小松市本折町の真宗大谷派本光寺が七月の夏祭りで門徒や稚児ら総がかりで境内に巨大生け花を再現するため、門徒の今井栄作さん(八五)=同市向本折町=が千本を超すヒマワリ栽培に乗り出した。寺の移築から二百年の節目を祝う一大イベントに向けた壮大な試みで、順調に苗が伸びる畑で門徒衆の願いがこもる美のモニュメントに思いをはせている。
小松市菊花協会の顧問を務める今井さんは、日ごろから本光寺に色とりどりの花を届けており、同寺の記念事業を知り一役買って出た。通常、ヒマワリの開花は八月上旬だが、七月二十四日の夏祭りに間に合わせるため、四月下旬まで自宅の温室で育てた。
その後、キウイやブドウを栽培していた畑約百八十平方メートルを開墾して苗を移した。
境内の松に大輪、天台宗円満寺として約千年前に開創された本光寺は一八〇六(文化三)年、栄町から約二百メートル離れた現在地まで七年の工期をかけて移設された。同寺が保存する杉板の額には落慶法要の大典を彩った菊の大輪が描かれており、多田眞住職らが移築二百年記念に巨大生け花の再現を思い立った。

使用する花はインテリアデザイナーの↑(写真真ん中)森秀一さん=小松市赤瀬町=の助言もあり、寺の名の「光」にちなみ、だれもが光を浴びて元気づけられるようにヒマワリに決めた。
計画では、境内にある高さ約十五の松にモウソウチク約百本を放射状に取り付け、周囲には土のうを積んで直径十メートルの水盤を作る。門徒と椎児行列に参加する子供二百人が今井さんが育てるヒマワリ千四百本のうち、よりすぐった千本の大作を生け、夏の日差しに照り輝く美の空間を醸し出す。夜には光源で照らし出された生け花を囲んだ盆踊りも予定され、祭りを華やかに演出する。
菊作りに四十年余り組んできた今井さんは「ヒマワリ栽培は初めてで、早咲きするかどうか不安だが、門徒衆の願いは必ずや天に通じるはずだ」と意欲を見せている。多田住職も「一枚の杉板をきっかけに、人々の知恵と汗が結集する。その思いを本番でぜひ花開かせたい」と話している。
(北国新聞記事 2005/5/18掲載)
|