
毎年10月9日(旧暦9月9日)に、福岡市西区の飯盛神社で流鏑馬が行われます。
これは飯盛神社の秋季大祭(くにちまつり)に、五穀豊穣、武運長久、無病息災を祈って行われてきた伝統
行事です。古文書などの記述によると、約400年の歴史があるといわれています。
流鏑馬は狩衣姿の武者が、素早く疾走する馬の上から的をめがけ矢を放つ、心技体ともに高度な集中力を
要する勇壮かつ神聖な行事です。福岡市指定無形民俗文化財だそうです。

2002年の10月9日はお日柄もよく、まずまずの好天に恵まれ、平日だというのに狭い会場にはたくさんの人が
集まり、通路に沿って鈴なりの人がびっしりとカメラを構えていました。

さて、まずは仮装行列が始まります。老若男女色とりどりの装束に身を包み、ゆっくりと流鏑馬のコースを歩いて
きます。神事のわりには、何かゆったりとした雰囲気です。


さていよいよ馬の入場です。鞍上の狩衣姿はちょっと派手ながらも艶やかな装束です。
刺繍も色あざやかで、見るものを楽しませてくれます。


ようやく流鏑馬の始まりです。待ちくたびれたのはギャラリーばかりではなく、馬の方も長時間待たされて、
随分とイレ込みすぎて口を割ったりする馬も見うけられます。射手になだめられ、徐々に馬の興奮も収まって
きます。


馬がスタートを始めました。予想以上に速いので、撮影する方は大変です。競馬場での撮影に慣れている
とはいえ、馬だけでなく弓や的もあるわけですから、なかなか上手くは撮れませんねぇ。




何頭か馬が登場する中に、一頭だけ他と比べてずいぶん小柄な馬が出てきました。なかなか可愛いです。
他の観衆の会話を盗み聴きしていると、どうやら対州馬らしいです。なるほど体型などは対州馬そっくり。
ここは九州。考えてみると、対馬原産の在来馬が九州の祭りに登場するのは、極めて自然なことです。



射手のみなさんの技は見事としかいいようがなく、ほとんどの弓が的を的中しました。
弓が的を射た瞬間、ギャラリーからは歓声があがりますが、的の中心の扇のど真ん中に矢がささったときの
歓声はすごかったです。実際に現地で観戦した方が楽しめる物は多いですが、流鏑馬の臨場感はすさまじい
ものがありました。馬の駆ける蹄鉄の軽やかな響き、馬とともに流れてくる風の速さ、射手の俊敏な弓さばき、
どれもその場でしか味わえない独特の空気でした。大変満足させてもらいました。もちろん、無料の甘酒と
破魔矢もしっかりいただいてきましたので。(2002年10月9日作成)