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放射  光度 立体角 視感度 比視感度 光束 カンデラcp燭光 照度 輝度 波長 効率  色相 明度 彩度 色の再現 再現色の評価 色温度 演色性 色度 演色指数 調光 植物工場 励起状態 絶対温度 プラズマ状態 黒体 照明設計

放射(Radiation)    上に移動します
 エネルギーが電磁波として空間を伝わる現象で、放射には温度放射とルミネセンスがあります。温度放射は物体がその温度に従って発散する放射で、ある温度で最大の放射をするのが黒体放射でプランクの式に従っています。
  温度放射以外の放射をルミネセンス(Luminescence)といい、励起された原子や分子等が元の状態に戻るときに余分なエネルギーを放射として放出するもので、1億分の1秒以内に放射されるのを一般に蛍光(Fluorescence)といい、それより遅いのを燐光(phosphorescence)といっています。

光(Light)    上に移動します
 一般には、人間の目に入って明るさの感覚を生じさせる放射を光といっています。人間の眼で感じることができる電磁波が可視光線(Visible light)です。しかし、広い意味では、紫外線・赤外線を含む100nmから1mmの波長域を光放射としています。(詳細は電球の原理を参照してください)
 光は明るさの他に、波長によってその性質が異なることから、異なった波長に反応できる3つの感覚器官(赤・緑・青の3つの原色)も持っていて、その器官からの反応を組み合わせて色を感じると考えられています。色は3つの連続量の組み合わせによる知覚であることから非常に理解しにく、これを正確に表現することには困難が伴います。
  光の持つ心理的な側面として、「快適性」を実現しなければならない場合、光の明るさだけでなく、光色(色温度)や拡散の状態(影をつくる・つくらない) 等の光の質を考えなければなりません。

光度(luminous intensity)cd(candelaカンデラ)    上に移動します
 光度は光の基本単位となっていて、国際単位系(SI unit)の7つの基本単位の一つです。
  光度はある方向に放射された放射エネルギーが一定であっても、人間の目は波長によって感じ方が異なります。そこで、光の明るさを表す心理的な物理量を定義するために、単位立体角、単位時間あたりに放射される 放射強度(光のエネルギー) に比視感度(明所視標準比視感度)をかけたものと規定されています。
 カンデラ(cd)は ある空間における周波数540×10の12乗(Hz)の単色放射を放出する光源から放射強度が1/683(W/sr)である方向への単位立体角内に放出される光の量が光度1(cd)です。

立体角(solid angle)とは    上に移動します
  二次元における角(平面角)の概念を三次元に拡張したもので、二次元の平面での角は円の中心からの二つの直線によって区切られた部分のことをいい、この2直線の開き具合を角度といます。角度は、2直線が切り取った円弧の長さで表すことができます。これに対し、3次元の空間での球体の中心から出た直線の周りに作られた円錐で区切られた部分を立体角といい、半径 1の球で円錐が切り取った表面積の大きさを錐面といい、立体角は錐面で表すことができます。立体角の単位にはステラジアン(sr steradian )が使われ、全立体角は国際単位系で4π[sr(ステラジアン)](41252.96 平方度)です。ちなみに全平面角は2π(rad(radian ラジアン))=360°]です。

視感度(Photopic Luminous Efficiency)    上に移動します
  人間の目には明るさを感じる器官が二つあり、明るいところで作用するものと、暗いところで使用するがあり、この二つを切り替え(順応)て、昼よと夜といった明るさの違いに対応しています。明るいところに順応したときの各波長ごとの明るさを感じる強さが視感度(下図参照 最大視感度を示す波長555nmで視感度は683lm/W)です。
 
比視感度(Photopic Luminous Efficiency Function )    上に移動します
 最大視感度を示す波長555nmでの視感度683lm/Wに対する各波長の視感度との比率です。人間の比視感度の世界標準として、1979年の第16回国際度量衡総会(CGPM)において最大視感度に対する標準比視感度 (標準分光視感効率) が定められました。標準比視感度には明所視標準比視感度と暗所視標準比視感度があります。

