序章:水質について
 BBSやメールで、水に関する質問が結構入ってくる。
 ここ1年以上、全くトラブルが無かったので自分の水槽に関しては気にしていなかった。
 「バクテリアさえ放り込んでおけば大丈夫」位の認識だった。
 しかしながら、ちびのすけが同居する様になり、食べ散らかし・糞の量が確実に増えている。
 ちょいとチェックしてみるか、と思い、手始めに自分なりに調べてみることにした。
 それで解った事を、これから飼い始める人の為に、簡単に説明します。
 水中の有機物(糞・餌)は、従属栄養細菌によりアンモニアとアンモニウムイオンに分解される。
 アンモニアは、超有毒(人間ですら1%でヤバイんだから、魚にとっちゃ微量でもかなりヤバイ)。
 これをバクテリアの一種であるニトロソモナスが分解し、亜硝酸塩にする。
 しかし、亜硝酸塩も結構有毒。
 この亜硝酸塩を、これまたバクテリアの一種であるニトロバクターが分解し、硝酸塩にする。
 こいつは結構無害で、水草の養分になるが、イコール苔の養分にもなる。
 お次はph。
 本なんかには、弱アルカリが良いとか弱酸性が良いとか書いてある。
 アベは結構広いレンジを持っているらしいが、急激に変化させるとやはりダメージはある。
 (サンゴ砂を入れたら、体調がおかしくなったりするのは、phが急に上がってしまう為。)
 phは、水であれば7を示すのだが、魚を飼っていると、様々な変化が出てくる。
 例えば、呼吸をすれば二酸化炭素を出すので、phは上がっていく。
 逆に、上に書いたバクテリアの分解でいうと、アンモニアが亜硝酸に分解されるというのは、
 水素イオンと窒素イオンに分かれるという事で、水素イオンに依りphは下がる。
 これらは、水中の陰イオンである炭酸塩硬度(KH)が緩衝材になって変化する。

 という予備知識を入れた所で、本章が始まる。


1:見なきゃ良かった…
 現在、市販されている水質チェックの道具としては、試薬反応か試験紙による物がある。
 それ程気にしていなかった部分もあったので、簡単に測れてしかもコストも安い試験紙にした。
 (試薬反応の方が正確に判るのだが、トラブルが無かったのでそこまでやる気が無かった)
 早速ショップに行くと、色々な試験紙が売っていたが、その中で、5種類のチェックが出来、
 尚且つ金額的にも安いテトラの「5 in 1」というヤツを選んだ。
 こいつは、ph・全硬度・炭酸塩硬度・亜硝酸塩・硝酸塩が1枚で測れ、1回分100円(25枚入)。
 アンモニアも欲しかったが、亜硝酸塩の値が高ければ買おうと思い、今回はパスした。
 買ってきて、早速チェックする。
 こいつの欠点は、比色表を使うこと。色弱の俺には全く判断が付かない。
 そこで、嫁に「これって、どの辺りの色?」と聞きながら、数字をメモしていく。
 「6.5以下、0、100、6以下、0」と読んで貰い、早速数値を当てはめて見る。すると…
 「ぬぁあにぃいいい〜〜〜!!!」
 全硬度6以下は納得。亜硝酸塩も0なのは「自称バクテリアの鬼」としては大合格。
 これなら、アンモニア値も0と考えて良いだろう。
 しかし、である。
 phは6.5以下、炭酸塩硬度は0、硝酸塩は100もある(因みに、10以下が理想で許容範囲は25とある)。
 これでは、何らかしらの対策をとらなきゃならない。

 見なきゃよかった…


2:対策方針決定
 出てきた数値から、現状を把握してみる事にした。
 亜硝酸塩が0という事は、バクテリアは問題が無いだろう。
 硝酸塩の異常な数値は、水草が無い事も一つだろうが、水換えを殆どしてないのが原因だ。
 毎日、200〜300ml程度は糞掃除がてら交換していたが、リットル単位の水換えは2年で数回。
 (これが、急激な水質変化を起こさない要因だと思っていたのだが…)
 本来ならば苔が生えまくる所なのだが、「コケの出ない石」という便利グッズを使っていたので、
 それが表面化しなかっただけなのである。
 phの低下は、分解時の水素イオンが多すぎて起こったのだろうし、炭酸塩硬度も、phの低下から
 中和されて0になってしまったのだろう。
 一気に水換えしてしまえば、何の問題も無くなるのだろうが、それでもしアベに何かあったら
 元も子も無い。
 そこで、約1ヶ月かけて水質を元に戻すような計画を立てた。
 硝酸塩
 ・水草を入れる事により徐々に硝酸塩を減らし、同時に夜間呼吸でphを上げる。
 ・糞掃除時に敢えて多めに水を抜き(400〜500ml程度)、硝酸塩を減らす。
 ・1週間後に数値をチェックし、減っていなければ薬品を使用する。
 ph(炭酸塩硬度も含む)
 ・アルカリ系の物(薬品・砂等)を投与し、phを上げる。
 これにて、対策方針決定!


