樹脂(プラスチック)の歴史概要 top  map  map50  電気材料  不導体(絶縁体)  プラスチックの分類  合成樹脂用語解説 樹脂(プラスチック)の歴史年表

樹脂 
Tプラスチック以前の絶縁物
Uプラスチックの歴史
 1.セルロイド
 2.エボナイト
 3.ベークライト     1フェノール樹脂
 4.ポリ塩化ビニル
 5.ポリエチレン    1エチレン  2架橋ポリエチレン
 6.合成ゴム
 7.人工繊維      1レーヨン  2アセテート  3ナイロン  4アクリル  5ポリエステル

樹脂
 樹脂(resin)とは元来、植物から得られるものを指すのですが、良く似た性質を持つ物質を合成できるようになっり、それらも樹脂と呼ばれたことから、天然の樹脂を天然樹脂、人工的に合成されたものを合成樹脂と呼んで区別するようになりました。
 天然樹脂は樹木の皮から分泌される樹液に含まれる不揮発性の固体または半固形体の物質で、天然ゴム等があります。
 合成樹脂は人工的に合成される天然樹脂と良く似た性質を持つ物質で、単に樹脂といった場合には合成樹脂を指すことが多くなっています。
 樹脂には加熱成型した後で、再度加熱すれば柔らかくなり元の形に戻る「可塑性を持つ物質」をプラスチック(plastic)といい、このような性質を持つ樹脂を熱可塑性樹脂といい、一方、加熱し固化したものは再度加熱しても溶けないものを熱硬化性樹脂(Thermosetting resin)といいます。
 プラスチックは元々は「可塑性を持つ物質」を指すのですが、合成樹脂を指すことが多くなっています。
 合成樹脂で作った繊維のことを合成繊維といい、その繊維を糸にして布を織ったものなども合成繊維といいます。

合成樹脂の歴史概要
1835年にユストゥス・フォン・リービッヒ(Justus von Liebig)とアンリ・ヴィクトル・ルニョー(Henri Victor Regnault)により塩化ビニルとポリ塩化ビニル粉末が発見されたのが合成樹脂の始まりといわれています。
1851年にネルソン・グッドイヤー(Nelson Goodyear米)がエボナイトを開発(特許us8075)し、チャールズ・グッドイヤー(Charles Goodyear)等によって商業化されました。
1856年にアレキサンダー・パークス(Alexander Parkes英)はセルロースを原料とする人工の象牙(最初の合成樹脂で商標Parkesine)を発明し、1862年のロンドン万博に展示して注目を集めました。これが、セルロイドという商品名でよばれる樹脂でした。
1869年にアメリカで開発されたセルロイドが初めて商業ベースに乗ったもので、ニトロセルロースと樟脳を混ぜて作る熱可塑性樹脂でしたが、植物のセルロースを原料としているので半合成プラスチックと呼ばれることがあります。
1870年にアメリカでセルロイド(celluloid)という商標が登録され、セルロイドでビリヤードのボールが大量に作られるようになり、合成樹脂産業が始まったのです。
1872 年にEugen Baumannによって塩化ビニルの固体を入れたフラスコを日光に当てておくとフラスコの内面に白色の固体ができることが報告されていました。これが塩化ビニル重合体(ポリ塩化ビニル)の発見でした。
1909年にレオ・ベークランド(Leo Hendrik Baekeland米)がベークライト(Baekelite商品名)の工業化に成功し、動植物を原料としない本格的な合成樹脂の第一号といわれています。
1909年にフリッツ・ホフマン(Fritz Hofmann独)の研究グループはイソプレーンの重合に成功し、それを使って、最初の合成ゴムが作られます。
1926年にBFグッドリッチ社(B.F. Goodrich Company)のワルド・シーモン(Waldo Lonsbury Semon)はさまざまな添加物を混ぜ合わせることでポリ塩化ビニルを柔軟で加工しやすい材料にすることに成功します。ポリ塩化ビニルの商品化に成功し、化学工業の始まりになりました。
1927年にヂュポン社は極秘の研究開発チームを立ち上げ、絹のような繊維を開発し、最終的には絹のストッキングを作ることを目標にして、その後の12年間に2700万ドルを注ぎ込んで人工繊維のナイロンを開発しました。
1933年英国のICI社(Imperial Chemical Industrial Limited)の(Eric William Fawcett and Reginald Oswald Gibson)によってエチレンを高温高圧にしてポリエチレンを作る合成法が発見されましたが、その実験を再現するのが難しく商品化されませんでしたが、第二次世界大戦中に英国で実用化され、電気的な特性が優れていたことから、レーダーケーブルの絶縁に使用しされたようです。
1939年にヂュポン社は人工繊維のナイロンをニュヨーク万博に出展し注目を集めました。
  第二次世界大戦後の石油化学の発達により、石油を原料として多様な合成樹脂が作られるようになり、 日本では、1960年代以降、日用品に多く使用されるようになります。
1953年にドイツのツィーグラーがチーグラー・ナッタ触媒(Ziegler-Natta catalyst)として知られるハロゲン化チタン系触媒が開発されると、高性能のポリエチレンが安価に製造されるようになり、世界的にポリエチレン製品が広まっていった。
1970年に架橋ポリエチレンの実用的な生産方式(特許us3534132)が開発され電力ケーブルに適用できるようになりました。
1976年に(Walter Kaminsky、Hansjorg Sinn独)はメタロセン (metallocen) を触媒に使用する方式を開発し、生産効率が飛躍的に向上したことで、ポリエチレンが安くなり、多様な製品群が世界中に広まっていきました。

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