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リハク



 登場:原作(115〜160話) アニメ(83〜152話)、真救世主伝説シリーズ等
 肩書:南斗五車星
 流派:五車波砕拳
  CV:青野 武  宝亀克寿(真救世主伝説)


 南斗最後の将を守護する「南斗五車星」の一人。通称、海のリハク。世が世なら万の軍勢を縦横無尽に操る天才軍師。かつて他の五車星たちと共にサザンクロスを訪れ、城から身を投げたユリアを救出。ラオウとその軍勢が迫っていることをシンに告げ、その身柄を預けられた。
 聖帝の死後、南斗最後の将ケンシロウを先に会わせる為、五車星や軍団を指揮して拳王軍を攻撃。だが結果的に拳王に先にに到着を許してしまったため、自ら時間稼ぎとなり、その隙にケンシロウとユリアを城から逃がそうとした。無数の罠で拳王を迎え撃つも、一瞬で全てを破られ敗北。だが殺されそうになった時、ケンシロウが現れ、己の予想をはるかに超えるそのケンの強さに驚嘆。しかし決着間近だというとき、自らが仕掛けた最後の仕掛けが発動してしまい、階層へと落下したラオウにユリアを奪取された挙句、ケンに眼を負傷させてしまうという最悪の結果を招いてしまった。

 数年後、北斗の軍に加わり、その豊富な知識でバット達をサポート。予知夢によってケンシロウの到来を予感し、死を覚悟で処刑場へ飛び込もうとしていたバット達を制止した。その後、元斗皇拳の存在や、ファルコが義足となった理由を語ったり、更には地震により誰かが死ぬ事を予知。帝都との最終決戦においては、天の割れる様を目撃し、天帝が二人いることを察知した。

  TVアニメ版では、五車波砕拳なる拳法を使用。罠を破られた後、正面からラオウに立ち向かったが、相手にならずに敗北した。また、ラオウとフドウの死闘を見届けた後、拳王軍が内部崩壊を起こした事を知り、挙兵。ラオウの城へと赴き、拳王軍の降伏を受け入れた。修羅の国編では、バット共に海を渡り、ケンとカイオウの死闘を見届けた。


 真救世主伝説シリーズでは、サザンクロスを訪れた後、ユリアを連れて南斗の都へ。その道中、ラオウがこの世に齎した暗黒の世の現実をユリアに見せた。また、TVアニメ版と同じく、兵を率いてラオウ無き拳王軍を制圧。捕縛したバルガから、拳王の真意を語られた。

 レイ外伝 蒼黒の餓狼では、南斗六星が集う謀議の場に、将の代理として出席。将は争いを好まぬとして、ロフウは放置しておくとの決に賛同した。

 ジュウザ外伝 彷徨の雲では、五車の宿星を持った子供達であるヒューイシュレンジュウザフドウの四人を呼び集め、彼らを将を守る拳士に育て上げるべく、訓練を施すというシーンが描かれた。。
 後に、ラオウを足止めさせるための切り札としてジュウザを召喚した際には、恋敵であるケンシロウのために戦わせようとしていることを詫び、必ず生きて返ってくるようジュウザに告げた。

 北斗の拳外伝 金翼のガルダでは、南斗五車星が動き出すきっかけとなったエピソードが追加。将の命を狙う南斗神鳥拳ガルダなる者が城に迫っている事を受け、その正体をつきとめんと書物を漁った結果、神鳥拳にまつわる南斗の過去の事件を発見。その後、攻め込んできたガルダを止めるため、部屋にしかけた数々の罠と、水を利用した戦法を駆使し攻めたてた。しかし拳を体に突き刺した際に腕を捉えられ、そこに輝翔千烈弾を喰らい敗北。しかしその後、ガルダの母ビナタが守りたかったものこそが南斗の将・ユリアであったことを明かし、将の命を狙うガルダの考えを改めさせることに成功した。そしてこれを機に、臆病すぎた己達の行動を反省し、今こそ五車星が動くときだと命令を出した。

