者が室内に押し入り、安被告は自動車内で待機していた。男性殺害時転では、張容疑者と金被告が現場にいたとみられている。
 建設会社会長は戦争で亡くなった日本人の慰霊のため、毎年中国を訪れ、残留孤児の身元捜しに奔走。1988年から留学生の身元保証人を引き受けるようになり、今回の犯行グループの中にも、会長が身元保証人になっていた学生がいた。 「日中友好の懸け橋」 として、吉林市の経済顧問や会長の支援で現地に開校した日本語学校の名誉校長にも就任していた。
 安逢春被告は被害者の建設会社でアルバイトをした経験があった。
裁判所
 大分地裁 鈴木浩美裁判長
求 刑
 男:死刑 金被告:無期懲役
判 決
 2005年4月15日 ともに無期懲役
裁判焦点
 検察側は3被告に対し強盗殺人で起訴。
 検察側は、3被告に共通する殺意の根拠として(1)深夜に侵入し激しい抵抗が予想される(2)多数の凶器を準備(3)夫婦が生き証人となる(4)犯罪の結果が重大―などを指摘した。
 弁護側は「調書、供述には『夫婦を殺害する』との会話はなく(事前に殺害の)共謀があったことを示す証拠はない」と主張。現場での共謀についても「認定は困難」としている。
 検察側は論告で、死刑を求刑した男について「わずか約3週間後に、なんら躊躇することなく再び強盗殺人事件に加わり、犯罪傾向はもはや矯正不可能な程度に深化し、固定化している」と指摘。「金銭欲に負けて恩人を殺害し、人としての良心を持ち合わせていない」として極刑を求めていた。
 弁護側は、大分家裁の調査官報告書が「(男は)矯正教育を受け入れる素地がある」としていることや、逃亡中の二容疑者が首謀者とみられることから、「死刑は量刑を誤り違法」と主張。3被告は従属的な立場だったとし、「事前に男性の殺害を計画する話し合いがなされておらず、殺人の共謀はなかった」と争っていた。
 鈴木浩美裁判長は「殺意は認められない」とし、強盗致死傷罪の適用が相当とした。鈴木裁判長は、3被告の殺意を認めなかったことについて「包丁は持っていたが、キャッシュカードの暗証番号を聞きだそうと、脅すために用意したもので、被害者が悲鳴を上げたり、抵抗したりしたことは予想外だった」と述べた。死刑を求刑した男に対しては、「大阪で女性を殺害した約3週間後に夫婦を襲うなど人命軽視の態度は顕著。死刑も考慮しなければならないが、捜査当局に進んで供述するなど事件解明に寄与した。極刑がやむを得ないとまでは認められない」と述べた。
備 考
 重傷を負った妻は、精神的に不安定になり、今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)で通院している。
 遺族として初めて出廷した三女は第33回公判で、日中友好を生きがいとしていた被害者が、中国人留学生らに殺された無念さを訴え、「事件から3年近くたっても、ショックは消えない。極刑が相当だと思う」と述べ、死刑判決を求めた。
 遺族は「事件を風化させたくない」などとして、安逢春被告ら5人に損害賠償を求める訴訟を2004年に大分地裁に起こした。遺族側代理人は「刑事裁判で加害者らの反省が十分感じられない。中国に逃亡した加害者については行方すら分からず処罰もされていない現状からとった手段。金銭を目的とした提訴ではない」としている。
 2005年9月22日、大分地裁浅見宣義裁判長は「殺意を持って男性を刺しており、全体として責任を負わねばならない」と原告の主張を認め、約8693万円の請求に対し計7620万円の支払いを命じた。浅見裁判長は「男性を刺し殺した人物は特定できないが、背後から強く刺しており、殺意を持っていた」と指摘し、殺意はなかったとした刑事裁判と異なる判断を示した。
 朴哲容疑者、張越容疑者は国外へ逃亡、国際手配中。2013年11月10日?、朴哲容疑者の身柄を拘束したと中国側から日本政府に連絡が入った。
 安逢春被告は求刑懲役15年に対し、懲役14年が言い渡された。
 金被告は控訴した。元留学生、安被告に対し、検察側は控訴した。2007年2月26日、福岡高裁で元留学生に対する検察側控訴棄却。金被告に対する一審破棄、懲役15年判決。安被告の検察側控訴棄却。2009年12月17日、元留学生に対する検察側上告棄却、確定。同日、金被告に対する検察・被告側上告棄却、確定。

氏 名
黒根一広(40)
逮 捕
 2003年4月17日(別の詐欺事件で逮捕済)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄、銃刀法違反他
事件概要
 飲食店経営黒根被告は、埼玉県春日部市の飲食店経営土子千代美被告と共謀して、鹿沼市に住む職業不詳の男性(当時39)を殺害し、土子被告が質権を設定していた生命保険金計7千500万円を受け取ることを計画。2002年12月2日午後2時20分ごろ、小山市にある大学の元女子寮で、男性の胸などに拳銃の弾5発を発射して殺害、無職男性(一審懲役1年6月、執行猶予3年が確定)とともに遺体を乗用車のトランクに押し込み、上三川町のパチンコ店駐車場に車ごと放置した。
 男性と黒根被告は、土子被告が1985年に春日部市に開いた飲食店の客同士だった。
 土子被告は男性に約2560万円を貸していたが、返済されないため、1993年9月、死亡時7500万円が支払われる生命保険に加入させ、保険金を優先的に受け取る質権を設定。黒根被告は男性に対し金のトラブルなどから恨みを募らせていたほか、2002年3月、土子被告が日ごろから男性が殺されて多額の保険金が手に入るのを望んでいることを知り、殺害を計画した。両被告は2002年1月上旬、土子被告が黒根被告に1200万円の報酬を支払う条件で殺害を共謀した。
 質権は事件後に解除され、保険金は男性の遺族に支払われた。

(以後の事件は今回の審理で裁かれたかどうかは不明)
 黒根被告は暴力団幹部や経営者ら5人と共謀し、2002年3月23日、小山市東城南の路上で、わざとI被告の乗用車を黒根被告ら4人が乗る乗用車に追突させ、けがをしたように装って損害保険会社から保険金計約600万円をだまし取った。2003年3月1日、詐欺の罪で起訴された。
 黒根被告は保険金を詐取しようと飲食店店員と共謀し、2003年1月4日午後6時半ごろ、小山市の黒根被告が所有する住宅の1階寝室で、新聞紙にたばこの火を付け、木造2階建て約100平方メートルのうち1階の和室など約48平方メートルを焼いた。2003年5月14日、非現住建造物放火の疑いで再逮捕された。
裁判所
 最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月18日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 黒根被告は初公判で罪状を全面的に認めていた。
 一審宇都宮地裁で飯渕進裁判長は「計画的で冷酷かつ非情だが、(借金を返さなかった)被害者にも落ち度があり、典型的な保険金殺人とは様相が異なる」として、懲役20年を言い渡していた。
 二審東京高裁で植村立郎裁判長は「人命を軽視する性癖は有期刑で矯正する見込みがない」などとして懲役20年の一審宇都宮地裁判決を破棄、一審の求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 2004年3月9日、宇都宮地裁で一審懲役20年判決。2004年10月29日、東京高裁で一審破棄、求刑通り無期懲役判決。
 土子被告は殺人罪で懲役15年を求刑されたが、宇都宮地裁は土子被告を共謀共同正犯とした検察側の主張を退け殺人罪のほう助を適用、懲役3年6月を言い渡した。弁護側は無罪を主張して控訴、検察側も控訴している。2005年9月8日、東京高裁は殺人の共謀を認め一審を破棄、懲役10年を言い渡した。

氏 名
米川春雄(51)
逮 捕
 2001年10月26日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反他
事件概要
 水戸市の暴力団幹部米川被告は、2001年10月26日午前0時頃、旭村滝浜の国道51号を走行中の乗用車内で、後部座席から助手席にいた同じ暴力団の幹部(当時33)を射殺。更に、運転していた無職男性の頭部に拳銃を突き付けて引き金を引いたが不発だった。米川被告は、殺害した幹部から多額の借金をしており、返済を執ように迫られていた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月18日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 銃刀法違反(発射罪)は公共の場所での発砲行為を罰する罪で、1995年の銃刀法改正で新設。被告側は「走行中の車内という閉鎖空間での発砲は、発射罪の構成要件を満たさない」と主張していた。
 公道を走っていた乗用車内で発砲したことが、公共の場所での拳銃発射を禁止する銃刀法違反の罪に当たるか否かが争われた。最高裁第一小法廷は拳銃発射罪に当たるとの初判断を示した。
 決定理由で才口裁判長は「民家などが立ち並ぶ国道を走行中の車内で発射した」と指摘、「不特定、多数の者の用に供される場所であることが明らかな道路上で行われた」と述べ、銃刀法違反罪の成立を認めた一・二審の判断を正当とした。

 米川被告は一・二審で「殺意はなく、もみ合っているうちに拳銃が暴発した」などと殺意を否認した。殺人未遂罪については「拳銃に弾が入っていないことを確認し、脅しのために銃を向けた」と主張していた。
備 考
 2003年10月2日、水戸地裁で一審懲役18年判決。2004年3月25日、東京高裁で一審破棄、無期懲役判決。

氏 名
小岩数夫(66)
逮 捕
 2002年9月12日(詐欺容疑。知人女性への住居侵入、逮捕監禁致傷で2002年6月14日、起訴済。10月2日、強盗殺人で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、詐欺、有印私文書偽造、同行使、住居侵入、逮捕監禁致傷
事件概要
 無職小岩被告は、2002年5月17日頃、青森市の無職女性(当時81)方で女性の首を手で絞め、口を手でふさぐなどして、女性を窒息死させたとされた。さらに遺体が発見される同月20日ごろまでの間に、現金数万円と預金通帳1冊、印鑑1個を奪った。さらに青森市内の銀行から現金363万円を引き出したとされた。小岩被告は女性の姪の元夫だった。
 さらに知人女性に対する住居侵入、逮捕監禁致傷罪がある。
裁判所
 仙台高裁 田中亮一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月19日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 青森県警は被害者の遠縁の親類だった小岩被告を別の容疑で2度にわたり逮捕、関与を追及したが、小岩被告は否認した。
 一審青森地裁の判決では、争点となっていた小岩被告が犯行当日着ていたベストに被害者のシャツの繊維が付着していた点について「シャツの繊維そのものが付着していたとは言えず、犯行時以外に着いた可能性も残る」として、「殺害時に付着した」とする検察側の立証を退けた。
 また「被害者方は戸締まりが不十分で、面識のない第三者による犯行の可能性も捨てきれない」とし、小岩被告の動機については「経済的余裕がなかったのは事実だが、有力な状況証拠とは言えない」と述べた。
 判決理由で高原章裁判長は「小岩被告の関与を疑わせる状況証拠もあるが証明力は高くなく、疑いの余地のない立証がなされているとは認めがたい」とし、強盗殺人罪について無罪、詐欺罪などを有罪とした。
 控訴審で検察側は「小岩被告のベストから女性のシャツの繊維が採取された」などとあらためて状況証拠を列挙した上、「各証拠を総合的に評価すれば被告が犯人であることは明白」として一審判決の破棄を主張、状況証拠の積み重ねの認定が争点となっていた。
 判決で田中裁判長は、事件が明らかに強盗目的であることを挙げ、「通帳を持ち出し、預金を引き出しているという事実は、殺害に至る有力な手掛かりになる」と指摘。
 加えて、小岩被告が着用していたベストに被害者のシャツの繊維が付着していた―ことは、「いずれも被告が犯人であることを強く疑える」とし、強盗殺人罪の証拠としてすべて事実認定した。
 一方で、「たまたま家の裏口が開いていたので中に入り、通帳などを持ち出しただけで、殺してはいない」とした小岩被告の主張は「合理的でなく、信用性もない」と退けた
備 考
 2004年4月21日、青森地裁は懲役3年6月の判決。強盗殺人については無罪、住居侵入、逮捕監禁致傷のみ有罪とした。検察側が控訴していた。被告側は上告した。2006年9月13日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
井坂和宏(32)
逮 捕
 2003年10月9日(群馬県太田市の強盗致傷容疑)
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗強姦、強盗強姦未遂、強姦傷害、強盗傷害、住居侵入他
事件概要
 井坂被告は2003年9月11日未明、群馬県太田市の自宅に車で帰宅した女性を襲って現金約22万円を奪い、車に押し込んで暴行。2000年4月から2003年10月までの間、計9件の強盗強姦、同未遂、強姦傷害のほか、女性を狙った強盗傷害や住居侵入などを繰り返し、合計20件の事件について起訴された。同じ女性を3度襲ったこともあり、奪った金額は計160万円に上る。
 井坂被告は2003年10月9日、群馬県太田市内で強盗致傷容疑で逮捕され、強姦や強盗など計8件の犯行で前橋地検に起訴されていた。その後2004年6月17日、埼玉県での強盗強姦事件で再逮捕された。
裁判所
 前橋地裁 久我泰博裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月19日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で、井坂被告が小学6年生のころから女性の暴行を始めたと指摘。
 弁護側は、井坂被告が性欲を抑えようとボクシングを始め、1997年にプロライセンスを取得したが、けがでやめてから性犯罪を繰り返すようになったとし、「特別な矯正プログラムを考えるべきだ」と主張していた。
 久我裁判長は「女性の人格を無視した身勝手、悪質な犯行で酌量の余地は皆無」と指摘した。
備 考
 被告側は控訴した。2005年8月28日、本人控訴取り下げ、確定。

氏 名
和川宏(65)
逮 捕
 2001年5月26日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 2001年5月24日、大工和川(わがわ)宏被告は4月から交際していた仙台市青葉区の女性(当時55)のマンションを訪れ、一緒に酒を飲んでいるうちに口論となり、盆を女性の首に押しつけ窒息死させた。
裁判所
 最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月19日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審で和川被告は「酒に酔っており、当時の記憶がない」と無罪を主張。
備 考
 和川被告は1965年に白石市で起きた殺人、強盗事件で無期懲役の判決が確定、1991年8月から仮出所中だった。
 2004年2月25日、一審無期懲役判決。2004年10月28日、被告側控訴棄却。

氏 名
原大輔(35)
逮 捕
 2004年5月10日(別の強盗事件で、静岡刑務所に服役中)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗殺人未遂、強盗
事件概要
 元運送業原被告は消費者金融からの借金を返済するために強盗を計画。1999年4月24日午後2時頃、静岡県裾野市の中古車販売店に侵入。見積書を書いていた経営者夫婦に果物ナイフで切り付け、経営者の妻(当時57)の首を刺して寝たきりの状態にし、約4年後に敗血症で死亡させた。経営者にも顔などに約3週間の怪我を負わせた。
 1999年4月2日、藤枝市内の不動産会社事務所で役員を脅して現金約15万円を奪った。2002年12月には富士宮市内の会社事務所から金庫などを盗んだ。
 原被告は2003年2月と6月、それぞれ静岡県焼津市と島田市のスーパーに押し入り、現金約1170万円を奪ったとして懲役8年の実刑判決を受けていた。
裁判所
 静岡地裁沼津支部 姉川博之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月21日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「消費者金融への返済に困って連続強盗を起こし、自己中心的で酌量の余地はない」と無期懲役を求刑した。原被告は起訴事実を全面的に認めたが、弁護側は「被害者の死因である敗血症と、被告の行為には因果関係がない」として強盗殺人罪ではなく、同未遂罪であると主張した。
 姉川博之裁判長は事件後に寝たきりになった被害者が「褥瘡(じょくそう)を併発し、細菌感染によって敗血症で死亡することは予見可能な範囲内」と述べ、弁護側の主張を退けた。そして「借金の返済に窮しての、極めて自己中心的、利己的犯行で刑事責任は重い」と述べた。
備 考
 

氏 名
岡田孝紀(26)/面川昌功(24)/降矢修一(26)
逮 捕
 岡田被告逮捕2003年12月15日/面川被告逮捕12月5日/降矢被告逮捕12月11日
殺害人数
 2名
罪 状
 強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、死体遺棄
事件概要
 指定暴力団住吉会系組員岡田被告(当時25)、同面川被告(当時23)、暴力団交友者でとび職降矢被告(当時25)は、2003年11月24日深夜、いわき市の同じ住吉会系暴力団員で建設業の男性(当時26)の事務所で男性と、交友者で飲食店員の男性(当時24)の頭を拳銃で撃って射殺。現金数十万円を奪い、遺体を広野町の山林に埋めた。男性は組長の息子だった。
 主犯が岡田被告、拳銃を撃ったのが面川被告である。被告ら3人と被害者で組員の男性との間では、女性をめぐるトラブルや組織内でのトラブルなどがあったうえ、3人は現金を奪おうと、10月下旬から殺害を計画。11月上旬に広野町の山林に遺体を埋める穴を掘るなど準備していた。殺害は岡田被告が、ほかの2容疑者に持ち掛けた。
裁判所
 福島地裁 大沢広裁判長
求 刑
 岡田被告、面川被告:死刑 降矢被告:無期懲役
判 決
 2005年4月22日 3被告とも無期懲役
裁判焦点
 岡田被告は公判で殺害や死体遺棄などは認めたが、「金を取るのが目的ではなかったので、強盗ではない」として起訴事実の一部を否認、弁護側も殺人と窃盗罪の適用を主張した。面川、降矢の両被告は起訴事実を全面的に認めた。  論告求刑で検察側は岡田被告について、供述に一貫性がないことなどを理由に「反省の情が欠如している。改善更生は極めて困難」と指摘。面川被告については被害者2人を拳銃で撃った実行犯であることなどから「刑事責任は極めて重い」とした。
 一方で降矢被告に対しては、真相解明に協力するなど反省の態度がみられるとし、「改善更生に見込みがないとは言えない」とした。
 弁護側は3被告は殺人の後で被害者が持っていた現金入りのバッグに気づいたと主張。強盗殺人ではなく、殺人と窃盗罪を適用すべきと訴えた。
 大沢裁判長は判決理由で岡田被告には「交際相手を奪った相手の殺害が主目的で、典型的な強盗殺人とは類型を異にする」「冷酷かつ非情な犯行だが反省の態度もあり、矯正の可能性がないとは言えない」とした。弁護側の「財産を奪う目的はなく強盗殺人罪は成立しない」とする主張は「恨みによる殺人の付加的なものだが金を奪う合意があったことは疑いがない」と退けた。
 面川被告には「岡田被告の従属的な立場にあり、犯行動機の一つに、暴力団から足を洗いたいという思いがあったことは考慮に値する」「岡田被告から命令されて犯行を実行したが、深く反省している」とし、降矢被告には「ほかの2人より刑事責任は重くないが酌量の余地はない」とした。
備 考
 降矢被告は控訴せず確定。岡田被告、面川被告に対し、検察側は控訴した。被告側も控訴した。2005年12月22日、検察・被告側控訴棄却。2008年2月20日、検察側上告棄却、確定。

氏 名
田中秀幸(44)
逮 捕
 2003年11月19日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人,殺人未遂,詐欺,競売入札妨害
事件概要
 埼玉県の中古車販売業田中被告は、主婦の女性(当時33)の借金問題などについて実母(殺人罪で一審懲役18年が確定)から相談され、報酬として車の損害保険金を受け取ることを約束し、殺害を引き受けた。1998年8月と10月の2度、自動車事故を装って殺害を試みたがいずれも失敗。1999年8月、今度は実母の自宅で女性の首を絞めて失神させ、路上に横たわらせ、頭部を車でひいて殺害した。実姉や母は、保険会社から約5800万円をだまし取った。田中被告はうち4800万円の損害保険金を全額受け取った。
 同年3月には、女性の実姉(一審無期懲役、控訴)の当時の夫も保険金目的に殺害しようとして重軽傷を負わせた。このときは、保険金約1250万円をだまし取っている。
 田中被告は殺害の実行行為には加わらなかったが、実行役などの共犯者を束ねた主犯格とされる。
 田中被告は他にも追突事故を装った別の保険金詐欺などが発覚、逮捕されている。
裁判所
 さいたま地裁 下山保男裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月22日 無期懲役
裁判焦点
 弁護側は最終弁論で、「(女性を殺害して欲しいという)親娘の依頼を断り切れずにやったことであり、3回目の死に至るまで一切費用は請求しなかった」などと情状酌量を求めた。
 下山保男裁判長は「1年足らずの間に、3度の殺害行為に及んだ極悪非道の犯行」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 本事件では田中被告の他に7人が逮捕、起訴された。

氏 名
ナワズ・モハメド(42)
逮 捕
 2002年3月6日(放火容疑。2001年12月31日、入管難民法違反(不法残留)の容疑で起訴済。7月6日に殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体損壊・死体遺棄、現住建造物等放火、入管難民法違反(不法残留)
事件概要
 パキスタン国籍の中古車販売業手伝いナワズ・モハメド被告は、2001年12月5日、静岡県沼津市大岡の自宅アパートで、知人のパキスタン人(当時34)を包丁で殺害。遺体をバラバラに切断し、翌日夜、知人から借りた乗用車で運び、静岡県湖西市の海岸堤防道路に運んで捨てた。
 遺体が見つかった2日後の12月9日午後6時ごろ、モハメド被告は証拠隠滅を目的として沼津市大岡の鉄骨モルタル造り2階建てのアパートの自室に放火し、自室約44.8平方メートルなどを全焼させた。
 モハメド被告は2001年5月10日、成田空港から入国、残留期限の8月8日を過ぎても出国せず、12月11日まで沼津市内に住んでいた。
裁判所
 静岡地裁浜松支部 志田洋裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2004年4月26日 無期懲役
裁判焦点
 モハメド被告は逮捕から一貫して「一切関わっていない」と犯行を全面的に否認している。動機は判明していない。
 検察側は「遺体が入っていたポリ袋からモハメド被告の指紋が検出されたほか、DNA鑑定で自宅の包丁から被害者の血液反応が出ている」と主張し、論告で「切断した頭部の肉を削ぐなど、人間として考えられない行為」と述べ、無期懲役を求刑した。
 モハメド被告は食事を拒んでいるといい、衰弱が激しい状態。最終弁論の公判には車いすで出廷し、論告に対して弱々しい声で「私はこの犯罪をしていない」と反論した。
 志田裁判長は殺人、死体損壊などについて、▽被告人方から被害者と同型の血液型、DNA型の血痕が採取された▽死体が入れられたビニール袋から被告人の指紋が検出された▽犯行前後の行動に不審なものが多い―などからナワズ被告の犯行と認定。殺害と死体損壊現場となった沼津市内の自室アパートに放火した現住建造物等放火についても、「被告人以外の者が犯行に及ぶ可能性は極めて低く、出火後の被告人の言動は著しく不自然」などとして、同被告が放火したと認めた。
備 考
 被告側は控訴した。
 2006年6月3日、東京拘置所内で心不全のために死亡。享年43。拘留中は自ら食事をとろうとせず、一審公判中から体調を崩していた。6月20日、公訴棄却が確定。

氏 名
西村文夫(63)
逮 捕
 2003年6月3日
殺害人数
 1名
罪 状
 現住建造物等放火、殺人
事件概要
 長野市の無職西村被告は、2003年6月3日午前10時40分ごろ、解雇された同市の建設会社事務所を訪れ退職金の支払いや借金を無心したが断られたため腹が立ち、ガソリン4Lを社長(当時65)の全身に浴びせライターで火をつけて死亡させた。また同事務所を焼損させた。事務所には社長と女性従業員の2人がいた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月26日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 西村被告側は初公判から二審まで一貫して「殺害を被害者に依頼された」と主張し、犯行当時も心神耗弱状態にあったなどとして無罪を主張していた。
備 考
 2004年8月25日、一審無期懲役判決。2004年12月24日、被告側控訴棄却。

氏 名
石野田博文(51)
逮 捕
 2001年9月5日(窃盗未遂容疑。9月27日に死体遺棄容疑で、10月22日に強盗殺人で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、強盗、窃盗未遂他
事件概要
 福岡県の建設資材業者石野田博文被告は2001年7月27日未明、古賀市の真砂土採取場に止めた乗用車内で、同県筑紫野市の中古車販売会社役員(当時48)をナイフで刺して殺害。所持金約140万円やバッグなどを奪い、遺体を古賀市の駐車場に埋めた。
 さらに石野田被告は女性と共謀し、27日午後2時頃、預金口座からキャッシュカードを使って現金を引き出そうとしたが、暗証番号を間違えて未遂に終わった。
 石野田被告は他の男性と共謀し2001年6月25日午前11時半頃、福岡県の会社事務所に押し入り、女性従業員2人にナイフを突き付けて脅し、現金約70万円とキャッシュカードを強奪。その後、もう1名を含めた3人で共謀し、奪ったキャッシュカードを使って福岡市の銀行で現金約530万円を引き出した。さらに7月22日午後8時頃、他の2名と共謀し、福岡市東区の男性宅で男性にナイフを突きつけて脅し、現金18万円を奪った。
 石野田被告には数千万円の借金があった。
裁判所
 福岡高裁 虎井寧夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月26日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 検察側は「会社の経営不振などで被害者から借金。支払いに行き詰まって別の窃盗、強盗を繰り返した上、債務を免れようと殺害に至った」と、強盗殺人で起訴していたが、一審福岡地裁陶山博生裁判長は「強盗の犯意は濃厚だが確かな証拠はない」として、強盗殺人罪の成立を認めず殺人と窃盗との併合罪を適用。「殺人行為は執拗、残忍極まりない。他人の生命を尊重する心情や遺族への思いやりを見いだすことは困難で、冷酷、非道な犯行」と指摘。一方で殺害の動機については「不明」とした。
 福岡高裁虎井裁判長は、「最初から金品を奪うのが目的だった」と強盗殺人罪を適用した。
備 考
 2004年6月10日、一審懲役20年判決。被告側は上告した。2005年12月19日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
小林博行(53)
逮 捕
 2004年11月8日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 和歌山県高野口町の警備員小林被告は、2004年11月2日、同居していた母(当時82)の首をネクタイで絞め、意識不明の重体にし、現金10万円などを奪った。さらに4日後、意識が回復しない母の首を両手で再び絞め、窒息死させた。
裁判所
 和歌山地裁 樋口裕晃裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年4月27日 無期懲役
裁判焦点
 論告求刑で検察側は、「犯行は、小林被告のために貯金をしていた被害者に対する背信の極み」と述べた。
 和歌山地裁は、「スナックのホステスと遊ぶために金銭を渡すといった、刹那的な快楽を求める生活を改めず、快楽を追求するためには実母の生命すら奪うことも辞さないという、極めて自己中心的な犯行」だとして、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
備 考
 

氏 名
菅谷章(57)
逮 捕
 2003年10月9日
殺害人数
 0名
罪 状
 略取、逮捕監禁致傷、監禁、強盗、強姦他
事件概要
 無職菅谷被告は無収入で自暴自棄となり、刑務所に入る前にやりたいことをやろうと2003年9月11日午前7時40分頃、福島県須賀川市の路上で小学6年女児(当時)に声を掛けて手足を縛るなどの暴行を加えて顔や腹などに軽傷を負わせてワゴン車に押し込み「静かにしないと殺すぞ」と脅迫。会津方面などに連れ回し、約33時間にわたって監禁した。
 2003年9月23日夜、茨城県東海村のスーパー駐車場で、女性店員(当時22)の軽乗用車に乗り込み、首にナイフを突きつけて両手を縛り、目を粘着テープでふさぎ車内に監禁。現金約1000円やバッグを奪った疑い。女性は直後に逃げ、けがはなかった。
 その他、茨城県ひたちなか市や栃木県矢板市などでも、10代から20代の女性3人を車内に監禁し、同年8月には同県那須郡で小学5年男児(当時)を女児と間違えて監禁しようとし、頭などにけがを負わせた。
裁判所
 福島地裁 大沢広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月6日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「被害者の人格を踏みにじった凶悪極まりない犯行」「極悪非道な行為で人間性のかけらもない。再犯性があり、矯正は困難」と無期懲役を求刑した。
 菅谷被告は須賀川の女児連れ去り事件を含め5件は起訴事実を認めているが、茨城県ひたちなか市の女性監禁事件は「(相手が)同意して一緒にいた」と否認している。
 弁護側は最終弁論で「犯行は被告の不幸な生い立ちにも原因がある。正業にも就き、まじめに働いていた時期もある」と情状酌量を求めた。
 裁判長は「社会に復帰すれば同種の犯行を起こさないとも限らない」「卑劣かつ狡猾で、児童及び、女性の人格を全く無視した悪辣極まりない犯行」などとして求刑通り無期懲役を言い渡した。無罪を主張していた事件については、「女性の、騒ぐと殺すと脅され、怖くて逃げ出せなかった、という証言は真剣かつ正直で、信憑性が高い」として退けた。
備 考
 菅谷被告は少年時代に強姦未遂事件で中等少年院に送致されている。1972年には少女に対する強姦致傷で懲役17年の判決を受け、その後も同様の犯行を繰り返していた。
 被告側は控訴した。2006年2月23日、被告側控訴棄却。2006年7月4日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
神村達也(36)
逮 捕
 2004年10月26日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 無職神村被告は2004年10月13日、生活費に困って横浜市の義母(当時68)宅を訪れ、9月に亡くなった父親の遺産分与を頼んだが断られたため、台所から包丁を持ち出し、義母の首などを突き刺して失血死させ、現金17200円と指輪など(約17万円相当)を奪った。神村被告の実父と、義母はともに再婚だった。神村被告は貴金属を換金しパチスロなどで使い、同月25日、旭署に自首した。
裁判所
 横浜地裁 山崎学裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月9日 無期懲役
裁判焦点
 山崎裁判長は「父の葬儀にも参列せず、突然押しかけ遺産分割を申し出ている。分割を断った被害者には何の落ち度もなく、パチンコに興じたりする自堕落な生活態度こそ問題」と指摘。自首についても「反省の念というより、所持金を使い果たした結果出頭したのであって、(刑を)減軽するには至らない」と指弾した。
備 考
 

