パリ宣言

署名 1856年4月16日(パリ)
効力発生 1856年4月16日
日本国 1886年10月30日(同年10月30日加入書寄託、1887年3月4日公布・勅令)

千八百五十六年三月三十日巴里条約に署名せる各全権委員は、茲に会議を開き、戦時海上法の古来久しく痛嘆すべき紛議の原因と為り且本件に関する法律及び義務の明確ならざるは、局外中立国と交戦国との間意見の相合はざるの基にして、隨て容易ならざる困難或は葛藤を惹起するの恐れあることを悟り、此緊要なる事項に関し一定の主義を設くるの利益ある事、並に巴里公会に参集せる各全権委員に於て、本件に関する列国交際上一定の原則を議定するは、最も能く各自政府の希図に応ずるものなる事を認めたり。
因て右全権委員は、各其政府より妥当の委任を受け、此目的を達するの方法を協議せんことに決し、評議の上左の宣言を採用せり。

第一 私船を拿捕の用に供するは、自今之を廃止する事
第二 局外中立国の旗章を掲くる船舶に搭載せる敵国の貨物は、戦時禁制品を除くの外之を拿獲すべからざる事
第三 敵国の旗章を掲くる船舶に搭載せる局外中立国の貨物は、戦時禁制品を除くの外之を拿獲すべからざる事
第四 港口の封鎖を有効ならしむるには、実力を用いざるべからす。即ち敵国の海岸に接到するを実際防止するに足るべき充分の兵備を要すること

下に記名する全権委員の本国政府は、本宣言を巴里の会議に賛同せさりし諸国に通知して、其加盟を勧誘することを約す。
各全権委員の声明したる要義は、全世界の歓迎せざるを得ざるものと確信するに因り、其採用を一般に普及せんとする各国政府の尽力が全然成功すべきは信じて疑わざる所なり。
本宣言は、之に加盟し若は将来加盟すべき諸国の間に於てのみ、遵守の義務あるものとす。


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