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今までの海外旅行で、アンコールワットが描かれたTシャツを着ていた人を何度か見かけた。その人が実際に行ったかどうかはわからないが、本物のアンコールワットを見てみたいと、長年思っていた。
2000年12月27日から五日間、アンコールワットのあるシェムレアップに滞在した。短期間であったが、とても居心地のよい国であった。
アンコールワットの入場券売り場や遺跡入り口の係員は、こちらが日本人だとわかると、たどたどしい日本語で「ようこそいらっしゃいました」と話しかけて来た。日本語熱が盛んであるということが一目瞭然で理解でき、好印象を与えてくれた。
その30日午前7時ごろ、宿屋からひとりで朝食に出かけた。前の日までは日本から持参したインスタント食品ですませていたので、無性にカンボジアの食事がしたかった。
今回の旅行に立つ時に、弟がノンフライのインスタント麺を買ってくれた。以前はインスタントラーメンを持参していたが、旅先で食べていて気持ちが悪くなって以来、ご無沙汰していた。
弟が持たしてくれた麺は淡白な味で、食欲をそそり、重宝した。食事は旅行中の活力源になり、ないがしろにできないので、気を使っている。
旅行前半はいつの場合も、日本から持参しているレトルト食品ですませている。お腹を下したりすれば、楽しいはずの旅が台無しになってしまう。
オールドマーケットの中は大小さまざまな大衆食堂や屋台が所狭しと入り組んでおり、食事を提供していた。その中を何回か行ったり来たりして、地元の人が食べている食事を覗き込んだ。
骨付き鶏肉の空揚げをぶつ切りにし、無造作にどんぶりご飯の上に載せただけの「チキンぶっかけ丼」を食べていた人がいた。香港などの街角でよく見かけるローストチキン弁当を連想させて、おいしそうに見えたので、同じものを注文した。
身が骨の周りにこびりついていたので、私は人目もはばからずにかぶりついてみたが、食べにくかった。
私の傍らで裸足の少年が私の食べ残しをほしそうな素ぶりをしていたので、目で彼に合図を送ると、彼は持参していたビニール袋の中に私の皿の中身を突っ込み、鶏肉の小片をかじりながら去って行った。
店員が残飯をテーブルから下げてしまわなかったので、私の残り物が彼に役立ったわけだ。
昼食も同じ食堂に行ってみた。朝食時と違って、店先のガラスケースには豆類、野菜炒め、肉や魚の総菜が並んでいた。
私が眺めていると、小海老の空揚げを試食させてくれた。その中から、冬瓜のスープと干し魚を注文した。
トンレサップ川という海のような大河が町の郊外にあり、私の食べた魚の名前はわからないが、カンボジア人は魚が常食である。
亜熱帯樹林気候であるうえ、冷蔵庫なども普及していないので、生魚は食べていなかった。
干し魚は塩味が効いており、ご飯を何杯もお代わり出来そうで、おかずにはもってこいの食材であった。
私が食べた魚が、鯵の干物を干すような格好で宿屋のベランダに干してあったのを見た。
ご飯の炊き方も日本と同じで、私の口に合った。
カンボジアでは朝食は麺か、ぶっかけご飯ですまし、昼食はスープと総菜を注文するのが一般的のようであった。
アジアの国々は米を常食にしている国が多いが、その中でこの国の食事があまりにも日本食に似ていたのには感心した。
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