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What's アベニー?


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BBS


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第1弾:飼育
1:出会い
2:準備その1
3:準備その2
4:準備その3
5:購入
6:問題発生、その1
7:イトメ保存計画
8:病気発生
9:スネール投入
10:大食漢
11:誤算
12:スネール増殖計画
13:計算違い
14:灼熱地獄
15:冷却作戦
16:新規購入
17:計算外

18:小さな救世主
19:餌の開拓
20:突然死
21:新しい仲間

22:小食
23:成功
24:安定供給
25:調理
26:嗜好
27:心配事
28:妻のアベ調教
29:安定

第2弾:水質浄化作戦





1:出会い
それは、ほんの偶然の出来事だった。
結婚する前までは自宅に住んでいた事もあり、色々な生き物を飼っていたのだが、
(単にペットと書けないのは、普通はこんなの飼わないだろ!というようなのも
飼っていたからで、今後は「ペット」と表現します。)
妻とマンションに暮らすようになってからは、全く「ペット」とは縁遠くなっていた。
その日、大久保のタイ料理を食べに行った帰り道、小さなペットショップを見つけた。
何の気無しに中に入っていくと、幾つもの小さな水槽があり、色々な熱帯魚がいた。
見ていて懐かしくなったのだが、ふと見慣れない生き物が泳いでるのを見つけた。
そいつらは、何匹もこっちを見ながらちょこちょこ泳いでいた。
よーく見てみたら…「ふぐぅ〜!?」
周りにはグッピーやらテトラやら。ここで一つ疑問になった。
「フグっつーのは、海水魚だろ!」
しかし、周りには海水魚なんざ一匹もいない。店の人に聞いたら「淡水フグだよ」の一言。
そこでよーく見てると、鰭を一生懸命動かして、こっちに愛想を振り撒いてるように見える。
「かわいい〜!」
ここから、淡水フグを中心にした生活が始まる事となった・・・
(因みに、この時いたのはミドリフグとハチノジフグだった)

2:準備その1
何よりも先ずクリアーしなければならず、尚且つ最も難関な壁があった。
それは「妻の許可」。
普段は寛容な妻ではあるが、基本的にペットに対してはそれ程興味がない上に、
部屋が汚れたりする事をとことん嫌がるので、初めて話を振った時には速攻で
「だめ!」
の一言で強制終了されてしまった。
しかし、そんな事では諦め切れない。そこで妻を熱帯魚ショップに連れていった。
そこでフグを見せたら、この可愛さに妻もKOされるだろう、と。
案の上、「可愛いね」の一言は引き出せたものの、それで終了。
これならば、地道に口説こうという事で、外に行くたびに色んな店に連れて行き、
「簡単に飼えるよ〜」とか「癒されるよ〜」とひたすら言い続けてきた。
その内に、こちらの術中に嵌りどんどん態度が軟化していった。
そして、最後の口説き文句、「こんな可愛いのがいたら、俺も家にいるよな〜」。
週末になると外に出てしまう俺だからこその一言。

「作戦、大成功!!」


3:準備その2
妻の許可が下りたので、早速飼育準備に取り掛かる。
先ずはネットでの情報収集からスタートした。
調べていく内に、色々な事が解ってきた。先ず、ミドリフグ・ハチノジフグは
淡水魚ではなく汽水魚の為、ちゃんと育てるならば汽水にする必要があるとの事。
汽水→塩を入れる→機器に制限→生態環境にも制限→ちと難しい。
しかも、ミドリフグは15cm位にまで成長し、それはクサフグに近いとの事。
「クサフグぅ〜!?」
海釣りをする人間ならすぐ解る事だが、あの外道中の外道!
その話を妻にしたら、速攻「そんな大きくなるのはダメ!置き場所が無い!!」
という冷たい一言。
ウーパールーパーを飼って、30cm以上の大きさまで育てた事を話していた為、
俺ならその大きさまで確実に育てると読んだみたいだ。
そこでもう少し調べてみると、純淡水で、しかも5cm位にしか育たないフグがいた。
それこそ「アベニーパファ」。そう、このHPの主人公である。
これならば、文句は無いだろうと踏み、近所のショップへ足を運んだ。
果たしてそこには…いた!これまた可愛いのが沢山。
フグらしさから言えば、ミドリフグの方が上かも知れないが、やっぱ可愛い。
ここで選択肢が二つに分かれた為、再度調べに入る。
その結果、餌の与え易さを取るならミドリフグ、水を考えたらアベニー。
乾燥餌でも食べてくれるというのはかなりの魅力だったが、
住んでいるのが賃貸マンションという事もあり(飼っていいのか?)、
塩水でのトラブルを考えると、やはり難しいと踏んだ。
しかも、アベニーはスネールを好んで食べると書いてある。
スネールと言えば、水槽に勝手に湧くあの巻貝。
あいつなら、実家の水槽に嫌って程湧いている。その数、数百。
これなら完全安定供給出来る!ひょっとしたら、餌代はタダでOK?
そこで出した答えがこれ。

