漫画の描き方(書き方)

初心者でも漫画賞が獲れる魅力的なキャラクターを作る方法

漫画,描き方,書き方

少年ジャンプの人気漫画「バクマン」の影響もあり、漫画家を目指す人が増えています。

 

そんな激戦の中、これから漫画家を目指すためには、まずは漫画の賞を獲ることが一番近道です。

 

では、漫画賞を獲るために重要な漫画の要素はなんでしょうか?
まず、考えてみてください。

 

あなたが考えたのは、
 奇想天外なストーリー?
 奇抜な設定?
 魅力的な絵?
でしょうか.....。

 

答えは
「読者にモテるキャラクター」
が登場しているかどうかです。

 

漫画賞の採点の50%は登場人物のキャラクターで決まります。
だから、読者にモテるキャラクターを徹底的に考える必要があります。
ほとんどの人は、ただ単に自分の描きやすいキャラを描き、評価を下げています。

 

こんなことを書くと
「漫画家でもないお前に何が分かるんだ?」
と言われそうですが、

 

私は自分なりに過去の漫画の分析を行い、面白い漫画と面白くない漫画の違いや魅力的なキャラクター、ストーリーの作り方などを研究してきました。
そして、それが実際に正しいかどうか試すために、漫画の原作賞に応募しました。

 

その結果、
週刊少年サンデー「ドリームステージ」漫画原作部門最終選考
第十五回ヤングジャンプ原作大賞 一般部門 佳作
第十七回ヤングジャンプ原作大賞 特別部門 奨励賞
という結果が得られました。

 

応募したのはこの3回だけですので、
100%の確率で応募者が数千の中からTOP5に入る評価を得ています。

 

さらに、漫画の編集者からどんな漫画が求められているかという話をじっくり訊き、私の考えが間違っていないことを再確認しました。
だからこそ、自信を持って漫画でもっとも評価されるのはキャラクターだと言い切れるのです。

 


漫画に登場させるキャラクターの考え方

漫画,描き方,書き方

では、あなたの漫画に登場させるキャラクターを考えていきましょう。
あなたは漫画に登場させるキャラクターを考えるときどうやっていますか?
他の漫画の登場人物を参考にする
友達をモデルにする
などでしょうか。

 

しかし、その方法だと自分の趣向や好みで作るため、キャラクターが似た感じになり設定に困っているのではないでしょうか?
以下の手順で考えればどんな漫画でもキャラに困ることはなくなります。

 

1. キャラの名前、役割を決める
2.キャラの種類を決める
3.特徴を設定する

 

この三つです。簡単ですね。
では、それぞれの項目について説明していきましょう。

 

おっと、その前に、あなたは「ストーリーはどうするの?」と思ったかもしれません。
漫画のストーリーははっきり言ってほとんど考える必要はありません。

 

なぜなら、どんな漫画のストーリーも黄金パターンともいうべきストーリーパターンがいくつかあるんです。
だから、その中からキャラや自分の好みのストーリーを選んで使えばいいわけです。

 


漫画のストーリーテンプレートを使う

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今回はキャラの話ですから省略しますが、初心者であれば以下のストーリーをお勧めします。

 

@自分に自信がある主人公(調子に乗って嫌われている)
 ↓
A敵にボロカスに負ける(ひどければひどいほど良い、敵はライバルでも良い)
 ↓
B自信を失い、失意のどん底
 ↓
C誰かとの出会いにより、本当に大切なことに気がつく
 ↓
D敵にリベンジして勝ち、みんなにも認められる

 

これで問題ありません。
一番読み切り漫画向きのストーリーであり、多くのハリウッド映画もこのパターンです。

 

読み切り漫画で奇抜なストーリーは要りません。
これにキャラと設定を付ければ漫画賞を獲れる作品になります。

 

このストーリーのポイントは

「負ける→勝つ」
「嫌われ→好かれ」

というスカッとする爽快感と涙する感動の両方を取り入れることです。

 

説明しだすと長くなってしまいますので、ストーリーについてはこの辺いたします。
リクエストがあれば別の機会に説明したいと思います。
では、本題に戻りまして、

 


