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ビヨンボ通信ケニア発110号
発行数‥‥‥148部 
2000年1月7日発行 
原稿執筆・編集・カット・題字/荒川勝巳

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

今世紀は皆様にとって、アフリカの人々にとって、充実した世紀であるよう願いたいものです。

定例帰国していた日本から着いたばかりのケニア・キテンゲラ町は、雨期の終わりで、空は乾期によく見られる大きな綿雲の群れ。
110_1.GIFランプは必需品
サバンナは、いのころ草などの穂がたなびき、スミレや野草が咲き乱れ、虫の嗚もジィージィー(ニイニイゼミのよう)と、日本の初夏の高原といったところ。歩く足も心も弾んでくる。

私はキテンゲラに着いた初日から、町外れにあるプロジェクト内に建てたばかりの宿舎に泊まることに。

養護施設の子どもたちは大歓迎だったが、ここへは電気がまだ来ていないので、いきなりランプや懐中電灯、そして眩いばかりの月星の世界へ。

これはまだいいとしても、困ったことは魑魅魍魎の暗躍する地上の闇。プロジェクト周辺へ家が進出してきているとはいえ、まだ疎らで、強盗の活動の妨げとならない。防犯対策に追われミレニアムもなんのその。

ミレニアムはラジオの奥で聞こえてくるだけで、キテンゲラの人々も普段と変わらない生活をしています。もっとも、一部の人々はキリスト復活を信じ教会で新年を迎えたそうです。


●絵葉書

1999年12月14日はプロジェクトの子どもたちが、支援者の皆様へ絵葉書を描いた。このところ絵葉書描きは恒例になってきたので、皆様から直接、子どもたちへお便り下さることが増えてきた。それも日本語だけでなく英語やスワヒリ語でも。
      10_2.GIF宛名書き
そこで私は、これらのお便りを子どもたちの前で読み上げ「海の向こうから、みんなを気遣っているんだよ。」と励まし、描かせた。

子どもたちの中にはミレニアム2000年の代わりに『20000年』と絵葉書へ書いた子どももいて、これを受け取った方はラッキーなのでは?

110_card.JPGカード


●クリスマスパーティー

1999年12月18日はクリスマスパーティーがある。

今回はお母さんたちに食物を持ち寄ってもらい、足りないところを我々がつけ加えることにした。一番高価な持ち寄りは山羊一頭。ケニアではクリスマスに山羊を潰すのが慣わしなので、これは子どもたちにとって最高の贈り物。
110_3.GIF山羊の解体
この山羊は当日の朝、マサイのおじさんたち4名の手で素早く解体。まるで桃の皮でも剥くように綺麗に皮を剥がされた山羊は、30分後には肉の塊と化した。

午前中はセミナーを開き40数名もの人が集まり、会場となったプロジェクトの小さな作業場に人が溢れた。クリスマス時(ケニアは12月に入るともうクリスマス)は帰省してしまう人が多い中、カルリ氏たちスタッフの呼びかけが功を奏したもの。

このセミナーでは今までと違ったことがあった。いつも講師はスワヒリ語で聴衆に語りかけるが、この日は講師にマサイ語の通訳がついた。

それだけマサイ人のプロジェクトに占める割合が多くなったのと、マサイ女性は伝統的に学校へ行く機会が少なく、スワヒリ語の勉強が疎かになり話せない女性が多いため。
110_4.GIFスワヒリ語通訳
昼食後は、ゲストとしてお招きした獣医の神戸俊平先生のスワヒリ語の紙芝居で始まった。紙芝居の内容は「親を失った子どもキリンの保護」で、子どもも、大人も、大いに楽しむ。

テレビ、ビデオ、映画のさほど普及してないケニアでは、もう少し紙芝居が広がってもよさそうなものだが、そう見る機会はない。

その次に、今年も支援者の方の長久を願うお祈りを、大人と子どもの合同でする。最後はアトラクション。といっても日本の運動会のようなもので、綱引き、タイヤ転がしなどが夕方まで続き、みんな熱中した。

尚、岡本和子様・荒森公子様より「クリスマスになにか子どもたちへ美味しいものを」と御寄付をいただいています。
     110_5.GIF紙芝居  110_6.GIF綱引き


●養護施設の子どもの里帰り

昨年4月は、子どもたちが親戚へ里帰りをして、施設へ戻った直後に逃走したので、今年の8月の里帰りは中止。しかし、親戚からクリスマス時の里帰りの要望が強く、子どもたちも望むので、この時期の里帰りを許すことにした。

