≪弘前オペラ30周年記念誌・2001/3/31発行≫より

 まず最初に、30年もの長い間この会が活動を続けてきたことに対して祝福を申し述べたいと思います。中でも第1回から現在に至るまで会を支えてきた多くの方々のご苦労を考えると、畏敬の念を禁じ得ません。この会と親しく関わって10年たらずの私ですが、10年間で感じたこと、考えたことを語りたいとおもいます。 私が弘前オペラに初めて参加したのはたしか平成3年に公演した『ボエーム』からだったと思います。まだ大学生の頃で、たまたま歌のレッスンの伴奏で虎谷宅を訪ねたところ、順一先生から「オペラの練習ピアニストをやってくれないか。」といわれたのがきっかけだったと記憶しています。興味半分で入ったこの会でしたが、自分にとって収穫となることがたくさんありました。例えば、普段みることのできないキャストの練習風景や、平尾先生の演出、また舞台に関わるさまざまな仕事がたった1日の公演に集約されるということは、オペラに関わる人間であれば常識であることですが、当時の私にとっては非常に新鮮で興味深いものでした。今でも、無の状態からオペラが公演されるまでの過程を間近でみられるのが楽しみで、会を続けている次第です。
 今後も弘前オペラのますますの発展を期待してやまないのですが、ピアニストの立場として心配な点がないわけでもありません。それは音楽としての質の向上です。確かにオペラは総合芸術ですが、人に聴いてもらう以上、音楽面はしっかりと作り上げる必要があると思います。現在のレベルが低いというのではなく、もっと上のレベルを目指した取り組みがあってもいいのではと思うのです。
 より本格的なオペラがこの会で実現されることを期待します。
 失言の数々お許しください。
                             
練習ピアニスト   澤田  元