1. キャラの名前、役割を決める

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それは、漫画に登場させる人の役割(「主人公」「敵」「脇役」「ヒロイン」)と名前を考えることです。
初心者ならそれぞれ1人を考えれば良いです。
それでストーリーは成り立ちます。

 

設定は、あなたが中学生なら中学、高校生なら高校など自分が一番多く関わっている社会を舞台にしてください。
自分の憧れてる世界などを描きたいと思うかもしれませんが、賞を獲るためにはやめましょう。
今あなたの生きている世界を描いてこそ、良いセリフが生まれます。

 

キャラの名前は自由に考えてください。
ギャグ漫画なら駄洒落で付けるのが王道ですが、ストーリー漫画は比較的自由です。

 

インパクトを与えようと思えば、性格を連想させる名前が良いでしょう。
「あしたのジョー」の「力石徹」なら強そうですし、「SLAM DUNK」の「流川楓」ならクールでかっこいいイメージを持たすことができます。


2.漫画に登場させるキャラの種類を決める

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役割毎にキャラの種類を決めておきましょう。
漫画に登場するキャラクターを分類するとだいたい三つの種類に分かれますのでその中から選んでください。

 

ハイテンション型、ニュートラル型、ローテンション型です。

 

@ハイテンション型:

決めた目標や課題に向かってとにかくがむしゃらに頑張るキャラのことです。
ハイテンション型のキャラクターが多い漫画を描くと、ノリのよい爽快感抜群の漫画になります。
“ワンピース”や“ドラゴンボール”など大ヒットする少年漫画に多いのが特徴です。
全員がハイテンション型とまではいかなくとも一人は登場させるとストーリーに勢いがつきます。

 

Aローテンション型:

悩みやトラウマがあって、うじうじしているキャラのことです。
じっくりと読ませ、内容を考えさせるようなメッセージ性の強い漫画を描きたいときには主人公をローテンション型にすると効果的なことが多いです。
極端なくらいにナイーブにしたり、やりすぎなくらい小心者にしてみましょう。

 

Bニュートラル型:

ハイテンション型、ローテンション型の両方に属さないキャラクターのことです。
特徴を出しにくいので、漫画にとってはなかなか扱いづらいキャラです。
脇役として上手く利用できればストーリーの進行を助けてくれますが、初心者の方は使わないほうが無難です。

 

ハイテンションかローテンションかのどちらかのキャラしか登場しないほうが読み切り漫画は描きやすいでし、読む側も話しにノリやすくなります。
また、自分の描きたい漫画のストーリー、テーマに合った型を選択することが重要です。

 

特に主人公の型はすごく重要です。
脇役ならフォローできますが、主人公のキャラがストーリーに合わないと作品自体の魅力が半減してしまいます。

 

爽快感を出したい漫画に、うじうじしたロー型ばかり出しても爽快感は出ないですよね。
自分の書きたいテーマにそって、キャラクターの種類を決めましょう。

 

参考例:
・ハイテンション型が多くでている漫画
“ONE-PIECE”、“ドラゴンボール”など、
大ヒットしている少年漫画(特にジャンプ)に多い。

 

・ニュートラル型が多くでている漫画
“名探偵コナン”、“Dr.コトー”、“仁”などの頭がいいと思われるキャラ。
サンデー系の漫画に多い。

 

・ロー型が多く出ている漫画
“ガンダム”のアムロ、“ドラえもん”のび太などのキャラ。
主人公が徹底的に苦悩する。

 


3.キャラクターの特徴を設定する

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さらに、それぞれのキャラクターの役割ごとに特徴を設定するポイントを説明します。

 

主人公

あなたと同じ年齢にしてください。
設定にも関わってきますが、もっとも自分の考えを反映させやすく、考えや発言を理解しやすいからです。
いわゆるリアリティが出るということです。

 

自分の年齢以外のキャラを自由に動かしたい気持ちも分かりますが、賞を獲るためには我慢してください。
賞を取って人気漫画家になった後で自由に描けばよいのです。

 

次に、選んだ性格からストーリーに使うテーマを設定してください。

 

ハイテンション型⇒主人公の目標に関係するテーマ。
ローテンション型⇒主人公が悩んでいることに関係するテーマ。

 

これが一般的な方法で確実です。
そしてもうひとつ重要なことは主人公に決定的な欠点(弱点)をつけるのです。

 

例えば野球選手(ピッチャー)になるのが夢の少年がいて、その少年はだんだん手が使えなくなる病気を持っていることにしたら。
面白くなりそうじゃないですか。
ハンディキャップを乗り越える漫画というのは人気があります。
別に欠点を必ずつけなくてはならないわけじゃないですが、短編作品を光らせるポイントになりますので考えてみてください。

 

さらに言えば、その欠点が結果的に長所になってハッピーエンドになるというストーリーを作ることができたら勝ったも同然です。
はっきり言って、私が一番好きであり、良いと思うパターンです。
どういう意味か分かりますか?