「アベニーで決定!!」


4:準備その3
飼うコが決まった為、早速水槽の準備に取り掛かった。
以前使っていた30cm水槽を引っ張り出してきて、綺麗に掃除。砂利も掃除していざ設置したら、
また妻が一言、「臭い!こんなの家の中に入れないで!!しかも水槽も大きすぎ。」
確かに、その水槽は結構長い間使っているが、ガラスだから問題ないはず。
よく臭いをかいでみると、以前に使っていた砂利が入っている為、確かにちょっと臭うかも。
水を入れたら臭いは出ないよ、と言っても一切聞き入れて貰えず、仕方ないのでショップへ。
ウロウロ探していると、非常に手頃なのが見つかった。それがこれ
本体がアクリル製というのが、ちと気に食わないが(傷が付きやすいんで)、
濾過装置が付属され、全体が密閉型になっているので臭いも出ない。しかも安い。
いいヤツが見つかったよ〜、と報告を入れ、そのまま購入し、ついでに早く水を作るために
バクテリアの原料(?)も購入。家に戻って水槽を洗い、すぐに設置した。
妻もそれを見て何も言わないので、とりあえず成功!
実家から水草やら何やらをガメてきて中に放り込み、、水を馴染ませていく。
バクテリアを適量投入してから1週間程、ひたすら循環しておいた。
濁りも取れたし、そろそろ我慢の限界…

これにて準備完了!」
5:購入
次の週末、自分はペットショップに向かった。
向かったのは、自宅から自転車で10分、出身中学の目の前にある「P」というショップ。
水槽を買った店だが、色々な種類を扱い、用具も沢山あったので、
きっと手入れもしっかりしているだろうと踏んだからだ。雑誌等にも結構出てて、結構賑わっている。
店に入って、まっすぐにアベニーの前に向かった。
そこで店員を捕まえ、先ず質問。
「こいつに、何を食べさせてます?」。これを知っておくのは大切な事(らしい)。
店にいる時に食べている餌が入手しづらいと、育てる時に苦労するらしいからだ。
「冷凍赤虫ですよ」と即座に答える店員。
それなら問題無いと思い、5匹・\4,200-(税込み)で購入。1匹だと472円だったかな?
冷凍赤虫も購入し、うきうきしながら自宅に持ち帰る。
嫁に「買ってきたよ〜。新しい家族だよん。」と見せると、けげんそうな顔。
どうやら、食べるフグのイメージを持っていたらしく、嫁曰く「ふつーの魚っぽい。」
まあ、そんな事は知ったこっちゃない。水の温度を合わせてから水槽へ投入。
これまでと違う環境にびっくりしたのか、ちょこちょこ上下に動いてる。
これも心配ない行動と調べてあったので、そのまま見てると、自然に笑顔になってしまう。

「買ってきて(飼って?)良かったなぁ〜」


6:問題発生、その1
半日程経ち、アベニー(以降アベ)達も落ち着いてきた様子。
夜もふけてきたので、早速「ご飯」をあげる事にした。
早速買ってきた赤虫を解凍し与えてみると、見向きもしない。
これも既に調査済み。アベは動いていない餌には興味を示さない傾向が強い。
ピンセットで摘み、目の前でフリフリ…ありっっ?全く食べようとしない。
みんな全く食べようとしない。これは困った。
「まあ、引っ越したばっかだし、まだ環境に慣れてないんだろ」といいように解釈する。
一応、何匹かの赤虫を入れて終了とする。
翌日、仕事から帰り、早速ご飯をあげる事にした。
お腹を見ると、みんな一様にへっこんでる。
これなら食べてくれるだろう、と赤虫をフリフリ…また食べない。
何をどうやっても食べようとしない。
あと一日様子を見ようと、また数匹投入しておいた。明日も食べないとマズイよな…
また翌日仕事から帰り、赤虫を…ダメだ。どうあっても食べようとしない。
何匹かは、やつれて「煮干」みたいな姿になってきた。
もしや…と思い、アベを買った店に行ってみた。そこで見たものは…
アベの水槽にメキシカンハット(イトメケース)が取り付けられ、中にはイトメがたっぷりと。
そこから出ているイトメを片っ端から引っこ抜いて食べているアベの姿が。
「あの店員、騙しやがって!」と怒りに震えるも、そんな事を言っている場合じゃない。
急いでイトメとケースを買ってきて、水槽に入れると…一斉に寄って来て突付きまくる。
しかし、その内の1匹は既に動けない状態になってしまっていた。
目の前にイトメを持ってくると何とか食べられるが、それもほんの少し。
その子が可哀想だったが、それ以上に適当な事を言って買わせようとした店員に怒りが湧く。

