基本的な推薦図書

 自分の本とめぐりあわせて、本を読む子に!本好きな子に!

 子どもの読書の特徴は、気に入れば同じ本を何度も読むということです。そうして、暗記しても、まだまだ、繰り返して読むのです。この重ね読みができる本をいかに与えることができるかどうかが問題なのです。子どもを「本好き」にできるか否かに深くかかわってきます。

 以上の観点から子どもたちが本を好きになるために、この本を薦めます。
A・B・Cのランク付けは、以下の通りです。

→文句なく楽しく読める本 

→気に入ってくれれば、何度でも読もうとする本

→問題意識を持って読める本

学年を選んで下さいリンクします。(希望の学年に跳ぶことができます)

一年生 二年生 三年生 四年生 五年生   六年生

一年生

A いえでぼうや        灰谷 健次郎    理論社

   初めての授業参観で、失敗してしまいます。どうして自分がいけないのかわからないまま叱られることが、一年生には多いはずです。そんな気持ちを代弁してくれます。ほのぼのとした内容と絵に心を動かされます。きっと、喜んで二度三度と声を弾ませて読んでいる姿を見ることができます。

A はれときどきぶた      矢玉 四郎     岩崎書店

   文句なく面白い読み物です。子どもたちが大きな声でわらい出します。ストーリーの単純明快さ、あまりの奇想天外な発想に喜んで読みます。

本の楽しさを味わわせたかったら、この本の右に出るものはありません。でも、まじめなお母さん方には、ふざけすぎの非難を浴びるかも知れませんが・・・。

B むしばミュータンスのぼうけん かこ さとし   童心社

   この本を読むと次の日からと言わず、すぐに歯を磨きたくなるという本です。「からだの本シリーズ」の3ですから、発展してこのシリーズの本を読もうという気が起こってくれば発展読みの読書です。

C あいうえおうさま      寺村 輝夫     理論社

   一年生は字の習いたてです。たくさん読みたい、たくさん書きたいという欲求がある反面、つまらない退屈だと失望してしまうことも有ります。そんなときにこの本は打ってつけです。とにかく楽しいのです。声を出して唱えたくなります。黙って見ていても、声を自然に出しているはずです。

C どろんこハリー       ジオン       福音館書店

   まだまだ、字に抵抗がある子どもたちもたくさんいます。そんな子どもたちに楽しい絵本をすすめましょう。ハリーになったつもりで楽しめます。ユーモラスな絵と語り口から、自分の行動や考え方との共通点を見つけて喜んで読むことでしょう。合わせて「うみべのハリー」「ハリーのセーター」などシリーズ物ですから、次々と読むようになればしめたものです。

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2年生

A エルマーのぼうけん     ガネット      福音館書店

   とっても楽しい冒険読み物です。挿絵もすてきな気分にさせてくれる愉快な絵です。文句なく子どもたちを引き付けて離しません。

 1948年以来子どもたちに読み継がれてきた世界の傑作です。子どもたちが乗ってきたら続編「エルマーとりゅう」「エルマーと16ぴきのりゅう」を与えましょう。発展読みしてくれるにちがいありません。

A ちいさいモモちゃん     松谷 みよ子    講談社

   女の子がとっても喜ぶ本です。大きくなってもずっと宝物にしていくかもしれません。メルヘンタッチのかわいい絵がなんとも言えません。黒猫のプーが猫好きな子には気にいってもらえそうです。まだまだ絵によって読むことにも大切な要素があります。

B いやいやえん        中川 李枝子    福音館書店

   チューリップ保育園の空想と現実の入り交じった楽しいお話です。小学校に入っての1、2年間はまだまだ保育園が懐かしく思い起こされるものです。また、自分達が大きくなったことを確かめるのでしょうか。子どもたちはとても喜んで読むものです。おにいちゃん、おねえちゃんになった子どもたちへの楽しい贈り物です。

B 大きい1年生と小さい2年生 古田 足日     偕成社

   学校での出来事、1年上級生とのやりとり、そして成長していくというのはどういうことか。子どもたちなりに考えてくれる読み物です。むずかしくいうと向上的変容を表しています。2年生でも自覚して生きていくことも大切だと思います。しっかりとした構成の物語に子どもたちを引き入れてしまう作者の腕を大人でも味わうことができます。