 

たとえば、目が見えないというハンディを背負った主人公が、視覚に頼れないがために触覚や聴覚が発達し、物語のラストで動物に触れて声を聞くと考えていることが分かるようになってその動物を救うことができる。
とかです。
欠点や長所をストーリーに利用するのは読者を感情移入しやすくするので工夫して使ってみてください。

 

そして、この「欠点が結果的に長所になってハッピーエンド」という要素を取り入れることができた漫画はかなり漫画編集者の評価が高いというのが私の意見です。

 

逆に言えば、それだけそういった作品が少なく、また難しいということです。
困ったときは、「自分に近く、かつ少し距離を置いて」キャラを作るのが効果的です。

 

人間的に自分に近い方が作りやすいし、逆に正反対の人物を主人公に据えても作っていても面白くないということはあなたも分かっていたことかもしれませんね。
ここで注意しなければいけないのは「少し距離を置いて」の部分です。
完璧に自分の分身を主人公にしてしまうと自己満足に陥りやすくなります。

 

脇役の作り方

脇役はバランスを考えて、主人公にない性格や、主人公と反対の性格のキャラを作りましょう。
脇役は話の進行係を担うため、主人公とキャラがかぶると話が進まなくなります。
“ONE-PIECE”でも脇役の性格がみんな主人公のルフィだったら、話が脱線してグランドラインに到達すらできません。

 

主人公がハイテンション型ならローテンション型にする、ボケと突っ込みのような関係にしましょう。
しかしながら、主人公(男性)と同じ型だったとしても脇役を女性キャラにすればうまくいくケースは多いです。

 

性別の違いによる考え方の相違が出せるからです。
たくさんの脇役が登場する場合は、すべて主人公と違う性格でなくてよいのです。

 

特別な例ですが、主人公と同じような性格に設定しておいて、一緒に目標に向かったり、悩んだり、主人公と感情を共有できるような(ライバルとか)キャラを作ってもいいのです。
その場合は、長所や欠点を主人公とは正反対にして助け合うようにストーリーを作りましょう。

 

悪役の作り方

悪役は、徹底的に悪いやつか、理由があって悪事を働いてしまうやつかのどっちかにするといいでしょう。
徹底的に悪いやつは、自分が考える限りの悪事を犯してもいいです。
主人公をめちゃくしゃにしてください。
極限までサディスティックに攻めまくります。
最後に逆転して主人公が勝ったときに爽快感が大きくなります。
中途半端はだめです。

 

しかも、ありがちなパターンに陥りやすいので“悪いこと”の内容は過去の漫画をよく読んで工夫することが大切です。
特に殴る、蹴るなどの暴力は、よくあるパターンの典型のため、肉体的なものではなく精神的な苦痛を与えるのも良い手段です。
ドラマにもなった人気漫画「ライヤーゲーム」の敵はとことん精神的に痛めつけてきますよね。
個人的に好きな悪役設定をしている漫画です。

 

日ごろからニュースなどに触れ、あなたの中の“悪いこと”のジャンルや範囲を広げていくことも将来的には必ず必要になります。

 

「理由があって悪事を働いてしまう」は、始めは悪いやつと読者に思わせておき、主人公を助けたりして実はいい人かな?
と思わせるのが王道です。
ライバルも「理由があって…」のパターンで作ると受けがいいです。

 

ヒロインの作り方

あなたが男性だと、ヒロインに自分の理想像をそのまま当てはめていませんか。
憧れの女性やテレビのタレントなど...。
自分のでなくとも理想像はむやみに当てはめないほうが無難です。

 

