・・★平和について考えるための ヘンリJ.M.ナウエンによるたとえばなし★・・


 ある時、世界の資源を統計的に調査した人たちがいて
お互いに言い合っていました。
「困難な時にどうやって私たちは必要なものを確保できるのでしょうか?
どんなことがあっても生き延びなければ・・・・・
食糧、物資そして知識を溜め始め、
危機が来た時に安全で保証された生活ができるようにしましょう。」

それでその人たちは次から次へと必需品を蓄えたので、
ついに他の人たちが抵抗して言い出しました。
「あなたたちは必要以上のものを手に入れたけれど、
私たちは生きるのに必要なものがありません。
蓄えた富の一部を私たちにください」。

しかし、恐れでいっぱいだった人たちは
「いえ、いえ、いえ、
私たちは緊急事態のために生活が脅かされないように
これだけ必要なのです」

時が過ぎて他の人たちが言いました。
「私たちは今死にそうです。
どうぞ、食べ物と物資と知識とを私たちに与えて
生き延びられるようにしてください。
もう待てません。今必要なのです」。

そして、恐れでいっぱいの人たちはますます
貧しい人や植えている人に襲われるのではないかと
怖がっていました。
そこでお互いに言い合いました。
「私たちの身の回りに塀を築きましょう。
外から人が入ってきて私たちの物を奪われないために」。

このようにして高い塀を建て、
敵が来たかどうかも見えないようになりました。

そして恐れが増すにしたがってまたお互いに言い合いました。
「敵はあまりにも多くなって、私たちの壁を倒してしまうかもしれない。
私たちの壁は敵を防ぐだけの頑丈なものではありません。
だから、壁の上に爆弾を置いて誰も近づけないようにしましょう」。

けれども安心するどころか自分たちの恐れで築いた牢屋に
彼らは閉じ込められてしまいました。
自分の爆弾さえも恐れ、
敵よりも自分たち自身を傷つけるのではないかと案じていました。
そして自分たちの死に対する恐れが
ますます死を近づけていると段々に悟るようになりました。


ヘンリJ.M.ナウエンの1985年の演説「愛の家に住む」より
(出典:「平和への道」ヘンリJ.Mナウエン著 2002年 聖公会出版)

 

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