C ひろしまのピカ       丸木 俊      小峰書店

   子どもたちへぜひ伝えたいという作者の執念の絵本です。広島原爆の悲惨と人間としての怒りの物語です。作者の原爆体験を人類の明日を担う子どもたちに伝えたいという願いが伝わってきます。もっと間接的に表したものをという方には「トビウオのぼうやはびょうきです」いぬいとみこ作 金の星社 をお薦めします。

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3年生

A 先生のつうしんぼ      宮川 ひろ     偕成社

   ぜひ小学生のうちに読んでいただきたい読み物です。先生のことが今

まで以上に身近に感じられることでしょう。ある人物を絞って対象として考えられる年令に発達してきています。少し長いかなと感じられる方は「読み聞かせ」から入るとよいと思います。大人が読んでも楽しいものです。児童文学といって侮れないものがたくさん世には存在しています。つうしんぼシリーズはお母さんから父・祖母・祖父とそろっています。全部子どもが読みたいと言ってきたらお母さんの嬉しい悲鳴が聞こえてきそうです。

A プー一等あげます      灰谷 健次郎    理論社

   ユーモアの中に弱い者に、優しく強い味方になってくれる先生と子どもたちの学校生活が描かれています。ユーモラスな挿絵と固定観念を打ち破る発想によって、子どもたちの心の中のもやもやを吹き飛ばしてくれます。クラスのみんなが一人残らず大切にされていく教室、作者の理想が読む子どもたちにも伝わると思います。

B ミス3年2組のたんじょう会 大石 真      偕成社

   特に3年2組のお友達が大好きになります。外のクラスの子どもたちはどうして2組なのかなと残念がります。3年生の間中、何度も読むかもしれません。同じ作者の発展読みとして「チョコレート戦争・理論社」は、子どもたちの手から手へと回し読みされることでしょう。

B 花さき山          斎藤 隆介     岩崎書店

   子どもたちは民話が大好きです。でも、昔からの知っている話では現代っ子は見向きもしません。子どもたちはもちろん大人も読み出したら止められないのがこの作者の創作民話です。創作だと知らされないと、こんな昔話があったのかと勘違いしてしまいます。切り絵のすばらしい作品がたくさん出版されていますから上手に与えていけば、たくさん読むに違いありません。 

C はせがわくんきらいや    長谷川 集平    すばる書房

   障害児問題を子どもたちなりに考えさせてくれる本です。「差別はい

けない」と何十回もお説教しても無駄なことです。事実を示すことです。さりげなく子どもたちに投げかけてくれます。印象的な絵が何よりも子どもたちの脳裏に何物かをきざみこんでくれることでしょう。そんな絵本です。ぜひ一冊身近に置いてほしいと思います。

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4年生

A 長くつしたのピッピ     リンドグレーン   岩波書店

   映画化されていますのでご存じの方も多いと思います。底抜けに明るい主人公に子どもたちは喝采を送ります。自分たちがやりたくても出来ないことを、かたっぱしからやってくれます。世界中の子どもたちに人気の痛快なおてんばな子の物語です。ピッピシリーズが楽しめれば立派な小さな国際読書人です。

A 車の色は空の色       あまん きみこ   ポプラ社

   教科書にも採用されているファンタジーの楽しい読み物です。子どもたちの好きな動物たちと個人タクシーの運転手さんの心温まる短編の珠玉が詰まっています。ちょっぴり文明批評もあり、読みやすいわりに内容は、深いものが含まれています。

B 小さな青い馬        今江 祥智     ポプラ社

   ファンタジーが大好きな4年生です。大人が読んでも読み応えのないものは書かないという作者です。この作者の物なら何でもお薦めしたいくらいです。いろんな作品が教科書に採用されていますから、名前だけはご存じの方も多いはずです。もちろん子どもたちは知っています。知っている作者の本なら手にとって読みやすいものです。

C 瀬戸内海のカブトガニ    土屋 圭示     学習研究社

   自然科学に興味を持ち出す年頃です。教科書で取り上げられていますから、発展読みをさせてあげたいものです。学校で学習したことをもっと深く詳しく知りたいと思うのが自然な子どもの心です。でも、身近に本がなければ読まないで終わってしまいます。ぜひ、備えておきたい本

