噂の眞相 91年6月号特集3
 ノストラダムスブームに乗る虚業家たちを撃つ!


                                                                松下清史

激変する世界情勢、湾岸戦争、日本でもバブル経済が崩壊し、「日本はこれでいいのか!」と声高に叫ぶ文化人、そして横行する終末論……こんな状況の中、「ノストラダムス」本が大量に出版されるなど、再びブームになっている。

前回のブームは、オイルショックにより日本経済が混乱した1973年、「『今から26年後の1999年、人類は滅亡する』と予言したノストラダムスという男がいた」こんな書出しで、世の終末を説いた本が一大ベストセラーになり、同時に小松左京の「日本沈没」や一連のオカルト・パニック映画の流行と併せて、第一次のノストラダムスブームとなったものだ。だがこのブームは“ブーム”という言葉のもつ一過性の騒ぎを超え、その後もポツリポツリとではあるが「ノストラダムス」本が刊行され続けてきた。

そして、今回の湾岸戦争を機に、第2のノストラダムスブームとして、前回を上回る勢いで復活したのだ。書店では湾岸戦争コーナーの脇に「ノストラダムスの大予言・中東編」やらの、湾岸戦争にかこつけた予言本が並び、元祖「ノストラダムスの大予言」以外にも、「あの解釈は間違っている」「真相はズバリこれだ」などと銘打った本が山積みされ、その種類は50を超えるといわれている(他にも予言者やUFOや人面魚にこじつけた人類滅亡本も併せると100種は確実だろう)。

今回のブームの要因としては、まず、湾岸戦争により平和ボケした日本人にとっては慣れない緊張状況(緊張というより興奮状態だろうが)を強いられたこと、「ちびまる子ちゃん」に代表される70年代ノスタルジー、前回のブームで洗脳、または商売になると考えていた連中がメディアの中堅に位置する時期がきた。そしてこれらの要因に伴い、あるカリスマの登場、といったところだろう。実際、今回のブームの陰には近々「ノストラダムスブーム」が来ると見越した上での動きとも見られるものが幾つかあるのだ。タイミングよく起こった湾岸戦争は、願ってもない商売の好機であったといってもよい。そんな「ノストラダムス」商法の仕掛人のやり口を幾つか紹介してみよう。
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