氏 名
山崎達也(30)
逮 捕
 2003年12月7日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 風俗店店員山崎被告は、知人のフィリピン人女性(当時39)から借りた携帯電話を使いまくっていたが、料金約46000円の支払いを約束しながら、2003年12月1日正午頃、所持金がまったくないまま、女性のアパートを訪問し、電話料金の支払いを免れるため女性をマフラーで絞殺し、別の携帯電話やネックレス、現金約1500円などを奪った。山崎被告は奪った携帯電話を出会い系サイトの利用などに使ったほか、ネックレスは換金し、逃走資金に充てていた。
裁判所
 名古屋高裁 小出じゅん一裁判長(じゅんは金に享)
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月9日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 裁判長は「刑事責任はまことに重い」とした。
備 考
 2004年11月24日、名古屋地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年9月20日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
池永浩史(38)
逮 捕
 2002年10月31日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人
事件概要
 無職池永浩史被告は2002年10月23日頃、大分市で農業を営む父(当時67)と母(当時61)から働かないことを非難され立腹。鉄の棒で数回殴り、殺害した。池永被告は両親の二男で、同居していた。池永被告はシンナー中毒で以前から入退院を繰り返し、家や近所で暴れることがあり、家族が警察などに相談していた。遺体は30日夕方に発見された。
裁判所
 大分地裁 鈴木浩美裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月16日 無期懲役
裁判焦点
 被告は犯行前に有機溶剤(シンナー)を吸引しており、弁護人は「刑事責任能力に問題がある」として同地裁に精神鑑定を申請。「犯行直前に行動制御能力は低下していたと考えられる」などとする鑑定が出ており、弁護人は「犯行時、被告は心神喪失状態だった」と、無罪を主張していた。
 判決で鈴木裁判長は、両親を殺害した状況などに関する捜査段階の供述について、「具体的で迫真性に富んでおり、捜査官による誘導は認めがたい」と指摘。
 精神鑑定の結果については、「被告は長年、有機溶剤を吸引し、犯行時にも吸っていた。(鑑定は)犯行直前からの記憶があいまいだったり、犯行後に借金を返済するなど不自然な行動を取り、酩酊状態が強かったとしているが、犯行後の行動は凶器を捨てるなど自然な反応も示している。犯行時には責任能力があった」と判断した。
 量刑について、「体調や仕事について悩んでいることを(両親が)理解していないと腹を立てて殺害を決意しており、動機は自己中心的。わが子によって殺害された無念は察するに余りあり、被告は拘置所内で経を上げるなど反省しているが、有期懲役刑で臨むべきではない」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。2005年11月16日、被告側控訴棄却。上告せず、確定。

氏 名
鳴海喜代一(75)
逮 捕
 2004年6月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 横浜市戸塚区の無職鳴海喜代一被告は、借金をしては酒と競馬に使う生活を長年送っていて、2003年4月、同市鶴見区の飲食店を訪れて経営者の女性から8000円を借りたが、夏ごろから消費者金融の厳しい取り立てを受けて返済に困った末、女性を殺して金を奪おうと計画。
 2003年9月26日午後午後2時ごろ、飲食店内で女性(当時85)の頭を鈍器で殴り、ゴムひもでの首を絞めるなどして殺害し、現金約9000円を奪った。
 鳴海容疑者は1991年ごろから約5年間、同店近くの鉄工所で働き、よく通っていた。
裁判所
 東京高裁 中川武隆裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月18日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 判決理由で中川武隆裁判長は「現金強奪のためには人の命を奪うことをいとわない冷酷非情な犯行で、刑事責任は重大」と述べた。
備 考
 2004年12月25日、一審無期懲役判決。

氏 名
八巻健二(34)
逮 捕
 2003年11月13日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 千葉県成東町の運送業八巻被告は、従業員の男性(当時25)の保険金殺人を計画。男性の元妻の母親(39 一審懲役9年が確定)、元妻のいとこの男性(26 一審懲役13年が確定)と共謀。男性に、元妻との間に生まれた長男を受取人とする3000万円の生命保険に加入させた上、殺害して保険金を入手しようと計画。「3人で1000万円ずつ山分けしよう」と相談した。2004年9月15日午前0時頃、千葉県市原市内の山林で、八巻被告が男性の胸や腹を刃物で刺し、殺害した。保険金は支払われていない。
裁判所
 千葉地裁 土屋靖之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月19日 無期懲役
裁判焦点
 八巻被告は初公判で殺害の共謀は認めたが、「実行行為はしていない」と主張。第2回公判では起訴された3人以外に他にも5人の実名を挙げて、「事件には計8人が関与した」と供述した。5名はいずれも元妻の母の親族であった。
 検察側は「保険金目的の利欲的かつ計画的な犯行」として無期懲役を求刑した。
 判決は八巻被告が死亡時3000万円が支払われる保険への加入を男性に勧め、殺害も実行したと認定した。
備 考
 被告側は控訴した。2005年12月1日、被告側控訴棄却。2006年6月5日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
佐々木博幸(41)
逮 捕
 2003年11月18日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 無職佐々木被告は覚せい剤購入資金欲しさから愛知県扶桑町近隣で盗みを繰り返し、1992年9月14日午後11時ごろ、会社員宅に侵入。物色中に会社員の妻(当時54)が目を覚まして騒いだため首を絞めて殺し、何も取らずに逃げた。佐々木被告は、別の窃盗未遂事件で拘置中だった2003年、11年前の犯行を自ら告白し逮捕されていた。
裁判所
 最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月23日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2004年9月8日、名古屋地裁一宮支部で懲役15年判決。2005年2月3日、名古屋高裁で一審破棄、無期懲役判決。

氏 名
金元明(37)
逮 捕
 2004年6月28日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 古美術店店員金元明被告とアルバイト作業員小野義貞被告は2004年1月10日、大阪府高石市の金融業者(当時42)の事務所で、金融業者の頭部を鈍器で殴って殺害。現金約10万円や鞄などを奪った上、遺体を寝袋に包んで大阪府柏原市の山中に棄てた。両被告は事件当時、金融業者が経営していた金融会社の従業員で、「奴隷のように使われ、恨んでいた」などと供述した。
裁判所
 大阪地裁 宮崎英一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月24日 無期懲役
裁判焦点
 金元被告は「経営者の奴隷的支配から逃れるためで、金銭目的ではない。殺人罪と窃盗罪を適用するべきだ」と主張していたが、宮崎裁判長は「犯行前に所持金を奪うことも計画した以上、他の動機の割合が大きくても強盗殺人罪が成立する」と主張を退けた。
備 考
 小野義貞被告は同日の分離公判で無期懲役判決。被告側は控訴した。

氏 名
小野義貞(42)
逮 捕
 2004年6月28日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 古美術店店員金元明被告とアルバイト作業員小野義貞被告は2004年1月10日、大阪府高石市の金融業者(当時42)の事務所で、金融業者の頭部を鈍器で殴って殺害。現金約10万円や鞄などを奪った上、遺体を寝袋に包んで大阪府柏原市の山中に棄てた。両被告は事件当時、金融業者が経営していた金融会社の従業員で、「奴隷のように使われ、恨んでいた」などと供述した。
裁判所
 大阪地裁 宮崎英一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月24日 無期懲役
裁判焦点
 小野被告は、金元被告との強盗の共謀を否認し殺人罪と窃盗罪の適用を主張したが、宮崎裁判長は「事前に2人で金を奪うことを話し合ったうえ、奪った現金を当然のように折半するなど強盗の共謀が認められる」と主張を退けた。
備 考
 金元被告は同日の分離公判で無期懲役判決。被告側は控訴した。2006年5月11日、被告側控訴棄却。

氏 名
後藤浩之(40)
逮 捕
 2003年4月23日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、恐喝未遂、死体遺棄、脅迫教唆、犯人隠避教唆
事件概要
 愛知県新城市の給食会社役員後藤被告は、フィリピンパブで知り合ったホステスとの結婚資金などを得るために、青年会議所(JC)仲間である新城市の建設会社役員の男性(当時39)を殺して金を奪い、家族から身代金名目の現金を脅し取ろうと、2002年4月17日午後10時10分すぎ、愛知県新城市の市商工会館の駐車場に止めていた乗用車内で、男性の首をロープで絞め殺害、現金約12万円などを奪った。
 翌18日には男性の生存を装い、家族に17回の脅迫電話をかけて身代金1億円を要求。東名高速道路上から現金を投下するよう指示したが失敗。19日、男性の遺体を同県額田町の残土捨て場に遺棄した。
 21、22の両日、捜査かく乱を狙って知人の会社員(脅迫、犯人隠匿罪で懲役2年、執行猶予4年が確定)に、自分が誘拐されたかのような虚偽の脅迫電話を自らの両親にかけさせ、フィリピンへ逃亡を図った。会社員の被告は後藤被告が殺害の犯人と知りながら、捜査をかく乱し、フィリピンへの逃亡を助けるために後藤被告の両親に「息子を預かった」などと電話をして身代金3000万円を要求。21日夜に後藤被告をJR浜松駅まで車で送り、JR成田空港駅までの切符を購入して渡した。
裁判所
 名古屋地裁 石山容示裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年5月24日 無期懲役
裁判焦点
 後藤被告は「金を奪うために男性を殺そうとしたのではない」とし、弁護側は強盗殺人ではなく、殺人と窃盗罪を主張。さらに同被告は殺人について「男性から好きだった女性のことまでばかにされたように感じて許せなくなり、首を絞めた」と述べ、弁護側も「憎悪の感情が爆発したため」と、衝動的行為だったことを強調した。
 石山裁判長は判決理由で「強盗殺人と恐喝未遂の犯行だが、実質は身代金目的の誘拐事件と同じ凶悪犯罪」と指摘。身勝手な動機や遺族の処罰感情から「死刑求刑には相当の理由がある」とした。しかし、たまたま条件が整った際の犯行で更生が困難とはいえないとし「量刑の平等性や同種犯罪の予防の見地から極刑がやむを得ないと断定できない」と述べた。
 弁護側が「犯行は場当たり的で、身代金が目的ではない」と主張していた点については、判決は(1)下見するなど計画を立て、木づちやロープを準備(2)犯行の一週間後に交際中のフィリピン人女性が来日予定で、まとまった現金が必要だった−と指摘。「殺害時に身代金を得ようと考えていたと推測できる」と退けた。
備 考
 愛知県警は後藤被告を身代金目的誘拐容疑などで逮捕したものの、名古屋地検は最終的に誘拐罪の適用を見送った。
 検察・被告側は控訴した。2006年12月15日、名古屋高裁にて検察・被告側控訴棄却。上告せず、確定。

氏 名
連曙光(33)
逮 捕
 2003年1月29日(窃盗罪などで起訴済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反他
事件概要
 中国籍の無職、連曙光(れん・しょこう)被告は2002年9月27日午後7時頃、中国人グループのメンバーと共謀し、新宿区歌舞伎町の喫茶店で暴力団幹部2名を拳銃で撃ち、1人(当時34)を死亡させ、1人に大怪我を負わせた。
 黒竜江省出身の金石容疑者らを中心として、パチンコ店での窃盗や強盗事件などに関与する十人前後のマフィアグループと、死傷した幹部二人が関係する暴力団の組員らが、事件直前に別の飲食店でトラブルになっていた。両グループが現場の喫茶店で話し合いをしようとした矢先に、金容疑者らが計画的に発砲した。
裁判所
 東京地裁 村瀬均裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月25日 無期懲役
裁判焦点
 逮捕時、連被告は「拳銃を渡され、引き金を引いたが、弾が出なかった」などと供述している。
備 考
 国際手配されていた主犯格の金石容疑者は2003年3月末に中国で拘束。日中間には身柄引き渡し協定がなく、中国は、自国の法律に基づき、国外犯として男を代理処罰するとみられる。
 本事件では他に8人の中国人が逮捕されている。
 被告側は控訴した。2005年11月30日、被告側控訴棄却。

氏 名
中原忠(39)
逮 捕
 2002年11月16日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、逮捕監禁致傷、妻への暴力行為法違反(常習傷害)、窃盗
事件概要
 無職川村忠被告(旧姓)は多額の借金を抱えて妻と逃避行中だったが、2002年8月下旬、暴力に耐えかねた妻は川村被告から離れ、離婚調停を申し出ていた。川村被告は、所在不明の妻が実家にいるものと思い込んだ。
 9月14日午前10時30分頃、川村被告は妻の実家である福岡県二丈町の自営業者(当時37)の家に押し入り、包丁を持って自営業者の母(当時64)と長女(当時9)を人質にして2階に立て籠もった。午後8時、帰宅した男性に対し「妻と娘に会わせろ」と要求した。
 福岡県警は通報を受け、川村被告の知人や親戚を呼んで人質を解放するよう徹夜で説得。15日午後12時40分頃、川村被告は母親を解放した。母親は約1週間のけが。
 16日午前0時26分、捜査員が突入し川村被告を逮捕したが、長女はその20分以上前に腹部を包丁で刺されて死亡していた。15日の夜から長女を傷つけはじめていた。
 妻とは事件後に離婚が成立している。
裁判所
 福岡地裁 谷敏行裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月26日 無期懲役
裁判焦点
 川村被告は初公判で「助けることなく見殺しにしたことを思うと殺意がなかったとは言えない」と述べ、殺人罪を大筋で認めた。一方、論告求刑公判では「死亡させた結果責任は負うが、殺すつもりなど全くなかった」などと述べた。
 暴力行為法違反罪については「常習ではなく、一回けっただけ」と否認している。  検察側は論告で「理不尽な怒りを何の関係もない九歳の女児に向け、幼い命を奪った犯行は断じて許しがたい。遺族に謝罪もなく、親族らに仕返しをほのめかす状況からは更生の意欲はうかがえない。極刑も検討するに値する」と述べた。
 最終意見陳述で、川村被告は用意した文面を読み「私の生命の光が消えるまで供養します。(姪の名前)ごめんなさい」と述べた。一方、「警察に何度も約束を破られた。真実を見極めれば懲役18年ぐらいでしょう」「検事は死刑をもってこい」と声を荒らげる場面もあった。
 弁護側は「立てこもった際、警察が(妻子と会わせるという)約束を守らず、激高した弾みで刺した」として、傷害致死罪の適用を求めていたが、谷裁判長は「殺意は確定的だった」と判断した。
備 考
 2003年9月24日夕方、川村被告は右手で福岡拘置所の独居房の窓ガラスを割り、破片で自分の首に切り付けて自殺を図ったほか、割れたガラスに額を強く押し付けるなどして多量に出血。すぐに病院に運ばれ、首を8針、額を5針縫った。
 川村被告は公判で、証言する遺族、裁判官、検察官らに「うそをつくな」「覚えていろ」などの暴言を繰り返したほか、報復をほのめかす内容の手紙約100通を裁判所などに出していた。
 川村被告は、1997年に配下の組員ら2人を殺害したとして殺人罪などに問われて死刑判決を受け上告中の中原澄男被告(57)と2005年4月7日に養子縁組をして養子となり、姓は中原に変わった。
 控訴せず確定。養父になった元暴力団組長中原澄男被告から「めいを刺したのはおまえなのだから、潔くしろ」などと手紙で忠告を受け、これに従ったという。

氏 名
長井俊一(65)
逮 捕
 2002年7月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、現住建造物等放火
事件概要
 養鶏場を経営している長井被告は、従業員だった福島大三被告(80)=分離公判。一審死刑判決、控訴中=に頼み1989年4月5日午後9時20分ごろ、住み込み従業員(69)方に放火させ、従業員の妻(当時48)を焼死させ、従業員にも4カ月のやけどを負わせた。長井被告は従業員夫婦や住宅にかけた保険金計2773万円余を入手し、福島被告に報酬として現金300万円を渡すなどした。
裁判所
 東京高裁 田尾健二郎裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年5月26日 無期懲役(検察、被告側控訴棄却)
裁判焦点
 長井被告側は「被告から放火を依頼されたとする元従業員(一審死刑判決、控訴中)の供述はうそ」などとして無罪を主張していた。
 田尾裁判長は「長井被告に放火を依頼されたという元従業員の供述は十分信用できる」とし、「共謀したことに事実誤認はない」と被告側の訴えを退けた。一方、「被害者のために家を建て、養鶏場で雇用し続けるなど、矯正不可能とまでは言えない」として、量刑不当とした検察側の主張を退けた。
備 考
 2003年5月12日、さいたま地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年11月29日、被告側上告棄却、確定。
 被害者の元従業員男性は、長井俊一被告、福島大三被告らを相手に、妻を殺害された慰謝料や着服された保険金、流用された障害基礎年金など計約7480万円の損害賠償を求めていたが、2005年7月1日、東京地裁(水野邦夫裁判長)で和解した。和解の内容は長井被告と同被告の妻が今月末に計500万円を支払い、支払われた段階で男性側が提訴を取り下げるというもの。福島被告については賠償能力がないため、金銭を求めず取り下げることにした。男性の代理人は「男性が『本当はそんな額の金額ではないが、ごちゃごちゃするのはもう嫌だ』と話したため受け入れた。男性は高齢で少しでも生活の足しになるのならと早期解決を選んだ」としている。

氏 名
小柳博旦(61)
逮 捕
 2003年1月31日(現行犯逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人他
事件概要
 土木作業員小柳被告は2003年1月31日深夜、かつて交際していた福岡県粕屋町に住む女性が別の男性と付き合っていると邪推し、同町の女性宅に押し掛けて口論となった。仲裁に入った女性の息子(当時20)の言動に腹を立て、刺し身包丁で腹などを刺して殺害した。
裁判所
 最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月27日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2004年2月9日、福岡地裁一審無期懲役判決。2004年12月、被告側控訴棄却。

氏 名
中川勝(72)
逮 捕
 2001年10月24日(別件の詐欺罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反、窃盗他
事件概要
 無職中川勝被告は2001年8月18日午後3時すぎ、不動産業者(当時68)の事務所で、賃貸マンションの紹介を依頼したが、挙動不審に思った不動産業者は中川被告に店から出て行くよう要求。その言い方に腹を立てた中川被告は護身用として持っていた包丁で不動産業者の腹部などを刺して殺した。さらに不動産業者のジャケットを盗んで逃げた。
裁判所
 東京高裁 原田国男裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月30日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 中川被告は、真犯人は別にいると無罪を主張。
 判決理由で原田国男裁判長は「動機など不明な点はあるものの、捜査段階の自白通りに凶器の包丁が見つかるなど、犯人であると十分認めることができる」と述べた。
備 考
 2004年5月28日、一審東京地裁八王子支部で無期懲役判決。

氏 名
島宗慎(35)
逮 捕
 2001年11月4日
殺害人数
 1名
罪 状
 恐喝,逮捕監禁,住居侵入,窃盗,詐欺,強盗,殺人,覚せい剤取締法違反
事件概要
 暴力団組員島宗慎(しまむね・まこと)被告は金銭トラブルから知人の暴力団組員(37 2004年9月、最高裁で懲役18年が確定)ら7人と共謀。2001年7月16日未明、東京都内で越谷市の高校教諭の男性(当時37)を拉致し、静岡県まで乗用車内に監禁した上、残土置き場で背中を日本刀で刺すなどして殺害した。さらに男性のキャッシュカードで現金約190万円を引き出すなどした。
 男性はメールで知り合った少女(当時19)らとの交際からトラブルに巻き込まれた。
裁判所
 東京高裁 田尾健二郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年5月31日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で島宗被告は「直接手を下しておらず、有期刑となった共犯者に比べ、無期刑は重い」などと主張していた。
 判決理由で田尾健二郎裁判長は「命ごいをする被害者をめった刺しにするなど犯行は悪質で、遺族の処罰感情も強い」と述べた。
備 考
 島宗被告は1991年7月に殺人罪により懲役7年の判決を受けた前科がある。
 2002年12月26日、一審さいたま地裁で無期懲役判決。金山薫裁判長は「残忍かつ凄惨で、生命に対する畏敬の念はまったくうかがえない」と述べた。被告側は上告した。2007年7月10日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
畠山敬(55)
逮 捕
 2004年2月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 静岡県富士市の会社員畠山敬被告は、近所の女性(当時76)から借りていた12万円の返済期限だった2004年2月17日までに5万円しか用意できず、返済の猶予を頼んだが、女性に「家族に話す」などと言われたため、殺害を決意。2004年2月18日朝午前7時ごろ、自宅にいた女性の頭を用意した金属製ハンマーで数回殴るなどして転倒させ、さらに背後から頭などを数十回殴って殺害し、7万円の返済を免れた上、現金約13000円などを奪った。
裁判所
 静岡地裁沼津支部 姉川博之裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年6月2日 無期懲役
裁判焦点
 畠山被告は初公判で起訴事実を認めたが、公判中に「強盗の意思はなかった」などと供述を変えていた。
 検察側は「残忍で冷酷な犯行。以前も借金返済に困って強盗殺人未遂事件を起こしており、実質的には2人を殺害したのと同じである。公判で供述を翻すなど反省もしていない」と述べ、死刑を求刑した。
 姉川博之裁判長は「高齢者を何度もハンマーで殴るなど凶悪な犯行だが、、捜査段階から公判途中までは強盗目的を認め、反省の弁を述べている。罪刑の均衡や一般予防の見地などを踏まえると、無期懲役でしょく罪の日々を送らせることが適当」とした。
備 考
 畠山被告は1978年にも強盗殺人未遂事件を起こし、懲役9年が確定している。
 検察・被告側は控訴した。2006年8月24日、検察・被告側控訴棄却。上告せず確定。

氏 名
田中賢治(27)
逮 捕
 2004年10月28日(詐欺容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 有印私文書偽造,同行使,詐欺,住居侵入,強盗殺人,窃盗
事件概要
 元浄水器訪問販売会社社員田中被告は、2004年10月12日正午頃、浄水器販売で面識があった福岡市中央区の女性(当時79)宅を訪れて上がり込み、アンテナケーブルで女性を絞殺。預金通帳を奪い、250万円を引き出した。田中被告は会社を8月に退職し、生活費の工面に困っていた。また、消費者金融などに約200万円の借金があった。
裁判所
 福岡地裁 谷敏行裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月9日 無期懲役
裁判焦点
 田中被告は公判で「侵入前は殺害する意思はなかった」と述べ、確定的殺意を否認していたが、谷裁判長は「殺害に使用したアンテナケーブルを自宅から持参している。計画性を認めた捜査段階の供述調書も具体的で迫真性があり、信用性が高い」として殺意を認定。「見えのため当時の妻に毎月20万円渡さなければならないと勝手に思いこんで借金を増やし、幸せな生活を守るために短絡的に犯行に及んだ。浄水器の点検と信じ込ませ親しげに世間話している際に被害者に襲いかかっており、殺害方法は執拗かつ残忍」と非難した。そして判決理由で「経済的苦境に陥った自分の生活を守るための犯行で酌量の余地は皆無。計画的な犯行で強固な殺意があった殺害方法も残忍」と指摘。「被告は反省しているが、酌量減軽するほどの事情はない」と述べた。
備 考
 

氏 名
佐藤光徳(46)
逮 捕
 2004年11月11日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 建築金物工佐藤被告は、消費者金融に約100万円の借金があり、収入が少なく生活費に困ったこと、パチンコ代が欲しかった事から強盗を計画。2004年11月9日午後5時半ごろ、東京都武蔵野市のパチンコ景品交換所に押し入り、千枚通しで店員(当時80)の左胸を刺して殺害、現金約115万円を奪った。さらに逃走中に追いかけてきた男性も刺し殺そうとして、1ヶ月の重傷を負わせた。
 事件後、車で逃走し、長野県や石川県などを転々としていた。捜査本部は福井県内で発見、逮捕した。
裁判所
 東京地裁八王子支部 長谷川憲一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月9日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「動機は極めて自己中心的で、悪質かつ重大な犯行」として、無期懲役を求刑した。弁護側は公判で殺意について否認していたが、検察側は論告で、「殺傷能力の高い凶器で人体の枢要部を複数回突き刺しており、確定的殺意があったことは明らか」と主張した。
 長谷川憲一裁判長は「金銭目的の身勝手で短絡的な動機に酌量の余地はない」と指摘した。
備 考
 

氏 名
高橋二三夫(58)
逮 捕
 2005年1月21日(自ら出頭)
殺害人数
 2名
罪 状
 現住建造物等放火、殺人、殺人未遂
事件概要
 青森市の無職高橋被告は2005年1月20日午前3時50分頃、自分が住む2階建てアパートの自室に灯油をまいて火をつけた。自殺目的の放火だったが、出火後間もなく、炎に耐えられなくなり、部屋の窓から飛び降りて逃走。アパートの2階部分約105平方メートルが全焼。2階に入居していた義弟の無職男性(当時65)と無職男性(当時84)の2人が逃げ遅れて焼死。2階にいた住人1名が重傷、1名が軽傷を負った。
 高橋被告は青森署近くの岸壁から海に飛び降りて死のうとしたが、死にきれず、青森署に出頭した。
裁判所
 青森地裁 高原章裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月9日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「高橋被告は消費者金融からの借金返済に困り、このままでは好きなパチンコや競輪ができなくなると自殺を考えた。火をつければ、他のアパート居住者に危険が及ぶことを認識しながら放火した」と指摘した。
 弁護側は「犯行時は自殺しようと切羽詰まった状況で、冷静な判断力を失っていた」と情状酌量を求めた。
 判決理由で高原裁判長は「築40年以上の木造家屋に放火すれば、住人の生命を奪う可能性があると十分認識していた」と未必の殺意を認定。「ギャンブルにのめりこんで生活に困り、将来を悲観したという動機も身勝手で、酌量の余地はない」と指摘した。また被害者の1人が足が不自由だったことに触れ「燃えさかる室内で、壁を必死にたたいて助けを求めるしかできなかった無念は計り知れない」と朗読する際に絶句し、涙ぐむ場面もあった。
備 考
 弁護側は控訴の意志がないことを明らかにした。

氏 名
奥田剛(29)
逮 捕
 2003年12月?
殺害人数
 0名
罪 状
 窃盗,強盗強姦,強姦,強盗強姦未遂,強盗
事件概要
 無職奥田剛被告、吉田聡志被告、中山豊被告、野沢俊幸被告は、2002年7月から2003年11月にかけ2〜4人で共謀し、札幌市西区、手稲区の路上などで、スタンガンを押し当てるなどして15歳の高校1年生から44歳までの女性16人を襲い、うち8人を強姦した上、現金76000円、バッグなど36点(約13万円相当)を奪ったほか、札幌市内など6ヶ所で乗用車など24点(約430万円相当)を盗んだ。
 合計22件の事件で起訴され、うち奥田被告は21件、吉田被告は16件、中山被告は13件、野沢被告は10件に関与した。
裁判所
 札幌地裁 吉村正裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月10日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「通行人などを装って近づき、いきなり脅して車に押し込んで連行し、乱暴して金を奪った卑劣極まりない鬼畜の犯行。写真を撮影したり、身分証明書を奪って口封じを図ったほか、犯行目的で車を盗むなど計画的で周到」などと指摘。「遊興費ほしさと性欲の赴くままの犯行に酌量の余地はみじんもなく、もはや有期刑の選択の余地はない」とした。弁護側は「被告の反省の態度は真摯で、更生意欲もある」などとして有期刑を求めた。
 判決理由で吉村裁判長は一連の犯行について、「被害者の人格を一顧だにせずに犯行を繰り返した極悪非道なもので、比類なきほど悪質な事案」と厳しく指弾。「路上で突然拉致され、性的暴行を受けるなど、被害者らは著しい精神的・肉体的苦痛を被った。将来にわたる精神的影響も懸念される。付近住民に強い不安感を与えたことも軽視できない」と述べた。 その上で、奥田被告については「事実上の主犯格として刑事責任は非常に重い。法定最高刑に処するのが相当」とし、「被告らは更生意欲がある」などとした弁護側の減刑主張を退けた。ほかの三被告については、「くむべき事情も認められ、無期懲役が相当とまでは言えない」とした。
備 考
 吉田聡志、中山豊、野沢俊幸各被告は、求刑無期懲役に対し、懲役20年の判決。奥田被告、野沢被告は控訴した。吉田、中山、野沢各被告に対し、検察側は控訴した。奥田被告は控訴取り下げ、確定。吉田、中山、野沢各被告は2006年2月24日、控訴棄却。

氏 名
柳貴士(29)
逮 捕
 2004年5月19日(詐欺などの容疑で指名手配後、出頭)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、死体遺棄、監禁他
事件概要
 無職柳被告は2004年2月6日午前3時半ごろ、埼玉県草加市の路上で、会社員の男性(当時42)と交通トラブルになり、男性から金品を奪おうとして殴ったうえ車に乗せ、さらに車内で暴行を加えた。柳被告は、その1時間後、東京都足立区の内装工高川晃一被告(監禁、死体遺棄罪などで公判中)ら2人を呼び、男性からキャッシュカードなどを奪い、預金のほぼ全額の約68万円を引き出した。さらにクレジットカードで貴金属約30万円相当を買った。その後、柳被告は帰宅し男性を車内に放置。約9時間後、男性は気道損傷による呼吸不全で死亡した。柳被告ら3人は同月11日夜に、千葉県本埜村の造成地に遺体を遺棄した。
 遺体は高川被告の供述で、5月25日に発見された。
裁判所
 さいたま地裁 中谷雄二郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月10日 無期懲役
裁判焦点
 初公判で柳被告は「最初からお金が目的でやったわけではない」「結果的に財布を車内で見つけたときにとる気になった」と話して強盗致死罪について否認した。
 検察官は、柳被告が事件を主導したと指摘し「男性が死に至るまでに抱いた恐怖、肉体的苦痛、絶望、無念さは察するに余りある」と厳しく非難した。
 弁護側は最終弁論で「財物を奪う手段としての暴行ではなく、強盗致死罪は成立しない」と主張した。
 中谷雄二郎裁判長は判決理由で「路上でのささいな、いさかいが発端で、誰もが遭遇しかねない凶悪犯罪」と指摘。「無残な形で埋められた被害者の無念さを思うと誠に痛ましい」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。2005年10月26日、被告側控訴棄却。

