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お題SS「寝間着」

「ただいま〜、って、あれ?なのは?」

 会議が長引いてしまい、いつもより遅い時間。

 とっくに寝ているはずのなのはは、リビングのソファーに腰掛けて待っていた。

「なのは、こんな時間まで起きてると明日起きられないよ?」

 歩み寄って声をかけるけれど、なのはから返事はない。

 そっと顔をのぞき込むと、少し困ったような表情で眠る、なのはの顔。

 ……どうやら私を待っていて、そのまま眠ってしまったようだ。

「なーのは、ちゃんとベッドで寝ないと風邪引くよ〜」

 ゆさゆさと揺すぶってみるけれど、なのはは、ん〜、と小さく声を上げるだけで起きない。

「もう、しょうがないなぁ……」

 こうなってしまったなのはは、まず起きることがないので、私はそっとなのはの身体に手を差し入れて、ゆっくりとその身体を抱き上げた。

「んぅ……」

 かわいらしい声をもらして、なのはが軽く身じろぎする。

 その瞬間、部屋着のボタンが一つ外れ、なのはの綺麗な胸元が露わになる。

「んなっ!」

 慌てて視線をそらすけれど、時すでに遅し。ばっちり脳内に焼き付いて、もう頭の中はその映像でいっぱいだ。

 ……ああもう、落ち着け、フェイト。なのはは何も知らずに眠ってるんだ。

 動揺してふらつく足を必死に踏みとどまらせ、ゆっくりとベッドへ歩を進める。

 視線を下げないよう努力するけれど、ベッドまでの階段を上がるのに、どうしても目がいってしまう。

 ――こら、冷静になれっ、自分!

 しかし、どんなに意識をそらそうとしても、薄い部屋着越しに伝わるなのはの体温に私の体は敏感に反応してしまう。

 早まる鼓動、火照る身体。

 どんなに理性で押さえている振りをしたって、私の奥底の欲望はひたすらなのはを求め続ける。

 わき上がる醜い欲望を必死にこらえて、私は拷問のような短い階段をようやく上り終えた。

 ゆっくりとベッドに下ろすと、なのはは小さく声を上げて寝返りを打つ。

「もぅ、こんなに無防備だと、このまま襲っちゃうよ?」

 もちろん返事など期待しない独り言のつもりだったが、突然、なのはの腕が私の首に巻き付いた。

「……いいよ、フェイトちゃんなら」

「なのはっ!?起きてたの??」

 びっくりして飛び退きそうになった私を、なのはは思い切り引き寄せてそっと唇を重ねてくる。

「んむっ、なのっ……」

 言葉を発することも許されず、なのはの唇はさらに深く重なり、するりと口内に柔らかいものが進入してくる。

 理性を溶かしきるような水音をたてて、激しく絡められる舌。

 半ば引きずり込まれるように私はベッドへと上がり、なのはを組み敷くような形になる。

 その姿がさらに私のなけなしの理性を奪ってしまう。

「なのはっ」

 部屋着を脱がせるのももどかしくて、裾から乱暴に手を入れて、なのはの肌を蹂躙していく。

「ふぇっフェイトちゃん!?」

 さすがのなのはも驚いたのか、動揺した声を上げる。

 ……でも、ごめん。もう、止まれないんだ。

 乱暴に唇を重ね、獣のようにひたすらなのはを求める。

「んっ、ああっ……」

 唇の隙間から漏れるなのはの甘い声に、私はもう何も考えられなくなる。

 綺麗な二つのふくらみを乱暴にもみしだき、はぎ取るようにショーツを脱がす。

「なのは……ごめん」

 きちんと同意も得ずに最低だと思っている反面、なのはを支配しているという満足感が行為にストップをかけさせてくれない。

 口先だけの最低な自分を嫌悪しながらも、私の手はなのはの身体を汚す。

 けれど、私を見つめるなのはの目はひどく優しくて。

「いいよ、フェイトちゃん……わたしのこと、好きにして」

 その言葉で、私の中の醜い欲望が一気に冷める。

 そして思わずこぼれた、涙。

 

 ――あぁ、本当に、自分は何をしたんだ?こんなに優しい恋人に、醜いまでの欲望をむき出しにして。

 

「――っ、ごめっ、あぁっ……」

 謝りたいのに、喉が詰まって声が出ない。

 そんな私を、なのはは優しく抱きしめる。

「いいんだよ。フェイトちゃんが、私を好きでいてくれること、ちゃんとわかってるから」

 かけられる言葉と、髪を撫でる手の温かさに、こぼれる涙はさらに勢いを増し、みっともない嗚咽がこぼれる。

「ごめん、ごめんねっ、なのはっ」

「もぅ、謝らないでいいんだよ?」

 ちゅっ、と軽く唇を重ねられる。

「私、嬉しかったのに。フェイトちゃんが、積極的に攻めてくれるなんて、今まで無かったし」

「でも、やっぱりさっき見たいのはよくないと思うんだ」

 そう言った私を見上げる目が、いたずらっぽく光る。

「フェイトちゃんには、攻めのなんたるかを教えてあげないとダメみたいだね?」

「ええっ?」

 しまった、なのはがこういう目をするときはっ……!

 気づいたときにはもう遅かった。

 一瞬で体勢を入れ替えられ、言うtも通りの構図ができあがる。

「今日は一晩中、攻めの極意を教えてあげるね♪」

「うぅ、結局はこのパターンですか……」

 楽しそうに私の制服を脱がし始めるなのは。

 こうなったら、もう抵抗するすべはない。

 

 ……それに、やっぱり私はなのはにこうして愛される方が安心するし。

 

 一瞬よぎった考えに、自分がすっかりなのはに骨抜きにされていることを実感する。

「フェイトちゃん……」

 ちょっと意地悪な、でも甘くて優しいなのはの声。

 そんな声に聞き惚れながら、私は深く重ねられるなのはの唇にゆっくりと酔いしれていった……