「もう二度と、てめーの店では買わねえ!!!!」


7:イトメ保存計画
取り敢えず、イトメを与える事で餌の確保は出来た。
しかし、ここで大きな問題が出ていた。それは『イトメの安定供給』。
その店は夜の十時まで開いてはいたが、仕事の都合上いつでも行ける訳ではない。
餌籠に入れておけば数日生きてはいるだろうが、イトメはとにかく水を汚す。
試しに少量だけ入れて入れっぱなしにしておいたら、3日程で全滅(死滅)。
籠から落ちた結構な量のイトメが砂利の中に逃げてしまっているが、
多分それも数日で死ぬだろうから、それも水を汚す形になるだろう。
残ったイトメは使っていなかった30cm水槽に入れておいたが、これまた死滅。
こうなると、3日サイクルで購入すれば良いかもしれないが、
店曰く、「売り切れ」(か、全滅か?既に店の信用度ゼロ)があるとの事。
そうなると、最低1週間、出来れば2週間程もたせたい。
それが可能であれば、週末にでも他の店に行って補充が出来る。
そこでまた調べてみると、流水に入れてエアレーションすれば持つとの事。
しかし、こちらは賃貸マンション。洗面所か台所しか水回りは無い。
そこをイトメに占拠させれば、嫁の怒る姿は目に浮かぶ。
もう少し調べてみると、冷蔵庫に保存すれば1〜2週間は持つらしい。
またまたしかし、そんなもんを冷蔵庫に入れようものなら、嫁が発狂する。
試行錯誤した上で、やっと編み出した方法がこれ

「これにてご飯、安定供給!」


8:病気発生
イトメを与え続けて数週間、水槽を見てたらある事に気がついた。
アベの体に白い綿毛のような物が付いている。しかも3匹に。
白点病は知っていたのだが、それとは明らかに違う。それが間違いの元だった。
バクテリアの塊がくっ付いたんだろう、位に思ってしまった。
(事実、バクテリアが固まると、白い朧状になる)
そのまま放っておいて数日、明らかに状況が変わってきた。
食欲が無くなってきたのである。それも急激に。
もしや、と思って調べてみると、「水カビ病」というのもあるらしかった。
仕事上、水カビは見たことが何度もあるが、確かにそう言われればその通りだった。
こいつはマズイ!と思い、悔しいがいつもの「P」へ。
そこには、幾つか薬品があったが、その中でも毒性の一番低い物を選んだ。
(これまた仕事上、薬品は取り扱っているので、知識は結構あった)
普通は別水槽に入れて薬浴させるようだが、そんな余裕は無い。
別水槽なんざ置いた日にゃ、女房の怒りは目に見えるし、温度管理も出来ない。
それを早速本水槽投入し、2日程様子を見たら状況は改善され、カビらしきものは取れた。
3匹の内、2匹はそれで復活したのだが、1匹が痩せたまま戻らなかった。
そしてそのまま…これからはちょっとでも様子がおかしくなったら、
薬量を少なめにしてでも投薬しておく事にした。

「病気は常に先手必勝!」


9:スネール投入
折角保存方法を開発(?)したのだが、こうしょっちゅう病気になってはアベ達が可哀想だ。
しかし、現在安定供給出来て、且つ確実に食べるのはイトメしかいない。
思い悩んだ末、ふと思い出したのが「スネール」の存在。
確か、本名「モノアラガイ」だったと記憶しているが、実家の水槽に溢れんばかりにいたあいつ。
俺に「餌代ゼロ」というスケベ心を出させた張本人の存在をすっかり忘れていた。
早速翌朝水槽を覗いてみると、いるわいるわ。6つの水槽にざっと数百は下らない。
空いたペットボトルに50ヶ程を採り、中に水草を入れ、仕事帰りにマンションに持ち込んだ。
これをそのまま部屋に入れておくのも手だったが、食べ切るまでに1週間として、その間にもしボトルから出てこようものなら、お約束の妻の発狂は避けられない。
そこで、従来アベを飼おうと思っていた30cm水槽に水を張り、塩素を抜いてそこにスネールを放り込み、ベランダに設置した。
夕飯も終わり、アベのご飯の時間になった(夜10時前後がアベのご飯の時間)。
果たして、スネールを食べてくれるかどうかちょっと不安になりながらも、5ヶ程を投入した。
普段なら、イトメケースにイトメを入れるため、ケースに殺到するアベ達。その為、スネールには気付かない様子。
「う〜ん、困ったなぁ…」と思いつつも様子を見ていくと、下に落ちたスネールが、壁を伝って上に上がってきた。
その途端、全員が「ありっっ!?これは、もしやスネール!!」とでも言ってるような顔でスネールの周りを旋回し始めた。
4匹のアベが1匹のスネールの周りを旋回する姿は「圧巻」の一言。
その内、1匹が「もー我慢できんっ!」といった感じで飛び掛かり、スネールの頭に噛り付いた。
その途端に、残りの3匹も一斉に飛び掛る。頭を齧られ、下に落ちていくにも関係なくアタックしていく。そして、床に着く頃には、哀れ奥の奥まで食べ尽くされたスネールの残骸が転がっていった…

