城郭用語



〜 城郭用語の説明と実例(写真)
用語 意味 目的 実例写真
縄張り

レイアウト
山城 山に築いた城 防御を主目的とした
月山富田城(島根県・出雲)
中国に覇を唱えた尼子氏の広大な堅城
平山城 丘陵や小さな山に築いた城 生活に不便な山城に替わって登場した
高知城(高知県・土佐)
山内一豊が大高坂山に築城
平城 平地に築いた城 経済活動をしやすくするために登場

河川や堀によって防備した

新発田城
(新潟県・越後)
溝口秀勝が新発田氏居城跡に築城
水城・海城 海や湖沼などの水辺に築いた城 防備しやすい水辺を利用した

水軍の拠点として築城されることも多かった

坂本城(滋賀県・近江)
明智光秀が琵琶湖畔に築城
曲輪 くるわ

城郭内の一定の区画

郭とも書く

同意語:丸、段、壇、平など
兵の駐屯のための、あるいは食料・弾薬の貯蔵施設となる建造物を建て、防御施設で守った敷地
春日山城(新潟県・越後)
上杉景勝屋敷のあった曲輪
本丸 通常、最も重要な曲輪

同意語:本の丸、一の丸、本城、実城(みじょう)
山城では最高部に置かれることが一般的で、攻城にあった際の最後の砦となった
箕輪城(群馬県・上野)
本丸跡
二の丸 本丸の次に重要な曲輪 本丸を防御するような場所に置かれた
小谷城(滋賀県・近江)
千畳敷と呼ばれた二の丸
三の丸 本丸、二の丸の次に重要な曲輪 内堀など主郭の防御施設の外部に置かれることも多かった
佐野城(栃木県・下野)
現在は公園となっている三の丸
腰曲輪 主郭に隣接して置かれた小さな曲輪 本丸などの主要な曲輪を防御した
苗木城(岐阜県・美濃)
的場となっていた本丸下の腰曲輪
帯曲輪 腰曲輪の一種で、帯状に細長い曲輪
佐倉城(千葉県・下総)
本丸の北側にある帯曲輪
詰の城 本来、本丸を表す

平時には使用されず有事の際、最終防御拠点となる曲輪や砦を表すこともある

同意語:根城、詰の丸
防御の際の最終拠点

有事の際立て篭もるための城

萩城(山口県・長門)
指月山には、萩城の詰の城である詰の丸がある
出丸 城域から離れた場所に作った曲輪 出撃の際の拠点、あるいは敵の攻撃を集中させるためなどに機能した
津和野城(島根県・石見)
主郭の北にある、綾部丸とも呼ばれた出丸
馬出し 虎口の外側に、方形または半円形に置かれた、人馬の出入り用の曲輪 通常は土塁や石垣で囲み、人馬の出入りを敵に見られないようにした
小田原城(神奈川県・相模)
馬出丸と馬出門(再建)
犬走り 土塁や石垣の外、堀の内側に通路状に削平したテラス状の小曲輪

同意語:武者走り
下方へは放ちにくい鉄砲を堀越しに放てるように設けられた

または、土塁や石垣の修復作業がしやすいように設けられた

または、城内の兵の移動を容易に行うため設けられた

篠山城(兵庫県・丹波)
主郭と内堀の間に設けられた犬走り
虎口 こぐち

曲輪の出入口

形状により、食い違い虎口、枡形虎口などがある

城門を伴うものが多かった
単なる出撃の際の出口としてだけでなく、敵の侵入を防ぐための重要拠点でもあった
二俣城(静岡県・遠江)
本丸の食い違い虎口
横矢 土塁や石垣を故意に折り曲げたもの 虎口や城壁に迫る敵を、側面から矢や鉄砲などで攻撃できるようにした

横矢掛かりの土塁、などと使われる

松坂城(三重県・伊勢)
横矢掛かりの高石垣
大手 城の表口

追手とも書く
通常は味方の領地に向けて開いた
安土城(滋賀県・近江)
大手口
搦め手 からめて

城の裏口

または、大手以外の出入口全ての総称
落城の際の脱出用として機能させる場合は、なるべく目立たない場所に開かれた
大河内城(三重県・伊勢)
搦め手口
根古屋 城域の麓に置かれた平時の居住地区

城下町のはしりとも言える

根小屋、寝小屋とも書く
狭くて生活に不便な山間部を嫌って設けられた
津久井城(神奈川県・相模)
城主の館があった根古屋
普請
 土木工事
曲輪の周囲を掘り下げた防御施設。水堀、空堀、堀切、竪堀などがある 敵の曲輪への侵入を防いだ  
大坂城(大阪府・摂津)
広大な南外堀
空堀 水を入れない堀
水戸城(茨城県・常陸)
二の丸の空堀
水堀 水を入れた堀
広島城(広島県・安芸)
本丸の堀(内堀)
竪堀 たてぼり

斜面と垂直方向(斜面と同じ方向)に掘り下げた堀

自然の谷を利用して作られることも多かった

縦堀とも書く
斜面上の敵の横の動きを封じた
金山城(群馬県・上野)
大手門横の竪堀
堀切 尾根の一部を横に切った堀 敵が尾根伝いに登ってくるのを防いだ
小田原古城(神奈川県・相模)
小峯御鐘ノ台大堀切
畝堀 うねぼり