光束(luminous flux) lm(lumenルーメン)    上に移動します
 一般に光の発生量(1秒間に発生する光の量)を現しています。
光は放射であり、その発生量はエネルギーですのでワット/秒(W/s)で表現されますが、人間が放射を光として感じることができるのは可視光線のみで、可視光線の中でもそれぞれの波長によってその感じかたが異なります。その色ごとの感じ方を視感度といい、視感度を使用して放射を測定したものが光束です。
 ランプから放出される光の量を表すときに等に使用されます。
 ちなみに100Wの電球で1500lm、40Wの蛍光灯で3000lm、ろうそくの明かりが10lm程度です。

カンデラ cp 燭光(candle-power燭(しょく)    上に移動します
  かつて使用されていた光度の単位で、燭光(しょっこう)ともいい、そのときの定義は、「1時間に120グレーンの割合で燃焼する6ポンドの鯨油蝋燭の光度にほぼ等しい光度」であった。1cp(燭光)は蝋燭(ロウソク)1本分の明るさで、かつては白熱電球の明るさを示すのに使われていましたが、電球の1(Wワット)当たりの光が1燭光になった(1cp=1W)ころから、消費電力のワットが使用されるようになりました。
  1951年施行の計量法でカンデラに置き換えられ、1959年以降は商取引等での使用も禁止されています。

照度(illuminance) lx(luxルクス)    上に移動します
 明るさを表す量で、光を受けている単位面積当りの入射光束です。
 人間は明るすぎても、暗すぎても疲れることから、それぞれの作業等に適した明るさがあり、場所や作業内容に応じて適切な明るさの基準が制定されています。
 真夏の直射日光は約10万lx、ちなみに適切な明るさは、一般事務は約500lx、精密作業は約1000lx程度で,JISに「適正照度」として示されています。

輝度(Luminance)cd/m2(カンデラ毎平方メートル)    上に移動します
 光源の輝きの強さを表す量で、発光面のある方向への光度をその方向から見た見かけの面積(投影面積)で割った光度です。
 照度が単位面積あたりの入射光を表すのに対し、輝度はその結果ある方向から見たときそこからその方向に放出される光の強さを表しています。ちなみに青空は8,000cd/u、裸の水銀灯は150,000cd/u、裸の蛍光灯は10,000cd/u程度です。

波長nm(ナノメートル)(電磁波の基礎知識参照)    上に移動します
 光は電磁波ですので、可視光線の波長は3.8 〜 7.8× 10-7 m(メートル)で、一般に380〜780nm (ナノメートル)です。

効率      上に移動します
 電灯の効率は1ワット当たり発生する光に量(lm/W ルーメン/ワット)であらわします。 (光源の発光効率参照)


色      上に移動します
 人間の目は、電磁波の刺激を受けるとその刺激の量や性質に応じて反応できますが、その範囲は限られたもので、太陽が出す電磁波の最も強い部分に反応できるようになっていてその範囲を可視光といっています。電磁波は波長によってその性質が異なり、可視光線の中でも波長によって性質が異なることから、異なった波長に反応できる3つの感覚器官(赤・緑・青の3つの原色)も持っていて、その器官からの反応を組み合わせて色を感じると考えられています。色は3つの連続量の組み合わせになることから非常に理解しにくいことから、これを正確に表現することは困難です。しかし、印刷物やテレビなどのように、人が感じた色を紙や画面の上に再現するには、色を定量的に表現する必要があります。

色を表現する正確な言葉としては、一般的な方法として次の三つの要素を使用した表現が用いられています。

色相(Hue)    上に移動します
赤・黄・緑・青・紫の5つの基本色相と黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫の5つの中間色相があります。



明度(Value)    上に移動します
理想的な黒を0、理想的な白を10とする明るさの度合いです。



彩度(Churoma)    上に移動します
 色の「鮮やかさ」の度合いで、彩度が高ければより鮮やかに、低ければ濁った色(グレー)となります。その色相の中でもっとも彩度の高い色を純色(Pure color)と呼びます。
  彩度は無彩色を0とし純色を100とし、混合された純色成分の比率で示します。