氏 名
小池始志(39)
逮 捕
 2002年6月25日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 暴力団組員小池始志被告は、同じ暴力団の幹部ら2人と共謀し、埼玉県川口市で2001年9月に仲間の韓国人男性が殺害された事件の報復を決意。10月10日午前6時ごろ、千葉県柏市の飲食店から出てきた韓国籍の日本人学校生(当時24)ら4人を犯人の一味と思い込み、学校生の左胸などに拳銃4発を撃ち込んで殺害した。学校生は小池被告らと面識はなかった。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月10日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか。
備 考
 2004年3月19日、千葉地裁で懲役20年判決。下山保男裁判長は「罪のない人間を殺害した、身勝手で残虐な犯行」だが「犯行の首謀者は松本被告で、小池被告は指示に従って殺害を実行した」とした。2005年1月27日、東京高裁で一審破棄、無期懲役判決。
 共犯の2人は懲役10〜20年とした実刑判決が同日確定。
 被害者の遺族は2005年2月、「代表者には使用者責任がある」と主張して住吉会代表者らを相手に損害賠償訴訟を起こした。2007年9月、東京地裁は約5900万円を支払うよう元会長ら5人に命じる判決を言い渡した。
 殺害を指示した容疑などで組長の平田正幸容疑者(52)は指名手配されている。2008年11月、平田容疑者は中国・上海市に潜伏していることが関係者の話で分かった。千葉県警もこの事実を把握しているが、日中間に犯罪人引き渡し条約がなく、捜査は手詰まりとなっている。

氏 名
栗田清一(56)
逮 捕
 2004年10月25日(死体遺棄容疑 別の傷害事件で逮捕済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、殺人未遂
事件概要
 新庄市の会社員栗田被告は、父親の葬儀代や家の改修費用、生活費などで消費者金融から借金を重ねた多重債務者であったため、同僚の会社員の男性(当時49)名義で消費者金融から融資を受けるため、男性に携帯電話の契約をして、預金口座を開設するよう依頼。男性は言われた通り、電話や通帳を準備した。
 2003年10月2日、栗田被告と男性は退社後、男性が借りていた新庄市内のアパートで飲酒していたが、男性から預金口座の目的について問い詰められた栗田被告はコードを使って男性を殺害。身分証明用に運転免許証などを奪った。栗田被告は遺体を男性の車で運び出し、胴体部分が発見された勤め先付近の田んぼにスコップで埋めた。
 犯行後、男性の車をJR新庄駅の駐車場に放置。翌朝に出社した際には、社長に対し「東京の親戚に不幸があり、2、3日休むそうだ」と無断欠勤の理由を告げ、列車で向かったような偽装工作をしていた。栗田被告は持ち出した免許証や携帯電話などを使って、実際に消費者金融数社に融資を申し込んだが、本人照会のため親族の名前を問われた際に答えられず、融資を受ける計画は失敗に終わった。
 栗田被告は遺体が見つかった際に身元確認を難しくするため、2004年3月ごろに遺体を掘り起こし、のこぎりで切断した頭部を自宅の庭に埋め直した。
 栗田被告はさらに別の元同僚の男性にうそをついてキャッシュカードなどを借り、2004年10月に鉄の棒で撲殺しようとした殺人未遂の罪にも問われた。
裁判所
 山形地裁 金子武志裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月13日 無期懲役
裁判焦点
 論告で検察側は、栗田被告が借金返済のために元同僚を殺害した経緯について、「家族に借金のことを知られたくないという虚栄心から、自分の土地を売るなどの方法もとっておらず、短絡的で身勝手な犯行」と指弾。遺体の頭部を切断し、自宅敷地内に埋めたことについても、「被害者の身元を隠すことを目的にした、非人間的で残忍な行為」とした。一方、弁護側は「借金は、父親の入院費用など家族のためのものだった」などと情状を説明。遺体の頭部切断についても「隠ぺい目的であれば、焼却などの処理をしていたはずで、供養が目的だった」と指摘した。
 金子裁判長は「同居生活を始める矢先に殺害され、後を追うようにして養母も今年2月に亡くなった。母子の無念さは計り知れない」と指弾。その後の殺人未遂事件についても「詐欺行為が発覚するのを恐れた短絡的な犯行」とし、「虚栄心を満たすために重大犯罪を重ねた刑事責任は極めて大きい」と、厳しく断罪した。また、公判中、栗田被告が「供養目的」と主張した遺体頭部の切断行為には「隠ぺい工作で、供養としても自己満足に過ぎない」と切り捨てた。
備 考
 

氏 名
田村好(64)
逮 捕
 2003年2月6日
殺害人数
 1名
罪 状
 逮捕・監禁、営利目的等略取誘拐、殺人、死体遺棄
事件概要
 栃木県鹿沼市内の産業廃棄物運搬業者社長は、長年にわたり鹿沼市の最高幹部や所管管理職に取り入って様々な権益を享受していた。しかし市長の交代に伴い、鹿沼市環境対策部参事に就いた幹部が、一般廃棄物の許可や不法投棄の防止などについて厳正に対応。社長は他の市幹部を脅したり、幹部本人を恫喝したりしたが、意のままにならなかったことから仕事が停滞し、逆恨みして殺害を決意。社長は下請け業者の佐々木京一被告に殺害を持ちかけた。佐々木被告は知人である暴力団組員田村好被告に報酬と引き替えの上で殺害実行を依頼。田村被告は知人の元暴力団組員Y被告と舎弟分のT元被告を誘った。
 2001年10月31日午後5時45分頃、3被告は鹿沼市上殿町の路上で、帰宅途中の幹部(当時57)を乗用車内に押し込み、11月1日午前3時ころ、群馬県高崎市もしくはその周辺の山中、または同県榛名町もしくはその周辺の山中で、田村被告とY被告がロープでその頸部を絞め付け、T被告が、拳銃で弾丸1発を発射して幹部の身体に命中させて殺害。Y被告及びT元被告が、幹部の死体を道路脇の断崖からがけ下に遺棄した。幹部の遺体はまだ見つかっていない。
 2003年2月6日、栃木県警はS元被告(当時48)、田村好被告(当時62)、Y被告(当時60)、T元被告(当時52)を逮捕した。同日午前8時25分頃、逮捕状を取っていた産業廃棄物運搬業者社長(当時61)の遺体が、鹿沼市池ノ森の工場建設予定地に駐車されたダンプカー内で見つかった。自殺と見られる。
 2月11日、殺害された幹部の前任者である元参事(当時53)が市役所新館から飛び降り自殺した。
裁判所
 東京高裁 植村立郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月15日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で田村被告は、男性を連れ去ったことは認めたが、その後、首謀者である元廃棄物処理会社社長に引き渡したとして、殺害と死体遺棄について一審同様無罪を主張していた。
 植村立郎裁判長は「共犯者に責任を転嫁する被告の供述は信用できない」と述べ、無期懲役とした一審・宇都宮地裁判決を支持、被告の控訴を棄却した。
備 考
 Y被告は一懲役17年(求刑20年)が最高裁で確定。T元被告は一審懲役14年(求刑18年)判決の確定後、病死した。S元被告は一審懲役18年(求刑20年)判決。控訴後取り下げ、確定。
 2004年7月15日、宇都宮地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年2月8日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
黒岩豊数(52)
逮 捕
 2001年11月29日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 無職黒岩被告は約2年間仕事がなく、消費者金融などに数百万円の借金があったため、2001年9月10日午前4時頃、大阪市住吉区の酒店に侵入。店舗兼住宅の1階で寝ていた店主(当時71)の首や胸を包丁で刺して殺害した。2階で寝ていた二女が物音に気付き、二人が格闘するのを見て大声を上げたため何も盗らずに逃走した。黒岩被告は数年前に現場近くのマンションに住む女性と交際していた当時、酒店に客として出入りし、被害者とは顔見知りだった。
裁判所
 最高裁第一小法廷 甲斐中辰夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月17日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 黒岩被告は逮捕段階から一・二審まで無罪を主張。
備 考
 2004年8月11日、一審無期懲役判決。2004年12月24日、被告側控訴棄却。

氏 名
村上隆史(31)/大平泰之(36)
逮 捕
 2003年6月6日(大平被告は出頭、村上被告は恐喝罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、建造物損壊他
事件概要
 山口組系暴力団員で飲食店経営の村上被告と無色大平被告は、氏名不詳のものらと共謀し、住吉会系暴力団幹部(当時59)の殺害を計画。2003年4月21日午前、宇都宮市の県営住宅駐車場で、村上被告が拳銃の弾4発を発射し、幹部を殺害した。当時山口組系と住吉会系の対立抗争事件により、4月から県内で4人が射殺されていた。
 村上被告は別の被告とともに、4月18日、暴力団事務所に拳銃を10数発発射、事務所や車を壊した。
 一連の抗争事件は、JR宇都宮駅東口の歓楽街の飲食店や風俗店を巡る利権争いが発端。栃木、群馬両県で住吉会系の組員ら計5人が射殺されるなど全国に拡大した。
裁判所
 宇都宮地裁 飯渕進裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月18日 無期懲役
裁判焦点
 村上被告は、大平被告らとの共謀を否認している。
 判決理由で飯渕裁判長は、村上被告が被害者に至近距離から拳銃4発を発射したことを指摘。「確定的殺意が推認される」と述べた。また、大平被告についても、殺害現場まで車を運転し、素早く逃走を図るなど「犯行をおぜん立てし、実行犯に勝るとも劣らない役割を果たした」などと述べ、殺害への共謀を認めた。
備 考
 両被告とも控訴した。2006年2月21日、東京高裁で一審破棄、懲役20年判決。上告せず、確定か。

氏 名
猪瀬武夫(63)
逮 捕
 2003年9月25日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 宇都宮市の暴力団幹部猪瀬被告は、元暴力団組長(当時55)の殺害を計画。生活の面倒を見ていた李正宇被告(求刑無期懲役に対し、一審懲役20年判決)に命じ、2003年7月10日午前2時半頃、宇都宮市内のホテルで元組長を拳銃で射殺させた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月17日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 猪瀬被告は容疑を否認している。
備 考
 2004年10月7日、宇都宮地裁で一審無期懲役判決。2005年3月、被告側控訴棄却。

氏 名
伊原康介(25)
逮 捕
 2003年1月12日(窃盗罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 無職伊原康介被告は、2003年7月31日午後9時〜10時の間、東京都文京区のアパート2Fに住む無職女性(当時84)方に侵入。女性の口にタオルを押し込み窒息死させたうえ、現金約5000円入りの財布を奪った。
 伊原被告は2001年9月からこのアパートに住んでおり、31日は家賃を含めた借金10万円の返済期限だった。1ヶ月後の8月31日に、別の住人の女性宅から現金約8万円を盗んだとして、逮捕、起訴されていた。さらに別の2件の窃盗罪でも追起訴されている。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月17日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 伊原被告は無罪を主張。
備 考
 2004年3月29日、東京地裁で一審無期懲役判決。2004年12月21日、被告側控訴棄却。
 2015年6月24日、伊原受刑者は東京地裁に再審請求した。日本弁護士連合会が支援している。

氏 名
松浦道伸(50)
逮 捕
 1999年11月15日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂
事件概要
 元暴力団幹部で、札幌の中古販売店オーナー松浦道伸被告は、仕事上で付き合いのあった木古内町にあるスナック経営者の男性の保険金殺人を計画。企業保険や生命保険など約9000万円を掛けた上、元従業員の男性ら2名(殺人未遂で有罪確定)に殺害を指示した。2人は1998年10月18日深夜、千歳市内の路上で網野さんをトラックではねたが、未遂に終わった。
 さらに松浦被告は、別の従業員で、暴力団組員暴力団組員3人に謝礼金を支払う条件で殺害を指示した。3人は1998年11月15日、木古内町の山林で止めた乗用車内で、経営者の首を絞めて殺害した。
裁判所
 最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 松浦被告は一・二審で無罪を主張している。
備 考
 2002年10月21日、札幌地裁で一審無期懲役判決。2004年9月28日、被告側控訴棄却。

氏 名
カンソ・マルコ・アントニオ・カルドーソ(29)
逮 捕
 2003年1月30日(窃盗罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、窃盗、強盗致傷他
事件概要
 名古屋市に住むブラジル国籍の無職カンソ・マルコ・アントニオ・カルドーソ被告は、コロンビア国籍の無職ヘスス・アントニオ・ナテス・リンコン被告(二審無期懲役が確定)、他の外国人2名とともに、2002年8月31日午後11時40分頃、愛知県七宝町に住む贈答品販売会社社長(当時65)宅に押し入り、社長夫婦を粘着テープで縛り、スタンガンを押しつけるなどして現金約258万円を奪って逃げた。社長は粘着テープで口と鼻をふさがれ、病院に運ばれたが、窒息により死亡した。両被告は奪った金の分け前を本国の家族に送金した。
 2被告は名古屋市内の外国人がよく集まるバーで、別のコロンビア人らしき2人から誘われた。他の2人は既に海外へ逃亡した可能性がある。
 他に2001年11月30日午前、別のブラジル人男性2人(起訴済)と共謀し、名古屋市中区のコンピューターソフト開発会社に押し入り、社長の顔に催涙スプレーをかけて現金約40万円を奪い、粘着テープで目隠しするなどして逃走した。
 2被告らは2001年11月からの約1年間に、愛知県内で現金や貴重品など計約900万円相当を盗んだり奪うなどした。
裁判所
 最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか。
備 考
 2004年8月20日、一審無期懲役判決。2005年2月17日、被告側控訴棄却。

氏 名
本村政夫(61)
逮 捕
 2003年12月12日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄他
事件概要
 長崎県西有家町の重機運転手本村被告は2003年11月29日午前1時頃、同居していた女性(当時54)と、別れ話をしていて口論となり、女性の首を絞めて殺害。現金47000円とキャッシュカードなどを奪った。その後、車で遺体を同県布津町にある当時働いていた工事現場に運び、重機で埋めた。2人は2003年春から一緒に暮らしていた。
裁判所
 長崎地裁 林秀文裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月22日 無期懲役
裁判焦点
 林裁判長は判決で「被害者が家出したように見せかけるなど、犯行後の行動も非常に悪い。被害者が受けた無念さは計り知れず、酌量の余地は全くない」と述べた。一方、本村被告は法廷で判決に先立ち「被害者に申し訳なく思っており、死刑にしてほしい」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。被告側の代理人は「被告は死刑にしてほしいと言うほど反省しているので、量刑面で酌量を求めたい」と控訴の理由を話した。

氏 名
村山大輔(22)
逮 捕
 2004年10月14日(別の強盗傷害容疑で逮捕済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗致傷他
事件概要
 埼玉県鶴ケ島市の塗装工村山大輔被告は、2004年6月〜8月、埼玉県熊谷市で知り合いの中学生らと共謀し、自転車や通行人をいきなり金属バットで殴り、現金を奪う強盗事件を6件起こした。
 村山被告は塗装工の少年(当時18 少年院送致)、中学三年生2名(ともに当時15 少年院送致)と弟である中学二年生(当時13 少年院送致)と共謀し、2004年7月29日午前1時頃、熊谷市の市道で、車が脱輪して助けを求めていた男性(当時65)を、金属バットで殴って所持金約13万円を奪い、脳挫傷で死亡させた。
 村山被告は生活費欲しさから「13歳以下なら逮捕されない」などと言って少年らに金属バット強盗を実行させていた。一連の連続強盗事件では、村山被告を除き少年5人を含む7人が逮捕されている。
裁判所
 さいたま地裁 福崎伸一郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月27日 無期懲役
裁判焦点
 弁護側は「殺人についての確定的な故意はなかった」と主張していた。
 福崎伸一郎裁判長は「自分が手を下せば重い刑事責任を問われると、少年らに実行行為を担当させ、狡猾極まりない」「犯罪で金を得ようとしたのは身勝手、無思慮、反社会的な発想で、厳しい非難に値する」として求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 被告側は控訴した。2005年10月31日、被告側控訴棄却。

氏 名
安永(31)
逮 捕
 2002年10月23日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反他
事件概要
 中国籍の日本語学校生、安永被告は2002年9月27日午後7時頃、中国人グループのメンバーと共謀し、新宿区歌舞伎町の喫茶店で暴力団幹部2名を拳銃で撃ち、1人(当時34)を死亡させ、1人に大怪我を負わせた。
 黒竜江省出身の金石容疑者らを中心として、パチンコ店での窃盗や強盗事件などに関与する十人前後のマフィアグループと、死傷した幹部二人が関係する暴力団の組員らが、事件直前に別の飲食店でトラブルになっていた。両グループが現場の喫茶店で話し合いをしようとした矢先に、金容疑者らが計画的に発砲した。
裁判所
 東京地裁 村瀬均裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月29日 無期懲役
裁判焦点
 安永被告は逮捕時、「現場には行ったが撃っていない」と供述している。
 村瀬均裁判長は「犯行は残虐で、国内有数の繁華街で起きた事件の社会的影響は大きい」「残虐な犯行で、所属していた中国人不良グループの体面を守ろうとした動機にも酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 国際手配されていた主犯格の金石容疑者は2003年3月末に中国で拘束。日中間には身柄引き渡し協定がなく、中国は、自国の法律に基づき、国外犯として男を代理処罰するとみられる。
 本事件では他に8人の中国人が逮捕されていて、連曙光被告、蘇旭東被告は一審無期懲役判決、控訴中である。被告側は控訴した。2006年4月19日、被告側控訴棄却。

氏 名
竹山裕二(38)
逮 捕
 2004年11月16日(建造物侵入などの疑いで逮捕済み)
殺害人数
 2名
罪 状
 現住建造物等放火、殺人、現住建造物等放火未遂、非現住建造物等放火、常習累犯窃盗他
事件概要
 宮崎市の会社員竹山被告は2004年5月27日午前0時半ごろ、宮崎市永楽町に住む輸入タイル取次業の男性(当時48)方に侵入。1階で現金約56万円が入ったバッグを盗んだ後、ライターで火をつけ、木造2階建て延べ約200平方メートルを全焼させ、妻(当時46)と二女(当時12)を焼死させた。この火災では、隣接する住宅4棟も全半焼した。
 その他、竹山被告は2003年11月24日午前0時半ごろ、宮崎市の女性方の車庫にあった新聞紙にライターで火をつけ、外壁の一部を焦がした。また、2004年2月25日午前0時ごろ、同市の男性が所有する木造平屋倉庫内にあった紙袋にライターで火をつけ、倉庫約48平方メートルを全焼させた。他に2003年1月〜2004年6月、同市や野尻町で2件の現住建造物等放火、同未遂事件などを起こした。
裁判所
 宮崎地裁 浦島高広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月30日 無期懲役
裁判焦点
 論告求刑で検察側は「仕事で怒られうっぷんがたまったという動機に酌量の余地はない。無差別的な犯行で再犯の恐れがある」と述べた。最終弁論で弁護側は「二度と繰り返さないという被告の決意は信用できる」として寛大な判決を求めた。
 浦島裁判長は「2人の死者が出た後も犯行に及ぶなど常習性は顕著」と指摘。「就業態度を職場で注意されたり、借金に困ったりしたうっぷんを晴らすという動機は自己中心的。生きながら焼かれた被害者の苦痛は想像を絶する」と非難した。
備 考
 論告求刑に先立ち証言台に座った被害者の男性は意見陳述で、「非常に憎い。なぜ火を付けたのか理解できない。どうやって2人を返してくれるのか。二度と社会に出さないでほしい」と厳しい処罰感情をのぞかせた。更に、被告が常習累犯窃盗罪にも問われ、窃盗罪で服役していたことに触れ「(被告が)出所した後、もっとマークしていれば事件は起きなかった。国にも責任がある」と話した。裁判後、男性は求刑について「無期懲役では、いつか社会に出てきてしまう」と不満を表し、極刑を望んだ。
 控訴せず、確定。

氏 名
伊藤白水(51)
逮 捕
 2002年10月26日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 右翼活動家伊藤被告は2002年10月25日、民主党衆議院議員(当時61)の自宅前で議員を刺殺した。伊藤被告は家賃を3年間分・約200万円を滞納、10月17日に世田谷区のアパートを強制退去させられるなど経済的に逼迫しており、以前から面識のあった議員に助けてほしいと頼んだが、断られたのが動機と供述している。
裁判所
 東京高裁 田尾健二郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年6月30日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で伊藤被告側は「自分の紹介で多額の現金を用立てたのに、恩をあだで返されたことなどが動機。この動機を退けた一審判決には事実誤認がある」などと主張していた。
備 考
 検察側によると、国会議員の殺害は戦後、4件起きたが、他の事件は容疑者が自殺するなどしており、判決は初めて。
 2004年6月18日、一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年6月30日、被告側控訴棄却。2005年11月15日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
佐野和幸(44)/亀野晋也(29)
逮 捕
 2000年5月16日
殺害人数
 4名
罪 状
 窃盗、現住建造物等放火、殺人、殺人未遂、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、暴力行為等処罰に関する法律違反
事件概要
 重機オペレータ佐野被告と無職亀野被告は暴力団員堀健一容疑者(34 指名手配中)と共謀して、神戸市などで展開しているテレホンクラブチェーンの襲撃を計画。2000年3月2日午前5時5分頃、盗んだナンバープレートを付けた乗用車で神戸駅前店に乗りつけ、一升瓶で作った火炎瓶1本を店内に投げ込んで同店の一部を焼き、店員1人に軽傷を負わせた。10分後には東約1キロの元町店に2本を投げ込んでビル2、3階部分計約100平方メートルの同店を全焼させ、男性客4人を一酸化炭素中毒で殺し、店員ら3人に重軽傷を負わせた。
裁判所
 大阪高裁 近江清勝裁判長
求 刑
 佐野被告:死刑 亀野被告:無期懲役
判 決
 2005年7月4日 無期懲役(検察・被告側控訴棄却)
裁判焦点
 両被告側は控訴趣意書で「死者が出たのは店の防災設備の不備のためで、脅迫か営業妨害程度しか考えておらず、殺意はなかった」などと主張。
 検察側は佐野被告について、「4人を殺害した事件の主犯格で、死刑以外に選択の余地はない」と控訴していた。
 近江裁判長は、一審判決と同様、両被告に「未必の殺意があった」と認定したうえで、「計画的で悪質な犯行だが、何者かに依頼され、報酬目的で店の営業を妨害するのが主な目的だった。殺害方法は執拗とはいえず、死刑選択の基準を満たさない」と指摘。死刑を求刑された佐野被告も無期懲役とした一審判決は相当との判断をした。
備 考
 2003年11月27日、神戸地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。検察側は上告断念。2006年11月14日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
上原聖鶴(37)
逮 捕
 2003年2月26日(傷害容疑)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、傷害致死、死体遺棄他
事件概要
 上原聖鶴(せいかく)被告は2001年1月頃、無職女性(懲役8年が確定)の弟と知り合って金をたかるようになり、弟は総額約2000万円を渡した。また2002年6月、上原被告らは静岡県伊東市の貸別荘で弟夫婦らを監禁、暴行し金を要求している。弟夫婦らが警察に保護されると、無職女性とともに母親(当時53)に「息子に金を貸しているのに返さない」と連絡し、呼びだした。以後母親は行方不明に。
 上原被告らは集団で静岡県や栃木県などで放浪生活を続けていた。2002年10月28日、長野県白馬村で上原被告は男子学生(当時21)、無職女性と共謀して母親の体を踏み付けるなどして殺害。11月21日には、長野県内で神奈川県厚木市の男子学生に頭をけるなどして死亡させた。2003年2月中旬、上原被告、高根沢受刑者は男子学生の知人である無職男性2名(ともに懲役10月執行猶予3年が確定)とともに2遺体を甲府市内のアパートに遺棄した。上原被告は2001年6月26日、弟夫婦らに対する傷害容疑で指名手配されていた。
裁判所
 東京高裁 田尾健二郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月7日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 女性殺害について上原被告は「殺意はなかった」と主張していたが、田尾裁判長は「執拗で激しい犯行態様から、殺意があったのは明らか」などと退けた。また被告側は「遺体が発見できたのは自首したから」と主張したが、田尾裁判長は「自ら進んで処罰を求めたとは認められず、自首には当たらない」として退けた。
備 考
 2004年2月5日、静岡地裁沼津支部で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年11月29日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
高麗健太(28)
逮 捕
 2004年9月15日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、住居侵入、銃刀法違反
事件概要
 無職高麗(こうま)被告は2004年9月3日午後1時半ごろ、スロットなど遊びの借金50000円を返済するために金を奪おうと、向かいに住む埼玉県上里町の家に町内会の人を装って訪れたが、応対した家の主婦(当時38)に怪しまれたため、玄関で首や胸、背中を折りたたみナイフで刺した後、タオルで首を絞めたり台所の食器を頭にたたきつけて失血死させ、現金約13000円が入った財布と通帳などを奪った。高麗被告は主婦と面識がなく、主婦が自動車で帰宅したのを自宅2階の自分の部屋から目撃し、ナイフで脅して金を奪おうと思い立ったものである。高麗被告は女性方から奪った現金をスロットなどに使った。
裁判所
 さいたま地裁 中谷雄二郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月8日 無期懲役
裁判焦点
 高麗被告は起訴事実について「間違いないです」と認めた。
備 考
 被告側は控訴した。2005年11月18日、控訴取り下げ、確定。

氏 名
飯田英二(45)
逮 捕
 1997年5月7日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、現住建造物等放火他
事件概要
 元政治団体員飯田英二(いいだ・ひでじ)被告は1997年4月17日未明、政治団体員の男性(一審懲役15年)、隣に住む女性(一審懲役12年)と共謀して大阪府門真市の無職女性(当時64)方に侵入。物色中に目を覚ました女性の胸などを刃物で刺して殺害し、数万円を奪った。さらに2日後、3人は女性の夫(一審懲役7年)と共謀、証拠隠滅のため、灯油をまいて放火した。
裁判所
 最高裁第三小法廷 上田豊三裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月13日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 逮捕当初から無罪を主張。共犯の男性は逮捕当初から罪を認めている。隣人の夫婦は、逮捕当初は犯行を認めていたが、一審から無罪を主張していた。
 一審大阪地裁の判決で、裁判長は「夫婦の捜査段階での自白は、主要な客観証拠とも合致し、信用性が高い」と無罪主張を退けた。
 最高裁でも無罪を主張したかどうかは不明。
備 考
 2001年1月24日、大阪地裁(上垣猛裁判長)で一審無期懲役判決。二審判決日不明。

氏 名
宮地恒雄(40)
逮 捕
 2004年7月20日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、強姦致死、わいせつ目的略取他
事件概要
 高知県出身の無職宮地恒雄(こうゆう)被告は、2004年7月19日午後11時すぎ、愛媛県松野町の路上で自転車を押し歩いていた女性(当時19)にレンタカーを衝突させ、気絶させたうえで乱暴目的で車内に連れ込んだ。女性を車で連れ去った後騒がれたため、高知県大正町の山中に止めた車内で首をロープで絞めて殺害した。
 宮地被告は20日午前10時10分頃、大正町内の民家で電話を借り、高知県警窪川署に通報した。駆けつけた捜査員が同町下藤蔵の林道わきの空き地で、遺体を乗せたレンタカーと宮地被告を発見した。
裁判所
 松山地裁 前田昌宏裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月14日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「計12年以上も施設内で矯正教育を受けながら、逆に犯罪性を深めている」などと宮地被告を非難した。無期懲役の求刑について松山地検は「同種事件の求刑を考慮して決めた。被告に改善の余地がなければ刑務所から出てこないので(再犯性の問題との)齟齬はない」としている。
 宮地被告は公判で殺意を否認したうえで、「同様の犯行を二度としない」などと謝罪した。弁護側は「犯した罪の重大さを認識し、更生の意欲が芽生えている」と寛大な判決を求めていた。
 判決理由で前田昌宏裁判長は「冷酷かつ残忍な犯行で、長期間服役した反省は全く生かされていない。被害者の受けた絶望や屈辱は筆舌に尽くし難い」と述べた。
備 考
 宮地被告は1988年に下校中の女子高生(当時16)への強姦致傷事件などで懲役4年6ヶ月の実刑判決を受けた。1997年4月、愛媛県日吉村で女子高生への強姦致傷罪などで懲役7年の実刑判決を受け、2004年7月12日に出所していた。それ以前にも1回性的事件を起こして服役している。
 遺族側は極刑を求めていた。
 逮捕直後に被告に接見した弁護士は、「受刑者の社会復帰のための教育が不十分だ」と訴えた。宮地被告も、公判の中で検察側の質問に答え、「(矯正を目的とした)刑務所での生活は意味がなかった」と述べている。
 被告側は控訴した。2005年9月、本人控訴取り下げ、確定。