理想ばかりが先走り、ヒロインの心の裏側をえぐったような描写やセリフが描けなくなってしまいます。

 

ポイントは、ヒロインには「なにを“恥”とするか?」という観点で特徴付けをすることです。
それにより女性らしさを出すことができます。
“恥”ほど、そのキャラの知性、品性といったものを、如実に表すものはありません。

 

あなたが好きな漫画を想像してください。
その中に登場するヒロインには必ず“恥”がありますね?
たとえば。
負けることが“恥”という気の強い女の子は負けたときに初めて女を見せます。
そして、“弱点”は必ず付けましょう。
“恥”と関連付けてもいいです。
その弱点を読者にさらけ出したとき、ズキューンとさせれば勝ちです。

 

 

キャラクター全般について

キャラの役割をとっぱらって「とにかく読者が好きなキャラの設定方法を教えてくれ」という人も要るかもしれませんね。
その答えは、「ギャップ」ということになります。
読者の受ける印象と作中の登場人物の受ける印象にギャップのあるキャラは読者に人気です。

 

たとえば、ブラックジャックです。周りは悪いやつだと思っているけど、実はとてもいい人、というのがもてるキャラです。
ありがちな設定だと思われるかもしれませんが、何十年と好感を抱かれ続けていますから、使わない手はありません。

 

あとは「自己犠牲キャラ」と、友人がバカにされたときなどに、「かばったり、やさしく励ましたりするやつ」が漫画の読者好みです。
現実世界でいたらうっとおしいと思われるやつがなぜか漫画の中では愛されます。
現実世界に惑わされることなくキャラを作りましょう。
例としては、
 ○クールなやつだけどお茶目なところもあるキャラ。
 ○人を笑わせてばかりいるけど、実は暗い過去を持っていたり、実は真面目で冷静なキャラ。
と、いった風にキャラクターの性格を考え抜きましょう。
「…だけど、実は…」というパターンをいくつも考えてストックしておくと楽です。
少なくとも50種は準備しておきましょう。

 

児童向け作品でヒットするキャラの作り方

中にはどうしても自分より年齢が下のキャラを主人公にした作品を描きたいという人がいるかもしれません。
たしかに「コロコロコミック」などに投稿する場合は、どうしても自分より年下になります。

 

その場合は、まず「丸を意識」してキャラクターの外見を作るのがセオリーです。
あの素晴らしいキャラクターを作り出す藤子・F・不二雄先生はこのことを知っていて、ドラえもん、オバケのQ 太郎などを丸でほとんど描いています。

 

これは心理学でも証明されています。
子供にあきさせない魅力や、安心させる効果があるのです。

 

丸い顔したアンパンマンも子供は大好きです。
風船やシャボン玉なども子供は落ち着くらしいです。
そして、キャラの名前や作品のタイトルに「パピプペポ」のどれかの文字を入れましょう。
“ポンキッキ”“プーさん”
子供が口に出して言いたくなる発音だということです。

 

男の子向けであれば、「ガギグゲゴ」などの濁音も効果的です。
「ガンダム」に出てくるモビルスーツの名前は濁音だらけです。
“グフ” “ゲルググ” “ギャン” “ザク” “ドム”

 


魅力的なキャラクターの作り方の最後に。。。

漫画,描き方,書き方

さて、以上で魅力的なキャラクターの作り方はおしまいです。

 

魅力的なキャラクターが作ることが出来れば、多少、ストーリーに稚拙さがあったとしてもキャラの力で十分カバー可能です。

 

初心者の人には、ストーリーは無理をせずに単純な形にまとめ、個性が強くて分かりやすいキャラを用意して、それで押し切るというのがお勧めです。
ここで紹介した文章の内容を理解してキャラを作ったのなら、必ず魅力的な漫画となっています。

 

私はあくまで影の人です。
言い方を変えれば、あなたが賞を取るまで、デビューするまでの編集者です。
出版者の編集者がやっているであろうことをあなたに提供しているにすぎません、

 

編集者がクレジットに載らないのと同様に私も影に徹しています。
私の成功はあなたが賞を獲り、漫画家としてデビューすることなのです。

 

あなたからの「賞を取ったどー!!」という連絡が来る日を楽しみに待っています。
では、

 

漫画作成アドバイザー 廣海好