間質性肺炎、肺繊維症(「家庭の医学」より)

 肺胞壁など肺の間質を炎症の主体とする肺炎で、同じ肺炎という名前がついていても細菌性肺炎、誤嚥性肺炎とはまったく別の病気です。肺がかたくなるので肺線維症とも呼ばれます。高率に肺がんを合併します。
原因
 原因不明の特発性間質性肺炎と、原因のあきらかな続発性間質性肺炎に分けることができます。
 特発性肺炎は、急に発症して病状が急速に進む急性型と、徐々に病状が進行する慢性型の2つがあります。
急性型間質性肺炎は予後がわるく、発症後6カ月以内に呼吸不全症で死亡することが多い病気です。
 続発性間質性肺炎の原因には次のようなものがあります。
 1.放射線…肺がんの治療で肺に放射線を照射したときの副作用(放射線肺炎)
 2.薬剤…ブレオマイシン、ブスルファン、メトトレキサート、金製剤、シクロフォスファミド、ヒドララジン、インターフェロン‐α、D‐ペニシラミン使用
 3.無機粉じん…アスベスト、ベリリウム、ケイ素の吸い込み
 4.感染症…種々のウイルス感染
 5.アレルギー…免疫の関与
 6.サルコイドーシスが原因
 7.膠原病…強皮症、慢性関節リウマチの合併症
 8.パラコート(農薬)中毒
症状・診断
 
たんの伴わない乾いたせきと、からだを動かしたときの呼吸困難がはじめに起こります。胸部X線検査では、両肺に網状陰影(すりガラス状)をみとめます。血液中の白血球数増加、CRP陽性、LDHも上昇します。動脈血の酸素濃度が低下し、低酸素血症をきたします。気管支鏡で肺組織と細胞を採取し、さらにくわしく調べます。
治療

 特発性間質性肺炎に対しては、決め手となる有効な治療法がありませんが、酸素療法、副腎皮質ホルモン療法や免疫抑制薬を投与します。
 急性間質性肺炎には、副腎皮質ホルモン薬のパルス療法です。副腎皮質ホルモン薬を大量に3日間投与します。これを2〜3回くり返し、また免疫抑制薬(シクロフォスファミド、アザチオプリン、シクロスポリン)を併用します。高流量の酸素を投与し酸素不足状態(低酸素血症)を改善させます。呼吸不全症を合併している場合には、人工呼吸器を装着し、呼吸を補助します。
 間質性肺炎の死因は、呼吸不全症、右心不全、肺がんです。
 続発性間質性肺炎は、それぞれ原因を除去することにより、治療効果が期待できます。過敏性肺炎は家にすみつくカビが原因で、入院し家から隔離するだけで軽快します。放射線肺炎は肺がんの治療に際し合併症として出現し、副腎皮質ホルモン薬投与によって改善します。