氏 名
村上勝広(61)
逮 捕
 2001年1月26日
殺害人数
 1名
罪 状
 電磁的公正証書原本不実記録,同供用,詐欺未遂,殺人未遂、詐欺、殺人
事件概要
 建設会社の実質的オーナー村上勝広被告は、同社社長の男性(45 殺人の罪で懲役18年が確定)と共謀し、保険金目当てで同社役員の女性(当時38)の殺害を計画。2000年11月29日朝、男性に「(女性と一緒に)死んで金をつくれ」「やらないとおまえがやられる」と脅し、ナイフで女性を殺害させた。
 建設会社は1989年頃から女性の夫が社長を務めていたが、1999年11月に不渡りを出すなど経営が悪化し、村上被告の運送会社が資金援助をしていた。村上被告は、9月頃に女性に掛けた生命保険金1億5000万円をだまし取ろうとしたが、未遂に終わった。
 女性2被告は、女性役員宅に実行犯男性を送るなど犯行に加担した上、証拠隠滅を図ったとされた。
裁判所
 札幌高裁 長島孝太郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月14日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 村上被告、共犯として起訴されていた女性2被告(いずれも殺人の罪で懲役5年を求刑)は、社長の男性による単独犯行であると無罪を主張。
 判決理由で長島裁判長は「一審判決の認定に誤りはない」などとし、勝広被告の無罪主張を退け、一方で、女性2被告に対しては「被害者が殺害されるかもしれないと思ったという捜査段階での二人の供述は信用できる」として、一審の無罪判決破棄を求めた検察側の主張を認めた。
備 考
 2004年3月18日、札幌地裁で一審無期懲役判決。女性2被告は一審で無罪が言い渡されたが、二審では殺人ほう助で懲役3年、執行猶予5年の逆転有罪判決が言い渡された。被告側は上告した。2007年1月22日、被告側上告棄却、確定。共犯の女性2被告の上告も棄却された。

氏 名
中島秀雄(48)
逮 捕
 2004年9月29日(現行犯逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人
事件概要
 無職中島被告は2004年9月29日夕方、飲酒して泥酔状態になり、病院から自宅に送り届けられたが、午後7時40分ごろ、同居の母親(当時75)に「おまえのばかは死んでも治らない」となじられたことに激高。台所にあった包丁で首を数回刺して殺害。さらに制止しようとした父親(当時78)の首や胸を刺し失血死させた。
 事件後、自ら「両親を今殺した。すぐに来い」と110番通報した。
 中島被告は以前からアルコールに依存し、大量に飲酒しては路上や飲食店で寝てしまって警察に保護されたり、勤務先の解雇や、借金で購入したマンションを失ったり、十分に勤められるかどうか自信の持てないホテルの夜間勤務に就くなどの要因から、自尊心を維持するのが容易ではない危機的な状況にあった。
裁判所
 さいたま地裁 福崎伸一郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月14日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「自己中心的で短絡的な動機で、両親の首を数回刺すなど残忍かつ悪質な犯行」として無期懲役を求刑した。
 弁護側は「多量のアルコール摂取などで当時は意識がなく、心神喪失もしくは心神耗弱で、完全責任能力はない」と主張した。これに対し検察側は「犯行当時の状況を克明に記憶し、自分で110番している。簡易鑑定でも責任能力が認められた」とした。
 福崎裁判長は「精神疾患にり患していなかったとする捜査段階の精神鑑定は信頼できる。自宅に送り届けられても目を覚まさずに土間にうずくまる醜態をさらし、母親に非難の言葉を言われると裏切られたと憤激して殺害を決意したという動機は身勝手、短絡的。酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 

氏 名
金東錫(45)
逮 捕
 1995年9月29日(恐喝容疑で起訴済み)
殺害人数
 2名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄他
事件概要
 無職金東錫(はるせき)被告は会社役員浜川邦彦被告と共謀し、1994年7月19日午後1時頃、三重県鈴鹿市の保険代理業(当時36)を市内の産廃処分場に誘いだし射殺。アタッシュケースや時価約400万円の乗用車を奪うとともに、奪った預金通帳から現金1000万円を引き出した。遺体を21日午前6時頃、三重県久居市の造成地にパワーショベルを使って埋めた。
 さらに1994年10月27日、鈴鹿市内で金融業を営む男性に対し拳銃を突きつけ、約束手形の差し入れと引き替えに現金100万円を脅し取った。
 1994年11月20日、金被告、浜川被告は男性(一審懲役8年が確定)と共謀し、三重県小俣町の輸入販売業(当時63)を伊勢市内の空き地に呼び出し射殺。手提げ鞄や乗用車、宝石、預金通帳などを奪い、通帳から247万円を引き出すとともに、クレジットカードで商品を騙し取った。遺体は22日、久居市の造成地に埋めた。
裁判所
 最高裁第二小法廷 津野修裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年7月15日 無期懲役(検察側上告棄却、確定)
裁判焦点
 検察側は上告趣意書で、連続射殺事件の永山則夫元死刑囚=97年執行=に対する83年の最高裁判決が死刑選択の一般的基準として、犯行の罪質、動機、態様などと並んで「殺害された被害者の人数」を挙げていることを指摘。
 「(永山判決から2000年の上告時までに)被害者2人を別々に殺害した同種事件7件の被告には、すべて死刑が言い渡されている」として、「特段の理由もないのに死刑を選択しなかった一・二審は最高裁判例に実質的に相反するうえ、国民大多数の正義感や、裁判に対する国民の信頼感を著しく損なう」と死刑を強く求めた。
 裁判長は金被告の2つの犯行について、「大金目当ての著しく悪質な犯行」と指摘。その一方で、<1>常に主導的な役割を果たした浜川被告に比べれば、積極的な犯行ではない<2>進んで詳細な自供をした<3>同種の前科がない――などの事情があるとし、「死刑の選択を十分考慮しなければならない事件だが、一・二審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとまでは認められない」と述べ、死刑が相当だとした検察側の上告を棄却する決定をした。
備 考
 浜川邦彦被告は一・二審死刑判決、上告中。
 1998年6月3日、一審津地裁で無期懲役判決。2000年12月20日、大阪高裁で検察側控訴棄却。

氏 名
山田貴士(33)
逮 捕
 2004年12月12日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗
事件概要
 無職山田被告2003年8月7日午後3時頃、北海道函館市のマンション地下物置で、知人の女性(当時18)の首を絞めて殺害し、現金約7000円などを奪った。山田被告は消費者金融に借金があり、女性から借金返済を要求されていた。
裁判所
 函館地裁 園原敏彦裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月19日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「(女性に対する)金の返還から免れ、さらに金品を奪い取る目的で、首を電線で計37回も絞めて殺すなど、残忍で凶悪。被害者の無念、遺族の失意は計り知れず人命軽視も甚だしい」と指摘した。
 園原敏彦裁判長は「あまりに自己中心的で、生命軽視も甚だしい」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 

氏 名
金在宇(40)
逮 捕
 2002年10月23日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反他
事件概要
 中国人マフィアグループのナンバー2である金在宇(ジン・ザイユイ)被告は2002年9月27日午後7時頃、中国人グループのメンバーと共謀し、新宿区歌舞伎町の喫茶店で暴力団幹部2名を拳銃で撃ち、1人(当時34)を死亡させ、1人に大怪我を負わせた。
 黒竜江省出身の金石容疑者らを中心として、パチンコ店での窃盗や強盗事件などに関与する十人前後のマフィアグループと、死傷した幹部二人が関係する暴力団の組員らが、事件直前に別の飲食店でトラブルになっていた。両グループが現場の喫茶店で話し合いをしようとした矢先に、金容疑者らが計画的に発砲した。
裁判所
 東京地裁 村瀬均裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月20日 無期懲役
裁判焦点
 金在宇被告は逮捕時、「現場には行ったが撃っていない」と供述している。
 瀬均裁判長は「中国人グループの体面を守ろうとした動機に酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 国際手配されていた主犯格の金石容疑者は2003年3月末に中国で拘束。日中間には身柄引き渡し協定がなく、中国は、自国の法律に基づき、国外犯として男を代理処罰するとみられる。
 本事件では他に8人の中国人が逮捕されていて、連曙光被告、蘇旭東被告、安永被告は一審無期懲役判決、控訴中である。

氏 名
山田敦(44)
逮 捕
 2005年2月18日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、住居侵入、窃盗
事件概要
 青森市のアパートに住む無職山田被告は、2005年2月8日午後5時頃、アパートの2階に住んでいた知人の男性(当時47)の部屋に、金品を奪う目的で侵入。ギターのケーブルで男性の首を絞め、窒息死させた。その後、男性の郵便貯金のキャッシュカードや印鑑などを奪い、ATM(自動現金受払機)で2万円を引き出した。
裁判所
 青森地裁 高原章裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月21日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「山田被告はパチスロなど無計画な浪費で生活に困窮し、目先の金欲しさに何の躊躇もなく犯行に及んだ」と動機を説明。男性が1人暮らしであることや交際範囲が狭いこと、山田被告と顔見知りで侵入しやすいことから「確実にかつ安全に金品を取るために冷静に考慮したうえでの計画的犯行だった」と指摘した。
 弁護側の最終弁論もあり「自ら出頭したことなどを配慮して適切な判断を」と情状酌量を求めた。山田被告は「申し訳ないという言葉では言い表せないほどの深いおわびの気持ちをささげたい」と話した。
 高原裁判長は 「パチスロなどの遊興費で生活に困って強盗を計画したもので、動機は身勝手で短絡的。 酌量の余地は全くない」とした。
備 考
 

氏 名
紺野道明(30)/堀籠一也(25)/菊池和人(33)
逮 捕
 紺野被告:2002年6月19日(高橋被告ととも 死体遺棄容疑)
 堀籠被告:2002年6月21日(器物損壊事件などで服役中)
 菊池被告:2002年6月21日(詐欺事件などで逮捕済み)
殺害人数
 2名
罪 状
 強盗殺人、殺人、死体遺棄
事件概要
 宮城県の山口組系暴力団幹部高橋(旧姓石川)秀(すぐる)被告は、同じ幹部の本嶋健、堀篭一也、紺野道明、組員菊池和人各被告と共謀。2001年1月頃、仙台市内の駐車場で、組を脱退しようとした男性(当時25)を暴行し、コンクリートブロックなどの重しを付けて福島県相馬市の相馬港の海中に生きたまま投げ込み殺害した。
 高橋被告と本嶋被告は、仙台市に住む貸金業の男性(当時36)の依頼で取り立てた約200万円を着服。返済を求められたため、返済を免れて所持金を奪おうと他の3被告を誘い、2001年2月3日夜、宮城県名取市の駐車場の車内でひもを使って絞殺。男性の所持金約30万円を奪い、遺体にコンクリートブロックを結び付けて仙台市宮城野区の仙台新港に捨てた。
裁判所
 仙台高裁 田中亮一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月26日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 一審で3被告は殺意・強盗目的を否認。弁護側は強盗目的や殺意を否認、暴力団特有の上下関係に逆らえない事情があったなどとして情状酌量を求めていた。
 二審で田中裁判長は「反省はしているが、情状酌量は認められない」と述べた。
備 考
 首謀者の高橋被告は一・二審で求刑通り死刑判決、上告中。本嶋健被告のみ控訴取り下げ、確定。2004年3月25日、一審無期懲役判決。被告側は上告するも棄却され、無期懲役判決が確定している。

氏 名
渡辺誠(28)
逮 捕
 2004年11月6日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗他
事件概要
 無職渡辺被告は2004年4月17日午後6時45分頃、長野県塩尻市のビデオ店に押し入り、抵抗してきた経営者の男性(当時68)をナイフで2回刺して殺し、現金47000円などが入ったバッグを奪った。
 2004年7月2日午後2時50分ごろ、塩尻市の路上で、自転車に乗っていた女性(63)から、現金7000円入りのバッグをひったくった。その他、2003年10月から2004年10月までの間、塩尻市や松本市の路上で24件のひったくりをした。
 渡辺被告は数年前から塩尻市内の派遣会社に勤めていたが2004年初めから定職がなく、金に困っていた。
裁判所
 長野地裁 土屋靖之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年7月28日 無期懲役
裁判焦点
 論告で検察側は「確定的な殺意は明らか。自首したのも後悔した上での行動ではなく、所持金や住む場所がなかったためだった」と指摘。弁護側は未必の故意を主張するとともに、渡辺被告が自首し、捜査に協力したことなどを挙げて情状酌量を求めた。
 判決は傷の位置や深さに加え、男性に抵抗されて最初に刺した際、意識的にナイフを突き出したことを認める供述をしていることから、「1回目に刺した時点で未必の故意があり、2回目に刺した際はさらに確定的な殺意があった」と認定。その上で、動機について「風俗店やパチスロの遊興費を得るためにひったくりを繰り返し、一挙に大金を手に入れるため強盗殺人に及んだ」と指摘した。
 弁護側が自首による減刑を主張した点については、「犯行の半年後、同棲相手の住居を退去せざるをなくなったため、行き場に困って出頭した経緯から相当でない」とした。
備 考
 弁護側は閉廷後「被告と話し合い、控訴しないことにした」と明らかにした。

氏 名
白浜肇(61)
逮 捕
 2003年3月10日
殺害人数
 3名
罪 状
 殺人、現住建造物等放火他
事件概要
 松戸市の会社員白浜被告は2002年12月8日午前6時半ごろ、かつて交際していた松戸市稔台の女性方を訪問。しかし女性が不在であったため、他の男性に会いに出掛けたと腹を立て、1階にあった石油ファンヒーターの灯油をまいてライターで放火。木造2階建て住宅約100平方メートルを全焼させ、2階で寝ていた女性の母(当時78)、女性の長女(当時24)、長女の長男(当時3)を焼死させた。白浜被告は、女性が勤めているスナックの常連客だった。女性は孫を連れて散歩していたため無事だった。
 白浜被告は2002年11月、女性が勤めているスナックで傷害事件を起こし、2003年2月中旬に逮捕、起訴されていた。

裁判所
 東京高裁 安広文夫裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年8月2日 無期懲役(検察側控訴棄却)
裁判焦点
 安広裁判長は「3人の命を奪った極めて残酷な犯行で被害者の苦しみは筆舌に尽くしがたい」とした上で、「事前に計画したものではなく、衝動的な犯行で、3人の死亡を積極的に望んだものではない」と指摘。「白浜被告の殺意は(死ぬかどうかわからないが、死んでもかまわないという)未必的なものにとどまる」と判断した。
備 考
 2004年9月27日、千葉地裁松戸支部で一審無期懲役判決。上告せず確定。

氏 名
森健充(48)
逮 捕
 2002年11月16日
事件当時年齢
 45歳(逮捕時)
殺害人数
 2名
罪 状
 現住建造物等放火、殺人
事件概要
 元府警巡査で大阪刑務所刑務官森健充被告は、2002年4月14日、大阪市平野区の4階建てマンション3Fに住む養子の会社員宅にて、会社員の妻(当時28)の首を犬の散歩用のひもで絞めて殺害し、長男(当時1)を水を張った浴槽に沈めて水死させた。さらに部屋に火をつけ、42平方メートルを全焼させた。
 森被告は会社員の母親の再婚相手で養子縁組をしていた。また会社員が事業資金として借りた2000万円のうち500万円の連帯保証人となっていた。森被告は夫婦の生活に干渉したり、脅迫やセクハラまがいのメールを会社員の妻に再三送信したり、性的嫌がらせを続けていたが相手にされずトラブルとなっていた。

裁判所
 大阪地裁 角田正紀裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年8月3日 無期懲役
裁判焦点
 森被告は捜査段階から犯行を否認。任意の取り調べでは一時、事件当日にマンションに立ち入ったことを認めたが、翌日に多量の睡眠導入剤を服用する自殺未遂を起こし、逮捕後は黙秘を貫いた。公判で森被告は「マンションに入ったことは一度もない」「被害者に恋愛感情はなく殺す動機がない。捜査機関が私を犯人であるというストーリーにはめこんだ」と主張。弁護側は、▽吸い殻は事件当日に捨てられたとは限らず、DNA鑑定結果も信用できない▽住民の目撃証言は詳細すぎて不自然――などと訴えていた。
 直接証拠もないため、検察側は事件当日に現場近くで目撃されていることと、マンション階段の灰皿で見つかったたばこの吸い殻の唾液成分が被告のDNA型と一致したとする鑑定を提出するなど状況証拠を積み重ね、「犯人は被告以外にあり得ない」と結論づけた。
 判決では、「DNA鑑定や目撃証言などから、被告が事件当日、現場マンションに立ち入ったと考えられ、犯人性を強く推認させる」と状況証拠の信用性を認め、弁護側の無罪主張を退けた。
 量刑理由で角田裁判長は「犯行は残忍かつ冷酷で、動機に酌量の余地はない」としたが、被告なりに被害者宅の金策に走り回るなど一家のために尽力していた▽犯行までの16年間を刑務官としてまじめに勤務しており、改善・更正の余地がないとはいえない――などと指摘。「究極の刑罰である死刑の選択にはなおちゅうちょを感じる」などと無期懲役とした理由を述べた。
備 考
 森被告は2002年8月、大阪府警の事情聴取中に自白を強要され、暴行や脅迫でけがをしたとして、特別公務員暴行陵虐致傷容疑で大阪地検に告訴状を提出。9月には大阪府に慰謝料を求め提訴した。
 森被告に対し法務省は懲戒免職処分とはしなかったが、「悪質かつ重大な犯行で、給与支給は到底国民の理解を得られない」として無給としていた。しかし2003年7月に、人事院が名古屋刑務所の受刑者死傷事件で起訴された刑務官への休職給支給を決定したのを受けて、2003年8月4日、給与法に基づき給与の6割以内の「休職給」を支払うこととした。
 給与法は、国家公務員が刑事事件で起訴され休職にしたときは、休職期間中、給与の6割以内を支給することができる、と定めている。
 しかし法務省は、公訴権を持つ検察庁を所管しており職員の違法行為に対してより厳正に対応する必要があるとの立場から、1986年に人事課長通達を出し原則無給としていた。
 検察・被告側は控訴した。2006年12月15日、大阪高裁で一審破棄、死刑判決。2010年4月27日、最高裁第三小法廷で一・二審有罪判決破棄、大阪地裁差し戻し。

氏 名
吽野優(34)
逮 捕
 2003年10月15日
殺害人数
 0名
罪 状
 住居侵入、強盗強姦、強盗強姦未遂、窃盗
事件概要
 東京豊島区にある人気ラーメン店店長を務めていた(事件後解雇)吽野(うんの)優被告は、2002年11月、東京都豊島区内の女性宅に侵入、女性を脅して暴行したうえに現金6000円を奪った。2003年5月26日夜、板橋区内のマンションに帰宅した女子大生が玄関ドアを開けた際、刃物を突き付け「騒ぐと殺す」と脅迫し、室内で乱暴した。7月28日にも東京都豊島区のマンションで女性宅に押し入って乱暴し、現金約1000円を奪った。
 その他、1999年から2003年7月まで、名古屋市や東京都立川市などで計7人の女性を暴行するなどして現金を奪った。暴行の際に写真撮影し、口止めしていた。
裁判所
 東京高裁 仙波厚裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月9日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で被告は「量刑は重過ぎて不当」などと主張していた。
 仙波裁判長は「犯行の経緯、動機は身勝手で酌量の余地は全くない。陵辱の限りを尽くした上、脅して口封じまでした犯情は極めて悪質だ」と述べた。
備 考
 2004年12月7日、東京地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年3月13日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
深沢真智子(42)
逮 捕
 2003年12月3日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、詐欺
事件概要
 元保険外交員深沢真智子被告は、妹(当時33)が2人の子供を被告宅に預け、消費者金融から借金を重ねて母の自宅が差し押さえられたことなどから、「妹が死ねば楽になる」と考えた。母の深沢照子被告(一審懲役18年が確定)や交際していた自動車販売業田中秀幸被告(殺人罪等で起訴)たちと共謀。1999年8月6日夜、妹の首を絞めて失神させ、自宅前の路上に寝かせ乗用車でひいて殺害、保険会社から約5800万円をだまし取った。保険金は田中被告や殺人の実行犯たちが受け取っており、深沢被告や母は受け取っていない。
 1998年8月と10月にも、交通事故を装って妹を殺害しよう重軽傷を負わせた。1999年3月、当時の夫(41)を車ではねて重傷を負わせ、保険金約1250万円をだまし取った。
裁判所
 東京高裁 中川武隆裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月17日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で真智子被告は「無期懲役は重すぎる」などと主張していた。
 中川武隆裁判長は、「極めて冷酷で身勝手な犯行で、刑事責任は重い」と述べた。
備 考
 2004年11月10日、さいたま地裁で一審無期懲役判決。

氏 名
菊地圭一(22)
逮 捕
 2004年6月5日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 無職菊池被告は金を奪う目的で、2004年5月25日午後9時頃、仙台市にて男性(当時48)が運転するタクシーに乗り込んだ。9時40分頃、名取市の農道で男性の右胸などを包丁で数ヶ所刺して殺害、売上金27000円と財布、タクシーを奪った。菊池被告には当時、複数の消費者金融から計190万円の借金があったが、奪った金はほとんどを遊行費に充てていた。
裁判所
 仙台地裁 本間栄一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月18日 無期懲役
裁判焦点
 菊地被告は強盗の計画性は認めたが、「殺すつもりはなかった」と殺意を否認した。
 検察側は冒頭陳述で「被告は知人に借りていた車を大破させたため県外に逃げようと決意し、逃走資金を得る目的でタクシー強盗を計画した」と動機を指摘。「頭の中で何度もシュミレーションを繰り返し、『抵抗されたら殺せばいい』と包丁を忍ばせてタクシーに乗り込んだ」と被告の殺意を主張した。
 検察側は論告で「自堕落な生活が招いた暴力団からの追い込みを逃れるため、安易に強盗を計画し、確実に現金を奪えると考えタクシーを狙った」と動機に言及。「事前に綿密な準備を重ね、無抵抗な被害者に包丁を振り下ろす手口は冷酷非道」と指弾した。
 最終弁論で弁護側は「殺意はなく、動転して包丁を振り下ろしたら刺さった」「強盗致傷罪の適用が相当」と減刑を求めた。
 判決理由で本間裁判長は、被害者の胸を強く突き刺しているが、死ぬことまで確実に認識していたとは言えないなどとして未必の殺意を認定。「確定的殺意があった」とした検察側主張も採用しなかった。
備 考
 被告側は控訴した。2006年3月7日、被告側控訴棄却。

氏 名
薛行全(35)
逮 捕
 2002年12月10日(入管難民法違反罪に問われ東京地裁で公判中)
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗致傷、強盗、住居侵入他
事件概要
 中国国籍の薛行全(シュエ・ヘンツウォン)被告は、他の日本人、中国人と混成グループを組み、2002年8月9日午後2時20分ごろ、名古屋市東区の会社社長宅に押し入り、社長の妻(当時71)の顔を殴るなどして、現金5558万円や株券103枚(時価4377万円相当)などを奪った。このほかにも5軒に押し入り、合計で現金約6600万円と3億4000万円相当の貴金属などを奪った。
裁判所
 名古屋地裁 伊東一広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月18日 無期懲役
裁判焦点
 伊東裁判長は判決理由で「暴力団から資産状況を入手し共犯の日本人や中国人と下見するなど、犯行は計画的で組織的。社会に不安を与え、刑事責任は重大」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。

氏 名
片山利男(64)
逮 捕
 2002年1月14日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 ベルト加工業片山被告は2000年7月6日、宅配便の配達を装って、自宅近くの大学生(当時22)宅に侵入し、顔を刃物で切り付け、現金約13680円などを奪ったうえ、ストッキングで首を絞めて殺害した。片山被告には数百万円の借金があった。
裁判所
 東京高裁 高橋省吾裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月24日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 片山被告は「被害者の家に行ったことはない」と一審同様無罪を主張していた。
 高橋裁判長は、遺留指紋と被告の指紋が同一だとした鑑定の信用性を一審に続いて肯定。動機についても「預金が底をつき、経済的に困窮していた」と指摘し、無罪主張を退けた。
備 考
 片山被告は逮捕後「覚えていない」などと供述、言動に不審な点があったため、東京地検は精神鑑定を実施。刑事責任は問えるとして起訴した。
 捜査段階で行われた警視庁の鑑定と、公判中に行われた別の専門家による鑑定は、いずれも現場の指紋が片山被告のものと一致するとしていた。
 2004年12月2日、東京地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年12月19日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
桑島一夫(54)
逮 捕
 2004年12月4日(11月18日、別の窃盗未遂事件で逮捕済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 住居侵入、強盗殺人、強盗強姦未遂、常習累犯窃盗
事件概要
 無職桑島被告は、2004年11月15日午前9時ごろ、大阪市阿倍野区に住む看護師の女性(当時23)の部屋に侵入。寝ていた女性を暴行しようと室内にあった包丁を顔に突きつけて脅したが、抵抗されたため胸を刺して殺害。現金約34000円の入った財布を奪うなどした。桑島被告は常習累犯窃盗罪などの服役を終え出所直後であった。
裁判所
 大阪地裁 和田真裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月30日 無期懲役
裁判焦点
 和田真裁判長は判決理由で「無慈悲で残忍な犯行。被害者は社会に役立ちたいと看護師になった家族思いの努力家で、無念は察するに余りある」と述べた。その上で遺族感情にも触れ「極刑を望む気持ちは理解できるが、犯行を認めており生涯、償いの日々を送らせるのが相当」と指摘した。
備 考
 被告側は控訴した。2006年1月17日、被告側控訴棄却。そのまま確定と思われる。

氏 名
国沢豊(60)
逮 捕
 2002年2月28日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄
事件概要
 広島県三次市の土木建築会社社長国沢被告は、社員(当時46)の態度が日頃から反抗的だとして、元同社役員(逮捕時覚せい剤取締法違反で服役中 二審懲役20年判決確定)と共謀して殺人を計画。2001年4月12日正午頃、広島県庄原市の同社資材置き場で、社員の腹などを包丁で刺して殺害。遺体を同所に埋めた。
裁判所
 最高裁第二小法廷 津野修裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月30日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 国沢被告は一審第2回公判から起訴事実を否認。遺体は未だ見つかっていない。凶器などの物的証拠もない。逮捕後の自白については「借金などで自暴自棄になっていた」と説明。検察側はT被告の供述を元に主犯と認定した。
 一・二審ではT被告の供述などから関与を認定した。
備 考
 国沢、T両被告は過去にも殺人事件を起こし服役している。 2003年11月21日、広島地裁で一審無期懲役判決。2005年1月18日、広島高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
R(23 犯行当時19)
逮 捕
 2001年6月29日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死他
事件概要
 2001年4月28日、当時専門学校生だった中国籍のR被告は、専門学校生安峰被告(一審無期懲役判決が確定)、専門学校生A被告(中国籍 事件当時少年 一審懲役15年、検察側控訴棄却、確定)、元暴力団員伊藤被告(一審無期懲役判決、被告側控訴棄却、確定)は、山形県羽黒町の鶴岡市職員宅の倉から古美術品等を奪おうと侵入。玄関で職員の妻(当時51)の手足を粘着テープで縛り、左胸を包丁で刺して失血死させた。さらに、高校2年生の長女にも切り付け、腰に軽傷を負わせた。事件の計画、長女への傷害は伊藤被告、殺害は安峰被告であると起訴された。R被告は長女の体を粘着テープで縛るなどした。本事件では他に、運転手および運転手を手配した男がいずれも強盗致死ほう助罪で起訴されている。
裁判所
 最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月30日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 弁護側は公訴を棄却した3人の裁判官と、再起訴後に審理を担当した裁判官が同一だったことから「事件の担当から除くべきで訴訟手続きは違法」と主張したが、第一小法廷は「担当から除外する理由はない」と退けた。
備 考
 山形地検は当初、パスポートなどから成人として起訴。公判中に被告側が「留学のため生年月日を偽った」と主張し、山形地裁は2003年8月、中国政府発行の証明書などから犯行時、起訴時とも19歳と認め、少年法の手続きを踏まなかったとして公訴棄却を言い渡し、検察側が改めて起訴していた。
 2004年1月26日、一審無期懲役判決。2004年11月11日、「160日」とした未決拘置日数の過小を理由に一審の山形地裁判決を破棄し、「700日」としたうえで無期懲役判決。
 元専門学校生は、一審の山形地裁の公判途中で犯行当時未成年だったと認定され、公訴棄却後、あらためて起訴された。最初の起訴から公訴棄却までの拘置は760日で、再び起訴されてから判決を受けるまでの拘置日数は161日。仙台高裁は760日についても刑法などの観点から算入を考慮すべきとした。

氏 名
南雲浩二(29)/仲前門直哉(31)
逮 捕
 2003年10月9日
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗強姦、監禁致傷、わいせつ目的略取他
事件概要
 無職南雲被告と中前門被告は2003年8〜10月、埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県で、深夜に1人で帰宅途中の20〜40代の女性8人を車に押し込むなどの手口で乱暴。キャッシュカードを奪って現金を引き出すなど、計約100万円を盗んだり奪ったりした。南雲被告らは同じ勤務先の元同僚。一緒に転職したが勤め口が見つからず、テレビで犯行手口を知った南雲被告が犯行を持ち掛けた。
裁判所
 さいたま地裁川越支部 雨宮則夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年8月31日 無期懲役
裁判焦点
 雨宮裁判長は「犯行態様の際立った悪質性や、何ら落ち度のない被害者の人格をじゅうりんする犯行を繰り返した刑事責任は極めて重い。被害者のうち7人に見舞金(各10万円)を送金するなど酌むべき事情を考慮しても、無期懲役刑をもって臨むほかない」と指弾した。弁護側は被害額など一部の事実関係を争っていたが、裁判所は「理由がない」と退けた。
備 考
 仲前門直哉被告は控訴せず確定。南雲浩二被告は控訴した。2006年4月17日、被告側控訴棄却。

