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七星点心
しちせいてんしん



流派: 北斗神拳
使用した人物: リュウケン (対 ラオウ)
ケンシロウ (北斗の拳3、SEGA AGES2500)
トキ (SEGA AGES2500)
ラオウ (北斗無双)
登場した作品: 北斗の拳(69話)/アニメ版(48話)/リュウケン外伝/北斗の拳3/
SEGA2500/北斗無双/真北斗無双/ぱちんこ北斗



 人間の動きの中にある七つの死角(北斗七星の形)を辿る事で、敵を封じ、死へと導くという奥義。相手はその動きを読むことはできず、更には防ぎきる事のできない七つの死角からの同時攻撃を、無防備にその身に受けることになる。伝承者争いに敗れても野望も拳も捨てようとしないラオウに対してリュウケンが使用し、後一歩にまで追い詰めるほどの威力をみせた。

 北斗の拳3(FC)では、ヒョウとの闘いの後にケンシロウが七星点心を覚え、これを使って逆死葬を破らなければ、カイオウに勝利する事はできないというシナリオになっている。だが上記の通り、北斗逆死葬は、七星点心による北斗七星の動きを封じるためのものというのが原作の設定であり、このゲームのシステムでは完全に優劣が逆になってしまっている。

 北斗無双では、ラオウが使える奥義のひとつとして登場。地面から北斗七星型に闘気を噴出させた後、そこに向かって強烈なタックルをかますという、原作とは全く違う奥義となっていた。


 この北斗七星の形に地を踏む歩法は、古来より中国の宗教儀礼として行われている「禹歩」であり、踏んだその地を清めて邪を避ける法とされる。これに八卦掌に伝わる「泥歩」「走圏」といった敵の死角に滑りこむ歩方を合わせ、武技へと高めたのが七星点心の奥義であると推測される(情報元:甲斐の才兵衛様)。

 カイオウは、北斗逆死葬の解説でこのように言っていた。「北斗七星の星列は死角の動き!北斗神拳伝承者は必ずやその動きをとる!!拳を極めれば極めるほど無意識に死角に滑り込むのだ。」 北斗七星の動きで死角へと滑り込む。これはまさにリュウケンが語った北斗七星点心の特性そのままである。そしてラオウ様がこの奥義を知らなかったのに対して、ケンシロウは無意識にその動きを辿るほどに身に着けていたことを考えると、伝承者以外には伝えられない秘中の秘の奥義なのだろう。いや、常にこの歩法で闘っているのだから、それはもう北斗神拳の強さの根底を支えている存在といっても過言ではない。
 その脅威を証明しているのが、北斗逆死葬の存在である。カイオウは、あの究極奥義である無想転生すら魔闘気ひとつで破って見せた男。そんな男が、北斗神拳のいち奥義に対抗するために、あのような地下空洞を周到に用意していたのである。カイオウがあの奥義と相対するのが初めてである事を考えると、おそらく実際にその強さを体験したのは歴代の北斗琉拳伝承者達なのであろう。北斗神拳は史上一度も北斗琉拳に遅れを取った事は無いと言う。その影には常にこの七星点心の存在があったのかもしれない。

 そしてこの拳の存在は、北斗神拳が二千年の掟を守り続けてこられた要因でもあると考えられる。かつての北斗神拳の歴史にも、ラオウ様のように拳を捨てずに覇権を目指す者達がいただろう。しかし、彼らは悉く拳を封じられ、掟は守られ続けてきた。それは、この七星点心が伝承者以外には伝えられない奥義だったからだ。
 この奥義の凄まじさは先述した通り。その歩法を知る者と知らない者の間とでは、それこそ心臓発作でも起きない限り勝敗を覆せない程の圧倒的格差が生まれるのである。掟を破ろうとするものあれば、先代伝承者がこの奥義で拳を封ずる。例え先代が既に他界していたとしても、新たに伝承者となった者がこの歩法を会得してさえいれば、問題なく拳を封ずることができる。それが例え、かつてのケンシロウとラオウ様であってもだ。当時の二人の実力には圧倒的な差があったが、それすらも超越するほどのアドバンテージが七星点心にはあるということなのだ。

 しかし、リュウケンは絶対にやってはならない事をした。それは、ラオウ様の拳を封じれなかっただけでなく、七星点心の存在をラオウ様に知られてしまったことだ。もしあの奥義を見せぬままリュウケンが死に、ラオウ様が奥義を知らぬままだったなら、おそらくマミヤの村での対戦にてラオウ様はケンシロウに敗北していただろう。本来なら生まれるはずの無かった最強の世紀末覇者誕生した裏には、このリュウケンの北斗神拳史上最大のチョンボが隠されているのである。