All Works of HIMEKAMI

 =オリジナルアルバム&シングル(1998年〜2002年)=

は『HIMEKAMI Station』推薦曲、は当サイトの管理者が個人的に好きな曲を示します。
曲名の読み(ふりがな)は当サイトの管理者が参考のため付記したものに過ぎず、
正式な読み方を保証するものではありません。

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目次


神々の詩(シングル)

 1998.01.21 発売  PCCA-01177(CD)  発売元:ポニーキャニオン

TBS系ドキュメンタリー『神々の詩』テーマ曲として日本中に姫神の名をなさしめた会心作。
デビュー以来初めてオリコンチャート100位以内にランクインした作品でもある。
2000年には大ヒットしたコンピレーションアルバム『feel』に収録され、
姫神のファン層をさらに拡大することとなった。
おそらく姫神の全作品中、最もよく知られている曲だろう。

本作は4曲入りのマキシシングル(通常のCDと同サイズ)としてリリース。
ジャケットはそれまでにない感じの、淡い色調のイラスト。
原始の人の営みや自然を抽象的に表現したものか?

(1)神々の詩   かみがみのうた 
星吉昭が手塩にかけて育てた女声合唱団「姫神ヴォイス」の歌声が、のっけから強烈なインパクト。
番組オープニングタイトルのダイナミックな映像と、力強いマッシヴなサウンドとのマッチングが絶妙で、
視聴者に少なからぬ衝撃を与えた。
姫神ヴォイスの「縄文語」のコーラスが、この曲の最大の特徴である。
この縄文語とは、国立民族学博物館教授(当時)の崎山理が比較言語学を駆使して推測した古代の日本語で、
「何を歌っているのか分からない」ところがポイント。「現代語訳」は積極的には公開されていない。
(実はこの歌詞、深い意味はなく、知ればがっかりするおそれもあるので、当サイトでもあえて公表しない)
合いの手として入るかけ声が原始的で印象に残る。
間奏で聞ける笛のような節回しもいかにも姫神という感じで気持ちいい。
なお、1997年の三内丸山コンサートで初めてこの曲が披露されたときは、普通の日本語の歌詞が付いていた。
アルバム『縄文海流 風の縄文III』『風の伝説』で二度にわたりリメイクを行っている。
 
(2)風の彼方   かぜのかなた
アルバム『風の縄文II 久遠の空』の項を参照。
この曲がカップリングされたのはリリース時期にCMに使われたせいだと想像される。
 
(3)森渡り   もりわたり
アルバム『風の縄文』の項を参照。
 
(4)火振り神事   ひぶりしんじ
『神々の詩』の番組中、オープニングタイトルに先立つ導入部の音楽として使用された。
しかし本作では"Zipanguのテーマ"とは銘打たれていない。
しかも『ZIPANGU姫神』ヴァージョンと違いフェイドアウトせずに終わる。
曲そのものについてはアルバム『ZIPANGU姫神』の項を参照。

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縄文海流 −風の縄文III−

 1998.08.05 発売  PCCA-01219(CD)  発売元:ポニーキャニオン

縄文シリーズ第3弾。テーマは「赤道」。
第40回日本レコード大賞企画賞受賞作。

TBSテレビ『神々の詩』の「赤道特集」(1998年8月放送)のために作られた曲が中心。
赤道直下の人々は縄文人同様、自然を畏れ、敬いながら暮らしている、という星吉昭の想いが、
サンプリングされた現地の歌声と縄文サウンドの融合を産んだ。
全体の印象としてはフランスのユニット「ディープ・フォレスト」のような音づくりをしており、
かなりワールドミュージック色が強いが、姫神独特のテイストは決して失われていない。
縄文語や現地の言語によるヴォーカルが今までになく前面に出ているが
歌詞の訳はあえてライナーノートに掲載されていない。
それぞれのリスナーが抱いたイメージを大切にということか。
ジャケットのイラストは熱帯雨林といるかの群れ。裏側は波濤の写真。
アートディレクションもだいぶ凝っている。

(1)ダヤックの子守唄   だやっくのこもりうた 
元ネタはインドネシアのカリマンタン島に住むダヤック族の子守唄。
哀愁を帯びた歌声の主は33才、6児の母親。彼女に印税が入るのか気がかり。
前半のAメロと後半のBメロからなるが、元唄はAメロだけらしく、
BメロはAメロをもとにデジタル処理で音程を変えて作ったと思われる。
子守唄らしからぬ軽快なリズムだがこれがまた耳に残って離れない。
コシのあるウッドベースの音がポイント。イントロのカラカラとした音は赤ん坊をあやす遊具を連想する。
なお歌詞の意味を知りたい方はこちらをクリックしてください。
自分のイメージを大切にしたい方は見ないほうがいいです。
 