「これがスネールの実力(?)か!」


10:大食漢
その後も、水槽を徘徊するスネールを見つけてはその周りを2〜3周しては飛びかかるという感じで、あっという間に5匹のスネールは全滅した。
噂通り、どんなアベでもスネールは食べた。これで一安心、と胸を撫で下ろし水槽を覗くと、殆ど空になった殻にもアタックを繰り返している。
これは余りに忍びない、と思い、水槽からスネールを10ヶ程取り出し水槽に投入。
すると、これまた凄まじい勢いで片っ端から平らげていく。瞬く間に10ヶのスネールが全滅。
「よっぽど好きなんだな〜♪」などとのん気な事を考えながら、また追加。
そんな事を繰り返し、いい加減にスネールを追わなくなったので、ご飯を終了とした。
みんな一様にお腹がポコポコになって、「満足〜」といった雰囲気である。
水槽の底には殻が無数に落ちていたので、残った内臓で水が悪くならないよう、大きいピンセットで一つずつ取り出して、小皿に入れていく。
底の砂利と同化していて(自分は色弱なので、色の差が判らない)、幾つかは残ってしまっているだろうが、殆どを取り出して数を数えて見た。
「に…にじゅうごぉ〜〜〜!!」
そうなのである。たかが4匹のアベが25匹、見落としたのを考えると約30匹程食べているのである。一匹平均7匹弱…
今まで食べていたイトメの質量とは比べ物にならない位の量である。

「こいつら、実は大喰らいなのね…」


11:誤算
昨日、あれだけのスネールを食べたんだから、今日は食べないだろう、位に思って家に帰ってきた。
早速水槽を覗くと、みんな一斉にこっちに寄ってきて「ご飯くれぇ〜」という顔をしている。
昨日は、物珍しさもあっただろうから、今日は落ち着いて食べるかな?と思い、夕飯を済ませてからスネールを投入。
すると、昨日の姿と全く変わらず、ガンガンアタックしていく。
仕方なく、どんどん追加していくが、追加するスピードが食べるスピードに追いつかない。
その内、別水槽に入れたスネールが全ていなくなってしまった。
恐る恐る水槽を除くと、「もっとくれぇ〜」という顔をしている。
試しに、と思い冷凍赤虫を解凍し与えてみるが全くと言って良い程興味を示さない。
仕方なく、底に沈んだ残骸を摘み出し、殻を砕いて僅かに残った内臓をピンセットで摘んで水槽に入れると、全員でピンセットに突進してくる。
「お前ら、一体どうやって見分けてるんだ??」と、思いっきり突っ込みたくなる程である。
内臓を食べる事が確認出来たので、全ての殻を潰して、残った内臓を全て与えた。
いくら与えても、与えるだけ食べ尽くしていく。
残ったのは殻の屑だけ、という状態になっても、まだこっちを見つめてくる…
「ごめんね、もうご飯無いの」と言って、そそくさとライトを消して逃げる俺。
冷静になって考えると、少なくとも一日20匹のスネールが必要という事は、1週間で140匹、1ヶ月で980匹…当然、スネールは増えていくけど…

「全然足りないじゃん!」


12:スネール増殖計画
実家にある水槽から、200匹程のスネールを取って、保存水槽に放した。実家にある6ヶの水槽と比較して、少しでも良い条件でスネールを増やそうという考えからだった(実家の水槽は親父の管理の為、自分が好きなようには出来ないので)。
水槽にアナカリスを入れ、暫く放置しておいた。が、しかし、一向に産卵する気配が無い。
与えるスネールをアベ1匹当り1日2匹までとし、イトメと併用する形で与えていたのだが、それでもスネールは減る一方だった。
実家の水槽を覗いてみると、みるみるうちに卵が増えている。
何が違うのか?比較検討してみる事にした。
すると、次の点が明らかに違う事が判った。
1:実家はメダカを飼っている為、メダカの餌を与えている(当たり前だが)。それをスネールが食べている。
2:自然に落ちてきた枯葉の裏に、びっちりとスネールが付いていたので、それも(多分)食べている。
3:設置してから10年程経っているの上に、水換えなど一切やってないので、水が熟成されている。
4:底には泥が堆積している。
5:水温が上がり易い場所にある水槽の方が、明らかにスネールの量が多い。
そこで、実家から水槽の水と底の泥を回収し、スネール水槽にいれ、日当たりを良くし、フレーク状の餌をスネール専用として用意し、枯葉も拾い、水槽に放り込んだ。
それから数週間が経つ頃、水槽の縁に卵が産み付けられているのを見つけた。よーく見てみると、あちこちに卵がある。
また、枯葉の裏には、小さなスネールがびっちり付いている。

「増殖計画、成功!」


13:計算違い
増殖計画が成功した事を機に、イトメをやめて全量スネールに切り替える事にした。
養殖水槽から与えていき、適時実家の水槽から補充していくサイクルを繰り返していく。
調子こいて与えていったある日、ふとある事に気が付いた。
「明らかに、食べ頃サイズのスネールがいなくなってないか?」
確かに小さなスネールはうじょうじょいるのだが、肝心の大きいスネールが、全ての水槽から殆ど消えていたのである。
そこで冷静になってみると、スネールの寿命と成長速度をまるで考えてなかったのである。
時既に遅し。成長過程のスネールは腹の足しにもならないし、どんなに水槽を探っても、食べ頃サイズは1日に1ヶか2ヶしか見つからなかった。
不本意ながら、スネールが成長するまでイトメのみで与えるしか術が無くなった。