3:ちょい変更
 対策が決まったので、早速実行に移す。
 水草は、スネール培養水槽にアナカリスが嫌って程あるので、それを適当に放り込む。
 すると、それにくっついていたスネールを、ちびのすけ達(当然親達も)一斉に啄ばむ。
 (ちびのすけには、スネールを与えた事は無かったのに…やっぱ本能ね)
 翌日ショップに行き、用具を選ぶ。
 先ずphの降下剤だが、売ってたのはテトラの物だけ。
 結構高い上に粉体で、小水槽には使いにくそう。
 その横に、硝酸塩の除去剤である「イージーバランス」というのがあったので、それをカゴヘ。
 再び降下剤を探すと、ちょいと面白い物があった。
 「パワーハウス」という濾過剤で、「弱アルカリ性」と「弱酸性」というのがある。
 説明を読んでみると結構使えそうだし、そのままバクテリアの巣になると書いてある。
 バクテリアの鬼としては、思わず購入意欲をそそられてしまい、迷わずカゴヘ。
 これで何とかなるだろうという事で、店を出た。
 家に帰り、説明を読んでみる。
 すると、「イージーバランス」の方は、KHが低すぎる水には使用しないでくれと書いてある。

 (KHは0だから)だめじゃん…」

 仕方なく、方針転換する事にした。
 まず、パワーハウスを使用しphを上げ、ある程度数値が落ち着いたらイージーバランスを入れる。
 パワーハウスに関しても、急なphの上昇を防ぐ為、ほんの少量づつを水に入れる事にした。

 予定がちょい変更してしまったが、これでいってみる事にする。


4:ちょびっと変化
 計画を実行しはじめて5日目、日曜で時間もあったので試しにチェックしてみる。
 すると
 ph→6.5以下 総硬度→6〜10 炭酸塩硬度→0 亜硝酸塩→0 硝酸塩→75
 となっていた。
 殆ど変わっていなかったが、硝酸塩だけ減ってきた。 多分、これは水換え量を増やした事の効果であろう。
 しかし、他の物が全く変わっていなかったので、例の濾過剤を予定量(フィルターに入る分)全部入れようとした。
 しかし、ここで一つ問題が出てきた。
 現在のフィルターは上部式で、カートリッジ方式になっている。
 本来ならば、そのカートリッジの下に入れたかったのだが、枠がカートリッジに合わせてあるため、入れる事が出来無い。
 そこで、取り敢えずはカートリッジの上に置いておき、1週間程置いた後にカートリッジをやめ、フィルターを自作する事にした。


5:フィルター作成
 1週間後、水質チェックしてみるが、硝酸塩が減った以外は、やはり殆ど変化は無い。
 そこで、今までのカートリッジフィルターを外し、空いたスペースに濾剤を詰め込む。
 一番底には、パワーハウスの濾過剤を入るだけ・その上に活性炭の入った袋・その上にウールマット。
 パワーハウスには、お約束のバクテリア剤をたっぷり振りかける。

 「…ふつーの上部フィルターと、何ら変わりないじゃん。」

 まあ、そう言っては身も蓋も無いので、これで様子を見ることにした。


6:結構改善
 そのまた1週間後、水質チェック。すると
 ph→6.6 総硬度→10 炭酸塩硬度→0 亜硝酸塩→0 硝酸塩→25
 
 「phが上がってきたよ〜」

 硝酸塩は水換えだけで減ることが判っていたのでそれ程驚かなかったが、phが少しではあるが上がってきている。
 これは、パワーハウスもさる事ながら、活性炭も多少作用している様に思う。
 炭酸塩硬度が上がらないので、まだイージーバランスは使えないし、ちょっとの事で直ぐにphは下がる可能性があるけど、それでも良い兆候だ。
 当面、これで様子を見てみる。
 