堀の中に土塁のような障壁を残したもの
堀に落ちた敵の移動を封じた

面積を小さくして水や泥が乾きにくくし防御性を高めた

河村城(神奈川県・相模)
茶臼郭の畝堀
障子堀 畝堀の一種で、一般的には障壁が障子の桟状のもの
山中城(静岡県・伊豆)
西の丸と西櫓の間の障子堀
切岸 土を削って人工的に作った斜面や絶壁 堀と同じく、敵の曲輪への侵入を防いだ

広い土地がなく、堀を穿てない場合などに有効

安祥城(愛知県・三河)
二の丸の切岸
土塁 土を掻きあげて障壁としたもの

通常は堀を穿った際の土を使用する

土居とも書く
堀と同じく、敵の曲輪への侵入を防いだ
大聖寺城(石川県・加賀)
本丸の土塁
土橋 堀の一部を堀り残して橋としたもの 味方の曲輪間の移動に使用された

堀に落ちた敵の移動を封じた

攻城にあった場合は、敵の侵入を防ぐために破壊することもあった

諏訪原城(静岡県・遠江)
2号堀と4号堀を隔て、三の丸と帯郭を結ぶ土橋
石垣 土塁の表面や上部に石を積んだもの

戦国時代の後半に発達した

同意語:石類
土塁同様、曲輪への敵の侵入を防いだ

火器への防御性が土塁より高い

土塁よりも崩されにくい

伊賀上野城(三重県・伊賀)
本丸の高石垣 
石垣
(野面積み)
ほとんど加工していない石を不規則に積んだもの 古くから用いられていた、簡易的な積み方
大和郡山城(奈良県・大和)
本丸の野面積み石垣
石垣
(打ち込みハギ)
加工した石を積み、石同士の隙間を小さくし、隙間には間石(あいいし)を埋め込んで強度を出したもの 強度を高め、石を崩れにくくするとともに、石と石の隙間をなるべくないようにして、登りにくくした
鳥羽城
(三重県・志摩)
本丸の打ち込みハギ石垣
石垣
(切り込みハギ)
石を方形に加工し、隙間がなくなるように積んだ石垣 見た目も美しく、石垣の最終的な進化形
小松城(石川県・加賀)
切り込みハギ積みの天守台
石垣
(算木積み)
組み上がりの形を想定して、長方形に切りそろえた石の短辺、長辺を交互に積み上げたもの 特に崩れやすい天守台の角などに用いられた
江戸城(東京都・武蔵)
天守台隅の算木積み石垣
作事
 建造物
天守 櫓の発展形態で、通常は城の中で一番大きく重要な櫓

同意語:天守閣とも
城のシンボルとして建てられることが多かった

江戸時代以降、築城に対する規制が厳しくなり、事実上は天守であっても御三階櫓などと称す場合が多かった

彦根城(滋賀県・近江)
複合式・望楼型・3重3階天守
望楼型天守 櫓の上に、別構造の望楼をのせたもの 戦国時代初期の天守に多い
松江城(島根県・出雲)
複合式・望楼型・5重5階天守
層塔型天守 下層から上層まで一連の構造のもの 戦国時代後期の天守に多い
丸亀城(香川県・讃岐)
独立式・層塔型・3重3階天守(現存)
独立式天守 天守が他の櫓などから独立しているもの  
大坂城(大阪府・摂津)
独立式・望楼型・5重8階天守(再建)
複合式天守 天守に渡り廊下や多聞櫓などを付属させたもの  
岡山城(岡山県・備前)
塩櫓を付属させた複合式・望楼型・4重6階天守(再建)
連結式天守 天守、小天守などを渡り廊下や多聞櫓などで繋いだもの  
名古屋城(愛知県・尾張)
連結式天守(層塔型・5重5階大天守と層塔型・2重2階小天守)(ともに再建)
連立式天守 天守と複数の小天守、または複数の櫓を渡り廊下などで連結したもの  
姫路城(兵庫県・播磨)
連立式天守(5重6階大天守と3つの小天守)
城内に築かれた建造物

階数別に平櫓、二階櫓、三階櫓など

曲輪の隅に築かれたものは隅櫓と呼ばれる

矢倉とも書く
見張りのためや、敵からの攻撃に対する防御拠点として建てられた

倉庫として使用されることも多い

駿府城(静岡県・駿河)
巽櫓
多聞櫓 塀のように作られた長屋状の櫓 櫓に守られながら敵を攻撃した
金沢城(石川県・加賀)
二の丸の橋爪門続櫓(多聞櫓)
御殿 城内に築かれた邸宅 城主やその家族などが居住した
二条城(京都府・山城)
二の丸御殿
城門 城内の出入り口に建てられた門 櫓をあげるなどして防御性を高めたものもある
久保田城(秋田県・出羽)
本丸の城門(一ノ門)
曳橋 川や堀に掛け渡した橋

引橋とも書く
曲輪間の移動に使用された

籠城の際は、敵の侵入を防ぐために、破壊したり焼き落とした

滝山城(東京都・武蔵)
空堀にかかる引橋(再建)

この頁のトップへ