骨盤底

今まで「骨盤」というと、{硬い大きな骨(寛骨と言う)に囲まれた部分}という漠然としたイメージがあった。今回調べてみて、もっと具体的なイメージを頭に思い浮かべることが出来るようになった。

人間が二本足で立って歩くように進化したことで、骨盤底の筋肉ですべての内臓を、重力に反してささえなくてはならなくなった。つまり、骨盤底とは、骨盤の内部で膀胱や尿道、子宮、直腸などのお腹の臓器を下からしっかりと支えている部分である。骨盤底は内臓の位置を上に持ち上げる役割の内骨盤筋膜、骨盤内の臓器をがっちり支える骨盤隔膜、骨盤隔膜を左右から引き締める会陰膜会陰浅層の筋肉といった三重構造の頑丈な繊維組織や骨格筋で形成されている。これらを総称して、骨盤底筋群と言う。骨盤底筋群は尿道や膣、肛門を引き締める役割をも果たしている。骨盤底を下から見ると筋肉の一部が、肛門で一回り、尿道と膣で一回りといったように8の字型を描いている。面積は120〜150平方cmくらいで、20歳代の女性で5〜9cmの厚みがある。女性は妊娠すると大きくなった子宮の重みと圧迫が骨盤底に負担をかける。分娩時には、直径10cmほどの胎児の頭が産道(膣)を通る為、骨盤底の筋肉と繊維組織は引っ張られてダメージを受ける。加齢につれて骨盤底筋群は伸びきったゴムのように薄く、劣化が進む。このようにして女性特有の“女性骨盤底疾患”たとえば、尿失禁、膀胱瘤、直腸瘤、繰り返す膀胱炎などの病気が現れてくると言う訳である。

骨盤底の位置は?

骨盤底の一部は自分でも確かめられる:(ただし、外から触れられるのは最も浅い会陰と言う層のみ)触れられない深いところに“内骨盤筋膜”“骨盤隔膜”と言う骨盤底の支持層がある。

1.  下側は: 坐骨結節の間に張っている。(坐骨結節の見つけ方は、椅子に両方の手の平を 上向きにして置き、その上に座る。指の腹に触る硬い骨の出っ張りが坐骨結節である。)

2. 前から横は: お臍の下の恥骨の下側から横へ。(椅子に脚を軽く開いて座る。恥骨す   ぐ 下{クリトリスの当り}から左右の坐骨結節へ回っていくラインが触れる。)

3. 後ろ側は: 尾底骨の部分から横へ。(椅子に脚を大きく広げ、前のめりに座る。背骨の上から下へたどっていくと、下で途切れるところが尾底骨の先端である。尾底骨から左右の骨盤結節までが、後ろから横の部分。)

図左は骨盤底を下から見ている。図右は骨盤底の位置確認の姿勢である。

英語で骨盤底を pelvic floor 「骨盤のフロア]という言い方をする。ハンモック状に骨盤の床を形成しているのが少し解ったような気がしてきた。ちなみに、骨盤のpelvisは、ギリシャ語のpelisに由来するラテン語である。ローマ時代には、縁がややめくれた広口の深い容器を意味した。骨盤をpelvisと言うようになったのは、16世紀末のことである。

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