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付加体の研究
==付加体地質学==
==付加体についての研究==

先ず、付加体の概念についてみよう!。
参考文献:付加体地質学 日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編 小川勇二郎 久田健一郎著 より抜粋引用した。後日、現地に行って観察をしたい。2007_08_26記す。
1.付加という用語について、注意すべきこと。
]農韻宇宙の物質によって次第に増量(太る)していく時で張り付いて、海洋プレートが側方へ拡大するときに使われる。
中央海嶺において玄武岩マグマが下方から貫入・噴出で張り付いて、海洋プレートが側方へ拡大するときに使われる。
B舂Ρ錣砲いて小大陸ら外来(エキゾチックな)の岩体が(マイクロ)プレートとともに移動して来て、他のプレートに合体するときに使われる。
ぅ廛譟璽箸猟世濆み境界におけるウエッジ状の物質の付け加わりに使われる。
 このように、付加体は様々な用法があるが、プレート発散境界△任癲横滑り境界、収斂境界い任盪箸錣譴襪海箸肪躇奸。
 英語圏では、accretionary prism,-wedge,-complexなども用いられるが、,-complexは、主として陸上に分布する過去の付加体に対して用いられる。
 中国では増成楔または増生楔(ぞうせいせつ)と使われる。(ほとんど直訳であるが漢字の母国における使い方に敬意を表したいとある、全く同感。) 
筆者のふるさと上田原辺りから半過岩鼻を見る。いつ帰省しても変わらない素晴らしい景観である。
尚、この地域はフォッサマグナ地域である。
半過岩鼻の景観へ

 実際に付加体であると実証するには、スラストシートの層序が、外側に次第に若くなることが化石による時代論で示さなければならない。
 海溝におけるスラスト運動で、世界で始めて提唱したのは、日本の勘米良亀齢であった。彼が描いた模式的発達断面を見ると、最近の研究かと思われるほど斬新である。
 この考えは、同じく日本から提唱され、今ではプレート沈み込みテクトニクスそのものに関連する大規模なスケールのアイデアである、和達清夫の深発地震面の発見、久野久の島弧のマグマティズムの概念や、都城秋穂の対変成帯の概念と密接に結び付くものである。
 島弧の研究―諸外国は取り組みが遅れていたが、日本の地質を現在の地球物理的観測事実を結びつけたシリ−ズ論文を書いた杉村新の纏めた英訳本(Sugimura & Uyeda,1973)が出版された以降だという。また 国際深海掘削計画(DSDP-IPOD-ODP)の進展と密接な関係がある。
 (Seelyet al.,1974;Seely,1979とW.R.Dickinson)フランシスカンとグレードバリーなどの、前方へ次々と発達するスラスト・スライスのインプリケート(implicate=覆瓦)構造の形成に結び付けて、白亜紀のカルフォニアをタイプとして、フランシスカン帯の地質帯こそ付加体で、グレートバリーの堆積物が前弧海盆堆積物とした。(8頁参照)
 付加体の成長過程については、特に堆積物が引き剥がされる境界断層である、いわゆるデコルマン・ゾーン(デタッチメント断層=decollement zone(帯)を使うが、数mから数十mの厚さの地層にほぼ平行な滑り面の集合である)のメカニカルな詳細が論議の的となって来た。[注:Legとは一航海のこと、節ともいわれる、普通2ヶ月]
  付加体で基本的に重要なこと3つ[21頁]
 1.一定の向き(外側)へ次第に若くなる堆積岩主体のスラストシートの積み重ね(thrust sheet stack with overall outward younging)
 2.各個別のシート内部は全体のシートの若くなる向きとは逆に、内側に若くなる( inward younging in each thrust sheet)
 3.外側フェルゲンツの諸構造(断層、褶曲)(outward vergence of fold and fault=逆断層や非対称褶曲の向う向きについていう=構造の向う向き)

 付加体の形成プロセス(剥ぎとと底づけ及び序列外スラストについて要約する。参考文献:付加体地質学/共立出版/日本地質学会編28〜33頁。
付加体の形成プロセス。
{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編44頁より引用}
 さて、デコルマンの形成と意義について要約する。参考文献:付加体地質学/共立出版/日本地質学会編43〜44頁。
次第に下の方へステップダウンする プレート境界(デコルマンゾーン)と付加体先端部における一般的地層再配列のありさま。
{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編44頁より引用}
深所に行く程、底づけ付加にによる部分が広範囲を占めるようになる。
[{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編35頁より引用}
 デコルマンゾーンの下方に位置し一旦沈み込んだ物質は、暫くそのまま海洋プレートとともに沈み込んでいくが、デコルマンゾーンが下方へ下がる(ステップダウン)ところで、それも剥がされて付加する。これがアンダーフ゜レ−ティング(底づけ)underplating と言われる概念である。
 その際、海洋プレートとともに沈み込んでいく物質の多くは、‖席人里慮蕊雋(中央海嶺玄武岩;MORB=mid-oceanic-ridge basalt)、または海洋島を作っていた玄武(プレート内玄武岩WPB=within-plate basaltなど)、及び3す其瓩で堆積した半遠洋性堆積物、さらにこす遜偲饗論冓の中でデコルマン・ゾーンより下位に位置していたものからなる。