氏 名
石井喜吉(64)
逮 捕
 2001年6月22日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、現住建造物等放火
事件概要
 石井喜吉被告は、1994年3月に産業廃棄物の収集・運搬業の許可を取得し、福島市内に事務所を構えた。1995年に福島県石川町の農業を営む男性と知り合い、男性方の裏の土地を借りて、産業廃棄物の焼却を行うようになった。しかし、石井容疑者は産業廃棄物処分の許可は受けておらず、1999年4月には県の指導を受けていた。
 石井被告は夜間に廃家電や古タイヤの焼却を行い男性から苦情を受けていたほか、男性の親せきとも土地の権利を巡るトラブルがあった。男性は2000年6月4日、「警察に被害届を出す」などと言ったことから、石井被告と口論になった。
 石井被告は2000年6月6日午後9時50分ごろ、男性方の居間に放火し、鉄骨平屋建て住宅約80平方メートルを全焼させ、男性(当時74)と妻(当時69)を焼死させた。
 石井被告は犯行時に全身に大やけどを負ったため運転ができなくなり、途中で自分の車での逃走を断念。知人を現場付近に呼び出し、自分の車を放置してこの知人の車で福島市の自宅まで送ってもらった。翌7日早朝、事務所前で、わらを燃やそうとしたところ、衣服に燃え移ったとして119番通報、県立医大に入院していた。
 石川署捜査本部は犯行時間帯に石井被告が現場近くにいたとの目撃情報などから石井被告の犯行と見て、火災10日後に石井被告の事務所兼自宅を家宅捜索。石井被告は2000年12月の退院後も通院治療が必要な状態だったが、2001年6月に入って体力が回復してきたと判断、逮捕した。
裁判所
 仙台高裁 田中亮一裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年9月1日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 石井被告は逮捕段階から一貫して無実を主張。
 一審福島地裁は、弁護側の「犯罪の具体的な立証がない」などとする無罪主張を退け、「凶悪極まりない犯行。弁解を二転三転させるなど狡猾だ」として死刑を言い渡していた。
 控訴審判決は、石井被告が住宅に火をつけて2人を焼死させたとの認定は支持した。しかし、「計画的犯行」とした一審判決については▽事件当日ガソリンを購入する際に人目を避ける行動をとっていない▽自身も重いやけどを負った−−ことなどから、計画性を否定。「ガソリンを持ち込んだのは被害者との交渉を有利に進めるためで、交渉中に激高して火をつけた」と偶発的犯行と判断したうえで、「死刑の選択はやむをえない場合に限る」として無期懲役に減刑した。
備 考
 2004年4月23日、福島地裁(大沢広裁判長)で求刑通り死刑判決。被告側は上告した。検察側は上告断念。2006年7月18日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
平安通(46)
逮 捕
 2005年2月12日(別の傷害事件で逮捕済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗、傷害他
事件概要
 米軍基地雇用員の平安(ひらやす)被告は、1997年10月中旬頃、沖縄自動車道に停車中の車内で、知人で沖縄県宜野座村に住む事務員の女性(当時28)の首をネクタイで絞めて殺害し、現金約143万円を奪った。平安被告は当時賭博ゲームなどで約400万円の借金があった。奪った金はほとんど花札賭博で使い果たした。
 白骨化した遺体は2004年9月7日に沖縄本島北部・国頭村の山中で発見された。逮捕当時、平安被告は静岡県富士宮市に住んでいた。
 平安被告は他に、2000年1月、知人女性(当時45)の顔をこぶしで殴り、現金34000円入りのバッグを盗んだ。
裁判所
 那覇地裁 横田信之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月2日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「犯行は短絡的かつ自己中心的で情状酌量の余地は全くなく、また遺体を北部の山中に捨てるなど社会に与えた影響は大きい」として無期懲役を求刑した。これに対し弁護側は「現在は真摯に反省している」と情状酌量を求めた。
 横田信之裁判長は「賭博欲、金銭欲を満たすため、心から慕ってくれた女性の命すら一顧だにしない身勝手、自己中心的な犯行」と述べて求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 検察側は冒頭陳述に映写機を使用し、平安被告の借金額の推移や犯行現場の位置関係などを図示した。那覇地検によると、司法制度改革に伴う裁判員制度の導入を視野に入れた同地検初めての試み。
 弁護人は「本人と相談はするが、控訴はしないと思う」と述べた。

氏 名
桑田秀延(37)
逮 捕
 2004年6月19日
殺害人数
 0名
罪 状
 強姦、強盗強姦他
事件概要
 大手ゼネコン鹿島の営業所課長代理、桑田秀延被告は2002年3月から2004年6月までの間、大阪市淀川区や北区など北部を中心にマンションの一人暮らしの女性の部屋に隣人や暴力団組員を装って押し入ったり、無施錠の窓から入るなどして、女性24人を強姦し、一部女性からは現金などを奪った。
 桑田被告は強姦事件を100件以上を自供。他、強姦目的の住居侵入などを約30件、女性宅などからの窃盗約40件を自供している。
裁判所
 大阪地裁 川合昌幸裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月5日 無期懲役
裁判焦点
 論告で検察側は「被害者の恐怖心をあおって屈辱を与えた非人間的な犯行で、鬼畜にも劣る所業。本件は継続的犯行の一部にすぎず、常習性が顕著で矯正はもはや不可能だ」と厳しく指摘した。
 川合昌幸裁判長は、犯行件数の多さや常習性を指摘し「陵辱の限りを尽くした無慈悲かつ悪質な犯行。定職に就いて家庭を持つ一方、思いのままに女性を強姦し、生活習慣のごとく犯行を繰り返していた。被害者の苦痛は筆舌に尽くし難く、責任は有期刑では到底償えない」と述べた。
備 考
 

氏 名
安達誠(24)
逮 捕
 2004年4月29日(恐喝未遂容疑。5月21日、強盗殺人容疑他で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、逮捕監禁、恐喝未遂他
事件概要
 愛知県岡崎市のとび職安達被告は、暴力団組員で人材派遣業梅田嘉栄被告(30 公判中)と社員の少年(19 一審懲役5年以上8年以下が確定)と共謀して、2004年3月9日夜、市内の路上で元愛知県職員の男性(当時71)を拉致し、車のトランクに監禁して現金約3万円と預金通帳などを奪った。3月11日未明、男性を後ろ手にして手錠をかけ、手足にそれぞれ鉄アレイを針金で結びつけ、同県半田市の岸壁から海に投げ込み殺害した。
 男性は2003年8月、梅田被告夫婦が乗っていた車との接触事故を起こし、梅田被告に治療費など60万円余りを支払った。しかし、梅田被告は安達被告らと共謀して、休業補償などの名目で現金250万円を脅し取ろうと、男性の自宅に押し掛けたりしていた。
裁判所
 名古屋高裁 小出ジュン一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月5日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 被告側は、無期懲役は重すぎると主張した。
備 考
 2005年3月2日、名古屋地裁岡崎支部で一審無期懲役判決。上告せず、確定。

氏 名
伊藤博(52)
逮 捕
 2004年11月5日(窃盗容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 無職伊藤被告は、いとこで愛知県岩倉市に住む男性(当時45)が土地を売って金を得たという話を聞き、宇治橋啓次被告(公判中)に殺害して金を奪うことを持ちかけ共謀。2004年10月26日、男性を誘い出し、一宮市内の車の中で、金づちで殴ったり包丁で刺すなどして殺害。定期貯金証書7通(額面計約2500万円)などを奪い、遺体を弥富町のコンテナに隠した。男性は約2年前に死亡した母親の遺産を相続し、一人暮らしだった。
裁判所
 名古屋地裁 伊東一広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月6日 無期懲役
裁判焦点
 伊東一広裁判長は「1ヶ月前から周到に準備するなど、悪質で残忍な犯行」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2006年4月20日、被告側控訴棄却。

氏 名
高崎勝(22)
逮 捕
 2004年8月24日(死体遺棄容疑 9月14日、強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、窃盗、詐欺
事件概要
 横須賀市の無職高崎被告は友人の車を事故で壊し、60万円の支払いを迫られていたことから、2004年8月10日午前1時ごろ、友人の横浜市神奈川区六角橋の運転手の男性(当時21)の車の中で、男性の首をひもで絞めて殺し、現金7000円やカードが入った財布を奪った。遺体を乗せた車を同月20日、横須賀市夏島町の路上に放置した。また、キャッシュカードで現金約28万円を引き出した。
 2人は横浜市内のガソリンスタンドのアルバイト店員として働き、知り合った。客の財布を盗みクビになった高崎被告に、男性が東京の運送会社の就職を世話し、その面接帰りに凶行に及んだ。
 高崎被告は乗用車を盗み、無免許で運転した罪で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を2月に受けた。8月の犯行時は保護観察の執行猶予中だった。
裁判所
 東京高裁 白木勇裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月7日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で被告は「無期懲役は重すぎる」と主張していた。
 白木勇裁判長は「仕事を紹介してくれた友人を、その日に殺害するという被告の常軌を逸した行動は言語道断だ」などと述べた。
備 考
 2005年3月24日、横浜地裁横須賀支部で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年12月、最高裁で被告側上告棄却、確定。

氏 名
李正宇(38)
逮 捕
 2003年8月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 宇都宮市の暴力団員李正宇被告(韓国籍)は、当時面倒を見てもらっていた猪瀬武夫被告(無期懲役確定)から元暴力団組長(当時55)を命じられ、2003年7月10日午前2時半ごろ、宇都宮市のホテルで、客室にいた元組長の頭に拳銃2発を発射して殺害した。
裁判所
 東京高裁 河辺義正裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月7日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 一審で検察側は「拳銃使用の殺人事件であり、県民に多大な不安を与え、刑事責任は重い」と指摘した。弁護側は「被告は猪瀬被告の恩義に報いるために行動し、責任の一端は暴力団抗争を起こした組織にある」と情状酌量を求めた。
 河辺義正裁判長は「一審判決は軽きに不当」などとした。
備 考
 2004年9月30日、宇都宮地裁で懲役20年判決。被告側は上告した。

氏 名
中村剛司(29)/竹内崇晴(24)
逮 捕
 中村被告:2004年6月20日(死体遺棄容疑)/竹内被告:2004年6月10日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 愛知県半田市のフィリピンパブ店従業員中村被告、型枠大工竹内被告は無職大島谷悠受刑囚、パブ店従業員細山田年郎容疑者と共謀し、2004年5月31日午前4時ごろ、中村被告が働くパブ店内で、パブ店経営者(当時36)の頭や背中を木刀やハンマーで十数回殴って殺害、現金400万円や財布、カードなどを奪った。さらに男性の遺体を毛布で巻いてテープで縛り、6月1日午前10時ごろ、乗用車で伊勢市の雑木林に遺棄した。中村被告は、細山田容疑者に持ち掛けられ、2人で男性殺害を計画、パブの客だった大島谷受刑囚、竹内被告に奪った金の分け前を渡す約束で殺害を依頼した。細山田被告は韓国経由で他国へ逃亡。2005年9月12日にフィリピンで身柄が拘束された。
裁判所
 名古屋高裁 川原誠裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月8日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 川原誠裁判長は「執ようかつ残忍な犯行。動機は余りに身勝手で酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 2005年3月9日、津地裁で一審無期懲役判決。大島谷悠元被告は控訴せず確定していた。上告せず、確定。

氏 名
津村忠(60)
逮 捕
 2003年1月23日(2002年7月の放火事件で12月に逮捕、起訴済)
殺害人数
 0名(死者2名)
罪 状
 現住建造物等放火
事件概要
 土木作業員津村被告は2001年10月26日午前1時半頃、福岡市戸畑区中本町商店街内の店舗兼共同住宅(木造2階建て)通路に置いてあったスリッパにライターで放火。29件を全半焼させ、逃げ遅れた住人の男性(当時64)ら2名が焼死した。焼失面積は約1765平方メートル。
 2002年7月、以前住んでいた同区のアパートの部屋に放火し、押し入れ棚0.1平方メートルを焼いた。
裁判所
 福岡高裁 浜崎裕裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月9日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 津村被告は逮捕後、容疑を認めていたが、公判では「現場を通りかかったが、放火には関与していない」と一貫して無罪を主張していた。
 津村被告は控訴審でも「自白は取調官に誘導されたもの」などと捜査段階での供述の任意性、信用性について争い、無罪を主張していた。
 判決理由で浜崎裕裁判長は「自白の任意性に疑いを差し挟む余地はない。火を付けた個所や方法を詳細に述べた捜査段階の供述は、客観的事実とも一致しており、信用性はある」とし、被告の主張を全面的に退けた。
備 考
 津村被告は、過去にも岡山県で連続放火事件を起こすなどしている。2005年2月25日、福岡地裁小倉支部で一審無期懲役判決。

氏 名
亀井洋一(23)
逮 捕
 2005年1月7日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 倉敷市の無職亀井被告は、2004年12月25日午前2時20分頃、岡山県倉敷市にあるキャバレーマネージャーの男性(当時57)のアパートに金銭目的で侵入。午前3時10分頃、帰宅した男性の頭を一升瓶で殴った後、首をネクタイで絞めて殺害。現金約43000円の入った財布を奪った。亀井被告はかつて同じキャバレーに勤めていた。金銭は、娘へのプレゼントや携帯電話購入が目的だった。
裁判所
 岡山地裁 松野勉裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月9日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「極めて冷酷、残忍で、相当強固な確定的殺意がみられる」とした。
備 考
 

氏 名
岩知道吉隆(54)
逮 捕
 2005年2月4日
殺害人数
 1名(死者計2名)
罪 状
 強盗殺人、業務上過失致死他
事件概要
 京都市左京区の飲食店経営、岩知道(いわちどう)被告は、知人だった税理士事務書院の女性(当時49)を殺害してでも金銭を奪おうと計画。2005年1月3日午前2時ごろ、ベランダの窓ガラスにガスバーナーの火で穴をあけて侵入。ベッドに寝ていた女性に千枚通しを突き付けたところ、抵抗されたため、首を包丁で数回突き刺して殺害。手提げ金庫を奪って逃げた。金庫に現金はほとんど入っていなかった。
 岩知道被告は女性の元夫から勧められたマルチ商法などに参加したが、約1000万円の借金を作り、元夫と女性に憎しみを抱くようになっていた。
 岩知道被告は1月21日未明、同市内の名神高速道路で乗用車を分離帯に衝突させ、助手席の母親(当時91)を死亡させたとして業務上過失致死の罪でも起訴されている。
裁判所
 京都地裁 東尾龍一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月12日 無期懲役
裁判焦点
 初公判で岩知道被告は「最初は殺意はなかった」と述べ、起訴事実を一部否認した。
 検察側は「凶器などを用意した計画的な犯行で、ほとんど抵抗できない被害者を何度も切りつけ、残忍で冷酷。刑事責任は極めて重い」として無期懲役を求刑した。
 弁護側は最終弁論で「刃物で脅すつもりだったが、被害者の予想外の抵抗に遭い、刺してしまった。心底後悔しており、更生の機会を与える寛大な判決を」などと情状酌量を求めた。
 東尾龍一裁判長は、判決理由で「目先の借金返済のためという安易な動機で、酌量の余地はない。周到な計画に基づいており、執拗かつ残忍な犯行だ」と述べた。弁護側が主張した殺意の点については、「捜査段階の供述から確定的な殺意があったと認められる」と判断した。
備 考
 被告側は控訴した。2006年4月、被告側控訴棄却。2006年9月15日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
下田宗仙(34)
逮 捕
 2003年3月30日(3月16日の事件について)
殺害人数
 0名
罪 状
 わいせつ略取,強盗強姦,強盗強姦未遂,窃盗,道路運送車両法違反,強姦未遂,強姦,わいせつ略取誘拐
事件概要
 愛知県江南市の建設作業員下田宗仙(むねのり)被告は、以下の事件を起こした。
 2002年8月22日、木曽川町内のショッピングセンター駐車場で乳児を連れた女性の車に押し入り、カッターナイフで脅して女性の腕を粘着テープで縛り、約2時間連れ回し現金2000円を奪った。
 2003年3月16日午前零時ごろ、愛知県県岩倉市の路上で信号待ちしていた女性店員(当時25)の軽自動車にわざと追突。車から降りた女性に示談を装って近づくと、いきなり羽交い締めにして車に乗せ、粘着テープで縛り移動し、車内で現金約15000円を奪った。
 上記を含め、2002年8月から2003年3月までの間に、一宮市や江南市などで当時18歳から32歳の女性計8人に対し、相手の車に無理やり乗り込みカッターナイフを突き付けるなどして、現金やキャッシュカードを奪い乱暴するなどした。
 また、下田被告が事件発覚を免れるため、犯行に使用した車に、盗んだナンバープレートを装着していた点を重視し、道路運送車両法違反の罪でも起訴している。
裁判所
 名古屋高裁 小出ジュン一裁判長
求 刑
 無期懲役、罰金15万円
判 決
 2005年9月12日 無期懲役、罰金15万円(被告・検察側控訴棄却)
裁判焦点
 小出ジュン一裁判長は「女性の人格を全く無視した卑劣な犯行で、結果は重大」と述べた。
備 考
 2004年11月17日、名古屋地裁一宮支部で一審無期懲役判決。検察側は上告した。一・二審とも、未決拘置日数30日を1日5000円で換算して罰金刑に算入しており、名古屋高検は「罰金を支払う必要が事実上なくなるため、算入は不当だ」と主張、最高裁判例に違反するとしている。量刑の見直しは求めていないが、求刑通りの判決が言い渡された事件で検察側が上告するのは極めて異例。下田被告は、事実上、罰金を支払う必要がなくなり、検察側は「無期懲役刑とした強盗強姦などの罪で生じた未決拘置日数を、別の道路運送車両法の罰金刑に算入するのは納得できない」としている。
 2006年8月31日、検察側上告棄却、確定。

氏 名
石田勇一(47)
逮 捕
 2002年8月31日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 無職石田被告は、2002年8月31日、神奈川県鎌倉市で女性(当時50)が運転するタクシーに乗車。藤沢市の路上に止めさせ、後部座席からナイフで女性の首や背中など十数カ所を刺し、「助けて」と車外に出た女性をさらに切りつけて殺害、タクシーを奪った。午前1時50分頃、通報を受けて駆けつけた藤沢北署員が発見。午前2時20分頃、約5km南のコンビニ店駐車場から石田被告が110番に電話をし、逮捕された。石田被告は「日頃から女が憎いと思っていた。いつか殺してやろうと思っていた。ナイフはいつも持ち歩いていた」などと供述した。石田被告は放火事件の服役を終え、出所したばかりであった。
裁判所
 東京高裁 阿部文洋裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月13日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 石田被告は以前に人格障害などと診断されており、弁護側は事件当時に心神喪失もしくは心神耗弱だったとして無罪か減軽を求めたが、判決は「被告が行動を制御する能力がなかった、あるいはその能力が減退していたということはできない」と退けた。
備 考
 2005年3月25日、横浜地裁で一審無期懲役判決。上告せず確定。

氏 名
平野昌行(65)
逮 捕
 2005年4月20日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反他
事件概要
 指定暴力団住吉会系組幹部、平野昌行被告は、2005年3月1日、以前路上で口論となった男性(当時65)を、組事務所として使っていた東京都豊島区南大塚のマンションに連れ込み、包丁で首を刺して殺害した。また、2004年11月11日、北区西ケ原の居酒屋で、口論となった男性を押し倒してけがをさせた。
裁判所
 東京地裁 小坂敏幸裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月14日 無期懲役
裁判焦点
 判決理由で小坂敏幸裁判長は「無抵抗の被害者に一方的に暴行を加え、刺殺した残忍で非道な犯行。人命軽視も甚だしく、生涯をかけて冥福を祈り、贖罪の生活を送ることが適当だ」と述べた。
備 考
 

氏 名
多田暁仁(36 現姓中尾)
逮 捕
 1996年6月14日
殺害人数
 2名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 元貿易会社社長高橋義博被告(一・二審死刑判決 上告中)は多額の借金の返済を迫られたため、知人の東京都立広尾病院の非常勤医師だったOさん(当時36)が不動産売買で得た約12億円の売却益を奪おうと計画し、同社役員の酒井高通被告(一・二審 無期懲役判決)に犯行を持ちかけた。酒井被告と不動産業手伝い葛西勝被告(一審無期懲役が確定)、土木作業員多田被告の3人は1992年7月23日夜、Oさんの資産を管理していた美容院経営Fさん(当時32)を拉致し、世田谷区内のマンションに監禁し、Oさんを呼び出すよう指示。24日にOさんも拉致し、現金や銀行口座から約270万円を強奪。栃木県藤原町の林であらかじめ用意していた穴に生き埋めにして殺害した。遺体は1996年6月13日に発見された。
裁判所
 最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2000年8月29日、横浜地裁にて無期懲役判決。2003年4月15日、東京高裁にて被告側控訴棄却。

氏 名
エンジレット・フエンテス・ガルシア(30)/ジョエル・メンドーサ・フランシスコ(22)
逮 捕
 2004年1月8日(別の窃盗罪で逮捕済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 フィリピン国籍の無職エンジレット・フエンテス・ガルシア被告、ジョエル・メンドーサ・フランシスコ被告は、共謀して2003年10月1日午前10時半頃、客を装って愛知県豊川市の質店に入り、ガルシア被告が質店店主の女性(当時76)を包丁で刺して殺害。現金約20万円と指輪など貴金属220点(合計約857万円相当)を奪った。
 2人は愛知県内の民家から貴金属類を盗み、質店に質入れしていたとして2003年12月上旬、窃盗容疑で逮捕されていた。
裁判所
 名古屋地裁 伊東一広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月20日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で、ガルシア被告は事件の約2年前から質店を利用していたが、店主は質流れにせずに返済を待つこともあったと指摘。「借金返済や遊興費に充てようと顔なじみの店主の命を奪った動機に酌量の余地はない。包丁で多数回刺し、約857万円相当の金品を奪った計画的で非人間的な犯行」と述べた。
 弁護側は最終弁論で「店主を刺したガルシア被告は当初は殺すつもりはなかった。殺意はなく、共謀は強盗の範囲にとどまる」と述べ、寛大な判決を求めた。
 伊東裁判長は「多数回、刺しており、確定的殺意があった」と退け、「事前の計画に基づいて白昼に押し入った大胆で凶悪な犯行。遊興費や生活費目当ての動機は短絡的で酌量の余地は皆無」と述べた。
備 考
 ガルシア被告は控訴せず確定。フランシスコ被告は控訴した。2006年4月24日、被告側控訴棄却。

氏 名
山崎達也(30)
逮 捕
 2003年12月7日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 風俗店店員山崎被告は、知人のフィリピン人女性(当時39)から借りた携帯電話を使いまくっていたが、料金約46000円の支払いを約束しながら、2003年12月1日正午頃、所持金がまったくないまま、女性のアパートを訪問し、電話料金の支払いを免れるため女性をマフラーで絞殺し、別の携帯電話やネックレス、現金約1500円などを奪った。山崎被告は奪った携帯電話を出会い系サイトの利用などに使ったほか、ネックレスは換金し、逃走資金に充てていた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか?
備 考
 2004年11月24日、名古屋地裁で一審無期懲役判決。2005年5月9日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
井上富広(54)
逮 捕
 2004年9月30日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄他
事件概要
 指定暴力団道仁会系組長、井上富広被告は配下の男ら9人と共謀。福岡市の元建設会社経営の男性(当時48)が井上被告から経営を任されていた会社の資金を持ち逃げしたと考え、2003年11月6日午後1時すぎ、粘着テープで男性を縛って車などに監禁。同7日午前1時すぎ、福岡県新宮町の空き地であらかじめ掘っていた穴に突き落とし、井上被告が胸や腹を刃物で4回突き刺し失血死させ、翌8日に遺体を福岡市東区の松林内に埋めた。遺体は井上被告らの供述から、2004年9月27日に発見された。
裁判所
 福岡地裁 谷敏行裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月22日 無期懲役
裁判焦点
 井上被告は公判で、「私が殺害し、監禁や死体遺棄を他の被告に指示した」と起訴事実を大筋で認めた。
 谷裁判長は「凶暴な手段で、被害者を自分の意向に従わせようとした犯行動機に酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 

氏 名
佐藤浩美(45)
逮 捕
 2004年8月25日(自首、現行犯逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 無職佐藤被告は2004年8月25日午後8時半ごろ、盛岡駅前のホテルで、客室に呼んだ知人で無店舗型風俗店アルバイトの女性(当時24)と口論になり、危険を感じて部屋から逃げようとした女性を追いかけ、持っていた果物ナイフ(刃渡り約10センチ)で腹や背中などを6回ほど刺し、殺害した。佐藤被告はホテルから110番通報し、駆けつけた警察官に逮捕された。佐藤被告は事件の直前、盛岡市のホームセンターで果物ナイフと粘着テープ、ひもを購入していた。
裁判所
 仙台高裁 田中亮一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月22日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 検察側は殺害を予期して凶器を購入したと主張。弁護側は「殺意はなく、ナイフも果物を食べるために買った。女性が助けを呼んで部屋から逃げようとしたのを防ぐため刺してしまった」と傷害致死罪の適用を求めていた。
 一審では「当初から殺害までは計画していなかった」として減刑していた。
 田中裁判長は判決理由で、被告は女性に嫌われていたが、恋愛感情に近い執着心を持ち、別人を装ってまで呼び寄せたことなどから「極めて悪質」と指摘、有期刑では軽すぎると判断した。
 一方、被告が事件後に逃走していないことなどから「殺害を予期して凶器を購入した」とする検察側主張は退けた。
備 考
 殺人未遂、強姦致傷他の前科がある。
 2005年3月23日、盛岡地裁にて懲役20年判決。量刑不当や事実誤認などを理由に検察側、被告側が控訴していた。被告側は上告した。2006年1月23日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
ロバート・リー・ペック・ジュニア(28)
逮 捕
 2004年8月4日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 米国籍の無職ペック被告は婚約者に立て替えてもらった転居費に充てる資金を奪うため、2004年7月21日午後1時40分ごろ、神奈川県海老名市の食料品店で、金を奪うため店長の男性(当時51)の頭を鉄製の台車で数回殴り殺害した。
 ペック被告は6月下旬に来日。同県大和市に住む米軍関係者の父親を頼ったらしい。
裁判所
 東京高裁 安広文夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月22日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 ペック被告は一審同様「殺意はなかった」と主張していたが、安広文夫裁判長は「凶器となった台車の形状や犯行態様などから殺意があったのは明らかだ」と退けた。
備 考
 2005年3月16日、横浜地裁で一審無期懲役判決。

氏 名
梶原幸子(26)
逮 捕
 2005年1月20日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄他
事件概要
 無職梶原被告は無職佐藤広志被告(公判中)と共謀し、2004年12月19日午後10時40分頃、牡鹿町鮎川浜の国定公園内で、石巻市に住む会社員の女性(当時23)を棒のようなもので殴って殺し、現金約1万8千円の入ったバッグを奪った。さらに2人は、女性のバッグからアパートの鍵を奪って部屋に侵入し、現金およそ8000円を奪った。2人は女性からあわせて3万数千円の借金があり、返済を迫られていた。奪った金は遊びに使った。遺体は1月20日に発見された。
 仙台市内の佐藤被告の祖母宅に侵入、祖母の頭を殴ったり包丁で脅したりして現金約3万円を奪うなどした。
裁判所
 仙台地裁 卯木誠裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月26日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「被害者に借りた金の返済を迫られて逆恨みし、生活費稼ぎと借金の踏み倒しを目的に殺害に及んでおり、人間性のかけらもない」と指摘した。
 弁護側は「被告は人を殺すことの意味を理解しないまま事件を起こした。反省しており、更生の機会を与えてほしい」と情状酌量を求めた。
 判決は、梶原被告が強盗の相手として男性を名指しで提案し、携帯電話のメールで呼び出すなど犯行に積極的に加担したと指摘。共犯者の誘いで犯行を決意した面は否定できないとする一方、奪った現金を共犯者とほぼ折半したことなどから「犯行は悪質」と判断した。男性を撲殺した当事者とされる佐藤被告と比べても「犯行で果たした役割は著しく軽いということはできない」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2006年4月13日、被告側控訴棄却。2006年9月4日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
金沢清一(54)
逮 捕
 2004年11月2日
殺害人数
 2名
罪 状
 現住建造物等放火、殺人
事件概要
 埼玉県戸田市の無職金沢被告は、元妻(当時76)を介護しながら、以前交際していた女性(当時60)と3人で暮らしていた。2004年11月1日午後11時15分ごろ、女性から「元妻と私のどっちがいいの」などと言われて腹を立て、2人が死んでも構わないと考え、灯油をまいた布団に火をつけ、住んでいた木造2階建て同アパート全7室を全焼させた。やけどを負った元妻は11月10日に、女性は12月7日に死亡した。
裁判所
 さいたま地裁 福崎伸一郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月26日 無期懲役
裁判焦点
 金沢被告は初公判で放火について認めたが、「亡くなるとは思っていなかった」と殺人は否認した。
 検察側は「捜査段階で繰り返し殺意を認める供述をしており、未必の殺意を有していたのは明らか」「犯行は他人の生命や 苦痛を顧みない残酷で危険なものだった」として無期懲役を求刑した。
 弁護側は「殺意はなかったので殺人罪ではなく重過失致死罪が成立する」「事件当時は睡眠剤と飲酒による異常酩酊状態で、心神耗弱だった」と寛大な判決を求めた。
 判決予定日の9月15日、金沢被告は無罪を主張したため、弁論を再開した。
 金沢被告は「自分のライターは緑。犯行に使われたのは色が違い自分のではない。放火は覚えていない」と主張。弁護側も「ライターの色が違っており、これまで重過失致死に当たるとしていたが無罪にすべきだ」と述べた。
 福崎裁判長は「一一〇番を受けた警察の録音記録には、金沢被告の放火をうかがわせる緊迫したやりとりが録音されている。捜査段階から火を付けたことを供述しており、火災は金沢被告の放火によって発生したものと認められる」と述べた。
 その上で、「元妻の介護に疲れていたことが動機と供述するが、当時、元妻は日常生活ができる程度にまで回復しており、主要な動機とみることはできない。二人とも逃げ遅れて焼死するかもしれないと認識しながら放火し、犯行は非道、悪質」と指摘した。
備 考
 金沢被告は即日控訴した。2006年2月21日、被告側控訴棄却。2006年6月、被告側上告棄却、確定。