 北斗の拳4 -七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ-では、洞窟の中で弟子達に拳法を教えているという立場に。訪れた主人公達に、ケンが水晶殿に向かった事、そしてその場所は裏南斗六星が知っていることを教えた。




 読者の間では 天才軍師としての地位はもはや完全に失われ、先の先を読んで手を打つと評されたその眼はたんなるフシアナとしての存在にまでコキおろされてしまったかわいそうな人。だがそれも仕方がない。いくらなんでも戦略や力量読みを外しすぎだ。全部書き連ねるとキャラ紹介文最長になってしかねない勢いなのでやらないが、発言のすべてが的を外れていたといっていいくらいだ。そのくせ一人だけのうのうと北斗2にまで生きながらえているのだから、叩かれて当然である。だからあえてリハクを擁護するような文を書いてみることにする。

 リハクの行動の中で一番問題視されているのは、「動いたこと」だ。拳王は少なくともヒューイと接触するまでは、南斗最後の将の存在を意に留めていなかった。ケンシロウを先にユリアに会わせるのが目的なのならば、ケンにフドウなどという目立つ使いをださず、ケンだけを静かに南斗の都へと誘導して、拳王は放置しておくのが一番だったはず。わざわざヒューイ、シュレンなどという貴重な駒を拳王にぶつけ、失った挙句に、南斗の都への興味を増幅させてしまったというのが、最大の失点と見られている。しかし、世が世なら(略)の天才軍師がそんな失態を犯すはずがない。
 おそらくリハクの狙いは、ほんのちょっとだけ早く、ケンシロウを拳王より先に到着させるのが目的だったのではないかと思う。ジュウザに、あと二日だけ止めればいいと伝えたのもその狙いが合ったのではないか。あと二日止めればいい、というのは、聞きようによっては、二日以上は止めなくてもいいという風に捉えられないこともない。いったい何のためにそんな危険な橋を渡ったのか?それは拳王を倒すためだ。
 リハクは現状のケンシロウの力では拳王はまだ倒すことは出来ないと考えていた。しかし、拳王を倒しうるのはケンシロウしかありえないのもまた然り。フドウは、ユリアと会った時にこそケンは最強の男になると言っている。ケンがユリアと会い、最強になった後、時を待ってラオウを倒せばすべて解決・・・に思える。が、実はそうではない。そう、ユリアは不治の病に侵されていたのだ。たとえケンがユリアと出会えたとしても、ユリアが死んでしまえば、ケンはその最強の力を失い、永久に拳王に及ばないかもしれない。つまりリハクは、ユリアが死ぬまでの残された時間の中で、ケンとユリアをあわせ、かつ拳王を倒さねばならないという超難易度の問題を突きつけられていたのだ。そのためにリハクが考え出したのが、ケンと拳王を同時に南斗の都へと向かわせ、そしてその場で二人を戦わせる作戦だったのだ。
 まず、ケンを先に南斗の都に到着させることにより、ケンはユリアと再開。これによりケンはフドウの言う「最強の男」となる。こんな曖昧なものを作戦として計算に入れるのはどうかとは思うが、愛が強さの基準である北斗の世界だから問題ない。その後、ケンとユリアを城から逃がす。逃がすが、あくまでそれは城の外まで。
 一方、ラオウに対しては、五車の男を次々とぶつけることで、ラオウの体力を奪い、ひとつでも多く手傷を負わせる作戦を展開する。ヒューイ、シュレン、そしてジュウザまで相手にすればラオウとて万全では済まないと考えたのだ。そして、城ではリハクが直々に出迎える。海の兵団との闘い、あの部屋に張り巡らせた罠、南斗波砕拳でさらにラオウの体力を削り、そして最後はあの爆破。これによりラオウの大ダメージは確定的になる。そして、大ダメージを負ったラオウと、城の外に逃げていたために無傷なままのケンが対峙する。これによりケンの勝利はほぼ100%に近くなる――――。これがリハクが描いた、五車の星の命全てをなげうって考え出された打倒ラオウのシナリオだったのではないだろうか。
 リハクにとって、この南斗の城対戦が最後のチャンスだったのだ。このタイミングを逃せば、ケンがラオウと戦うその時はリハクにも読めない。おそらくあの北斗練気闘座での闘いみたいに、ラオウがケンシロウに闘いの場所を指定してのタイマンになるだろう。そうなってしまえば、二人とも当然万全同士の闘いになる。もはや勝敗は読めない。そしてそこにはリハクや五車星の介入する余地はない。ケンに協力しようにも、1対1の闘いを所望するケンが、リハクたちのサポートを許すはずがない。だが、上記のような場合だと別だ。ユリアと再開を果たしたケン。その目の前に、散々傷ついたラオウが落ちてくる。いくら甘っちょろいケンでも、こんな状況で手負いの虎となったラオウをみすみす逃すとは思えない。本意ではないかもしれないが、ケンはラオウと闘い、そして、勝利するだろう。実際のところは、ケンはすでに無想転生を会得していたため、万全同士の戦いでもラオウを倒しうる力は身につけていた。結局リハクの読みはズレていたともいえる。しかしもし、このときケンが無想転生を会得していなければ、このリハクの作戦でしか、この世に光を取り戻す方法は無かったのだ。
 ・・・こんなもんでどうだろう。