 海洋性岩石の取り込みと玄武岩ブロックの起源。
 玄武岩の多くは海洋プレート上で噴出して海山を形成して海溝付近で付加体に持ち込まれたものである。
 沈み込んだ地層の運命。
 陸方へ向けて次第に階段状に深くなるデコルマンゾーンはそのまま滑り続けるのではなく、かってのデコルマンゾーンも引き剥がされるように、沈み込んだ地層が下から底づけunderplatingされる。デコルマンゾーンよりも下位の地層はいったん沈み込むが、間隙水圧が次第に上昇するので、ある段階で沈み込んだ地層の中にデコルマゾーンが連続される。図A-3-10にあるように次々に前に進む。もし、このスライスの束の上も付加体の中で滑るとすると、そこに上下を夫々ルーフスラスト(roof thrust)とフロアスラスト(floor thrust)と呼ばれる水平に近い滑り面に境されてデュープレックス(duplex)が形成される。
 房総半島南部の中新世付加体の江見層群では最初期のステージに既に約1/5に側方短縮されている。関東山地南部の秩父帯では合計で1/70の短縮が見積もられている。つまり場所によっては10〜70倍に厚くなるなることがある。広域変成帯の日本の三波川帯の変成岩・・・のような付加体は、そのような深部を見ていることになる。付加体の深部は10kmの深さに達するので緑石片岩相や、より高圧・低温のランセン石片岩相の変成岩が形成されていることが予想される。それがどのように上昇して地殻の浅部を占めるに至るのかは様々な議論がある。
 こうして付加体内部には、仝蕊雋筺▲船磧璽箸覆匹粒ね離廛譟璽畔質を含む複雑に変形した、所謂、メランジュ状の部分(メランジュ相)、等斜褶曲した砂泥違互層の部分(褶曲したタービダイト層)、0賤佑坊梗个垢(同斜構造の)砂泥互層の部分(非褶曲タービダイト層)、それらは四万十層群などで見られる。

