ギルガメシュとアカ

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1:シュメール人紹介状

 今の中近東のイラクのあたりの話。
ティグリス河、ユーフラテス河という二つの河に挟まれた広大な土地は、大部分が砂漠のような荒地とじっとりと湿ったアシのぬかるみになっていた。
 はるか昔、そこに住んだシュメール人という人々は畑を耕して麦をつくり生活していたのだった。

 「黒い頭の民」、彼らは自らをこう呼んでいた。彼らがどこから来たのか?は謎らしい。
彼らは荒野と湿地しかないメソポタミア平原に文明を創りあげた。
 「文字」を発展させ、「数学」を学び、「神殿」を築いて神々をうやまい、「世界貿易」を行い、そして「ビール」を飲んでほろ酔い気分で食べたり騒いだりしていたという。

 5000年前、彼らはいくつもの小国に分かれ戦乱の時代を迎えていた。その小国の一つを治めていたのがギルガメシュという王だった。

 これは、彼に関する物語の、ほんの一部である。

 中近東地図

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2:都市国家ウルク

 シュメール人の国の一つ、「ウルク」はペルシャ湾沿岸に位置し、はるか海の向こう、アラビアやインドとの貿易によって繁栄していた。
 毎日のように沢山の船が港へ入航し、木材、金銀、ラピスラズリ(宝石)などの財宝が荷揚げされ、港は沢山の人々で賑わっていた。

 ウルクの繁栄

 そのウルクにある時、一人の王が現れた。それがギルガメシュだった。

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3:即位の礼

 
ある時、ウルクの空に「宵の明星」が強く瞬いていた。
 金星はウルクの守護神「女神イナナ」のシンボルである。この夜、ウルクに新しい王が即位するのだ。

 ウルクの中央にある神殿の階段を僧侶の列がゆっくりと上がってゆく。列の先頭には今宵、この町の新しい王となる男がいた。
 頂上にたなびく吹流しと、瞬く金星は女神イナナの証。神殿の上には新しい王へ王権を授与するために、彼女が降臨して待っている。

 明日の朝にはウルクに新たな王が誕生する事だろう。

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4:ギルガメシュ王

 ウルクは朝を迎えた。日中は40℃近くにもなるメソポタミアもこのひとときは過ごし易い。
 この朝から、ギルガメシュはウルクの王となった。
ギルガメシュはウルクの民を強力にまとめ上げ、ウルクはシュメール地方南部の国々のリーダー的存在になっていく。

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5:アカの侵略

「こ、これは・・・!?」

 最初の目撃者はユーフラテス河のほとりで粘土を採っていた農夫だった。
 増水で黄色く濁った河をおびただしい数の軍船が都市ウルクを目指して下って行く。

 三日前、北方の都市キシュの王アカが南のウルクに圧力をかけてきた。アカは大きくなりすぎたウルクを警戒していた。
 だが、ウルクの支配者ギルガメシュは、アカに服従しようとする長老達の意見を無視して、アカの使者をけんもほろろに追い返している。
 当時北方の遊牧民をも従えて絶頂期にあったアカは激怒した。艦隊が、上流から凄まじい速さで攻め下ったのだ。

 「早過ぎる・・・」
 既に戦いの準備を始めていたギルガメシュだったが、この早さは予想以上だった。
 キシュ軍は味方の船をあっというまに蹴散らして、既にウルクの港や運河を圧倒的な数で埋め尽くしている。居並ぶ長老達も事の深刻さにただ静まり返るばかり。
 


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6:ジョウヘキノウエニタツオトコ

「 その日々は五日ではなく、その日々は十日であった。
  その日々は五日ではなく、その日々は十日であった。
  アカはウルクを包囲し、ウルクの判断力は混乱した。 」 
 
               
 ( 叙事詩ギルガメシュとアカ )

 「まだ落とせぬのか!!」
苛立ったアカの声が野営本陣に響く。
 ウルク包囲戦は十日間に及んだ。近隣諸都市は援軍を出すでもなく、アカに味方するでもなく、ただ静かに戦況を見守っている。南部シュメールの最大勢力であるこの都市が落ちれば近隣諸都市は一斉にアカに従うに違いない。アカにとってもこれは重要な戦いだった。 
 一方で、長引く戦いはウルク市民らを精神的にまいらせていた。一部の長老達には不穏な動きも見え始める。ギルガメシュを更迭し、市門を開け放ってアカの軍門に下ろうという動きである。皆の苛立ちがピークに達した頃、ギルガメシュは突然城壁に上がって大軍の前に身をさらした。そしてアカに向かって大声で叫んだ。

 「どうした、アカっ!十日間もそこで寝泊りするとはよほどその場所が気に入ったと見える。お望みならそこへ宮殿を造って住むがいい!!」

 笑いが起こった。市民らも少し活気づく。
 「面白い男だ・・・」
 アカも少し笑った。





 
さて、以後ギルガメシュの伝説は途切れており、未だに見つかっていないし、はっきりと解読されてもいない。
「城壁の上に立つ男」 ギルガメシュ と アカ は以後、どのような結末を迎えるのであろうか?
 (Koiduka .98.11)

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有名人さんいらっしゃい!

 みなさんこんにちは。歴史上の有名人を紹介する「有名人さんいらっしゃい」のコーナーです。今月はアシュシキルディンギルさんをご紹介いたしましょう。


 彼女はシュメールのウル市にお住まいの25歳の女性です。旦那様はウル市の統治者を務めておられるアカラムドゥグ王で、王妃としての彼女のきらびやかなファッションが「アシュシキルディンギルファッション」として今、巷で何かと話題を呼んでいます。

 彼女のアクセサリは金の冠、貝の耳輪、金の首輪などで、ネックレスはイランの山から輸入した紅玉髄、琥珀、ラピスラズリ、金銀、などからできているようです。
 なお、普段彼女はシュメール風に眉毛を化粧でつなげておられるのですが、今日は私の個人的リクエストで普通のままお越し頂きました。ありがとうございます。


ではインタビューを(↓)。

一言インタビュー

 「こんにちは、アシュシキルディンギルさん。」

 「あら、こんにちは。」

 
「最近なにか悩み事がおありだとか?」

 
「ええ、そうなんです。実は夫の名前が・・・・」

 
「アカラムドゥグ王ですね。彼の名前がどうかなさったんですか?」

 
「ややこしくてなかなか言えないんですの。」
 
 
 「・・・・・あなたよりはましだと思います。」
            
 

 (ありがとうございました)

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