氏 名
前田孝恵(51)
逮 捕
 2001年1月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 福岡県遠賀町の前田被告は夫(当時50)と共謀し、約170万円の借金があった北九州市の九電集金員(当時60)の殺害を計画。2000年10月16日、夫が集金員に睡眠薬入りのジュースや農薬入りドリンク剤を飲ませた上、芦屋町内の駐車場で、首をカッターナイフで切り付けて殺害した。
 夫は犯行直後に遺体で見つかり、被疑者死亡のまま書類送検されている。自殺と見られている。
裁判所
 最高裁第二小法廷 中川了滋裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月27日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 前田被告は逮捕直後には容疑を認めていたが、公判で一転「殺害を思いとどまるよう夫を説得した」などと起訴事実を否認。無罪を主張していた。
 控訴審でも被告側は「殺害を決めたが断念し、夫にやめるように説得した。共謀は成立しない」と無罪を主張していたが、浜崎裁判長は「捜査段階で共謀を認めた被告の供述は関係者証言とも符合し、信用性が高い」と退けた。
 上告審でも無罪を訴えたかと思われる。
備 考
 2004年5月17日、福岡地裁で一審無期懲役判決。2005年4月13日、福岡高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
山崎昭彦(46)
逮 捕
 2002年12月10日
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗致傷、住居侵入他
事件概要
 山崎被告は2002年8月から11月の間、中国人らと共謀し、福井、愛知、大阪、和歌山、福岡、大分、熊本の7府県で現金や株券、腕時計など計約5億円相当を奪い、住人にけがをさせるなどした。
裁判所
 名古屋高裁 川原誠裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月27日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 一審で片山俊雄裁判長は、捜査に協力的であったこと、首謀者でないことから有期懲役の判決を出していた。
 判決理由で川原裁判長は「計画的、組織的で多額の被害を与えた犯行に不可欠の役割を果たした。一つ間違えば被害者の生命に危険を及ぼす悪質な犯行で、首謀者ではないことを理由に無期懲役を回避すべきではない」と述べた。
備 考
 2004年11月18日、名古屋地裁で一審懲役20年判決。検察・被告双方が控訴していた。被告側は上告した。

氏 名
本木正昭(40)
逮 捕
 2003年12月7日(現行犯逮捕)
殺害人数
 0名
罪 状
 わいせつ目的未成年者略取、同未遂、監禁、強姦致傷他
事件概要
 無職本木被告は2003年12月4日、栃木県足利市内の路上で、自転車で登校途中の女子高校生(当時16)を転倒させ、乗用車に乗せて連れ去り、3日にわたって監禁した。11月には新潟県内の民家で女性(当時25)を暴行して現金を奪ったほか、同県内で女子中学生2人をわいせつ目的で連れ去ろうとした。また同時期に石川、福井両県で、小学女児(当時10)と女子中学生(当時13)を車で連れ去り暴行した。本木被告は事務所荒らしを重ね、盗難車で全国を移動していた。
 本木被告は2003年11月15日に大阪府豊中市で自転車を盗み、逮捕されるまでの22日間に、未遂も含め未成年者に対する5件の略取、22件の窃盗など計30件の犯行を重ね、新潟地裁で併合審理されていた。
裁判所
 新潟地裁 大谷吉史裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月27日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「未成年者に精神的、肉体的打撃を与え、常習的で非道な犯行。人間性のかけらもない」と指摘した。  大谷吉史裁判長は判決理由で「年少の被害者に屈辱感と羞恥心を与え、一生ぬぐい切れない心の傷を残した。被告人の更生を図るには、有期懲役刑では対処できない」と厳しく指摘した。
備 考
 被告側は控訴した。2006年7月19日、被告側控訴棄却。

氏 名
名村俊一(46)
逮 捕
 2005年1月20日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 兵庫県芦屋市の無職名村被告は2004年5月17日午後、盗み目的で兵庫県西宮市の喫茶店経営者の女性(当時76)宅に侵入したが、女性に見つかったため、首を絞めて殺害。現金1500円や預金通帳、印鑑などを奪った。さらに翌日の午前中、西宮市内の金融機関で預金引き出しを図ったが、既に口座は凍結されていたため、目的は果たせなかった。
 女性は神戸市で老舗の喫茶店を経営する資産家だった。
裁判所
 神戸地裁尼崎支部 渡辺壮裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月28日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「無抵抗の被害者を何のためらいもなく殺害した残忍さは目に余る」として、無期懲役を求刑した。
 弁護側は「借金を抱えて生活に行き詰まり、金銭を奪うのが主目的だった」と、有期の懲役を求めた。
 渡辺裁判長は「借金を抱えて生活に行き詰まったことも、怠惰な生活が原因で自業自得だ」「公判で被告は被害者の冥福を祈っていないなどと供述しており、反省や悔悟がまったくない」などと指摘した。
備 考
 弁護側は控訴しない方針。

氏 名
竹島信二(52)
逮 捕
 2003年9月12日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人他
事件概要
 暴力団員竹島被告は2003年8月31日夜、石川県金沢市のレストランで、同じ組の暴力団員4人(2人は二審懲役20年判決)と共謀。別の暴力団幹部ら2名を日本刀や包丁などで殺害した。竹島被告が所属する暴力団と、殺害された組員の暴力団との間には、金銭トラブルが生じていた。
裁判所
 名古屋高裁金沢支部 安江勤裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月29日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 3人(竹島被告他2名)は「捜査段階の供述調書は、検察官の誘導尋問による作文」などとして、殺意や共謀を否認。安江裁判長は「被告らは暴力団に属しており、話し合いが決裂した場合の対応を明確に謀議しなくても不自然ではない。協力して相手を殺害した状況からも、共謀がなかったとは言えない」と述べた。
備 考
 2005年3月25日、金沢地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年6月5日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
金大洙(31)
逮 捕
 2004年4月19日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 韓国籍で飲食店経営金大洙(キム・デス)被告は2004年2月26日、仲間2名と共謀し、都内を走行中の車内で、韓国籍で共同経営者の女性(当時37)の首をコードで絞めるなどして殺害。女性のバッグから現金約100万円を奪い、遺体をスーツケースに入れて江戸川に捨てた。
 金被告は女性と飲食店やホストクラブを共同経営。女性から借金400万円の返済を強く迫られていた。
裁判所
 東京地裁 大島隆明裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月29日 無期懲役
裁判焦点
 判決理由で大島隆明裁判長は「借金の返済を免れようとした動機は身勝手。共犯者との役割分担を決めるなど主導的立場だった。命ごいをする被害者を『うるさい』と言って突き放すなど冷酷非情だ」と述べた。
備 考
 共犯である金庚洙(キムキョンス)被告は一審懲役15年判決。林載勲被告も有罪判決が確定している。
 金庚洙被告は女性の遺体が見つかった4月7日に韓国に帰国していたが、「日韓犯罪人引き渡し条約」に基づき、2004年10月26日、身柄を引き渡され、逮捕された。同条約が適用されたのは2例目。

氏 名
山本常夫(40)
逮 捕
 2004年10月6日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、死体遺棄、業務上横領
事件概要
 運送会社東京営業所社員山本被告は住み込みで働き、経理を担当。2003年1月以降、クラブでの遊興費などに充てるため会社から計約5500万円を横領した。山本被告は使い込みを同営業所所長の男性(当時72)のせいにして、男性が失跡したように見せかけようと企て、2004年9月30日、同営業所で男性の首を両手で絞めて殺害し、10月5日に遺体を福島県内の山林に捨てた。
裁判所
 東京地裁 毛利晴光裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月29日 無期懲役
裁判焦点
 毛利裁判長は「会社からの横領の発覚を免れるため、被害者を犯人に仕立て上げ、失踪したかのように装うために犯行に及んだ。あまりに自己中心的で卑劣な犯行」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。2006年3月30日、被告側控訴棄却。上告せず、確定。

氏 名
小川博(43)
逮 捕
 2004年12月21日
殺害人数
 1名
罪 状
 事後強盗殺人
事件概要
 プロ野球・ロッテの元投手小川博被告は、2004年11月18日午後6時半頃、当時務めていた埼玉県上尾市の産業廃棄物処理会社会長宅を訪れ、一人で留守番をしていた住み込みの女性(当時67)に借金を申し込んだが断られたため、突き飛ばして失神させ、2階事務室から現金約175万円入りの封筒を奪った。女性を乗用車で連れ出して埼玉県桶川市の沼に投げ込み水死させた。
 小川被告は犯行時、複数の金融会社から計80万円の借金があり、利子3万円の返済期限が18日だった。
 小川被告は1984年のドラフト2位でロッテオリオンズに入団。1992年までプレーし、その後はコーチ、編成部門に携わったが、消費者金融などに1000万円以上の借金があったことから、2002年11月に解雇された。2003年4月に自己破産が決定した後、アルバイトを経て、2003年1月に産業廃棄物処理会社に入社。犯行時は営業部長だったが、12月20日に解雇された。
裁判所
 さいたま地裁 福崎伸一郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月29日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は、小川被告が女性を突き飛ばした時点で殺して金を奪うつもりがあったとし、強盗殺人罪で起訴した。しかし小川被告は公判で「最初から殺すつもりはなかった」と供述。弁護側も事後強盗殺人罪に当たると主張していた。
 福崎裁判長は「借金を断られたからといって、それだけで直ちに女性を殺害して金を奪おうと考えたというのはあまりに飛躍がある」と指摘。捜査段階の殺意についての供述調書に疑問を示し「女性をよそへ運び出そうとした時点で殺害する決意があった」と小川被告の主張を認めた。その上で「犯行は冷酷で残忍。同情の余地はない」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2006年2月23日、被告側控訴棄却。上告せず確定か。

氏 名
陳玉興(30)
逮 捕
 2004年10月7日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死傷他
事件概要
 横浜市の無職陳玉興被告ら8人は2004年5月22日未明、四日市市小古曽の医師の男性(65)宅に侵入。就寝中の夫妻に暴行し、現金や貴金属など計約2000万円相当を奪った。顔に粘着テープを巻かれた男性の妻(当時58)は窒息死し、男性は肋骨を折るなどの重傷を負った。
裁判所
 津地裁四日市支部 村上久一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年9月30日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「職業的に犯行を重ね、被害者を死亡させるなど重大な結果を招いた」として無期懲役を求刑した。弁護側は「実行犯の中では従属的な立場だった」と有期刑を求め、結審した。
 村上裁判長は「役割分担をするなど強盗を組織的に計画し、実行犯だった陳被告の犯行は悪質」と指摘した。
備 考
 この事件では、実行犯の中国人7人のうち6人が逮捕、起訴された。
 被告側は控訴した。2006年6月13日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。被告側上告棄却、確定(日時不明)。

氏 名
片桐俊(38)
逮 捕
 2004年10月24日(現行犯逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反他
事件概要
 指定暴力団住吉会系元組幹部・片桐俊(すぐる)被告は加藤勉被告(公判中?)とともに2004年10月24日午後1時40分頃、東京都台東区のホテル1階の喫茶店で、対立する指定暴力団山口組系暴力団幹部と話し合い中に拳銃6発を発砲。幹部2人(当時55、41)を拳銃で射殺し、別の幹部2人(ともに当時38)も重軽傷を負った。女性従業員と女性客計3人がいたが無事だった。
 同日正午前、ホテル近くにある片桐容疑者が所属する住吉会系の組事務所に、山口組系の組員が押し掛けてトラブルになった。その後110番通報で駆けつけた浅草署員がいったん解散させたが、組同士が喫茶店で話し合いをしていたところ事件が発生した。
裁判所
 東京地裁 毛利晴光裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年10月3日 無期懲役
裁判焦点
 毛利晴光裁判長は「犯行は誠に短絡的で、人命軽視も甚だしい。一般社会からも受け入れられない暴力団の論理」と指弾したが、「組織間の勢力争いを原因とした犯行で酌量の余地はないが、組織性がなく反省の態度も見られる。更生の可能性がないとは言い切れない」と述べた。
備 考
 検察・被告側は控訴した。2006年7月10日、検察・被告側控訴棄却。2006年11月27日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
東條芳之(31)
逮 捕
 2004年3月5日
殺害人数
 0名
罪 状
 殺人未遂、爆発物取締罰則違反(製造、使用)
事件概要
 建設業東條被告は元妻(28)との離婚をめぐるトラブルから、元妻の母親(50)らを殺害しようと計画。2004年2月27日、アセトン化合物を使った手製爆弾を封筒に入れ、高松市内の元妻の実家に郵送。翌28日午後5時50分ごろ、台所で爆発物を爆発させ、元妻の母親の右手などに大けがをさせたほか、長男ら2人に軽いけがを負わせた。
裁判所
 高松地裁 増田耕児裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月4日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「爆発物の威力はすさまじく、被害者が一命を取り留めたのは奇跡的。完全犯罪をもくろんだ計画的かつ卑劣な犯行で、元妻や子供たちが巻き込まれる可能性が高いことを認識していた。目的のために手段を選ばないゆがん人格のなせる技で言語道断というほかない」などとして無期懲役を求刑した。
 東條被告は公判で、起訴事実を全面的に否認し無罪を主張しているが、検察側は論告で「被告の自宅から爆発物の原材料が発見されたほか、インターネットを通じて爆破物の作成方法を熟知していた」などと指摘した。
 弁護側は「検察官は有罪に足りる証拠を提出できていない」などと無罪を主張した。
 増田耕児裁判長は「周到に計画された卑劣で残虐な犯行で、被害者の身体的、精神的苦痛は計り知れない。一歩間違えば近隣住民にも重大な被害を与える危険があった。にもかかわらず被告は不合理な弁解をし、反省の態度がうかがえない」と理由を述べた。
 無実を訴えた点については、「インターネットサイトの閲覧を通じて爆発物や起爆装置製造の知識があった」「爆発物の成分が付着した金属粉末が自宅から発見された」「事件前に爆発物の原料を購入していた」などと指摘し、「被告が爆発物を製造し郵送したのは疑う余地がない」と断定。
 「被告が自分の子供を巻き添えにするとは考えられない」との主張についても、「義母を殺害するため、子供を巻き込んでも構わないと考えた」と退けた。
備 考
 被告側は即日控訴した。2007年1月30日、高松高裁で被告側控訴棄却。2007年10月16日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
満生日出男(54)
逮 捕
 2001年10月19日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人他
事件概要
 元トラック運転手満生日出男(みついき・ひでお)被告は、保険金目当てで福岡県大野城市に住む設計事務所経営者の男性(当時58)の殺害を計画。満生被告は元トラック運転手栗田敏男被告に殺害を依頼。栗田被告はトラック運転手の2被告(いずれも逮捕監禁で起訴)と共謀し、2001年11月11日午後9時頃、福岡県春日市の事務所を出て帰宅しようとした男性を車の後部座席に押し込み、「知人から連れてくるように言われた」と言って顔を殴り、両手を縛るなどして拉致した。栗田被告は2被告を春日市内で降ろした後、福岡県宇美町で男性を絞殺した。
 満生被告は男性の妻と交際しており、数百万円を貸していた。そのため、満生被告が男性に生命保険を掛けるよう男性の妻に持ち掛け、満生被告が保険料を支払っていた。殺害後、妻は保険金1100万円を受け取り、一部を借金の返済に充てていた。満生被告は栗田被告に報酬として450万円を渡した。
裁判所
 福岡地裁 林田宗一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月5日 無期懲役
裁判焦点
 満生被告は初公判で起訴事実をほぼ認めたが、後に「主犯は妻」と起訴事実を否認した。
 実行犯である栗田被告は「殺人を依頼されたが殺害はしていない。殺害をしたのは死亡した別人である」と無罪を主張した。
 林田裁判長は栗田被告の無罪主張を、「弁解は不合理で、別人が真犯人との証拠がない」として退けた。また「捜査段階の供述は迫真性、臨場感に富む描写があり、信用性が高い」と満生被告が首謀者と認定した。
備 考
 栗田敏男被告は求刑通り懲役20年判決。控訴中。
 殺害された男性の妻は殺人の罪で起訴、懲役18年を求刑されたが、2004年5月27日、一審福岡地裁、谷敏行裁判長は「満生被告が殺人計画の詳細を知らせていない」などとして、2人の共謀関係を否定。しかし、「殺害の意図に気付きながら保険に加入し、殺害を心理的に促進した」として、殺人ほう助の罪を適用し、懲役4年の判決を言い渡した。
 しかし2005年4月7日、福岡高裁虎井寧夫裁判長は、「保険の加入手続きをした時点で、共犯が夫を殺害してもやむを得ないと考えたことが推認できる。犯行に不可欠な手続きを自らしたことにより実行役と刑事責任に差はない」として殺人罪を適用。一審判決を破棄し、懲役12年を言い渡した。2005年9月12日付けで最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は被告側の上告を棄却、刑が確定した。
 被告側は控訴した。2006年6月23日、被告側控訴棄却。2007年1月22日、被告側上告棄却、確定。
氏 名
前田裕臣(34)他2被告
逮 捕
 2002年6月13日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、銃刀法違反他
事件概要
 福岡市の金融会社従業員前田裕臣被告、木崎龍一郎被告、木村義和被告、牟田秀幸被告の4人は、不正な貸し付けにより数100万円以上を使い込んだり、会社社長(当時42)に多額の借金をしていたことなどをきっかけに殺害と現金強奪を計画。2002年6月12日午前2時頃、会社事務所で、よく出入りしていた無職金子久男被告が社長の頭と胸を拳銃で撃ち殺害。現金など約60万円を奪った。
裁判所
 最高裁第二小法廷 裁判長名不明
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月11日? 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を理由に争ったか?
備 考
 牟田秀幸被告は無罪を主張して分離公判。2004年2月4日、求刑懲役15年に対し、一審懲役12年判決。
 2004年1月14日、福岡地裁で一審無期懲役判決。二審判決日不明。1被告(名前不明)は上告せず確定。

氏 名
本田忠勝(54)
逮 捕
 2003年2月20日(会社社長殺人未遂容疑 3月13日、殺人、放火容疑で再逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、現住建造物等放火、殺人未遂他
事件概要
 福岡市西区に住む無職本田被告は2003年2月20日未明、隣の次兄宅にガソリンと灯油をまいて放火し、全焼させた。次兄の妻(当時54)と長女(当時27)は一酸化炭素中毒で死亡、二女は重傷を負った。火災直後に佐賀県浜玉町に住む長兄宅に火炎瓶で放火し、殺害しようとした。
 2月19日午後7時頃、以前勤務していた福岡市西区にある会社の事務所に押し掛け、社長の男性(当時63)の頭を金づちで数回殴り、頭蓋骨骨折の重傷を負わせた。
 本田被告は、不動産の遺産相続で不平等な扱いを受けたと兄弟などを逆恨みしていた。
裁判所
 福岡地裁 谷敏行裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月13日 無期懲役
裁判焦点
 本田被告は逮捕当時、放火は認めたが殺意を否認した。初公判では起訴事実を全面否認している。
 検察側は「遺産相続を巡り、自分が損をしていると勝手に思いこみ、放火を計画した」と指摘。「犯行発覚に備え、警察への応戦用に火炎瓶を用意するなど用意周到な犯行。公判での傍若無人な態度は目に余り、更生の余地はない」「法廷で、遺族に暴言を吐き続け、反省の態度も全くない」と述べた。
 谷裁判長は判決理由で「捜査段階の供述は具体的で迫真性に富む一方、公判供述は不自然で信用できない」と被告側主張を退けた。その上で「被告の家庭崩壊は自らの振る舞いに原因があるのに、兄らを恨んだ動機は自己中心的で酌量の余地はない。法廷で被害者を中傷する発言を繰り返し、反省の態度は認められない」と述べた。
備 考
 本田被告は初公判で裁判長から氏名や住所の確認を求められると「名前は捨てた。(留置番号の)九十二番です」と拒否。裁判長が逮捕時の写真で本人と確認した。
 本田被告は論告求刑公判の約2時間、谷裁判長や検察官に向かって、「ばかたれが、うそこけ」「人間の皮をかぶった悪魔」などと大声で罵倒し続けた。谷裁判長は「だまれ」と何度も注意したが、論告を終わらせることを優先し、退廷命令は出さなかった。
 判決日、本田被告は入廷するなり「おれはやっていない」と大声を上げ、主文が言い渡されると「推測で人をはめるな」とわめき退廷になった。
 被告側は控訴した。2006年6月28日、被告側控訴棄却。2006年11月6日、被告側上告棄却、確定。
 遺族は本田忠勝被告を相手取り、総額1億円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。本田被告は傍聴席の遺族に対しても暴言を吐き続けた。「被告は何の反省もしていない。自分の犯した罪の大きさを感じてほしい」。遺族は、理不尽に命を奪われ、悲しさ、つらさ、悔しさを語ることができない2人の気持ちを代弁するため、提訴に踏み切った。本田被告は答弁書で請求棄却を求めている。

氏 名
落合茂(37)
逮 捕
 2004年10月26日(窃盗容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗殺人未遂、強盗強姦、窃盗他
事件概要
 東京都のゲームセンター店員落合被告は、パチスロなどにのめり込んで借金を重ね、返済のために1999年頃から空き巣を繰り返していた。2003年7月7日、茨城県水戸市に住む会社員の女性(40)方に侵入し、帰宅した女性に包丁で切り付け重傷を負わせ、何も取らずに逃げた。
 2003年7月17日、茨城県那珂市に住む会社員の女性(当時37)の自宅アパートに侵入したが、在宅していた女性に見つかったため絞殺。現金85000円とキャッシュカードを奪い、で現金166万円を引き出した。
裁判所
 水戸地裁 林正彦裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年10月13日 無期懲役
裁判焦点
 被告側は罪をすべて認めている。
 検察側は「パチンコなどによる借金を、無関係な被害者の生命と財産であがなった利欲的な動機に基づく残忍な犯行。強盗殺人未遂事件や窃盗も繰り返した」「殺害されたのは1人だったが、水戸市の女性の顔面にも大きな傷が残り、仕事にも復帰できない」などとして、死刑を求刑した。
 被害者が持っていたキャッシュカードなどを奪うため、2人が帰宅することを十分予測した上で侵入したか否かも争点となった。林裁判長は、強盗に用いる凶器をまったく用意していなかったことなどを挙げ、「計画があったと認めるには合理的な疑いが残る」との判断を示した。
備 考
 検察側は控訴した。2006年6月22日、検察側控訴棄却。検察側上告せず、確定。

氏 名
畠山雅之(40)
逮 捕
 2004年5月18日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反(拳銃発射、加重所持)
事件概要
 暴力団組員畠山被告は2003年4月23日午後6時半頃、東京都新宿区歌舞伎町にあるマンションの非常階段で、同じ組の幹部(当時41)に拳銃4発を発射し、殺害した。畠山被告は「幹部は日ごろからいばり散らしており、不満がたまっていた。自分の兄貴分にも暴行したので許せなかった」と供述している。このマンションには、組の事務所や幹部が使用していた部屋が入っていた。
裁判所
 東京高裁 仙波厚裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月18日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 仙波厚裁判長は「至近距離から拳銃を4発発射したのは執拗かつ冷酷非道で一審の量刑は軽すぎる」と述べた。
備 考
 2005年2月、一審東京地裁で懲役20年判決。被告側は上告した。

氏 名
徐寧(22 中国籍)
逮 捕
 2004年4月(クレジットカード使用による詐欺未遂容疑。2004年8月18日、強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、詐欺未遂他
事件概要
 中国・山東省出身の元日本語学校生徐寧被告は中国黒竜江省出身の元日本語学校生、斉宇輝容疑者(中国に逃亡? 国際手配中)と共謀。2003年12月11日夜、東京都江戸川区内のマンション屋上からロープを張って最上階に住むガラス店経営の女性(当時70)方に侵入。女性の手足を電気コードで縛り、口にレッグウオーマーを押し込むなどして窒息死させ、現金14000円とキャッシュカードやクレジットカード計8枚を奪った。
 徐被告は翌日、大田区西蒲田の洋服店で、奪ったクレジットカードで買い物をしようとしたとして、2004年4月に逮捕された。
裁判所
 東京高裁 須田賢裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月18日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 徐被告は一審で殺意について否認。東京地裁成川洋司裁判長は、「無期懲役も考慮すべきだが、役割が従属的などの事情がある」として酌量減軽し、有期刑の上限を選択した。
 須田裁判長は「共犯者とは対等な立場で役割分担し、被告の暴行が被害者の死の原因となったことは明らか」と指摘した。
備 考
 2005年4月27日、一審東京地裁で懲役15年判決。被告側は上告した。

氏 名
古谷学(25)
逮 捕
 2005年3月12日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、建造物侵入
事件概要
 無職古谷被告は2005年3月1日早朝、以前アルバイトをしていた東京都新宿区の鳥料理店に合い鍵を用いて侵入し、売上金約15万円を盗んだ直後、同僚だった店員の男性(当時18)に見つかり、腹や首を刺して失血死させた。
裁判所
 東京地裁 小川正持裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月18日 無期懲役
裁判焦点
 論告で検察側は「同棲相手との交際1周年に当たる日のデート資金に窮したことなどから、かつて働いていた店に盗みに入り、偶然鉢合わせした被害者を保身のために惨殺しており、動機に酌むべき事情はない。約6時間後にはデートに出かけるなど、事件の重大さを理解した行動とは認められず、極めて冷酷」と指摘した。弁護側は最終弁論で「被告は反省しており、寛大な刑を求める」と述べた。
 小川裁判長は判決で「被害者の損傷は計76カ所にも及んでおり、せい惨というほかに言葉が見当たらない。窃盗行為が発覚するのを避けるという自己保身を図るために極めて短絡的に殺害に及んでおり、およそ酌量の余地はない」と断罪した。
備 考
 被告側は控訴した。本人控訴取り下げ、確定。
 石川県能登町出身である被害者の両親は、誠意ある謝罪がないとして古谷被告とその両親を相手取り損害賠償を求めて提訴。2008年3月13日、金沢地裁(倉田慎也裁判官)は古谷被告に請求額どおりの550万円を支払うよう命じた。しかし古谷被告の両親については事件当時は成人になっており養育者としての注意義務違反は認られないとして請求を棄却した。

氏 名
西山信昭(32)
逮 捕
 2005年4月2日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、殺人未遂、保護責任者遺棄、未成年者略取他
事件概要
 京都府舞鶴市の無職西山被告は、同市に住む店員の女性(当時25)と交際し多額の金品を贈っていたが、借金が840万円に達して金に困るようになると離れていったため、自分は利用されているだけと考え、殺害して逃走資金を奪おうと企てた。2005年3月28日午後10時15分ごろ、女性方に侵入。逃げようとした女性の首を背後からひもなどで絞めて殺害し、現金7万円やキャッシュカード、バッグなどを奪い、兵庫県篠山市の山に遺体を捨てた。また、自宅にいた子ども2人を連れ出し、同29日未明、気温も低く放置すれば衰弱して死亡する危険性を認識しながら、就寝中の女児(当時2)を福知山市内の山中で川のそばに投げ落とし、31日夜には、男児(当時4)を高知県内の国道に放置した。長女は3月29日に、長男は1日、警察に無事保護された。
裁判所
 京都地裁舞鶴支部 新井慶有裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月18日 無期懲役
裁判焦点
 地検は女性殺害の動機について、西山被告が多額の金品を贈ったが、利用されているだけだと感じて憎悪を募らせたとした。所持品を奪ったことについては、最初から逃走資金に使う目的で、実際に使ったとした。
 また、西山被告は殺人現場を見た兄を殺そうと考える一方、2歳で他言できない妹は殺す必要がないと判断。だが一人だけを女性方に置いていくこともできず、2人とも連れ去った。結果的に先に置き去りにした妹については「死んでくれればいい」と思ったが、なついていた兄の方は連れ回すうちに「さらに情がわいた」などとした。
 検察側は「犯行は残酷。女児を放置する際は衰弱して死ぬ危険性を認識しており、男児に与えた恐怖も計り知れない。まだ若く、子供の将来を楽しみにしていた被害者の無念さは余りある」と述べた。
 弁護側は続く最終弁論で「事件の本質は男女関係の愛憎、もしくはゆがみ」とし、女児への殺人未遂については「近くに民家もあり、積極的な殺意はなかった」などと意見を述べた。
 新井慶有裁判長は「短絡的かつ身勝手な動機に酌量の余地はない。関係のない幼児に対する犯行で犯情も極めて悪い」と指摘、求刑通り無期懲役を言い渡した。
備 考
 被告側は控訴した。2006年4月26日、被告側控訴棄却。