 さて続いては、北斗の軍に参加した頃のリハクさん。はじめて登場した頃は現実派というか、なんか抽象的なユリアと対照的に横で事務的な仕事や言動をしていた彼だが、どうにも1の後半あたりから2かけて一気に神秘的な力を得た模様。ケンの到来を予知したり、ハーン兄弟の死を予言したりと、見事にイメチェンを果たした。もっと軍師としてバリバリ作戦指示している姿が見たかったという人も多そうだが。
 しかし実際、リハクが北斗の軍の軍師としてバット達のサポートをしていた可能性は大いにある。というか、こういった軍団のほうがリハクとしても指揮を執りやすいだろう。一人で数千人を相手にしても楽勝で勝ってしまう武将のいる戦より、単純に一歩兵が一人分の力として計算できる合戦のほうが作戦も立てやすいハズだ。拳王様がリハクを評した「世が世なら万の軍勢を縦横に操る」という言葉の世とは、まさにこの時代の事なのである。さしたる手練もいない北斗の軍の快進撃は、リハクの参謀能力が支えているといっても過言ではない。いや、もう一線に立って戦うことも、戦場に赴くことも出来ないリハクは、自らの持つ戦術知識を全てバットへと伝承した可能性もある。若輩者のバットが数百人はいる北斗の軍を率いれるのも、五車の兵団を完全に纏め上げたリハクの指揮官としての能力を引き継いでいるからなのかもしれない。残念ながら五車波砕拳のほうは伝承していないようだ。

 しかしリハクはとんでもない凡ミスを犯した。元斗皇拳の存在を、バット達に伝えていなかったのだ。おかげでバットは無謀にも元斗皇拳最強のファルコへと特攻し、見事に返り討ちにあった(アニメのみ)。バット、リンは死ななかったものの、軍が受けた被害は相当なものだ。これはどう考えてもリハクのミスである。中央帝都が動き出してから、今思い出したかのように「ならば恐るべきは元斗皇拳!」などと発言。遅い。遅すぎる。郡都を攻めていれば元斗がいずれ動き出すことなど解っていたはずなのに、どうしてリハクはそのことをバット達に伝えていなかったのだろう。残念ながらこれは、リハクのボケが進行していたからと言わざるを得ない。普通に忘れていたのだ。元斗を語りだすよりも少し前、「何か不吉な兆しでも?」と訊かれたリハクは、朝日を見つめながら「わからぬ」と答えた。わからぬことあるかい。そんなもんもう元斗皇拳しかないだろうが。わからんじゃない、思いだせんかっただろうが、と言いたい。うーむ、そう考えると上のほうに書いたリハクの活躍ぶりも怪しく思えてきたぞ。やっぱりリハクは占星術的なぼんやり発言じゃなく、地に足をつけたリアリティある戦術指南をしているほうが合っている気がする。ボケ防止の意味でも。