です。キョウリュウについても取り上げられています。「恐竜のなぞをとく・たかしよいち・岩崎書店」お子さんの興味に合わせて与えてください。

C 猫は生きている       早乙女 勝元    理論社

   戦争、空襲の悲惨さにこだわり続ける作者の会心の作品です。子どもたちの一番身近で大好きな動物は、猫だそうです。物語の中にぐいぐいと引き込まれていきます。戦後四十年余り、忘れてはならないものをぜひ子どもたちに伝えたいものですね。

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5年生

A 宿題ひきうけ株式会社    古田 足日     理論社

   わんぱく坊主のタケシたちが、お金儲けをたくらむが、結果は?このことをきっかけとして社会や学校のことについて考えていきます。楽しく読みながら社会の現実に、深刻にならないけれども鋭く迫っていきます。長く子どもたちの支持を得てきた作品です。

A 青い目のバンチョウ     山中 恒      偕成社

   日本語がペラペラの金髪の男の子が転校生となって登場します。日本人の島国根性をユーモラスに批判します。外国人とりわけ白人にコンプレックスを持つ大人たちを笑い飛ばします。ちょっぴり複雑な社会問題もからませて子どもたちにとって読みごたえのある人気読み物です。

B だれも知らない小さな国   佐藤 さとる    講談社

   知る人ぞ知るというコロボックルの物語です。子どもたちが乗ってきたらやめられません。興味を持ち出したらシリーズをみんな読み続けてしまうことでしょう。「床下の小人たち」(メラリーノートン 岩波書店)の焼き直しにすぎないという批判もありますから、比べて読むのもいいと思います。読書力のある子どもたちに、ぜひ読んでほしい作品群です。

B 兎の目           灰谷 健次郎    理論社

   問題行動をする子どもとまわりの子どもたちの心温まる交流が描かれています。映画化もされ定評のある作品です。子どもたちをみる作者独特の優しさに知らず知らずに引き込まれてしまうことでしょう。読書の

素晴らしさを教えてあげられる推奨作品です。合わせて「太陽の子」も与えてみてください。

C ガラスのうさぎ       高木 敏子     金の星社

   女性作家のこまやかな感性が戦争の悲惨さ、そして戦争を憎む心を静かに語り、訴えます。戦争で一番の被害者は子どもたちです。だからこそ読んでほしいのです。感動して涙する。そんな体験も子どもにさせたいものです。

 

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6年生

A 二死満塁ツーダンフルベース 砂田 弘      偕成社(ポプラ社)   隠れた野球少年のバイブルです。本を読まない野球少年にはぜひ読んでほしい作品です。現実にこんな事件に誘われそうな巻き込まれそうな話に夢中になって読み始めることは間違いありません。社会派である作者の傑作です。「6年生のカレンダー」も続けて読ませるとよいと思います。

A ぼくがぼくであること    山中 恒      実業の日本社

   自分とは何か。生きていくにあたって考えなければならない問題を、おもしろおかしく読ませながら考えさせていく作者ならではの長編読み物です。一気読みさせるストーリーの展開にはいつもながら感心させられます。短編も素晴らしい作品があります。「六年二組の春は・・・」ぜひ同一作者の物を続けてどんどん読ませたいものです。

B やったぞぼくらの卒業論文・6年1組ワルガキ隊

                南 晋三      ポプラ社

   作文ぎらいな子どもたちが卒業論文に取り組んでいきます。自分の教室にもいそうな登場人物に同化して楽しんで読んでくれるでしょう。自分も何か書いてみようかなという気持ちになってくれたら、さらに有り難いのですが・・・楽しく読めることはまちがいなしです。

C はだしのゲン(上・下) 中沢啓治原作・深澤一夫絵 汐文社

  

 好評だったマンガからの児童向け読み物へと改作?したものです。この原作も夢中になって読むことはまちがいありませんから、始めにマンガ次に読み物へと入るのもいいと考えます。広島の原爆を被害そして日本社会における差別を語っています。読みごたえのある作品です。

C アンネの日記        アンネ・フランク  文芸春秋社

   世界的なベストセラー名前だけは聞いて知っているという子どもたちも多いことでしょう。案外読む機会がないままに大人になってしまうかも知れません。ぜひ、与えて読ませたいものですね。世界の子どもたちの必読書と言っても過言ではないと信じます。世界の子どもたちに共通な話題として「いじめっこ」ブルーム・偕成社などもお薦めの作品です。

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最終更新日 : 2000.1.9