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2001年12月28日、ラオス中部の世界遺産として知られるルアンパバンに滞在中、薬草サウナへ出かけた。
私は血圧が高く、普段はサウナを利用することはないが、今回の旅行では一番楽しみにしており、いの一番に出かけた。
なぜ仏教国ラオスまで行ってサウナに入るのかと、不思議に思うかもしれない。ラオスはタイ、ミャンマー、カンボジアなどと同じ小乗仏教の国で、寺院にサウナが併設され、施薬の一環として発達したそうだ。
私が行った赤十字のサウナは古めかしい木造二階建てで、町の目抜き通りに面しており、その場所はすぐにわかった。木造階段を昇った入り口で案内を請うと、六十代のおじさんが応対した。
午後5時の開始時間前であったので、誰も来ていなかった。小父さんに一万キップ、一ドルの利用料を払うと、腰巻きもくれた。そして、その背後に据え付けてあるロッカーや着替え室を教えた。
大広間にカーテンで仕切っただけの部屋で腰巻き姿になった私は、サウナ室の扉を開けた。
入り口に向かって縦長のベンチが向かいあい、その真ん中の床に据え付けてある箱の中から、ハーブや薬草の香りが噴き出し、一面に蒸気も一緒に充満していた。
私が腰かけていると、一人、また一人と入って来て、お互いに袖すりあうような状態になった。
皆じっと座禅をする修行僧のように耐えて、瞑想しているような雰囲気であった。十分ぐらいすると、丸い汗の行列が両腕の表面に騒ぎ出した。
室温が四十度ぐらいと低温なので、何分間でも入っていられるような気がしたが、十分間ぐらいで外に出た。
サウナ室の外はテーブルを囲むように椅子が置いてあり、勝手にお茶が飲めた。そこでくつろいでいた六十代の日本人がいたので、話しかけた。
彼は昨年八月にラオスに来たそうで、今まで五度の訪問で、このサウナを利用するのが目的だそうだ。
ビエンチャンのソックバルアン寺院やルアンパバンの他のサウナを教えてくれ、彼は毎晩それらを渡り歩いている。
昼間は半袖で十分であったが、夜間は気温が急激に下がった。紅潮した体も外気に触れると、汗も一気にかき消されてしまった。
再度サウナ室に駆け込む。外国人観光客が隣にいたので、英語で話しかけた。彼は三十代のベルギー人で、サウナの効用を私に教えてくれた。
ここのサウサに入った後は、シャワーを浴びてはいけないと忠告した。皮膚の周りにアミノ酸の膜が作られる温泉と同じ理屈だそうで、冷めにくいそうだ。それを知らない先ほどの日本人は、帰り際にシャワーを浴びていた。
ベルギー人は彼の泊まっている宿屋を私に勧めた。このサウナに近くで、去年のクリスマスの日にオープンしたばかりなので、「メリィゲストハウス」という名前だそうだ。
彼と一緒に扉の中に入る。しばらくすると、体が火照ってきて極楽気分になり、こんな贅沢はなにごとにも換えられないと思った。
ベルギー人が帰った後、午後8時ごろまで私はひとりでたむろしていた。
その夜はぐっすりと熟睡し、その時ほどサウナの効用を実感した。
次の日も私は同じサウナに出かけた。そして、私が入っていると、前日のベルギー人も入って来た。私が話しかけると、彼は覚えていた。
「明日、また会おう」と彼は私に言ったが、「早朝に旅立つ」と私は言って、別れた。今度私が行く時には出来るだけ日程を取りたいと思う。
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