「スネール、壊滅…」


14:灼熱地獄
夏を前にして、元気だった子達が一匹を除き、皆一様に食欲が落ちてきた。
それまでは、イトメを入れるとケースに突進してきて、がんがん食いついていたのだが、ふらふら寄って来てはちょっと啄ばみ、また下に降りていく。
酷いのになると、上がってこようともせずに、目の前に落ちてきたイトメだけを食べている様子だった。
体を観察しても、取り立てて病気の様にも見えない。ただ単純に元気が無いだけに見えた。
水は3〜4日に一度、2L(全体の1/5)を換えていたので、特別に悪化しているようにも見えない。
水温を見ると29℃。これも許容範囲内で問題無し。まるで原因が判らなかった。
一応水質改善剤と薬を投入して、様子を見ることにした。
そうしている内に、1匹、また1匹と☆になり、とうとう残りが1匹だけ(先に書いた元気だった1匹)になってしまった。
1匹だけで寂しそうに泳いでいる姿を見て、余りに不憫になったが、原因が判らなくてはまた死んでしまうと思い、暫くそのままにしておいた。
ある熱かった日、帰宅して水槽の温度計を何気なく見ると「32℃」を指している。
「こりゃマズイ!」と思い、保冷剤を使用して徐々に水を冷やして28℃程度まで落としておいた。
その時にふと気が付いたのだが、昼の水温はまるで見ていなかった(というより、仕事で見れない)。
マンションはただでさえ機密性が高いので、冬でも結構暖かい。それが初夏なら…
日曜は朝起きた時点で窓を全開にしているので、部屋の温度もそれ程上がらない。それで見落としていたのだった。
翌日、自分の会社で売っている留点温度計(最高温度点で水銀が止まるように細工された温度計)を持ち出し、水槽に入れておいた。
その翌日、会社から帰り恐る恐る温度計を覗いて見ると…
「36℃!!」
その温度計は、使用目的からかなり精度の高い温度計なので(何せ売っている本人なので)、その数値を疑う余地は無かった。

「・・・暑さで☆にしちゃったのか・・・」


15:冷却作戦
何に優先しても、先ず水を冷やさなくてはいけない。
どのようにしたら良いか調べて見ると、二通りの方法があった。
一つは、水を直接冷やす方法、もう一つは気化熱を利用して冷やす方法だった。
直接冷却は、冷水機を使用するか、ペルチェ素子を使用して冷やせば良い。二つとも自分の会社で売っている物なので、あれこれ物色してみるが、色々な面で問題が出る。
具体的に言うと、冷水機の場合、ホースで水槽外に接続して循環するのだが、もしホースが外れたらマンションが浸水する。ペルチェの場合、放熱させなければならないのだが、放熱が弱いと逆に加熱してしまう。
そこで、気化熱を使用する事にした。ファンで空気を送り込み、揮発する放熱で冷やす方法である。
水が減ってしまう事が欠点だが、毎日足していけば、それ程問題にはならない。
水槽の蓋を開放しなくてはならないが、そこは嫁に「ふぐのすけが死んじゃうからさ〜」と言って、消臭剤を置く事で許可を貰った。
次にファンを購入する。ショップに行くと、確かに売ってはいるのだが、クリップ式や壁掛け式のばかりだった。
何せ、自分の水槽はアクリル製の上に小さいのに加え、曲面になっているのでそれらは使えない。(使えない事は無いだろうが、強度の面等でかなり不安がでる。)
そこである名案が思いついた。
ショップのファンを見ると、会社の業界で言う「シロッコファン」という代物に幾つかの加工をしているだけだった。
この小型の物は、一昔前のPCの冷却に使われたりしているので、すぐさま秋葉原に向かう。
案の定、そこには「200円」という格安のファンが大量に売っていた。
多少電気が弄れる人間ならば、簡単に接続できるので、周囲の店を駆け回り、パーツを揃えていく。
総予算1000円以下という破格値で揃える事が出来た。
排気口と水槽との高さを合わせ、早速電源をいれると、勢い良く風が吹き出す。
音がちょっとうるさいが、背に腹は変えられない。
夜は水温が上がらないので消しておき、翌朝電源を入れ、例の留点温度計を入れて仕事に出る。
帰宅してから早速温度計を覗いてみると…
「28℃!」
大成功である。これで心配は無くなった。アベも心なしか元気になり、食欲も前にも増して旺盛になった。

「冷却作戦、完遂!」


16:新規購入
水温の心配が無くなった所で、お友達を入れる事にした。
やはり、餌を沢山食べる子程体力があり、ある程度のトラブルには耐えられる事が判ったので、餌を沢山食べてくれそうな子を探す事にした。
以前の店では絶対に買わない事にしたのだが、果たして何処で売っているのかが判らない。
そこで、地元で心当りがある所を虱潰しに探す事にした。
単純に頭に浮かぶのが、デパートの屋上。という事で、銀座のデパートに向かった。
一番近いのが銀座の松屋だったので、その屋上に行ってみると…いた!いきなりビンゴである。
お腹を見ると、みんなポッコリしてる。尾びれも広がっていて、皆元気そうである。
早速店員に、「何で育ててますか?」と聞いてみると、「乾燥赤虫をメインに、食べない子には冷凍赤虫ですよ。」と嬉しい答え。
ちょっと話して見ると、アベの餌の難しさ等を良く知っていて、なるべく難しい餌に慣らしているとの事。
多少経験を積んでいた手前、自分も知っている限りの知識で質問をぶつけても、嫌な顔一つせずに丁寧に答えてくれる。
「ここなら大丈夫!」と思い、3匹を購入。その際、雄と雌の区別の仕方等を教わり、雄を1匹、雌を2匹購入。
水温を合わせてから水槽に放つと、お約束の上下運動を繰り返すが、特に問題は無さそう。
夜になって、冷凍赤虫を与えると、新顔は皆喜んで餌を食べてくれる。