ワンブワ(11才男)・カゲゼ(11才男)・サボレ(8才男)は1999年12月20日から2000年1月2日までの予定で親戚のところへ帰っていった。

さて問題はズーラ(7才女)。彼女はこれといって頼りになる親戚は、いない。我々は彼女が行きたいところへ行かせることにした。私はズーラに「サリマ(9才女・ズーラの姉)と、おばぁさんの住む田舎へ行きたいか?」と尋ねると彼女は不服そうに首を横に振る。

そこで先の逃亡時に逃げ出した先、彼女の仲良し「カロリン一家へ行きたいか?」と尋ねると、また首を横へ。「では、どこへ行きたいんだ?」と促すと「レベッカ(マデ寮母の娘の名)のところ」と断言。
110_7.GIFズーラは…
ズーラは宿舎のマデ寮母の部屋で、寮母とその子どもたち2名と「里帰り」を過ごすことになった。

田舎でおばぁさんと暮らすサリマは、クリスマスパーティーの時ひょっこり、おばぁさんと田舎から現れた。両名とも元気そう。

どうも、おばぁさんには、この時期、我々のところへ顔を見せることで、我々から援助を引き出そうとする魂胆が見える。しかし我々は、サリマを施設の子どもでなくする法的手続を進めており、おばぁさんの思惑をはずし素気なく扱う。今後サリマは、小学校教育支援だけとなる予定。


●強盗対策

今回の強盗対策は、プロジェクトのスタッフ宿舎に住む日本人、と貴重品を守ることを主な目的としている。

というのも子どもやケニア人スタッフは、すでに鉄の扉や鉄柵の付いた窓で守られ「これを破ってでも盗むだけの価値があるものを持っている」と一般的に強盗から考えられていない。

自転車やミシンは、プロジェクト内にある事務室の中に、小さな倉庫を石のブロックとモルタルで作り鉄の扉を付けたので、事務室の鉄の扉と二重になり、あまり心配なくなった。
110_8.GIF犬たち
残るは私や、宿泊する日本人の安全。私は現金や貴重品など、ほとんど持ち合わせてないのだが、白人やインド人同様、溜め込んでいるように強盗から考えられている。

そこで夜警を1名から2名へ増やした。しかし夜警は、さほど信頼できない。例えばこの前、夜警2名へクリスマスボーナスを払った。すると彼等は安飲み屋へ直行。2日間、プロジェクトへ戻らなかった。

その後、彼等は戻ってきたが、1名は酔い潰れてすぐ寝てしまい、もう1名は酔った勢いでプロジェクトのスクマ(丸まらないキャベツを畑に植えてある)を盗み出す始末。

そこで別の対策方法として子犬を2匹、私の滞日中に買い取り飼っている。もうすでに体長80cm以上になっていて日中、小屋の中へ入れておき、夜だけ庭へ放つ。

そして板ペラでスタッフ宿舎の前面を取り囲み、入口にくぐり戸を取り付けた。これは防御としての効果以上に、暮らしぶりを外部の者に見せないという点で有効。クリスマスから新年にかけ強盗シーズンであり、近所でも最近、強盗に襲われたという話も聞く。

実際、1999年12月30日の朝2時に、強盗が5名でプロジェクトを襲おうとして、犬に吠えられ、夜警に石を投げられ退散した。そこで昨年、8月以来やめていた自警団を復活させる話も出てきている。
       110_9.GIF囲い
 
 

▼プロジェクト全景。絵をクリックして下さい。拡大表示します。

    110_10.GIFプロジェクト全景

●プロジェクトの畑
110_11.GIF発育の良い植え方
この11月の雨期は、雨が多かったため、スクマや細ネギなどの野菜、ジャガ芋やインゲン豆などの穀物ともに豊作。

昨年、3月に植えた豆科の苗木もよく育った。この苗木の中でも、特に穴を深く掘り、その中へ苗木を沈め、水保ちをよくしたものが伸びた。次回も同様にし、さらに穴の底辺にビニールを敷き水漏れしにくくしたものも試してみることにした。


●電話・ファクス・Eメール・郵便

電話は、プロジェクトから700m離れた旧スタッフ宿舎に備え付けたままなので、使用が不自由であるし、応対する人もいない状態。プロジェクト内部へ引き込むことを考えているが、強盗対策に追われ電話線を引くのに時間がかかりそう。

