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今すぐできる家庭用そば打ち

ここで紹介する手打ちは、家庭の道具を作うやり方です。職人さんの蕎麦ではなく、それぞれの家庭で楽しめるようなやり方を、草の子さんと共同で研究してみました。親子でそば打ちなんていう楽しみ方や、学校や保育所、幼稚園、公民館での講習会など、本格的な道具が用意できない場合には、こういう方法を試してみてください。全然遜色ありません。

特別に買う必要のあるものは、めん棒だけですが、似たようなものがあればけっこうです。

家庭用そば打ちの道具

家庭にあるものを使います。専門的な道具は必要ありません。

打ち台
平らなテーブルがあればそこでやってもいいでしょう。60センチくらいの大きさの板があればそれでもけっこうです。版画版でもけっこういいですね。ステンレスの調理台でも大丈夫。板が薄い場合には、滑り止めシートを使うといいですね。これはけっこう役に立ちます。100円ショップで手に入ります。
これが滑り止め
プチプチ
めん棒
専用の高級なものも打っていますが、ホームセンターで買ってきても大丈夫。75センチか、90センチ。2本買っても600円くらいだと思います。
こういうめん棒(笑)ただの丸棒
めん棒
包丁
菜切り包丁や中華包丁のように刃が真っ直ぐなものが使いやすいけど、文化包丁でも大丈夫です。こま板は使わず、「手こま」で。
ボウル
こね鉢の代用です。大きめの方が両手が入るので使いやすい。プラスティック製でもいいけど軽いので、滑り止めシートを使う。過去には洗面器を使ったこともあり。何でもいいってことです(笑)
タオル・エプロン・三角巾(バンダナ)
清潔にってこともあるんですが、けっこう粉っぽく、しかも、こびりつくとなかなか取れないので、それなりの装束をしましょう。髪の毛が落ちるとものすごく目立つので、三角巾やバンダナは必須です。ボクは、そば打ちの時にかぶる帽子を持っています(笑)

材料

材料は基本的なものです。つなぎには小麦粉のほかに、大豆の粉、山芋の粉などいろいろ使われるようです。基本的な使い方がわかればあとは同じですので、自分なりの工夫で試してみましょう。ゆずを使ったゆず切り、お茶の粉末を使う茶そば、色素を使ったさくらそばなどいろいろ試せそうです。できあがり200グラム(2人前)くらいを目安にしています。

そば粉
スーパーでも売っていますし、最近は道の駅が狙い目です。その土地土地のそば粉が手に入ります。蕎麦屋さんに相談してみると入手しやすいようです。また、たいていの粉屋さんは通信販売をしているので、そんなところから取り寄せるのもいいと思います。あるいは、自分で育ててみるのもいいでしょうね。ボクらの取り組みは、ふるさと地そば隊地そば修業のページでご覧ください。
つなぎ
小麦粉が一般的です。強力粉が使いやすいようですが、あんまり気にしないでもいいと思います。自然薯などを使うときには、小麦粉を使わない方が趣にあっているようです。粉のものは最初から混ぜて、自然薯や鶏卵のようなものは、水を加えるように使います。
打ち粉
打ち粉が失敗しないための秘密兵器です(笑)打ち粉は特別に取り分けた粉で、自分で挽いたときには取り出すことができません。そういうときには同じそば粉を使うのですが、細かいメッシュのふるいで細かいそば粉だけをとりわけて使ったこともあります。片栗粉を使うこともできるのですが、そば湯が「あんかけ」になってしまうので、あまりお薦めできません。

そばの打ち方手順

そば打ちをしていると、専用の道具がないとできないような錯覚にとらわれることがあります。もともと、家庭で作られていたそばは、現在、どの家にもあるような道具で十分においしい手打ちそばを作ることができるのです。職人が作る蕎麦ではなく、家庭で作るそば。そういうものを、本格的な職人さん、草の子さんに作っていただきました。