「お店選び、大成功!」


17:計算外
新顔のご飯が終わり、残る1匹のご飯をあげようと、イトメをケースに入れた。
勿論、旧顔は喜んで食べ始めたのだが、何と、お腹がポコポコになった新顔の内、2匹までもがケースに近づき、片っ端から喰いついている。
その時は、「お〜。食欲旺盛ね♪」という喜びが殆どだったのだが、一抹の不安が残った。
翌日、餌をあげようと、先ずは冷凍赤虫を入れた。果たして、その不安は的中してしまった。
「く…喰わない!」
1匹だけは嬉しそうに突いてくるが、残りの二匹は寄って来ようともしない。
目の前にぶら下げても、しれ〜っとした顔をしている。そう、生餌を食べてしまった為、冷凍物に目が行かなくなってしまったようだ。
仕方ないので、1匹だけを満足させてからイトメを与えると、残りの3匹で争うように食べていく。
その日から、幾らやっても同じだった。
心を鬼にして、イトメの量を減らして与え、翌日赤虫を与えると、ちょっとは齧りつくが直ぐに吐き出す。
今回は、完全に自分のミス。前回みたいにお店を恨む訳にはいかない。

「生餌はアベを野生に戻す…」


18:小さな救世主
イトメと冷凍赤虫の併用を続けていたある日、保冷材を入れ忘れてしまいイトメが全滅してしまった。
気が付いたのが夜の9時。「こりゃいかん」と思い、慌てて「P」へ。
しかし、無常にも「イトメ売り切れ」の文字が。・・・目の前が真っ暗になった。
その時間じゃ、ウチの周りのデパートやら何やらは全て閉まっているし、ペットショップなんて他には無い。
「何とか餌を確保しなきゃ…」と考えるのだが、何も思い浮かばない。(その当時は、毎日餌を与えなきゃ死ぬと思っていた)
取り敢えず思いついたのが、ミニスネールをかき集めて、それを与える事。
家に帰り、壁にへばり付いてる3mm程度のスネールを30ヶ程確保し、水槽へ放した。
「あ〜、これでスネールの増殖計画がゼロに戻ったな〜」と思いながら水槽を見ていると、スネールにくっ付いていた(らしい)
ミジンコ(といっても、肉眼で充分見える位大きいやつ。タマミジンコ?)が2〜3匹、勢い良く泳ぎだした。
と、同時にアベが追いかけていって「ぱくっっ」と飲み込んだ。
「!!!」
その一瞬を見逃さなかった事を、神に感謝した。
そのミジンコなら、山ほど湧いている。慌ててスポイトと皿を持ってスネール水槽へ向かい片っ端から吸い取っていく。
あっという間にミジンコが集まり、質量からして3匹分には余りすぎる位になった。
取り敢えず半分位を入れると、水槽中に一斉に散らばるが、それを物凄い動きでどんどん口に入れていく。

「イトメよ、お前はもう要らん!」


19:餌の開拓
ミジンコによって、当面の餌の確保が出来た。そこで、スネールの二の舞にならぬ様、新しい餌を開拓する事にした。
生餌は何でも食べるが、それでは安定供給が難しい。そこでペットショップへ行って冷凍餌を見てみる。
そこには、赤虫以外にミジンコ・ブライン・ベビーブライン・ホワイトシュリンプというのが置いてあったので、
ベビーブライン以外を購入し、早速試していく。
しかし結果は・・・
「惨敗」
目の前で振ろうが何をしようが、全ての餌を無視していく。
その為、1匹だけは冷凍赤虫を食べてくれるので、それを与えた後にミジンコを与える生活が続いた。
餌の開拓が進まない焦りはあったが、幸いなことにミジンコは無尽蔵に増えていく。
特に、明日葉の枯葉が大好物の様で、これをいれておくと、翌日にはこれにびっちりと集まっている。
これであれば、餌の確保に躍起になる事はない。
気長にやっていこう、という感じで、無駄だとは思いながらも毎日チャレンジする事にした。

「いつか食わせてやる!」


20:突然死
そんな生活が続いていたある日、ミジンコ食いの子の一匹が突然動かなくなった。
確かに、ミジンコだけだと「太る」までは食わせられなかったが、それでも毎日元気に泳いでいた。
慌ててスネールを目の前に持っていっても、見向きもしない。
前回☆にしてしまった経験上、「これはやばい」というのが判る。
しかし、どうにも手の打ち様が無かった。
後ろ髪引かれながらも職場に向かい、帰ってくると…やはり☆になっていた。
外傷は無く、病気らしき跡も見られない。「寿命・・・かな?」と思うしか無かった。
ところが、嫌な事は続くもので、ミジンコ食いの残り2匹も連続して同じ様に☆になっていった。
その頃から、多少大きくなってきたスネールも併用していたが、原因は判らなかった。
ただ、一つ言える事は、赤虫を食べていた子は非常に元気で、いつでも丸々太っていた。もしかして…
「栄養不足!?」
やはり、偏った餌では寿命が短くなってしまうのか…
最後に残った一匹が、寂しそうに泳いでいる。