 三浦・房総半島の新三紀付加体

 三浦・房総半島は地質的には世界的に見ても非常に特異な地域である。特にこの近くの太平洋には3つの沈み込み境界が会合する(世界で唯一の例)房総海溝三重点がある。三重点の北西側の陸上部は伊豆弧と本州弧に挟まれた地域に相当し、伊豆島弧の前縁堆積物由来の付加体が中新世以降、現在に至るまで連綿として続いている。それらは伊豆弧の衝突作用の影響を受けて、付加体形成間もない時期に本州弧側になすりつけられて上昇したために、堆積構造もほとんど形成当初もまま残されている。
 三浦半島から房総半島にかけての半島中部に東西方向の葉山・嶺岡帯と呼ばれる構造帯(断層帯)走っていて、その北側と南側とでは堆積から変形にいたるテクトニクスが大いに異なっている。葉山・嶺岡帯の内部には中新世前期から中期の葉山・保田層群や佐久間層群が分布しいる。それらの中には、かっての海洋プレートの断片(嶺岡オフィオライト)、四万十層群相当層の海洋性のプレートの断片と思われる岩体やその由来の砕屑物が含まれている。それらは後の断層運動で著しく断片化しいて複雑な地質構造体とっているが、岩体内部の有様は比較的良く保存されていて全体の全体のテクトニクスを知ることが出来る。[(Takahashi et al.,;Ogawa & Takahashi,2004) とある。付加体地質学94〜95頁]
 嶺岡帯より南へ現在の相模トラフまで含めると、連続して少なくとも4つの付加体が並列している(図B-2-2,3)。
図B-2-2。
[{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編96頁より引用}
図B-2-3。
[{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編97頁より引用}
 房総半島南部hそれ自体複数の付加体の集合であるといえる。最も古い時代に相当する中新世前期の江見層群は嶺岡山地の直ぐ南側に分布していて、その内部構造から、それはまさしく付加体と考えられている。ここに凝灰岩質のタービダイトと泥岩が小断層で分断化され、皿状構造、くもの巣状構造などの脱水構造がよく観察される。それらの分布や構造を詳しく解析するといくつものステージの逆断層が認定され、それによって1/5程度に地層が短縮している。
 江見層群の南側には、石堂層群と呼ばれる中新世中期〜後期の三浦層群三崎層相当層がある。石堂層群は南フェルゲンツと逆転褶曲で特徴付けられる。とある。房総半島西端の館山南方に同じ三崎層相当の西崎層が分布しており、海岸沿いに好露頭が連続する。(筆者注、後日行って見よう)そこでは小規模な逆転層やジュープレックス構造、そのほかの多くの側方短縮の証拠がある。褶曲も多く、付加体としての褶曲・衝上断層帯を形成していると考えられる(Yamamoto & Kawakami,2005)。
 地体的にその南の房総南端の野島崎の東西には千倉層群と呼ばれる地層が複向斜を分布し海岸沿いにも内陸の河川に沿っても良く露出している。・・・。
 ・・・このように千倉層群は全体的に見ると、プレート沈み込み境界での堆積と変形の特徴を示しているが、海溝陸側斜面最下部の堆積物としての意味を持っているといえる。
 三浦半島では葉山・嶺岡帯から北方にかけて、葉山層群は、不整合で矢部層群に覆われる。さらに矢部層群の一部の立石層は、三浦層群の一部の逗子層に不整合で覆われる。これらは、その後、北方へ一様に傾斜し、前弧海盆(forearc basin)の堆積物をなしている。
 一方、葉山・嶺岡帯の南方では、三浦層群の三崎層は深海の堆積物であり、各種の褶曲や逆断層構造が発達し、付加体としての特徴を示す(Hanamura & Ogawa,1993;Yamamoto et al.,2000;小川ほか,2003)。一方、それに不整合で載る初音層は、ゆるい構造を示し変形は格段に弱い。恐らく比較的浅い全弧盆か海溝斜面上の堆積盆の堆積物であろう。
 三浦半島の南端部は海岸線に沿って三崎層の良好な露頭が連続する。通常の泥質の堆積物(バックランドという)に、スコロア質や軽石質、流紋岩質の凝灰岩などが挟まり、それらの鍵層を追跡することで大構造・小構造ともに非常に良く観察できる。さらに堆積構造や各種の混在層、脈状構造(ベインストラクチャー=vein structure)と呼ばれる泥質の細脈状の構造、深海を示す生痕も典型的に見られる(Hanamura & Ogawa,1993)。泥質部には底層流のものかと考えられる斜交層理なども見られ、Lee & Ogawa(1998)は、等深度堆積物かも知れないと論じた。しかし、Stow et al.(2000,2002)は、半遠洋性(hemipelagic)的なものとしている。底性有孔虫により三浦層群全体は南へ深くなる層を示すとされ、最大3000m以上の深度を示す。恐らく現在の伊豆弧の前縁部の海溝斜面に堆積したものが、現在の南海トラフ類似の沈み込み帯の持ち込まれ本州弧へ付加したものと考えられる(Hanamura & Ogawa,1993;Lee & Ogawa ,1998)。。という。[100頁参照]
図B-2-6。
[{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編101頁より引用}
 Yamamoto et al.(2000)は、三浦半島の南西端の浜諸磯―海外町付近の詳細な調査に基づいて、いくつかのステージを明らかにした。
 最初、伊豆島弧前縁での北へ傾く斜面上での海底地すべりがあり、その後、古相模トラフにおいて本州弧付加すると南へ傾く斜面となり、そこで、液状化や衝上断層が起こり、また地震による振動で混在岩、注入岩などが形成され、さらにそれは逆断層システムとともに発達したとうものである(図B-2-7)(Yamamoto et al.2000;小川ほか,2003)。これらの衝上断層による地層の側方短縮は、著しく、しばしばデュークレックス構造や地層の幾重もの繰り返しなどを伴う(hanamura & Ogawa,1993;山本ほか;1998)。(図B−1-7B,B-2-6,7)
図B-2-7。
[{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編102頁より引用}
図B-1-7B。三崎層に発達する液状化した基質に取り囲まれるブロック。ブロックそのものがデュープレックス構造。三浦市黒鯛込。
[{付加体地質学/共立出版/日本地質学会編71頁より引用}
 
 
 
 
 

―以下、続く―

文  責:堀内弘栄 NPO山の自然学クラブ会員/日本山岳会員。


工事中です。宜しく。

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