    まぜる
    はかる まぜる
  1. ボウルに蕎麦粉と小麦粉を入れ、指先を回しながらまぜる。ひんやりとして気持ちいい。ボウルの底から粉を指でかき上げ、ふわーふわーと空中に泳がすようにまぜる。
    水回し
    水を加える 2度目の水を加える 中盤という感じ
  2. 用意した水を加える。粉の量の半分が目安。まず、火山の噴火口を作り、そこに用意した水の1/2〜2/3くらいの量をためて、指でまわりの壁を崩すようにしながら「ヌトヌト」を作る。それにまわりから粉をかけて、最初と同じように混ぜる。湿気が強かったり、気温が高かったりすると条件が変わるので、粉の様子を見ながら調子を整えるしかないので、水回しがそば打ちで一番大切なところ。残った水の半分、そのまた半分と加えて、そばの色が大きく変わって、粒が出来始めたら、指先で水をつまむように入れていく。勝手にそば同士がくっつくまで同じ混ぜ方を繰り返す。決して力でいっしょにしようとしない。無理にやると後から離ればなれになってしまう。ここで柔らかくなりすぎると致命的だが、蕎麦屋ではないので、ちゃんとリカバリーできる(笑)リカバリーの方法は、リカバリーのページをご覧ください。
  3. ひきぐるみの地粉だと、下のような感じ。(これは木鉢でやっています)山いものようなつなぎは、ぬたの部分に置き換わると考えるといい。
    自然薯(山芋)の場合
    ひきぐるみの地粉 山いも
  4. 指で手早く上下を入れ替えながら混ぜている感じ。
  5. ちょうど、パン粉のようになる。このとき、そばの香りは最高潮になる。ソバが水を加えてそばになる瞬間。小さな粉が少しずつ色を濃くしながら大きくなっていく。その感じをうまくつかむといい。
    くくり〜こねる
    そろそろ くくる こねる
  6. 指先で水を数滴ずつ加えていくと急激にそば同士がくっつき始める瞬間がある。ここまで待ってやるとちゃんとつながる。「つなげる」のではなく、「つながる」。これが一番のコツ。決して力のいる作業ではない。むしろ、力を込めすぎるとそばの風味が落ちてしまうから不思議。業をする。蕎麦の粒が少しずつ大きくなっていく。最初、おからのようになって、それがイクラ、ビー玉と大きくなっていく。全体が湿り気をもっていたら、このあとの水は慎重に。手を湿らせるだけで十分な場合がある。こね鉢の水分を粉で拾い集める感じだ。
  7. こねるのは粘土の要領。最初は饅頭を作るようなつもり。草の子さんは、紡錘形を作りながらやさしく揉んでいく感じ。ここらは職人さんによって違うので、決まりはないのだけど、生地が次第にきめ細やかになっていくのを味わいましょう。単純には、ふたつ折りを何回も繰り返すといい。この量なら50回くらいかな。もむなら100回。できあがりは、三角すいが理想。だけど、球でもかまわない。何となく三角おにぎりみたいな三角すいでいいかな。
    のし
    打ち粉をふりかける のす のし方の加減
  8. 打ち粉をふりかけていよいよのしにかかる。三角柱の頂点をそっとつぶすようにして、簡単に言うと、おかがみ餅を作って、それをピザ生地みたいに手で伸ばす。注意するのは、角をつぶしてしまわないこと。あとは、できるだけ同じ厚さのきれいな丸になること。
  9. ある程度までのしたら、めん棒でのす。円の半分を同じ圧力で伸ばして円を広げていく。生地を少しずつ回しながら伸ばしていくと少しずつ少しずつ大きくなっていく。3周くらい回したところで、棒に巻く。手前から巻いて数回力をくわえ、それを右側から開く。また、同じように手前から巻いて、また、右側から開く。そうすると、90度ずつ向きを変えながら対角線を強く伸していくことになる。そのうちに四角形になってくる。これを「角出し」(四つ出しとも言う)という。こんな打ち方を江戸打ちと言うが、狭いお江戸のお店ではたくさんのそばを打つためにもよい方法だったようだ。四角に近くなったら、全体が同じ厚さになるようにもう一度のしてやるといい。
    のし〜たたむ
    四角 6枚にたたむ
  10. 四角になったらたたむ。いろんなたたみ方があるのだが、考えた挙げ句、切りやすく作業も早い、6枚たたみにすることにした。まず、2つに折る。これは折り目をつぶしてかまわない。これで2重になっているはず。これを3枚折りにする。封筒に入れる便せんの要領でたたむ。すると6枚重ねになる。このときにそばの幅が、包丁の刃の長さよりも短くないと一度に切れない。折り目が上に出ていると切りにくいので、別のまな板を用意して、打ち粉をたっぷりとひいたらそのうえに折り目を隠すように、置く。打ち粉の厚さでそばを確実に下まで切れるので、あんまりけちらない方がいいそばになる。
    切る
    手こまで切る 出来上がり(2人前)
  11. こま板を使うのも方法だが、そば包丁を使わないときには、「手こま」がいい。これは決していい加減な方法ではない。そばの技法は江戸に中心があるのだが、そばを日常食にしていた地方ではこま板を使うことの方が例外的だったのだ。包丁もそう。やってみるとわかりに簡単。キャベツの千切りのつもりでやってみましょう。あるいは、カッターで切るような方法もあるし、押し切りのような感じでもいい。太さはお好みなんだけど、揃えるとゆで上がりが均一になる。ゆでると少し太くなるので、その分を加減して。草の子さんの切ったものは全然遜色ない。下手な蕎麦屋よりもうまい。ふだん調理をしている奥さん方はこっちの方が楽かもしれない。
    ゆでる
    普通の鍋 ゆでる 洗う
  12. 普通の鍋でゆでてみる。これで十分。二八で、40秒から、少し沸き方が甘ければ1分くらい。そばの割合が高いとゆで時間も短くなる。ゆであげるとすぐに水に浸して熱を取り、ぬめりを取る。ざるに上げて水を切ったらできあがり。温かいそばもここまでは同じで、湯通しをしてつゆをかける。ゆでた汁は、そば湯といって栄養をたっぷりと含んでいて、そばの香りも味わいもいい。ぜひ、味わっていただきたい。食べ方はどんぶりにそのままつゆをかけた「ぶっかけ」がお薦め。そばを器に盛って、そこに薬味をのせ、汁をかける。冷たいのが普通だが、温かくてもいい。そばを食べたら、ぜひそば湯(そばのゆで汁)を入れて味わってください。

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Last update: 2003/12/17