「お前だけは、天寿を全うさせてやる!」


21:新しい仲間
暫く1匹だけで飼っていたのだが、いつも寂しそうな感じで泳いでいる。
これは、友達を増やしてやった方がいい、と勝手に判断して、前回買った銀座の松屋へ。
しかし、そこにはアベの水槽が無かった。
店員に聞いた所、アベの入荷が無く、暫くはいないとの事。
がっくりしたが、例の「P」では買う気にはなれない。
そこでネットで調べて、近場にあるかどうかを探した。
そうしたら、丁度タイミング良く「今週末に限り、アベ3匹で980円!」という広告を見つけた。
場所は町屋。これなら車で数十分。嫁に「ドライブ行こう!」と騙して、早速店に向かった。
店に着くと、早速アベの水槽を覗きに行く。
しかし、いるにはいるが、あまり良い個体はいないし、第一体が大きい。
聞いて見たら、今回のセールで結構売れてしまったので、残っていないとの事だった。
どうしようか悩んだが、店の選択基準になると思い、その中でも状態の良さそうなのを3匹選んで貰って購入。
当然、与えてる餌とかの確認はとったし、水槽に落ちているのを見て冷凍赤虫を与えているのは明らかだった。
「今度は初めから冷凍赤虫♪」
それだけでも気が楽だった。
早速水槽に放すと、元気に上下運動しているが、先住民とは喧嘩しそうな様子は見えないので、一安心した。

「今度は楽させておくれ」


22:小食
夜になり、ご飯の時間となった。
一抹の不安を持ちながらも、冷凍赤虫を入れてみる。
…食った!
確かに全員が食い始めた。しかしながら、1〜2本食い終わると新顔はそっぽを向き始めた。
体の小さい古顔が何本も食べているのを見ると、明らかに食が細い。
「まあ、移動したてだし、環境に慣れてないのかな?」位に思って、その日の餌やりは終わらした。
翌日・翌々日・そのまた翌日と、量が増えるかと思いきや、全く状態は変わらない。
むしろ1本目すら吐き出すようになってしまった。
これはいかん!と思い、スネールを入れたら、やはり齧りつく。
「う〜ん、こいつらもか…」
ただ、唯一の救いは、赤虫も少しではあるが食べてくれること。
都合良く考えれば、冷凍餌でも「餌」という認識を持ってくれている事である。

「食ってくれる餌を探してやる!」


23:成功
餌を模索しているある日、嫁が「酒蒸作って〜」と『アサリ』を買ってきた。
砂抜きをする為に袋から出した所、貝特有の臭いに気が付いた。
「何かスネールを新鮮にした様な臭いだよな〜」などと暢気な事を考えながら、ふと考えた。
アベは、原型を留めないスネールの内臓にすら、猛然とアタックしていた。
つまり、形ではなく、臭いに反応するのか?と思い、嫁に「1ヶ頂戴」と断ってからアサリを剥き、細かく切ってからピンセットで入れてみた。
すると…
「がぶっっっ!!」
猛然とアタックしてくる新顔のアベ達。入れれば入れるほど食べていく。
久しぶりに、全員のお腹がぷっくり膨れた。
アサリなら、何時でもデパートで売っているし、イトメと違い水の汚染や病気の心配はそれ程無い。

「餌開発、成功!」


24:安定供給
しかし、ここで安心してはいけなかった。
なぜなら、毎日アサリを食べる訳にもいかないし、活きたのを塩水に漬けておいても何日持つか解らない。
人間ですら、死んだ貝を食べたらとんでもない事になるので、そんなリスクは背負えない。
そこで、残ったアサリを冷凍する事にした。
フィルムケースに残ったアサリを入れ、その都度スライスして与える算段だ。
翌日、カチカチになったアサリをスライスし、食べ頃サイズにしてからピンセットで入れると…
「がぶっっっ!!」
昨日と全く同じ反応を示してくれた。
内臓が特にお気に入りの様子で、幾ら与えても食べてしまう。
またまたお腹がぷっくりして、満足そうに泳いでいる。
「やった〜!」という喜びと同時に、気が抜けて少し目が潤んでしまった。
これで、餌の問題は解決できた。

「これにて、安定供給可能!」


25:調理
冷凍アサリ1ヶで、アベ3匹の4〜5日分の餌になる事が判った。
そこで、月1〜2回アサリ料理を作る事にして、その都度5〜6ヶ剥き身にして冷凍すれば、餌の安定供給が出来る。
その間に、他の餌を開拓する事にした。
臭いに反応した、という事は、他の餌にも貝の臭いが付けば食べるのか?と思い、色々試してみる事にした。
スネールの内臓の残った殻に、以前購入した冷凍のイサザアミやブラインを入れて与えたり、皿に取って内臓と絡めたり…
すると、内臓の臭いが強いと騙されて(?)食べるようになった。しかし、内臓の比率が低いと、やはり食いつかない。
また、人工餌もで貝っぽい臭いがする物にはアタックしていくようにもなった。
「こうなりゃ根気勝負!」
ピンセット・メス・針等を駆使しながら、微妙な匙加減で餌を作っていく。
上手く作れると美味しそうに食べるし、ブレンド比率(?)を間違えると吐き出してしまう。