電話と同じ場所に備えてあるファクスは、こちらから送る部分は故障しているのでナイロビのファクス屋まで行くことになる(A4、1枚500円)。受け取ることは、ここでできます。

私はEメールの機械を日本から持ってきましたが、設定の仕方が上手くいかず、コンピューターのことをよく知っている日本の方からも試してもらいましたが、だめでした。

かくなる上は取り扱い説明書をポレポレ(スワヒリ語でゆっくり)見ながら設定するしかないのでしょうか。

郵便は、郵便物の中に現金を入れると、こちらへ届かないことがありますが、そうでなければ10日間で、日本からこちらへ(キテンゲラ町の隣のアーティーリバー町に私書函あり、見に行かないといけない)届きます。

ケニア・サイディア・フラハへの郵便・電話についてはここ

WebMasterより:どなたかアフリカ地域へのインターネット接続に詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教授いただないでしょうか?宜しくお願いいたします。
           110_11_m.GIF郵便がいいのかなぁ


●日本での活動

帰国報告会を滞日中の後半、東京で2度、大阪で1度開催した。

1999年11月20日(土)に、東京・麻布で催した時は、参加者が4名と振るいませんでした(他は10数名の参加有り)。これは場所・時間・次の日も東京の別の場所で報告会と、設定のまずさが災いしたもの。

しかし、それだけでなく、私も含めた「支える会」の人集めに積極性が欠けたことにあると思われます。例えば、ビラをあちこちに配るとか。

それに帰国報告会自体が魅力が欠けていることもあるでしょう。このことは参加者の方からも指摘され、また私は他の団体の報告会へ参加して痛感しました。今年2000年は、もっと魅力的な報告会にできるよう努力します。

そして、これらの反省から出てきたのが、ケニアやアフリカをもっと知っていただくための会合を「支える会」で1ヶ月に1度ほど開いてゆくことです。

この会合ではケニアへ行ってアフリカのことをよく知っている方をゲストとして招き、ケニアの料理や飲み物を摂りながらケニアやアフリカについて語り合います。

場所は東京になると思いますが、お時間がありましたら皆様も是非、参加して下さい。


●お便りコーナー

▲プロジェクトへ衣類を送りたいのですが送ってもいいものなのでしょうか?
埼玉・山田さん


▽こちらへ送っていただきますとケニアまでの送料(安価な船便と仮定しても)がかかりますし、ケニアの税関で「新品でない」と説明しても、良い製品ですと新品同様の税金を取られます。

一方、ケニアでは安い中古の衣類が出回っているため、それらと比べると、送料と税金を合わせたほうが高くついてしまいます。その他の物品もほとんど同様な状況ですので、送っていただくことをお断りしています。


●孤児の里親

新しく「キ・アフリカ」様に、
継続して若木美代子様・新藤順子様、
「ケニアの孤児里親の会」様に、
孤児の里親になっていただきました。ありがとうございました。


●教育基金・自由寄付・会費等

1999年12月27日までに教育基金・自由寄付・会費等いただいた方のお名前を載せさせていただきます。ありがとうございました。


●福岡
岡本栄一様
毛利秋広様

●兵庫
山脇克子様
丸美化成株式会社 山脇様

●大阪
伊倉かゑ子様
山崎久美子

●神奈川
丹羽百合子様
オープンカフェ フローラ様
荒森公子様

●東京
下川三代様
岩田鈴子様
内山奨様
「いずみの会」様
梶野幸三様
松本潤子様
近藤くみ子様
栗津淑子様
はちのこいこっと様
「日本中近東アフリカ婦人会」様
加藤邦彦様

●埼玉
稲葉公子様
須永由美子様
石川明様
斉藤有朋様
荒川竹次様

●千葉
遠藤七郎様
富永幸彦様
遠藤康子様
”田中”中島裕子様
杉谷道子様

●新潟
丸山悦子様
小林たづ子様
藤井大三郎様

●福島
加藤妙子様

●北海道
新谷均様
小野幸子様
藤井千里様
松村久代様
下口芙美恵様
堀田優子様

雑記

この間、カゲゼが誰かの口まねをして他の子どもたちを笑わせていた。よく聞いてみると私の口まねだった。

スワヒリ語では、言葉の語尾の一つ手前にアクセントを置くが、私は日本人らしくスワヒリ語でも語尾にアクセントを無意識のうちに置いてしまい、それをまねされたもの。

編集 荒川勝巳