放電灯の種類  放電  

水銀灯 低圧水銀灯 蛍光灯 高圧水銀灯 超高圧水銀灯 ナトリウムランプ 低圧ナトリウムランプ 高圧ナトリウムランプ メタルハライドランプ キセノンランプ ネオン管 ネオンランプ 高輝度放電灯

水銀灯(Mercury-vapor lamp)
 水銀灯はアーク放電により水銀原子の励起から発生する青白い光を利用した光源で、高圧水銀灯 、低圧水銀灯 、超高圧水銀灯の3種類があります。

低圧水銀灯(Low Pressure mercury vapor lamp)
 点灯中の水銀蒸気圧が1〜10Pa程度のもので紫外線を発生し、殺菌、オゾン発生、樹脂硬化、分光分析などに利用される。


蛍光灯'(Fluorescent Lamp)
  低圧水銀等の放電管の内面に蛍光物質を塗布してアーク放電により発生した水銀のスペクトルの波長253.7 nmの紫外線を可視光線に変換する光源です。

高圧水銀灯(High Pressure mercury vapor lamp)
 点灯中の水銀蒸気圧が100k〜1,000kPa(1〜10気圧)程度で緑がかった青白色(5,700K)の光との紫外を発生します。
 高圧水銀ランプの構造放電管本体である発光管(内管と呼ぶ。石英ガラス製。)は、水銀が封入され、点灯開始時に放電を安定させるために少量のアルゴンガス添加されています。電極には電子放出性物質(バリウム、カルシウム、イットリウムなどの酸化物。エミッタと呼ぶ。)を塗布したタングステン電極が使用され、各主電極の近くに高抵抗を介して接続された補助電極が封着されています。主電極にはエミッタが充填されたタングステンコイルが巻きつけてあます。内管は、点灯時には約400℃の高温となるため、通常、発光管の外側に外管と呼ばれる保護用のガラス管が被せられています。外管内は50〜100kPaの窒素ガスが封入されます。また、外管内面に蛍光物質が塗布されているものもあります。
 水銀蒸気の圧力を上げることによって長波長側の光が多くなりまたスペクトル線に幅ができて演色性が改善されます。

超高圧水銀灯
 点灯中の水銀蒸気圧が1,000kPaを超えるもので、高圧水銀灯に比べ効率や演色性等が改善されています。

ナトリウムランプ(Sodium Lamp)
 ナトリウム原子の励起によって発生するナトリウムのスペクトルで波長589nm(ナノメートル)の光を利用したアーク放電灯の一種です。ナトリウムランプには低圧と高圧の2種類があります。

低圧ナトリウムランプ(Low pressure sodium lamp、LPS lamp)
 内部の放電管には耐ナトリウム特殊ガラスを使用し、ナトリウム金属蒸気と少量のネオンガスとアルゴンガスが封入されたもので、発生する光はナトリウムのスペクトル589nmの単光色の光です。放電管の外側には保護用の外管があり、その内面には赤外線の反射層としてインジウム錫酸化物が塗布されていて、この化合物は可視光線を赤外線に変換し、内側に反射することから放電管からの熱放出を抑え効率の向上に寄与しています。
 放電管の点灯初期には薄暗い赤みがかった色の光を出しながら放電管を加熱して、放電管内のナトリウムが蒸発して金属蒸気になり、その量が規定値まで増加すると光の波長が589nm(ナノメートル)の単色の光を発生するようになります。このランプは光の発生効率が最も良く、発生する光束が200lm/w(ルーメン/ワット)です。

高圧ナトリウムランプ(Hiph pressure sodium lamp、HPS lamp)
 発光管に封入する金属元素にナトリウムの他に他の元素(一般に水銀等)を少し追加して、青色系の色を補正し効率が少し悪くなりますが、演色性を改善したものです。
 発光管に透光性アルミナセラミックスを使用し耐ナトリウム性と高温に耐えるようにしてあります。
 一般に、演色性は悪いが、発光効率は高く、道路照明用に普及していて、演色性を改善したランプでは、建築照明等への応用が期待されています。