色の再現    上に移動します
 人間の感覚である色を定量的に取り扱かえるようにするには、人間の目に入ってくる刺激の量と質(赤・緑・青の3つの要素)を数式化することによって、これらの組み合わせによって様々な色を数値化することができです。
 ある点の色はこの3つの原色の刺激の関数として、数値化され、その数値を利用して印刷物やモニター画面のある点に色が表現されます。

再現色の評価    上に移動します
 ある物の色にはその物が発光体として自ら光を放出しているものと、他の光源からの光を受けてその光の一部を吸収、反射しているものがあり、後者の場合、光源の光に含まれる光の成分(スペクトル)が変化すりと見える色は変化します。
 このように物の色は一定ではなく受ける光によって変化し、放電灯等では太陽の光で見た色と比較して、色の感じ方に違いが出ることから、その程度が演色性として評価されます。
 評価に当たっては、色温度と演色指数による評価があります。

色温度(Color Temperature)(詳細は色温度を参照して下さい)    上に移動します
 色温度は黒体を加熱したときの色と比較して同じ色の黒体の温度で表示されるものです。
 太陽の色や空の色は朝日から夕陽と色が変化しますが、この色は黒体を過熱したときの色に一致していることから、それぞれの色が黒体の出す色と同じになったときの黒体の温度によって、色の温度が表現するようになり、これを非常に高い温度を表現するための尺度として、英国の物理学者ウイリアム・トムソン(William Thomson)と初代ケルビン男爵(1st Baron Kelvin)が色温度と名付けました。
 色温度は単位として、絶対温度(K)で表示されます。

演色性(Color Rendition)(詳細は演色性の定義を参照して下さい)    上に移動します
 放電灯の光である物体の色を見た場合に太陽光で見た色と異なることに気づきますが、それは物の色には二通りの見え方があるためです。 物の色はその物が発光体として物自身が光を放出しているものと、他の光源からの光を受けてその光の一部を吸収、その残りを反射しているものがあり、後者の場合、光源の光に含まれる光の成分(スペクトル)が変化すると見える色も変化します。 このように物の色は一定ではなく受ける光によって変化するためです。
 一般に、その差が大きいと演色性が悪く、差が少なければ演色性が良いと評価されます。

色度(Chromaticity)(詳細は演色性の定義を参照して下さい)    上に移動します
 明度を一定にして色相と彩度を平面上に展開した色度座標(色度図)で光を数値化したものです。この図の2点間の距離が色の違いを感じる度合い(感覚差 色差)に比例するので、この表で色の違いを評価できます。

演色指数(CRI Color Rendition indexes)(詳細は演色性の定義を参照して下さい)    上に移動します
 光源の光に含まれる光の成分(スペクトル)が変化すると見える色も変化しますにで、多くの物の見え方を平均的に評価する指標として、幾つかの(一般に8種類)の試験色で色差を求め評価式によって、平均的な演色指数を求めます。

調光       上に移動します
 一般に光の量を変化させることを調光といいます。
調光器は電流や電圧を減少させることで光源から出る光の量を少なく(Dimming Control)するものやコンピュータを搭載した調光器で光を操作する(Light Control)複雑なものまであります。
 舞台照明、ステージ照明等で利用されているものには複数の照明回路にそれぞれの光量を設定し、全体として光の空間を組み立て、いくつも光の空間を記憶し、時間毎に、あるいはその時々に応じて光の空間を切り替えたり、変化させたりして光を演出することができます。