氏 名
松本常秋(68)
逮 捕
 2005年3月20日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 滋賀県彦根市の無職松本被告は、カーナビゲーションの代金15万円や、知人への借金百数十万円の返済に困り、2005年2月20日午前中、常連だった喫茶店を経営する女性(当時61)の自宅へ借金を頼みに行ったら断られた。さらに21日午前中にも再度訪問したが断られたため、持参したひもで首を絞めて女性を殺害し、室内から現金34万円を奪った。松本被告は以前に女性から現金数万円を借りたことがあった。女性の遺体は3月12日夜に発見された。
裁判所
 大津地裁 長井秀典裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月18日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「金を貸してくれない被害者に責任を転嫁し、短絡的に殺害した」と指摘した。弁護側は「遊ぶ金欲しさではなく、計画性もない」と寛大な判決を求めた。
 長井裁判長は判決理由で「何の落ち度もない被害者に対し、計画的で強い意思に基づく容赦ない犯行で、刑事責任は重大」と指摘した。
備 考
 被告側は控訴した。

氏 名
山口礼子(47)
逮 捕
 1999年8月30日(二男殺害容疑 外尾被告は8月26日逮捕)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人,詐欺未遂,窃盗,詐欺,住居侵入,強盗
事件概要
 愛人関係にあった佐賀県鹿島市の古美術商外尾計夫被告と元生命保険会社営業職員山口礼子被告は、1992年9月11日未明、佐賀県太良町の海岸で睡眠導入剤などで眠らせた山口被告の夫(当時38)を水死させ、保険金約1億円をだまし取った。
 1998年10月27日、長崎県小長井町の海岸で、山口被告の次男の高校生(当時16)に睡眠導入剤入りのカプセルを飲ませ、海に放り投げて殺害、保険金3500万円を騙し取ろうとした。
 他にも鹿島市内の女性宅に押し入り、現金約13万7千円などを強奪していた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年10月25日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審とも山口被告は従属的立場であることを主張していた。
 一審判決は山口被告主導の犯行としたが、二審判決は二人の役割は同等だったと判断。山口被告の長男らが極刑を望んでいないことなどを考慮、「人間性と更生可能性に酌むべき点がある」として死刑判決を回避した。
 上告理由は不明。
備 考
 2003年1月31日、長崎地裁で死刑判決。2004年5月21日、福岡高裁で一審破棄、無期懲役判決。判決後に同じ拘置所に拘置されていた男性と結婚し、現姓水田。

氏 名
柳貴士(29)
逮 捕
 2004年5月19日(詐欺などの容疑で指名手配後、出頭)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、死体遺棄、監禁他
事件概要
 無職柳被告は2004年2月6日午前3時半ごろ、埼玉県草加市の路上で、会社員の男性(当時42)と交通トラブルになり、男性から金品を奪おうとして殴ったうえ車に乗せ、さらに車内で暴行を加えた。柳被告は、その1時間後、東京都足立区の内装工高川晃一被告(監禁、死体遺棄罪などで公判中)ら2人を呼び、男性からキャッシュカードなどを奪い、預金のほぼ全額の約68万円を引き出した。さらにクレジットカードで貴金属約30万円相当を買った。その後、柳被告は帰宅し男性を車内に放置。約9時間後、男性は気道損傷による呼吸不全で死亡した。柳被告ら3人は同月11日夜に、千葉県本埜村の造成地に遺体を遺棄した。
 遺体は高川被告の供述で、5月25日に発見された。
裁判所
 東京高裁 植村立郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月26日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 柳被告は強盗の犯意を否定していたが、植村裁判長は「犯行当初の段階で現金を要求するなど、強盗の故意があったのは明らか」と退けた。
備 考
 2005年6月10日、さいたま地裁で一審無期懲役判決。

氏 名
施建泉(36)
逮 捕
 2002年12月10日(入管難民法違反罪に問われ東京地裁で公判中)
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗致傷、強盗、住居侵入他
事件概要
 中国国籍の無職施建泉(スー・ジェンチュエン)被告は、薛行全被告(一審無期懲役判決、控訴中)らと共謀し、2002年8月9日午後2時20分ごろ、名古屋市東区の会社社長宅に押し入り、社長の妻(当時71)の顔を殴るなどして、現金5889万円や株券103枚(時価4377万円相当)などを奪った。このほかにも6軒に押し入り、合計で現金約7500万円と4億円相当の貴金属などを奪った。
裁判所
 名古屋地裁 伊東一広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月27日 無期懲役
裁判焦点
 伊東裁判長は「計画的、組織的犯行で、重要な役割を果たした」と述べた。
備 考
 

氏 名
伊藤忍(38)
逮 捕
 2005年5月9日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、窃盗他
事件概要
 福島県郡山市の配管工伊藤被告は、2005年1月から3月にかけて数回、郡山市のアパートに住む歯科衛生士の女性宅の水漏れ防止工事時に合鍵を作成。5月3日午前4時頃、女性(当時33)宅に暴行目的で侵入。抵抗されたため首を絞めて殺害し、現金や財布が入ったバッグなどを盗んだ。
裁判所
 福島地裁 大沢広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月28日 無期懲役
裁判焦点
 伊藤被告は起訴事実を全面的に認めたため、9月9日の初公判で結審した。論告で検察側は、「合鍵を作るなど周到に準備した犯行で悪質極まりない」と指摘した。弁護側は、「女性がドアチェーンをかけ忘れるなど、伊藤被告にとって侵入しやすい不幸な偶然も重なった」と情状酌量を求めた。
 判決理由で大沢裁判長は「工事業者の立場を悪用して合鍵を手に入れることは言語道断。女性の人格を全く無視し、許し難い」と指摘した。
備 考
 公判では、伊藤被告が争わない姿勢を示し、検察側と弁護側が事前に協議を重ね、9月9日の初公判で異例の即日結審、第2回公判で判決となった。初公判前に検察と弁護側が証拠を開示して争点を明確化し審理の迅速化を図る目的で11月に導入される「公判前整理手続き」をにらんだ先駆的ケースとなった。
 控訴せず確定。

氏 名
村山大輔(22)
逮 捕
 2004年10月14日(別の強盗傷害容疑で逮捕済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗致傷他
事件概要
 埼玉県鶴ケ島市の塗装工村山大輔被告は、2004年6月〜8月、埼玉県熊谷市で知り合いの中学生らと共謀し、自転車や通行人をいきなり金属バットで殴り、現金を奪う強盗事件を6件起こした。
 村山被告は塗装工の少年(当時18 少年院送致)、中学三年生2名(ともに当時15 少年院送致)と弟である中学二年生(当時13 少年院送致)と共謀し、2004年7月29日午前1時頃、熊谷市の市道で、車が脱輪して助けを求めていた男性(当時65)を、金属バットで殴って所持金約13万円を奪い、脳挫傷で死亡させた。
 村山被告は生活費欲しさから「13歳以下なら逮捕されない」などと言って少年らに金属バット強盗を実行させていた。一連の連続強盗事件では、村山被告を除き少年5人を含む7人が逮捕されている。
裁判所
 東京高裁 中川武隆裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年10月31日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で村山被告は「量刑が重すぎて不当」などと主張していた。
 判決理由で中川裁判長は「命の重さを顧みることなく金銭目的で被害者を襲った極めて凶悪な犯行。未成年者の共犯者に指示を与えるなど被告の刑事責任は非常に重い」と述べた。
備 考
 2005年6月27日、さいたま地裁で一審無期懲役判決。

氏 名
溝田定男(49)
逮 捕
 2005年1月9日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、住居侵入、銃刀法違反
事件概要
 奈良県橿原市の自称不動産ブローカー溝田定男被告は、2005年12月26日午前1時45分頃、大和高田市に住む金属スクラップ工場経営の男性(当時57)の自宅兼事務所に押し入り柳刃包丁を突きつけて金を要求。男性が反撃したため小刀で刺して殺害し、現金約490万円などが入ったビジネスバッグを奪った。溝田被告は、男性ともみ合った際に左手や腹を負傷して入院し、高田署は回復後に逮捕した。
 溝田被告は男性と面識がなく、消費者金融などに約300万円の借金があった。
裁判所
 奈良地裁葛城支部 榎本巧裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月2日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「計画的で犯行態様は悪質。被告人には強固な殺意があった」とした。論告で検察側は、弁護側が主張した正当防衛について「被告は刃物を持って住居侵入している」と述べた。これに対し弁護側は「被告人は襲うそぶりをしておらず、殺人は思いがけない抵抗に対してとっさに取った行動。正当防衛が成立する」と改めて述べた。
 榎本裁判長は「溝田被告が包丁を突きつけたことなどを考えると、被害者の反撃行為こそ正当防衛」などと指摘した。
備 考
 

氏 名
村田芳彦(47)
逮 捕
 2004年4月6日(覚せい剤取締法違反の罪で起訴済)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 福岡県の元暴力団員池田昭雄被告(一審無期懲役判決、控訴中)とスナック経営村田芳彦被告はともに1000万円を超える借金があったため、池田被告が村田被告に相談。村田被告が、福岡市南区で不動産事務所を経営する知人の男性(当時64)に架空の土地建物売買の話を持ちかけて現金を用意させ、その報告を受けた池田被告が男性を殺害して現金を奪うことを決意。、2004年2月10日午前11時半頃、男性の不動産事務所で、池田被告が男性を殺害。現金800万円などを奪って遺体を車で運び出し、翌日、宮崎県小林市の雑木林に埋めた。
裁判所
 福岡地裁 谷敏行裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月7日 無期懲役
裁判焦点
 村田被告は「協力を拒否すれば(共犯者が)家族に危害を加えかねないと思った」と主張。また、「現金を奪うつもりだったが、殺人などの共謀はしていない」と起訴事実の一部を否認した。
 検察側は「終始忠実に(殺害時に見張り役をするなど)自己の役割を果たしており、共犯者を制止することもなかった。金が目的だったと認められる」と指摘した。
 谷裁判長は「殺害を前提に謀議したという共犯者供述は具体的で迫真性がある」と退けた。
 また、弁護側は村田被告に対する県警の取り調べについて「逮捕前の段階で午後八時から翌日午前五時まで続けるなど、連日長時間に及び違法」と主張していたが、谷裁判長は「被害者は犯罪に巻き込まれた可能性があり、緊急性が極めて高かった」と述べ、捜査の違法性を否定した。
 そして「犯行は周到で計画的。金銭欲のため平然と他人の命を奪った身勝手な動機に酌量の余地は皆無」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2006年7月26日、被告側控訴棄却。上告せず、確定。

氏 名
長谷部泰輔(24)
逮 捕
 2005年5月7日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 窃盗、強盗殺人、死体遺棄、横領、詐欺、窃盗未遂、詐欺未遂
事件概要
 千葉県松戸市の無職長谷部泰輔被告は、パチスロで100万円を超す借金があったことから、女性と親しくなって金をもらおうと考え、2005年5月2日夜、JR新宿駅東口で東京に遊びに来た日焼けサロン店員の女性(当時19)に声をかけ自宅アパートに誘い込んだ。3日午前、女性が寝ている間にキャッシュカードを盗んだが、気づいた女性が警察に届け出ようと逃げようとしたため、首を絞めて殺害。現金約1万2000円が入った財布などを奪った。そして6日深夜、女性の遺体をスーツケースに入れてタクシーで運び、柏市の水田に捨てた。女性は29日から友人を訪れるために上京していた。
 長谷部被告は殺害後、女性の携帯電話に登録されていた青森県の実家に電話をかけ、「女性に現金を盗まれた。弁償すれば告訴を取り下げる」などと被害者のふりをして、母親から女性のキャッシュカードの暗証番号を聞き出したが、残高がなかったため失敗した。また、示談金名目で女性の知人から金をだまし取ったりした。
裁判所
 東京地裁 小川正持裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月10日 無期懲役
裁判焦点
 公判で被告は起訴事実を認めていた。
 判決理由で小川裁判長は「パチスロで金に窮し、声を掛け親しくなった女性から金をせびろうと考えた。思い通りにならず殺害して金品を奪ったという動機はあまりに身勝手で愚かしい」「被害者の安否を気遣う家族や知人の心情を逆手に取り、非情というほかない」と述べた。
 さらに「被害者は親元を離れて自立した生活を始めたばかりだった。突如として将来のすべてを奪われた無念さは多大だろう」と被害者の心情に触れた。
備 考
 控訴せず、確定。

氏 名
小松代啓史(28)
逮 捕
 2003年11月
殺害人数
 0名
罪 状
 住居侵入,強盗致傷,強制わいせつ,強盗強姦,強盗,窃盗,詐欺,窃盗未遂
事件概要
 無職小松代(こまつしろ)被告は、無職鈴木勝宏被告と共謀。2003年8〜11月、東京、埼玉、千葉、栃木各都県で「配電盤の点検に来た」と嘘を言って、女性宅計10軒に侵入。殴ったり包丁で脅したりして金品を奪ったほか、5人を強姦するなどした。金品の被害は小松代被告の単独犯行分も含め、約500万円に上った。
裁判所
 東京地裁 細田啓介裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月14日 無期懲役
裁判焦点
 判決理由で細田啓介裁判長は「凶悪犯罪を常習的に行った。性欲を満たし、被害を届けにくくさせるためという乱暴の動機に正当化の余地はない。実際に乱暴した被告の責任は共犯者より重い」と述べた。
備 考
 鈴木勝宏被告は11月2日、求刑通り一審懲役20年判決。
 被告側は控訴した。2006年10月11日、被告側控訴棄却。2007年3月22日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
伊藤白水(51)
逮 捕
 2002年10月26日(自首)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 右翼活動家伊藤被告は2002年10月25日、民主党衆議院議員(当時61)の自宅前で議員を刺殺した。伊藤被告は家賃を3年間分・約200万円を滞納、10月17日に世田谷区のアパートを強制退去させられるなど経済的に逼迫しており、以前から面識のあった議員に助けてほしいと頼んだが、断られたのが動機と供述している。
裁判所
 最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月15日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 伊藤被告は「議員への多額の資金提供を仲介したのに、恩をあだで返された」などと動機を供述したが、一・二審は「被告が根拠のない供述に固執しており、動機の解明は不可能」と判断した。伊藤被告は上告審でも同様の主張をしたが、第三小法廷は実質的な判断を示さずに退けた。
備 考
 検察側によると、国会議員の殺害は戦後4件起きたが、他の事件は容疑者が自殺するなどしており、判決は初めて。
 2004年6月18日、一審無期懲役判決。2005年6月30日、被告側控訴棄却。

氏 名
斎藤義仁(21)/神明勝信(22)
逮 捕
 斎藤被告:2004年12月23日
 神明被告:2004年12月29日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗、強盗致傷、強盗強姦、強制わいせつ、恐喝、傷害、窃盗、死体遺棄
事件概要
 無職斎藤被告、無職神明被告、配管工の少年(当時18)、無職の少年(当時16 斉籐被告の実弟)、男子高校生(当時16)の5人は共謀し、2004年12月22日午前4時20分頃、千葉県茂原市のJR茂原駅付近で、帰宅途中だった県立高校定時制2年の女子生徒2名(当時17)を取り囲んで脅し、顔を蹴るなどをしてバッグや現金などを奪った。そのとき、顔を見られた神明被告が事件の発覚を防ごうと女子生徒1名を車で拉致。5人で女子生徒に暴行を繰り返したが、配管工の少年が女子生徒と顔見知りであることに気づき、殺害を決意。乗用車で女子生徒を東金市の旧ホテル敷地内に連れていき、同日午前6時半ごろ、電気コードで首を絞めて殺害した。死体は現場にあった冷凍庫内に遺棄した。
 5人は2004年10月頃から、遊ぶ金を得ようと強盗、強姦等を繰り返していた。
 本件を含め、他の強盗傷害や窃盗など計11件を合わせて起訴されている。
(判明分)
・10月23日、強盗傷人。金属バットにより、被害者は1ヶ月の重傷。
・12月1日、窃盗。
・12月6日、窃盗。
・12月6日、強盗強姦。
・12月20日、窃盗。被害額400万円。
・12月21日、強盗傷害。
裁判所
 千葉地裁 金谷暁裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月16日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は論告で「強盗に及んだ女子生徒に顔を見られたなどと思い、犯行を隠蔽する目的で殺害した」と指摘。弁護側は最終弁論し、「時間的、場所的に犯行には継続性がない」として、法定刑が死刑と無期懲役しかない強盗殺人罪ではなく、強盗傷害罪と殺人罪の適用を求めた。
 金谷裁判長は判決で、強盗の発覚を防ぐための殺人で双方は強い関連性があると認定。強盗傷害罪と殺人罪の適用を求めた弁護側の主張を退けた。
備 考
 元男子高校生は求刑懲役14年に対し懲役13年が、無職少年は求刑懲役15年に対し、懲役14年の判決が言い渡されている。
 無期懲役を求刑されていた少年は2005年10月14日、千葉刑務所の独居房で首をつって自殺した。享年19。10月21日、公訴棄却。
 被告側は控訴した。斎藤被告は2005年12月に、神明被告は2006年1月4日に控訴取り下げ、確定。
 被害者の両親は加害者側に対し、約1億7000万円の損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こした。2006年10月26日、千葉地裁は斎藤被告、神明被告、少年被告の加害者側3人と、その両親ら3人の計6人に、計約1億5400万円の支払いを命じた。仲戸川隆人裁判長は判決理由で、加害者側がこれまで一切反論しなかったことから、請求を認めたと認定。加害者4人のうち少年2人の親の監督義務違反を指摘し、被害者の逸失利益と慰謝料を計約1億2500万円、両親の慰謝料を計1000万円と算定した。両親側の弁護士は「これまで慰謝の措置は一切無く、遺族の精神的苦痛は癒えていない」と話した。審理が分離されていた少年及びについて、千葉地裁は12月7日、約1億500万円を上限に支払うよう命じた。

氏 名
池永浩史(39)
逮 捕
 2002年10月31日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人
事件概要
 無職池永被告は2002年10月23日頃、大分市で農業を営む父(当時67)と母(当時61)から働かないことを非難され立腹。鉄の棒で数回殴り、殺害した。池永被告は両親の二男で、同居していた。池永被告はシンナー中毒で以前から入退院を繰り返し、家や近所で暴れることがあり、家族が警察などに相談していた。遺体は30日夕方に発見された。
裁判所
 福岡高裁 浜崎裕裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月16日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 弁護側は、精神鑑定に基づき「被告は事件直前にシンナーを吸っており、心神耗弱か心神喪失状態だった」と主張したが、浜崎裁判長は「捜査段階の供述は具体的に犯行状況を説明している」として、被告の責任能力を認めた。さらに「身勝手な犯行であり、無期懲役もやむを得ない」と述べた。
備 考
 2005年5月16日、大分地裁で一審無期懲役判決。上告せず、確定。

氏 名
池田昭雄(60)
逮 捕
 2004年3月20日(被害者の車を盗んだ窃盗容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 福岡県の元暴力団員池田被告とスナック経営村田芳彦被告(一審無期懲役判決、控訴中)はともに1000万円を超える借金があったため、池田被告が村田被告に相談。村田被告が、福岡市南区で不動産事務所を経営する知人の男性(当時64)に架空の土地建物売買の話を持ちかけて現金を用意させ、その報告を受けた池田被告が男性を殺害して現金を奪うことを決意。、2004年2月10日午前11時半頃、男性の不動産事務所で、池田被告が男性を殺害。現金800万円などを奪って遺体を車で運び出し、翌日、宮崎県小林市の雑木林に埋めた。
裁判所
 福岡高裁 浜崎裕裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月18日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 判決理由で浜崎裁判長は「借金返済に困り、冷酷で残虐な犯行に及んだ。共犯に持ち掛けられた面もあるが、殺害計画を立案しており刑事責任は重大」と述べた。
備 考
 2005年3月3日、福岡地裁で一審無期懲役判決。上告せず確定。

氏 名
高瞻(32)/毛廟仁(26)/王震(24)
逮 捕
 2002年12月27日
殺害人数
 1名
罪 状
 身代金拐取、拐取者身代金要求、逮捕監禁、殺人、住居侵入
事件概要
 中国人留学生、高瞻(こう・せん)、毛廟仁(もう・びょうじん)、王震(おう・しん)各被告は、同じ留学生の喩貽、●嘯天(●は刑のつくりがおおざと)、孫凱元被告と共謀。2002年12月4日午前6時20分頃、風俗店を経営する中国人女性(当時43)を乗用車で連れ去って約16時間監禁し、内縁の夫の中国人男性(当時43)に身代金8000万円を要求した。その後、840万円まで要求額は下がったが、6人は警察に察知されたと思い込んで身代金受け取りを断念し、同日夜、女性の首を絞めて旅行かばんに詰め込み、名古屋港で海に投げ込んで水死させた。
裁判所
 名古屋地裁 伊藤新一郎裁判長
求 刑
 高、毛被告:死刑
 王被告:無期懲役
判 決
 2005年11月29日 無期懲役
裁判焦点
 主犯格の高被告は公判で、「首謀者ではなく、殺害を命令していない」と反論。また、毛、王両被告は「最初から殺す気はなかった」と訴えている。
 検察側は「女性と面識があったことから最初から殺害する計画だった」とし、「外国人犯罪が増加する中、凶悪犯罪に対しては厳罰が必要」「組織的、計画的犯行で殺害方法も残虐だ。反省もしていない」などと訴えた。
 伊藤裁判長は争点だった高被告の殺意について「捜査段階での『殺そうと思った』との供述は信用出来る」と認定。しかし「殺害することも予想はしていたが、計画時点で共謀があったとは認められない」と殺人の計画性を否定した。
 その上で、高、毛被告の量刑について「中心的な役割だが、他の共犯者を支配していたとまでは言えない」と指摘。王被告については「(無期懲役が確定した別の)3被告と比較して決定的な差異があったとは言えない」とし、3被告とも無期懲役とした。
備 考
 ●嘯天、孫凱、喩貽被告は2004年2月3日、名古屋地裁で求刑通り無期懲役判決。2004年8月27日、被告側控訴棄却。●嘯天、孫凱被告は上告せず確定。2004年12月15日、喩貽被告の上告棄却、確定。
 高瞻、毛廟仁被告について検察側は控訴した。王震被告は控訴した。2007年2月20日、名古屋高裁で王震被告の被告側控訴棄却。2007年2月21日、名古屋高裁で高瞻、毛廟仁被告に対する検察側控訴棄却。高瞻、毛廟仁被告は上告せず確定。2007年5月30日、王被告の被告側上告棄却、確定。

氏 名
細谷俊雄(67)
逮 捕
 2003年9月1日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人
事件概要
 秋田県神岡町の無職細谷俊雄被告は1983年ごろ、不倫相手との交際費や堕胎させる費用などに充てるため消費者金融から借金。雪だるま式に増えたため、自宅を担保にしたり、義母や義姉の預金を無断で払い戻したほか、長女のために義母が貯金していた100万円も返済に充てた。さらに二女にも借金させたが、2002年8月末には負債残高が約1700万円を超え、毎月の返済額は約70万円に上った。そのため、妻(当時59)と、妻の母(当時84)に2000万円の保険金を掛けた保険金殺人を計画した。
 細谷被告は2002年10月13日午後5時38分ごろ、後部座席に妻と義母を乗せたまま、金浦町の金浦漁港西側岸壁の突端近くで止めていた乗用車を発進させて深さ約4メートルの海中に転落させた。細谷被告は海中に沈んだ乗用車から自力で脱出し、近くにいた観光客に救助された。約40分後に地元のダイバーに引き揚げられた妻と義母は、本荘市の病院に搬送されたが死亡した。水死だった。妻は人工透析を受けるなどの病弱、義母も高齢で、ともに泳げなかった。
 細谷被告は事故後の調べに対して「漁港で休憩した後、乗用車を前進させたら(岸壁突端の)係船柱に接触した。一度後退し、再び前進しようとアクセルを踏んだら海に落ちてしまった」と説明していた。
裁判所
 仙台高裁秋田支部 畑中英明裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年11月29日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 一審で検察側は「2000万円の搭乗者保険金が手に入れば、厳しい取り立てに遭わずに済み、完全犯罪を遂げられると考えた」と指摘。「生命保険会社勤務当時の知識を悪用して犯行を決意し、船員時代の経験を基に水深を予測。元タクシー運転手の経験で確実に車を転落させ、海員学校時代に培った水泳技術で自分だけ助かった。犯行は被告の職歴と経験の集大成で、周到で巧妙だ」と断じた。
 細谷被告側は初公判で起訴事実を全面的に認めたが、2004年3月10日の第2回公判から殺意を否認。「運転操作を誤って転落した。故意ではない」とし、「極度の精神的圧迫」のもとであった取り調べで自白させられた、と訴えていた。
 秋田地裁の田村裁判長は日没後でも岸壁や海面が見えていたことや、車がマニュアル車で意識的な操作が必要なことなどから「車を意図的に転落させ、殺意の存在が認められる」と指摘。「反省の情を示しているとは認めがたい」「客観的状況から保険金目的の殺意が認定できる。冷酷極まりない動機に酌量の余地はない」と述べた。

 細谷被告は控訴審初公判で起訴事実を認めた上で、▽保険金殺人をもくろむ発端は以前勤めていた保険会社で無理な営業をして借金を重ねたことが大きな原因▽犯行は計画性がなく場当たり的に行われたなどとして「死刑は重過ぎる」と量刑について争う構えを示した。弁護側は「一審では車を転落させた状況の客観的証拠の検討が不十分だった。ためらいなく車を転落させたというのは誤りで、自分だけ助かる保証もなかった」などとして、計画的犯行ではないと主張。量刑不当を訴えていた。
 畑中裁判長は「被告人の刑責任は十分極刑に値するものとも考えられるが、犯行がそれほど周到な計画に基づくものとまではいえず、積極的に死刑を選択すべきものと断ずるにはなおちゅうちょを感じる」などと述べた。
備 考
 2004年9月22日、秋田地裁(田村真裁判長)で求刑通り死刑判決。秋田地裁で死刑判決が出たのは、五城目町で1968年7月に発生した質屋老夫婦強盗殺人事件の被告に対し、1969年1月に言い渡されて以来、35年ぶり(1970年6月に最高裁で死刑確定)。
 検察側は上告した。2009年1月14日、検察側上告棄却、確定。

氏 名
長井俊一(66)
逮 捕
 2002年7月22日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、現住建造物等放火
事件概要
 養鶏場を経営している長井被告は、従業員だった福島大三被告に頼み1989年4月5日午後9時20分ごろ、住み込み従業員(69)方に放火させ、従業員の妻(当時48)を焼死させ、従業員にも4カ月のやけどを負わせた。長井被告は従業員夫婦や住宅にかけた保険金計2773万円余を入手し、福島被告に報酬として現金300万円を渡すなどした。
裁判所
 最高裁第二小法廷 古田佑紀裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年11月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 長井被告側は一・二審で無罪を主張していた。
備 考
 2003年5月12日、さいたま地裁で一審無期懲役判決。2005年5月26日、東京高裁で検察・被告側控訴棄却。
 被害者の元従業員男性は、長井俊一被告、福島大三被告らを相手に、妻を殺害された慰謝料や着服された保険金、流用された障害基礎年金など計約7480万円の損害賠償を求めていたが、2005年7月1日、東京地裁(水野邦夫裁判長)で和解した。和解の内容は長井被告と同被告の妻が今月末に計500万円を支払い、支払われた段階で男性側が提訴を取り下げるというもの。福島被告については賠償能力がないため、金銭を求めず取り下げることにした。男性の代理人は「男性が『本当はそんな額の金額ではないが、ごちゃごちゃするのはもう嫌だ』と話したため受け入れた。男性は高齢で少しでも生活の足しになるのならと早期解決を選んだ」としている。
 福島被告は一審で求刑通り死刑判決だったが、2006年9月26日、東京高裁で無期懲役判決。

氏 名
上原聖鶴(38)
逮 捕
 2003年2月26日(傷害容疑)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、傷害致死、死体遺棄他
事件概要
 上原聖鶴(せいかく)被告は2001年1月頃、無職女性(懲役8年が確定)の弟と知り合って金をたかるようになり、弟は総額約2000万円を渡した。また2002年6月、上原被告らは静岡県伊東市の貸別荘で弟夫婦らを監禁、暴行し金を要求している。弟夫婦らが警察に保護されると、無職女性とともに母親(当時53)に「息子に金を貸しているのに返さない」と連絡し、呼びだした。以後母親は行方不明に。
 上原被告らは集団で静岡県や栃木県などで放浪生活を続けていた。2002年10月28日、長野県白馬村で上原被告は男子学生(当時21)、無職女性と共謀して母親の体を踏み付けるなどして殺害。11月21日には、長野県内で神奈川県厚木市の男子学生に頭をけるなどして死亡させた。2003年2月中旬、上原被告、高根沢受刑者は男子学生の知人である無職男性2名(ともに懲役10月執行猶予3年が確定)とともに2遺体を甲府市内のアパートに遺棄した。上原被告は2001年6月26日、弟夫婦らに対する傷害容疑で指名手配されていた。
裁判所
 最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 一・二審で被告側は殺意がなかったと主張。また、遺体が発見できたのは被告が自首したからと、減刑を求めていた。
備 考
 2004年2月5日、静岡地裁沼津支部で一審無期懲役判決。2005年7月7日、東京高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
連曙光(33)
逮 捕
 2003年1月29日(窃盗罪などで起訴済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂、銃刀法違反他
事件概要
 中国籍の無職、連曙光(れん・しょこう)被告は2002年9月27日午後7時頃、中国人グループのメンバーと共謀し、新宿区歌舞伎町の喫茶店で暴力団幹部2名を拳銃で撃ち、1人(当時34)を死亡させ、1人に大怪我を負わせた。
 黒竜江省出身の金石容疑者らを中心として、パチンコ店での窃盗や強盗事件などに関与する十人前後のマフィアグループと、死傷した幹部二人が関係する暴力団の組員らが、事件直前に別の飲食店でトラブルになっていた。両グループが現場の喫茶店で話し合いをしようとした矢先に、金容疑者らが計画的に発砲した。
裁判所
 東京高裁 裁判長名不明
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年11月30日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 逮捕時、連被告は「拳銃を渡され、引き金を引いたが、弾が出なかった」などと供述している。
備 考
 国際手配されていた主犯格の金石容疑者は2003年3月末に中国で拘束。日中間には身柄引き渡し協定がなく、中国は、自国の法律に基づき、国外犯として男を代理処罰するとみられる。
 本事件では他に8人の中国人が逮捕されている。
 2005年5月25日、東京地裁で一審無期懲役。