メタルハライドランプ (Metal Halide Lamp  MHL)
  メタルハライドとは、「金属のハロゲン化物」を封入したという意味です。何種類かの原子の発光スペクトルを組み合わせることによって演色性を改善使用としたものです。
 ハロゲンは周期表で希ガスのすぐ右側の元素で、その元素の最も外側の電子軌道に入ることのできる電子の個数よりも1個少ない(原子の電子配列表参照)元素です。ちなみに希ガスは満杯です。
 主なものにはフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)などがあります。
  メタルハライドランプの発光色は主にハロゲン元素に添加する金属(通常はヨウ素化合物)の種類とその金属がどの程度気化するかによって変化します。
 一般にメタルハライドランプのアーク放電中のガス温度は4200から5400K(絶対温度 ケルビン)の範囲にあり、このアーク中にある原子が励起されて、その原子が持っている電子の軌道が元に戻るとき光を出します。(放電の発光原理参照)
 多くのMHLにはナトリウムとスカンジウムを含んだハロゲン化物を封入していて、発光色の色は色温度で約4100Kになっています。それはナトリュウムにスカンジウムやタリウムが入っていて、ハロゲン化物の金属蒸気が少ないと色温度が低い(3000から3500K)黄色っぽいオレンジ色で、多いと、青い色になります。
 特に、青い光を出すインジウムハロゲン化合物を添加して色温度を20000Kまでに上げることが出来ます。その場合にはインジウム原子を励起するためにアーク温度を5500Kよりも高くする(電流を増やす)必要があります。
 このインジュウムハロゲン化物を多くしたMHLは水族館の照明に利用され、珊瑚の成長に必要な深い青色(deep blue)の光を出すことが出来るためです。
 メタルハライドランプの構造は放電管が二重になっていて、内管は高温(400度C)になることから石英ガラスが使用され、管中にはアルゴンと水銀蒸気、極少量のヨウ素との合成物にした他の金属もが封入されます。
 外管は高温になる内管の保護用で、その隙間にはアークから発生する紫外線を他の光に変換するために蛍光物質を内面に塗布し、赤い色を補強するのに役立っています。

キセノンランプ(Xenon Lamp)
 キセノン中の放電における発光現象を利用した放電ランプです。放電路の長さによりショートアークキセノンランプとロングアークキセノンランプに分類されます。
 点灯時における内部ガスの圧力は通常20〜40気圧になっています。
 発光効率は低く25〜30lm/Wですが、可視光域の分光分布が太陽光の分光分布に近く演色性に優れています。始動から光束が安定するまでの時間が短い特徴を持っています。

ショートアークキセノンランプ
 電極間の距離が数mm以下の点光源としたものです。

ロングアークキセノンランプ
 電極間の距離が5〜10cm程度のもので、1kw以上の大型放電管に適し、灯時には冷却が必要となります。

キセノンフラッシュランプ
 ロングアークキセノンランプに極短時間だけ電気を流して発光時間を極めて短くしたランプで、写真撮影用のフラッシュとして多用されています。

ネオン管(neon tube)
 ネオン管はネオンガスを0.01〜0.1気圧で封入したグロー放電灯です。
 陽光柱および負グローの橙赤色を利用し、特にネオンサイン等に利用され、封入ガスに水銀、ヘリウム、窒素等を用い、また管内壁に蛍光物質を塗布して異なる発光色をつくり、さらに、ガラス管を着色するなどして様々な光色が利用できるようにしたガス放電管を総称してネオン管と呼んでいます。夜の街を彩るネオンサインに利用されています。

ネオンランプ(neon lamp)
 ガラス管に鉄、あるいはニッケルでできた電極を1mm程度の間隔で取り付け、負グローの発光を用いたもので、表示灯に使用されています。


高輝度放電灯(HIDランプHigh Intensity Discharge Lamp)
  高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプの総称です。狭い部分から強い光を出す(強い輝き 高輝度)ランプのことで、屋外の道路照明等に利用されます。

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