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グローブ電池(Grove cell)

1844年に(William Robert Grove)はグローブ電池(Grove cell)を発明しました。
この電池は容器に硫酸溶液を入れ、その中に亜鉛の電極(陽極)と素焼きの陶器を入れ、素焼きの陶器の中に白金の電極(陰極)を入れたもので、発生電圧はダニエル電池の約2倍で電流も多く流すことができました。この電池は当時の米国で電信用の電池として使用されましたが、有毒な一酸化窒素を発生させることと高価な白金を使用していることから1860年代までには安価なルクランシェ電池(Leclanche cell)に置き換えられてしまいました。

原理
 亜鉛と銅の板を薄い硫酸(希硫酸:電解質溶液)に浸し、導線でつなぎます。すると、亜鉛の原子が少しずつ溶け出していきます。このとき、亜鉛原子は電子を失って亜鉛イオン(+)として電解液の中に分散します。亜鉛原子を失ったことによって亜鉛板には電子が蓄積されます。
 白金電極は硝酸中に入れても溶解しませんので反応は起きませんが、亜鉛電極と導線で接続すると亜鉛電極に蓄積されていた電子が流れてきてヒドロニウムイオンH3O(+)と反応しヒドロニウムが生成されます。
 陰極の亜鉛板から溶け出した亜鉛イオン(+)は希硫酸中の硫酸イオン(−)と結合して硫酸亜鉛となり、電解質溶液中には水素イオン(+)が過剰になります。
 陽極でヒドロニウムイオンH3O(+)が電子を獲得して中性のヒドロニュウムが生成されたことから、NO3イオン(―)が過剰になります。
 両方の電解液で過剰になったイオンが素焼きの容器の内外でクーロン力で引き合うことから、水素イオン(+)とNO3イオン(―)は素焼きの容器を通り抜けて水素イオン(+)とNO3イオン(―)が結合して硝酸になります。
 水素イオン(+)は大きさが小さいことから素焼きの容器に明いている小さな穴を通り抜けやすいことから大きな電流が流せるようになりました。

反応式
HNO3+H2O→NO3 - + H3O+ ヒドロニウムイオン (Hydronium Ion)

(拡大図を参照してください)