氏 名
八巻健二(34)
逮 捕
 2003年11月13日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 千葉県成東町の運送業八巻(やまき)被告は、従業員の男性(当時25)の保険金殺人を計画。男性の元妻の母親(39 一審懲役9年が確定)、元妻のいとこの男性(26 一審懲役13年が確定)と共謀。男性に、元妻との間に生まれた長男を受取人とする3000万円の生命保険に加入させた上、殺害して保険金を入手しようと計画。「3人で1000万円ずつ山分けしよう」と相談した。2004年9月15日午前0時頃、千葉県市原市内の山林で、八巻被告が男性の胸や腹を刃物で刺し、殺害した。保険金は支払われていない。
裁判所
 東京高裁 安広文夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月1日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 八巻被告は一審同様、控訴審でも実行行為はしていないと主張したが、高裁は主犯・実行犯であると認定した。
備 考
 2005年5月19日、千葉地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年6月5日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
田代タツエ(77)
逮 捕
 2001年11月24日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人
事件概要
 栃木県藤原町の無職、田代タツエ被告は渡辺実被告、安田守男被告、上杉シゲ子被告(求刑懲役15年)、他男性被告(求刑懲役7年)の4人と共謀。2001年6月24日夜、福島県いわき市平薄磯の県道で、観光目的で連れ出した栃木県藤原町の女性(当時77)をワゴン車で轢いて殺害した。田代被告はワゴン運転手の男性と連絡を取り合い、ワゴンに向けて女性の背中を押したとされる。
 田代被告は被害者の女性と約30年間にわたり同居していた。被害者を殺害後、合わせて349万円の保険金を受け取り、仲間に一部を渡したり、家電製品の購入などに使い、いっさい弁済はしていない。
裁判所
 福島地裁郡山支部 田中聖浩裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月1日 無期懲役
裁判焦点
 田代被告は殺害の共謀については認めているが、被害者の背中を押した殺害の実行者役であることは否認している。
 弁護側は「渡辺被告の計画に従い、指示通りに動いたにすぎない」と従属的立場を主張、寛大な判決を求めた。
 判決理由で田中裁判長は「保険金のためなら命を奪うのをいとわない冷酷非道な犯行。動機は自己中心的で酌量の余地はない」と述べた。
 田代被告は犯行の従属的立場だったと主張していたが、田中裁判長は「主犯とまったく同格ではないが犯行のきっかけをつくり、実行行為の一部を担った準主犯。保険金詐取では少なくとも約100万円を得ており主犯として疑う余地はない」とした。
 車道に突き倒していないとの田代被告の主張には「捜査段階での自白は信用でき、公判では合理的な理由なく供述を変遷させている。刑事責任を軽減させようとした自己保身だ」と述べた。
備 考
 渡辺実被告、安田守男被告は2001年9月の強盗殺人事件でも起訴されている。
 被告側は控訴した。2006年7月27日、被告側控訴棄却。2006年11月20日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
宮田好信(55)/柏木信幸(53)
逮 捕
 柏木被告:2004年12月18日
 宮田被告:2005年1月8日
殺害人数
 1名
罪 状
 宮田被告:強盗殺人、死体遺棄他
 柏木被告:強盗致死他
事件概要
 無職宮田好信被告、柏木信幸被告他は、2004年9月24日夜に東京都江東区の路上で帰宅途中の会社経営者の男性(当時61)を拉致して乗用車の中に連れ込み、走行中の車内で現金50万円などを強奪。宮田被告は翌29日午前8時過ぎ、神奈川県綾瀬市の自宅に連行した男性の首を絞めて殺害し、遺体を八王子市の山林に埋めた。
 宮田被告らは、会社社長水越清一被告(強盗致死で起訴)から依頼を受けていた。水越被告は男性に700〜800万円を貸しており、貸金を回収するために宮田被告らに男性の顔写真と約110万円の準備資金を渡していた。
裁判所
 東京地裁 栃木力裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月2日 無期懲役
裁判焦点
 栃木裁判長は「被害者を連れ去るために下見をするなど、事件は計画的。騒がれると短絡的に殺害し、責任は重い」と指摘した。判決は、柏木被告が宮田被告を犯行に誘い込むなど主導的な役割を果たしたと指摘。実際に男性の首を絞めた宮田被告については「被害者が騒ぎ出したとたん、短絡的に殺害した。死に対する責任はことのほか重い」とした。
備 考
 被告側は控訴した。2006年4月24日、柏木被告の控訴棄却。2006年8月28日、宮田被告に対し、一部無罪による一審破棄の上、改めて無期懲役判決。両被告とも2006年中に被告側上告棄却、確定。

氏 名
戸井田尚孝(37)
逮 捕
 2005年5月15日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、加重収賄他
事件概要
 神奈川県綾瀬市情報システム課主任主事の戸井田被告は2005年5月7日午後9時ごろ、市役所内の駐車場で同市課税課副主幹の男性(当時50)の首を包丁で数回刺して殺し、現金約4400円を奪った。その後、同県大和市内の残土置き場に遺体を埋めた。戸井田被告は男性に数百万円の借金があり、返済を迫られていた。また消費者金融や住宅ローンなど計約5000万円の借金があった。
 同市課税課に勤務の2003年8月ごろ、不動産ブローカーの知人(贈賄罪で懲役1年2月確定)から依頼され、顧客2人の所得証明書を元市職員と共謀して偽造。見返りとして知人から約100万円を受け取った。
裁判所
 横浜地裁 山崎学裁判長
求 刑
 無期懲役、追徴金100万円
判 決
 2005年12月5日 無期懲役、追徴金100万円
裁判焦点
 検察側は論告で「遊興生活で借金まみれとなり、その生活を一挙に清算しようとしたもの」と断じた。
 山崎裁判長は判決理由で「被害者からの借金を免れるという利欲的動機で酌量の余地はない。市職員による犯行で社会に与えた衝撃も大きい」と指摘した。
備 考
 控訴取り下げ、確定。

氏 名
古家タマ(68)
逮 捕
 2004年11月9日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗殺人未遂、現住建造物等放火
事件概要
 東京都八王子市の飲食店従業員古家タマ被告は、2004年8月18日夜、山梨県北都留郡小菅村の長男(当時34)方で、長男と夫(当時68)に、栄養ドリンクと牛乳をミックスした飲み物に、粉にした睡眠薬を混入して飲ませ、財布などから現金約74000円を盗んだ。二人が寝入ったのを確認した2004年8月19日午前零時過ぎ、家にあった灯油を一階の居間にまいてライターで火を付けた。家は半焼し、夫を一酸化炭素中毒死、長男を一時意識不明の重体にさせた。
 夫に約1000万円、長男に約5000万円の生命保険がかけられ、タマ被告も受取人になっていた。また長男宅にはタマ被告を受取人とする1000万円の火災保険も掛けられていた。
 古家夫婦は1987年ごろ、八王子市に数千万円の家を購入し、多額のローンを抱えていたほか、夫が経営していた建設会社の倒産や、同社の従業員二人が死亡した2002年の労災事故の補償問題などで総額3000万円の借金を抱えていた。夫が7月に心臓疾患で入院した後はタマ被告が1人で返済していた。
 古家被告は夫の葬儀の翌日の8月23日、東京都内の金融機関で夫の生命保険の詳細を調査。受取人が長男だったため、入院中の長男になりすまし、同意書に必要事項を記入するなど受領の準備をしていた。
 同年5月12日未明には、愛知県豊橋市の実兄(70)から借りていた330万円の返済を免れようと、実兄を睡眠薬で眠らせて実兄方にも火をつけて殺害しようとした。
裁判所
 甲府地裁 川島利夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月8日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は、「夫らの保険金や、実兄への借金返済用の金を八王子市の自宅のローン返済にあてようとした。犯行は生活水準の維持を目的とした利己的なもの」と指摘し、「被害者への非難を繰り返すなど反省の態度が見られず更生は期待できない」として無期懲役を求刑した。
 弁護側は「長年経済的に困窮してきた被告の苦悩はくまれるべきだ」と情状酌量を求めた。
 川島裁判長は「異常な金銭欲に根ざした計画的で極めて悪質な犯行」とし、小菅村の事件で古家被告が自宅から睡眠薬を携行するなど計画的で、放火後は命からがら逃げ出したふりをして隣家に飛び込み、夫の通夜や葬儀で喪主を務めながら生命保険を受け取る準備をしていたと指摘。公判でも夫や義理の息子に対する不満を口にして深く反省しているとは言い難く、生涯をかけてしょく罪の人生を歩ませるのが相当とした。
備 考
 

氏 名
野木巨之(28)
逮 捕
 2004年3月11日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人他
事件概要
 群馬県高崎市の会社員野木巨之(のぎ・のりゆき)被告は2004年3月11日午後2時40分頃、通りかかった隣に住む女児(当時7)を無理矢理部屋に連れ込み、大声を出されたため手やタオルで首を絞め、窒息死させた。野木被告は当日は夜勤で、被告は女児の遺体をごみ袋に入れて押し入れに隠し、そのまま出勤したが、同日夜に発覚し、逮捕された。
 野木被告はいたずら目的で少女を襲う計画を同年2月ごろから立て、3月11日に実行を決意。同じ階に小学生くらいの少女が住んでいることを知っていたため、自宅前で待ち伏せしていた。
裁判所
 前橋地裁高崎支部 大島哲雄裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月9日 無期懲役
裁判焦点
 弁護側請求の心理鑑定が野木被告の性格を「代替性小児性愛(成人に性的関心はあるが、適切に性的関係を持てないため代わりに小児へと性的関心が向く傾向)」としたことについて、検察側は「単なる一般的な性欲を満たすための犯行で、成人女性の代わりに被害女児を狙ったものではないことは明らか」と一蹴。鑑定結果についても「被告の発言のみに依拠し、客観的に見て正しいか否か判断し難い。根拠は薄弱」と主張した。
 弁護側は最終弁論で、事件の計画性に疑問を呈し、寛大な判決を求めた。また弁護側は、「加害者の立場から野木被告が考えた」として、子どもからあいさつされると恐れや迷いが生まれて犯罪を起こしにくい――などとする防犯対策を記したメモを同支部に提出するなど、改悛の情を訴えた。
 判決理由で大島裁判長は「幼い命に対する慈しみの念を欠く極めて冷酷で残虐な犯行。同年代の女児を子に持つ親に与えた不安は深刻」とした上で「被告の再犯の恐れも否定しがたい。終生、反省悔悟の日々を送り、被害者の冥福を祈り、罪を償わせるのが相当」と述べた。
備 考
 野木被告の第5回公判被告人質問で、逮捕時に自宅から押収された「美少女フィギュア」について検察側に放棄を迫られた野木被告はこれまでの落胆したかのような態度をひょう変させ、「端から見れば汚い人形だが、自分を支えてくれた大切なもの」「あの子たち(フィギュア)を処分することは、私の子供を殺すかのようなものだ」と言って泣き出し、「遺族の気持ちも分かるが、私が(被害者を殺害)してしまったように、相手から大切なものを奪ったら後悔するだろう。そんなことしてほしくない」と激しい泣き声で訴えるなど、人形に対する異常な執着を見せた。最終的に人形の放棄を承諾した野木被告は「くそっ」と漏らしたままうつむきおえつした。
 控訴せず、確定。
 女児の両親は、野木受刑者に約9800万円の損害賠償を求めた。2007年6月14日、前橋地裁高崎支部は、約6480万円の支払いを命じた。両親は慰謝料について女児自身の分として5000万円、両親の分として2000万円を求めていたが、村田鋭治裁判長は半分の計3500万円と認定。逸失利益はほぼ請求通り認めた。野木受刑者は、殺害の事実関係を認める答弁書を提出していた。事件後、両親は転居を余儀なくされ、母親は目まいや過呼吸に苦しみ体重が激減、1年半は立つこともできない状態になった。

氏 名
太田亜矢子(旧姓原田 27)
逮 捕
 2002年8月26日(死体損壊、死体遺棄容疑。事件直後に逃走した安芸元被告に対し、県外への逃走を勧めたとして、犯人隠避容疑で、それぞれ逮捕、起訴されていた)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、強盗殺人未遂、窃盗、銃刀法違反、死体損壊、死体遺棄、建造物侵入、窃盗、犯人隠避
事件概要
 会社員原田亜矢子被告と無職安芸健太郎元被告は、現金を奪う目的で、原田被告の知人女性(当時27)の殺害を計画。2002年7月7日未明、原田被告が女性を呼び出し、安芸元被告が和歌山市内でドライブ途中に女性の首をタオルで絞め殺害した。現金約35000円を奪い、遺体は和歌山県かつらぎ町の山中に運んで焼いた。原田被告は、殺害した女性の弟とも出会い系サイトで知り合い、交際していた。
 さらに安芸元被告が以前勤めていた同市内のカー用品店店長(当時48)から売上金を奪うため、殺害を2人で計画。同月13日夜、安芸元被告がサバイバルナイフで刺し、重傷を負わせた。
 原田被告と安芸元被告は2001年8月、携帯電話の出会い系サイトで知り合った。空き巣や車上狙いなど計5件の窃盗罪でも起訴されている。いずれも原田被告の指示で安芸元被告が実行した。
裁判所
 最高裁第二小法廷 津野修裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年12月12日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 検察側は一審で2人に死刑を求刑。死刑を回避した一審判決に対し「矯正は不可能。死刑以外ありえない」と主張し控訴した。被告側は量刑不当が理由か?
 那須彰裁判長は「動機は短絡的、残忍な犯行で、死刑選択も考慮に値するが、反省しており、極刑がやむを得ない場合にはあたらない」「遺族に反省の手紙を出すなど、矯正の可能性はある」とし、両被告を無期懲役とした一審和歌山地裁判決を支持、検察側の控訴を棄却した。
備 考
 2004年3月22日、和歌山地裁で一審無期懲役判決。2005年1月11日、大阪高裁で検察・被告側控訴棄却。安芸被告は上告せず確定していた。

氏 名
宇治橋啓次(52)
逮 捕
 2004年11月5日(窃盗容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄
事件概要
 無職伊藤博被告は、いとこで愛知県岩倉市に住む男性(当時45)が土地を売って金を得たという話を聞き、宇治橋啓次被告に殺害して金を奪うことを持ちかけ共謀。2004年10月26日、男性を誘い出し、一宮市内の車の中で、金づちで殴ったり包丁で刺すなどして殺害。定期貯金証書7通(額面計約2500万円)などを奪い、遺体を弥富町のコンテナに隠した。男性は約2年前に死亡した母親の遺産を相続し、一人暮らしだった。
裁判所
 名古屋地裁 伊東一広裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月13日 無期懲役
裁判焦点
 検察側は「1か月前から犯行を準備し、殺害方法も残虐で冷酷だ」として、無期懲役を求刑した。弁護側は「殺害の共謀はなかった」と改めて主張した。
 伊東裁判長は判決理由で「パチンコなどでつくった借金の返済に困り、多額の金を得ようとした動機に酌量の余地はない。殺害方法は執拗で残忍」と述べた。
備 考
 伊藤被告は2005年9月6日、求刑通り無期懲役判決。控訴せず、確定。

氏 名
片山利男(64)
逮 捕
 2002年1月14日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人
事件概要
 ベルト加工業片山被告は2000年7月6日、宅配便の配達を装って、自宅近くの女子大学生(当時22)宅に侵入し、顔を刃物で切り付け、現金約13680円などを奪ったうえ、ストッキングで首を絞めて殺害した。片山被告には数百万円の借金があった。
裁判所
 最高裁第二小法廷 今井功裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月19日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 片山被告は上告審まで一貫して「一切やっていない」と無罪を主張したが、同小法廷は「上告理由に当たらない」と退けた。
備 考
 片山被告は逮捕後「覚えていない」などと供述、言動に不審な点があったため、東京地検は精神鑑定を実施。刑事責任は問えるとして起訴した。
 捜査段階で行われた警視庁の鑑定と、公判中に行われた別の専門家による鑑定は、いずれも現場の指紋が片山被告のものと一致するとしていた。
 2004年12月2日、東京地裁で一審無期懲役判決。2005年8月24日、東京高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
石野田博文(52)
逮 捕
 2001年9月5日(窃盗未遂容疑。9月27日に死体遺棄容疑で、10月22日に強盗殺人で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、強盗、窃盗未遂他
事件概要
 福岡県の建設資材業者石野田博文被告は2001年7月27日未明、古賀市の真砂土採取場に止めた乗用車内で、同県筑紫野市の中古車販売会社役員(当時48)をナイフで刺して殺害。所持金約140万円やバッグなどを奪い、遺体を古賀市の駐車場に埋めた。
 さらに石野田被告は女性と共謀し、27日午後2時頃、預金口座からキャッシュカードを使って現金を引き出そうとしたが、暗証番号を間違えて未遂に終わった。
 石野田被告は他の男性と共謀し2001年6月25日午前11時半頃、福岡県の会社事務所に押し入り、女性従業員2人にナイフを突き付けて脅し、現金約70万円とキャッシュカードを強奪。その後、もう1名を含めた3人で共謀し、奪ったキャッシュカードを使って福岡市の銀行で現金約530万円を引き出した。さらに7月22日午後8時頃、他の2名と共謀し、福岡市東区の男性宅で男性にナイフを突きつけて脅し、現金18万円を奪った。
 石野田被告には数千万円の借金があった。
裁判所
 最高裁第二小法廷 津野修裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月19日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 検察側は強盗殺人で起訴。一審では殺人と窃盗が適用されたが、二審では強盗殺人が適用された。
備 考
 2004年6月10日、福岡地裁で一審懲役20年判決。2005年4月26日、福岡高裁で一審破棄、無期懲役判決。

氏 名
小松武史(39)
逮 捕
 1999年12月20日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、名誉毀損他
事件概要
 元消防士の小松被告は、弟(事件後に自殺)と付き合っていた女子大生(当時21)が別れ話を持ち出したことに腹を立て、仕返しをしてやろうと決意。弟や他の3人(懲役15〜18年が確定)とともに1999年7〜8月、女子大生を中傷するビラを自宅周辺などにまいた。さらに、小松被告は3人へ指示を出し、10月26日昼、JR桶川駅前で女子大生を刺殺させた。
裁判所
 東京高裁 安広文夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月20日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 一審で小松被告は公判で「名誉棄損は弟が主導した。殺人の指示はしていない」と無罪を主張してきたが退けられた。
 二審で小松被告は、女性に危害を加えるよう共犯者に指示したことを認めた。そのうえで「目的は殺人ではなく傷害を負わせることにあった」と傷害致死罪にあたると主張していた。これに対し高裁判決は「被告は共犯者に殺害を依頼し、確定的殺意が認められる。控訴審での供述は抽象的であいまいな部分が多く、一審と同様に信用性は低い」と退けた。そして裁判長は「動機ははなはだ理不尽で、酌量の余地はみじんもない。自らは手を下すことなく共犯者に指示し被害者の殺害に至ったもので、首謀者である」と指摘した。
備 考
 女子大生は、中傷ビラの配布などに絡み、名誉棄損容疑で上尾署に告訴し、助けを求めていたが、署員3人=懲戒免職、虚偽有印公文書作成罪などで有罪確定=が告訴調書を改ざんするなどして捜査を放置し、この間に殺人事件が起きた。事件はストーカー被害を見直す契機となり、2000年11月に「ストーカー規制法」が施行された。
 女性の両親は、事件を放置したとして埼玉県警の責任を問い損害賠償を求めたが、一・二審とも殺人事件発生に対する県警の責任が認められず、2006年8月に最高裁で確定した。
 2003年12月25日、さいたま地裁で無期懲役判決。被告側は上告した。2006年9月5日、被告側上告棄却、確定。

氏 名
多田央(44)
逮 捕
 2004年7月5日
殺害人数
 0名
罪 状
 強盗強姦、強盗致傷、強盗強姦未遂他
事件概要
 大阪府羽曳野市トラック運転手多田央(なかば)被告は2002年12月〜2004年5月、大阪市中央区や西区のマンションで、帰宅した10〜30歳代の女性宅に押し入り、「殺すぞ」と脅して現金計約38万円を奪った、4件の強姦をした。他の3件は、女性が叫び声を上げるなどしたため逃げた。
裁判所
 大阪地裁 並木正男裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月20日 無期懲役
裁判焦点
 並木裁判長は「金を要求すると、被害者は性的目的がないと思って抵抗が弱まることを見越していた。被害女性らは事件後、カウンセリングや心療内科に通い、引きこもりのようになった被害者もおり人生を狂わされた」「よこしまな欲望を満たそうとした動機に酌量の余地はない。常習性もあり有期懲役は相当でない。刑事責任は極めて重く終生しょく罪に努めさせることとする」と述べた。
備 考
 多田被告は1992年、5件の強盗強姦罪に問われ、佐賀地裁で懲役9年の判決を受けている。2000年2月に出所していた。被告側は控訴した。2006年6月21日、被告側控訴棄却。上告せず確定。

氏 名
大山直紀(40)
逮 捕
 2003年11月7日(現行犯逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂他
事件概要
 さいたま市のフリーター大山被告は2003年11月7日、川口市に住む生命保険外交員の女性(当時36)とよりを戻そうと、東京都小平市のコンビニエンスストアに入った女性の後を追いかけて入り話し合いを始めたが、女性が同居を拒否したため、サバイバルナイフで女性の背中を3回刺し、出血性ショックで死亡させた。止めに入った男性店長(当時48)の左胸も刺し、8日間のけがを負わせるなどした。
 大山被告と女性は3年前から交際していたが、別れたいと話したら200万円用意しろと要求され、事件3日前に地元警察署に相談していた。また8月にも胸をけられ、骨折する重傷を負っていた。署員は被害届を出してほしいと要請していたが、考えさせてほしいと話していた。
裁判所
 東京地裁八王子支部 小原春夫裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月20日 無期懲役
裁判焦点
 弁護側は、大山被告がうつなどの症状だったとし、犯行当時、責任能力を欠いていたと主張したが、小原裁判長は「被告人の述べる動機は理解可能で、犯行時の行動も合理的」として責任能力を認めた。また、コンビニエンスストア店長を刺したことについて、殺意はなかったとする弁護側の主張に対し、判決は「被告の供述から、未必の故意を持っていたと認められる」として退けた。
 また小原裁判長は犯行の計画性を否定したが、「残酷非道で凄惨な犯行」と指摘。遺族の感情、動機の悪質性などをふまえ、「参酌しうる事情を十分に勘案しても、無期懲役が相当」とした。
備 考
 控訴せず、確定。

氏 名
岡田孝紀(27)/面川昌功(25)
逮 捕
 岡田被告:2003年12月15日
 面川被告:2003年12月5日
殺害人数
 2名
罪 状
 強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、死体遺棄
事件概要
 指定暴力団組員岡田被告、同面川被告は、暴力団交友者でとび職降矢修一元被告とともに2003年11月24日深夜、いわき市の同じ住吉会系暴力団員で建設業の男性(当時26)の事務所で男性と、交友者で飲食店員の男性(当時24)の頭を拳銃で撃って射殺。現金数十万円を奪い、遺体を広野町の山林に埋めた。男性は組長の息子だった。
 主犯が岡田被告、拳銃を撃ったのが面川被告である。被告ら3人と被害者で組員の男性との間では、女性をめぐるトラブルや組織内でのトラブルなどがあったうえ、3人は現金を奪おうと、10月下旬から殺害を計画。11月上旬に広野町の山林に遺体を埋める穴を掘るなど準備していた。殺害は岡田被告が、ほかの2容疑者に持ち掛けた。
裁判所
 仙台高裁 田中亮一裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2005年12月22日 無期懲役(検察・被告側控訴棄却)
裁判焦点
 岡田被告は強盗目的を否認。面川被告は全面的に認めていた。
 検察側は量刑が軽すぎる、両被告は重すぎると控訴。
 田中裁判長は「被害者に交際女性を寝取られて逆恨みした身勝手な動機で、2人の命を奪った重大な犯行だが、財産目当てに無関係の第三者を狙う典型的な強盗殺人とは異なる」と判断した。
備 考
 2005年4月22日、福島地裁で一審無期懲役判決。降矢修一元被告は一審無期懲役判決がそのまま確定。
 検察・被告側は上告した。2008年2月20日、検察・被告側上告棄却、確定。

氏 名
平栗秀正(33)
逮 捕
 2003年4月19日(自ら出頭、逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、銃刀法違反
事件概要
 東京都新宿区の無職平栗被告は、1999年7月から静岡県沼津市の高校生とつきあい始めたが、2000年3月に別れ話を持ちかけられた。被告はあきらめきれずに連日電話をかけたり、待ち伏せしたりしてストーカー行為をした。2000年4月19日午前8時ごろ、JR沼津駅北口の駐輪場で高校生(当時17)を待ち伏せて復縁を迫ったが、拒否されたことに激怒し、顔や腹などを出刃包丁で胸や腹など約30カ所を刺して失血死させた。
裁判所
 東京高裁 田尾健二郎裁判長(池田修裁判長代読)
求 刑
 死刑
判 決
 2005年12月22日 無期懲役(検察側控訴棄却)
裁判焦点
 控訴審で検察側は、平栗被告が1993年に殺人未遂罪で実刑判決を受けるなど、恋愛感情を抱いた女性に対して危害を加える犯行を複数回起こしていることを指摘。「同様の犯行を繰り返す可能性が高い」と主張していた。
 これに対し判決は、「被告人の人格障害は治癒が困難で、再犯の可能性はかなり高い」としながらも、「犯行が計画的とまでは言えず、一審判決の量刑が軽すぎて不当とまでは言えない」「困難ではあるが、被告に更生の余地がない訳ではない」と結論づけた。
備 考
 平栗被告は93年、恋愛感情を抱いていた女性を包丁で多数回刺した殺人未遂罪などで有罪判決を受けた。98年にも恋愛感情を抱いていた女性に交際を迫って包丁を突きつけた暴力行為等処罰法違反の罪で有罪判決を受け、それぞれ服役した。
 2004年1月29日、静岡地裁沼津支部で一審無期懲役判決。検察側上告せず、確定。

氏 名
吉田万寿美(40)
逮 捕
 2004年6月16日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、殺人未遂他
事件概要
 無職吉田万寿美被告は、出会い系サイトで知り合った不倫相手で川崎市の会社役員篠崎淑夫被告(一審懲役15年判決 控訴)に夫で運送業の男性(韓国籍 当時38)の殺害を依頼。篠崎被告は2004年6月6日午前1時頃、横浜市にある自宅マンションに吉田被告が鍵を開けた玄関から侵入し、就寝中の男性の頭を鈍器で数回殴って殺害した。吉田被告は3日前にも路上で襲わせるなど、計4回に渡り殺害計画を篠崎被告に実行させている。
裁判所
 東京高裁 須田賢裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月27日 無期懲役(一審破棄)
裁判焦点
 判決理由で須田賢裁判長は「自分の欲望を満たすためには、長年連れ添った夫の生命を奪うこともいとわない凶悪な犯行。被告の犯罪傾向は根深く、改善は極めて困難だ」と述べた。
備 考
 同居の母も殺人ほう助で起訴されている。2005年3月31日、横浜地裁で懲役18年判決。量刑不当と検察側が控訴していた。

氏 名
高崎勝(23)
逮 捕
 2004年8月24日(死体遺棄容疑 9月14日、強盗殺人容疑で再逮捕)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、窃盗、詐欺
事件概要
 横須賀市の無職高崎被告は友人の車を事故で壊し、60万円の支払いを迫られていたことから、2004年8月10日午前1時ごろ、友人の横浜市神奈川区六角橋の運転手の男性(当時21)の車の中で、男性の首をひもで絞めて殺し、現金7000円やカードが入った財布を奪った。遺体を乗せた車を同月20日、横須賀市夏島町の路上に放置した。また、キャッシュカードで現金約28万円を引き出した。
 2人は横浜市内のガソリンスタンドのアルバイト店員として働き、知り合った。客の財布を盗みクビになった高崎被告に、男性が東京の運送会社の就職を世話し、その面接帰りに凶行に及んだ。
 高崎被告は乗用車を盗み、無免許で運転した罪で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を2月に受けた。8月の犯行時は保護観察の執行猶予中だった。
裁判所
 最高裁 裁判長名不明
求 刑
 無期懲役
判 決
 2005年12月?日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 量刑不当を訴えたか。
備 考
 2005年3月24日、横浜地裁横須賀支部で一審無期懲役判決。2005年9月7日、被告側控訴棄却。




※銃刀法
 正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法」

※麻薬特例法
 正式名称は「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」

※入管難民法
 正式名称は「出入国管理及び難民認定法」

※地裁判決
 蘇旭東被告は2005年度に東京地裁で一審無期懲役判決が下された(控訴中)ものと思われるが、該当記事が発見できなかったため、別カウントにしている。

※高裁判決
 村山重文被告(2004年10月7日、一審無期懲役判決)は2005年中に大阪高裁で被告側控訴が棄却されている。日付がわからないので、ここに記す。

※確定について
 求刑死刑について一審無期懲役判決、検察側のみ控訴して無期懲役判決が下された被告については確定したものと見なしている。

【参考資料】
 新聞記事各種



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