7:変化なし・・・
 様子を見ていたのは良いが、そこから全く変化が起きず、逆にphはまたまた6.5以下になってしまった。
 他の値に関しては殆ど変わらず、従ってイージーバランスも使えない。
 そこで、変化を出させる(とは言え、無理の無い程度に)術を模索する事にした。
 基本的な問題点は、phが低いことなんで、それを上げる為にどうするか、であった。
 そこで第一弾として「珊瑚」を入れる事にした。
 こいつ(砂じゃなくて、本当の珊瑚)ならば、入れる数によってコントロールが可能だし、上がりすぎたら直ぐ除去出来る。しかもビジュアル的にもGood!
 てな訳でショップに行き、なるべく見た目の良い珊瑚を選んで(片手で掴める位の量)買ってきた。
 よくよく見ると、微細な穴が空いていて、これまたバクテリアの巣になりそう。
 ってな事で、急激な変化を起こさぬよう、フィルターに半分を乗せた。
 
 それから1週間後、ワクワクしながら水質チェックする(しかし、読んでくれるのは嫁)。
 答えは、「6.5、10、0、0、50」。

 「・・・変わってないじゃん」

 フィルターに乗せていたのに加え、残っていた珊瑚を全て水槽にぶち込んだのは、言うまでもない。


8:先行投入
 それから暫く経っても、phは上がらず終いだった。
 それに加え、ここで一つ問題が発生してしまった。それは硝酸塩の量。
 さりげなく、しかしながら確実に増えていっている。
 理由は簡単、珊瑚の効果を確かめる為に水交換の量(喰い残し・糞の掃除)を減らしていたからだ。
 このままではあまりよろしくないと思い、「イージーバランス」を手に取った。
 相も変わらず炭酸塩は「0」のままなので、多少の躊躇いはあったが「規定量よりもかなり少ない量を、間隔を開けて投入すれば、それ程影響は無いだろう」と自分自身に言い聞かせ、数滴垂らして見た。
 じっと水槽を見ていると、薬に入っている粒が浮遊していて、それをちびのすけ達が追っかけ回している。
 説明書を読むと、「粒は魚には影響ありません」と書いてあったので、一安心する。
 そのまま暫く見ていても、特に変わった様子は見られなかった。

 「これなら問題無いだろう」

 という事で、1週間に1〜2回、数滴の投入を繰り返す事にした。


9:発見!
 そんなある日、仕事の出張中に寄ったホームセンターのペットコーナーを何気なく覗いていると、あるものが目に付いた。
 それは「phアップ」という代物で、待ち望んでいた液体のph上昇剤だった。
 金額もお手ごろで、液体なので微量の添加が可能。phを上昇させる数値でのコストパフォーマンスは粉体には敵わないが、なんせウチのは7L水槽。少しあれば充分だし、とにかく扱いが楽である。
 早速購入し、説明書を読むと希望のphになるまで追加していくタイプらしい。
 まあ、急な上昇を防ぐ為にも、イージーバランスと同じく間隔を置いて少量づつ添加していけば、知らぬ間にphが上がってくれるだろう。

 「これでphの問題は解決!」

 その日から投入したのは、言うまでもない。


10:思わぬ効果
 イージーバランスを投入し始めて約2ヶ月、相変わらずphは低いままだったが、ある事に気が付いた。

 「苔が消えている!!」

 チェックしてみた所、硝酸塩の量は25よりは若干低いのかな?程度であったが、水槽のコーナーなんかに付いていた苔がいつの間にか全て消えていた。
 元から大した量では無く、風呂場のカビ程度だったのだが、コーナーに集中していたので以前から除去しきれず、そのまま放置しておいたのだった。
 嫁が水槽掃除をするハズは無く、自慢じゃないが水槽掃除は一切やってないので、間違いなく「消え」た。
 
 恐るべし、「テトラ・イージーバランス」・・・
第2弾:水質浄化作戦


序章:水質について
1:見なきゃ良かった…
2:対策方針決定
3:ちょい変更
4:ちょびっと変化
5:フィルター作成
6:結構改善
7:変化なし・・・
8:先行投入
9:発見!
10:思わぬ効果


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