「これって、料理みたいだな・・・」


26:嗜好
スネールやアサリ内臓と、イサザアミ・赤虫のブレンドを続けていく内に、徐々に内臓比率を下げても食べる様になっていった。
特に、イサザアミに関しては単体でも結構喰い付いてくる。
しかし、よーく見ると、特定の子だけがそうで、他の子はちょっと食べると直ぐに興味を無くし、内蔵フレーバーにすると喰い付く。
面白いもので、赤虫ベースが好きな子、イサザアミベースが好きな子と、好みが分かれている。
赤虫を食べる子はイサザアミも食べるが、イサザアミの子は赤虫を食べない。
また、ブラインはあまり好みではないらしく、殆どが吐き出してしまう。
「3種類のブレンド餌を作るのも面倒だよなぁ〜」
その頃になると、餌の準備を始めてから、喰い残しを掃除するまでに1時間近くかかるようになっていた。
しかし、懸命に作った餌を腹いっぱいに食べてくれる姿を見ると、やはり微笑ましくなってくる。

「子を持つ親の気分が分かる気がする」


27:心配事
そんなある日、仕事の関係で2泊の出張に行かなくてはならなくなった。
心配事…勿論、アベの事である。
ただでさえ、それ程アベの存在を歓迎していない嫁である。給餌を頼む訳にもいかなかった。
そこで、スネールを大量にぶち込んでおく事を考えたが、如何せん、昔の喰う量を考えると、100匹位入れなきゃ間に合わない。
現在のストックではそんな量はいないし、万が一いても水が悪くなる。
かといって、その時のストックであった30匹位では、1日で全部食い切ってしまうだろう。
悩んだ末に、妻に恐る恐る切り出してみた。
「あのぉ〜、ふぐのすけのご飯をあげてほしいんですけど…」
自分の中では、いるスネールを3日に分けてあげて欲しいという事だった。
すると、あっさりと「いいわよぉ〜」と。しかし、意味深な笑いを湛えていたのは見逃さなかった。
「いや、スネールを分けて出しておくから、それを一日毎に入れてくれればいいんだけど」と言うと、
「外に出てきたら嫌だから、いつものヤツ(冷凍餌)にする」と反論された。
一応、冷凍餌でも殆どブレンド無しでも食べるようになってはいたが、目の前でふりふりして、騙しながら、という感じだった。

「本当に大丈夫かなぁ〜・・・」


28:妻のアベ調教
出張中は、どうしてもアベの事が気になり、正直生きた心地がしなかった。
出張から帰り、恐る恐る水槽を覗いて見ると、普段と変わらぬアベがいた。
俺の顔を見ると、こっちを見ながら必死になって泳いでくる。
先ずはほっとしたのと同時に、一体何をしたんだ?という疑問が湧いてきた。
妻に聞くと、「普通にあげたら、ちゃんと食べたよぉ〜」との返事。
今までが今までだっただけに、にわかには信じられなかった。
晩飯が終わり、いよいよアベのご飯となった。
無駄だとは思ったが、妻の言葉を信じ、冷凍赤虫を2〜3本水槽に放り込んでみた。
「ぱくっっっ」全員が一斉に赤虫に飛びついてきた。
「えぇぇぇえええ〜〜〜!?!?」
一体、何が起こったのか、自分でも信じられなかった。
まさかと思い、また2〜3本を水槽に放り込む。
「ぱくぱくっ」「ぬぁにぃ〜〜〜!?」
またまた全員で飛びついて、必死になって食べている。
ひたすらそれを繰り返し、用意した赤虫(キョーリン赤虫・1/4個)を全て平らげてしまった。
妻に「一体何したの?」と聞くと、「別に、ただ放り込んだら、みんな普通に食べてたよ」との事。
怪訝そうな顔をしてると、「フグになめられてるんだよ。」と辛辣な一言。
多分、自分がいなかった事と、いつもとは違う人間が餌を入れた事で、アベも慌てて食べたのだろう。

「アベは、人間を見分ける・・・!」


29:安定
その後は、これまでの苦労が嘘だったかのように、冷凍餌だけを食べ(勿論、スネールも喜んで食べる)、毎日愛想を振っている。
その後、1匹が死んだが、太ったまま病気らしい跡も無く死んだので、これは寿命だと思う。
3匹になってから、暫く経ち、産卵も経験した。(ここからは「ちびのすけ奮闘記」を読んで下さい)
今はちびのすけの育児も安定し、ちびの餌を試す程度しか無いので、これでほぼ完結となってしまうかも知れない。
ここに記した経験(?)が、何かの参考になってくれれば有難いです。
また気付いた事があれば、新たにコーナーを設けるか、ここに追記します。
トップページに記しますので、たまに覗いて下さい。

「ここまで読んで下さってありがとうございました。