植物工場       上に移動します
 植物を畑ではなく、屋内で育てることで、季節や天候に左右されないで生産できることや環境の管理によって生育期間の短縮、収穫量の増加、品質の向上等が期待できます。
 特に葉緑素は赤い光や青い光を吸収して二酸化炭素と水から砂糖(炭水化物)を作り、植物の成長に使います。従ってこの赤い光と青い光が無いと植物は弱り、ついには枯れてしまいます。
 更に、光のスペクトル分布のオレンジ色の部分が植物の生殖作用に関係していて、ホトクロム(Photochromes)と呼ばれる物質があり、赤い色と赤外線を吸収し、種の発芽、根の生育、茎の形成、開花時期、果実の生育を調整していて、植物の再生にとって重要な部分ですます。青い光は葉緑素を刺激して成長に必要な養分を作らせる働きがあり、植物の黄色い色素はカロチノイド(Carotinoid)も青い光を吸収して落葉と果実の成熟を制御します。ビボフラミンは紫色の光を吸収してホトトロピズムを刺激し葉っぱを光の当たる方向に動かすこともできます。
 植物の光に対する特性を最大限に利用しようとすると、植物が必要とする波長を多く含んだ光をどの時期に、どれだけ与えるかによって、収穫内容に差が出ることがわかってきて、植物の生育に合った光源とその照射方法等の開発が進められています。

励起状態(excited state)(詳細は励起状態を参照して下さい)    上に移動します
 励起(Excitation)は、光、熱、電場、磁場などの影響によって引き起こされます。電子や陽子、中性子、分子、イオンの入射、衝突などによって励起されることもあります。
  入射光により、基底状態(ground state)にあった電子はΔEのエネルギーを貰って励起状態になります。そのとき入射光からΔEのエネルギーが減少し、そのエネルギーに相当する分だけ出射光の波長が長くなります。励起状態にある電子はあるとき基底状態に戻るとき、ΔEのエネルギーに相当する波長の放射光を出します。
 
絶対温度(absolute temperature)    上に移動します
 絶対温度(K)ケルビン(kelvin)は原子の運動が完全に停止する状態の温度を絶対零度といい、絶対零度は通常使用される温度である摂氏温度目盛ではマイナス273.15℃で、この温度を絶対零度で0(K)と定めました。なお、絶対零度は温度の最低値であり、これより低い温度は存在しません。これを名付けたのはケルビン氏です。
通常使用される温度である摂氏温度目盛は絶対温度から273.15を引いたもの(K−273.15=℃)です。


プラズマ状態(詳細はプラズマ状態を参照して下さい)    上に移動します
 電子と正イオンの数が同じで電気的には中性(プラズマ状態)で電子の平均自由飛程(電子が衝突してから次の衝突までの自由に移動できる平均の距離)が分子(窒素)を励起するのに十分な運動エネルギーを獲得できる領域です。 

黒体(Black body完全放射体    上に移動します
 黒体とは、外部からの放射(電磁波)などのあらゆる波長を完全に吸収する物体のことです。完全な意味での黒体(完全黒体)は現実には存在しないのですが、それに近い物質や物体は存在します。

照明設計    上に移動します
  照明を設計する場合には、空間の明るさのような量的な側面と楽しい雰囲気や心地よい感触といった質的な側面を考慮しなければなりません。更に光と影の関係など芸術的な感覚も必要です。
 まず、量的な側面ではそこで何が行われ、何が要求されているかに応じて、詳細が決定されるのですが、一般には事務所や工場などの平均的な場所に必要とされる明るさをJISで「適正照度」として示していて、それに適合するようにします。
 このとき、消費電力を少なくするには、効率の良い光源を選定することになりますが、効率の良い光源は一般に演色性が悪くなる傾向がありますにで、演色性と効率の調整が必要になります。
 また、光源の種類によって寿命が異なりますので、取替えが容易なところは問題ないですが、取替えが困難な高所や特殊な場所に対しては寿命の長い光源を選定したほうが経済的に有利な場合があります。
 質的な面では、色温度や演色性では食事を美味しく見せる照明等、光と影は光源の集中配置か分散配置等、劇場照明には太陽光線に近い光を等、さまざまな特性を考慮する必要があります。
 屋外のライトアップや、街路灯の光源として使用される特殊用途の光源などもあり、光源だけでなく、照明器具によってもさまざまな特性があり、これらを効果的に組み合わせて適正な照明になるように工夫する必要があります。

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