(2)赤道伝説   せきどうでんせつ 
「赤道特集」のメインテーマ曲として使用。
縄文ヴォイスの合唱による『神々の詩』に近い路線の曲。リズムは控えめ。
後半、3つのメロディーの複雑なからみは荘厳さに満ち、レクイエムのようだ。
二声のコーラス(ハモってる)にサンプリングヴォイスの断片を貼り付けて作っているらしい。
人間の声、それも地声の持つ力を再認識させられる。
 
(3)ガゼルの歌   がぜるのうた 
ディープ・フォレスト顔負けのエスニックサウンド。
ついに姫神も一皮むけたかと感動を禁じ得ない。
この手の曲はいままで一本調子の構成になりがちだったが、そこから脱したことを評価したい。
サンプリングネタの出所はアフリカらしい。
ときおり出てくる笛のような音のフレーズはいかにも姫神。思わずニンマリ。
 
(4)青天赤天(アオアマ、アカアマ)
カリマンタンの森林火災で天を焦がす炎と青空の鮮烈な対比にインスパイアされて生まれた曲だという。
縄文ヴォイスの歌声はあたかも雨乞いの儀式のごとし。笛の音が実にいい。
姫神の曲につきものの笛の音はこの頃から曲ごとに異なってきた(何百種類ものサンプルから選んでいたらしい)。
なお曲の中では、「アオアマ」と「アカアマ」がタイトルとは逆の順序で歌われている。なぜ?
 
(5)神々の詩(海流バージョン)   かみがみのうた
シングルのExtendedヴァージョン。というよりこれがこの曲の本来の姿か。聴きごたえ十分。
アレンジはシングルと比較すると少しポップな感じ。三内丸山コンサート(1997年)で歌ったやつに近い。
イントロの縄文語のアカペラはあの『モスラの唄』を彷彿とさせる。
惜しむらくは間奏のリズムパートのブレイクの入れ方が中途半端。ここをしっかり作り込んでいたら。
 
(6)森の語り   もりのかたり
アマゾン奥地の祈祷師(医師を兼ねる)の祈りの声にぶっといベースの音などをフィーチャー。
派手さはないが、よく聞き込むと渋い。『夢幻夜行』『時空の花園』を連想させる。
古代東北の、縄文の祈りだと言われればそのようにも聞こえる。
赤道の音ネタを用いた4曲中、最も姫神テイストの濃い作品。
 
(7)霧   きり 
本アルバムでヴォーカルのないのはこの曲と後述の(10)のみ。
重くてしかも切れ味の鋭いビートが特徴。メロディーのシンセ琴の音色が懐かしい。
従来の域を出ないオーソドックスな姫神節だが、なかなかかっこよくまとまっている。
ディープ・フォレストの『アナスタシア』に出てくるのととよく似たフレーズが、
1分36秒あたりからこもった音色で繰り返される。おそらくわざとやっているのだろう。
3分31秒からの8小節はたまらん。
東北の風土が持つ「底知れなさ」を感じさせる(東北モチーフではないのだろうが)。
密林の中に突然沸き出てきて一歩たりとも動けなくなるような濃霧のイメージ。
 
(8)南天の海原   なんてんのうなばら 
『十三の春』に次いで2作目となる星吉紀の作曲(作詞も担当)。
ストリングスと縄文コーラスがスケールの大きさを感じさせるドラマティックな展開の曲。
何と言ってもメロディーラインが秀逸。なかでも最後の転調の効果は絶大。
父親の持つある種の泥臭さ(土着性)が薄く、現代的で洗練された作風である。
願わくば将来独立して、姫神とは違う独自のサウンドを作り上げてほしい、と思っていたが…
 
(9)キリバスの天使   きりばすのてんし
太平洋の島国キリバスの子供たちの歌をアコースティック色豊かに編曲。
メロディーはどこかで聴いたことがあるような懐かしい響き。
補作曲:星吉紀とあるが、おそらく間奏のメロの部分を指していると思われる。典型的姫神メロ。
テレビ「赤道特集」ではキリバスの海の映像と実によくマッチしていた。
 
(10)ひかりの雨   ひかりのあめ 
夢のように淡々と流れる優しい循環コードにのせてコブシのきいた笛の調べ。
退屈と感じるか心地よいと感じるかは人によるだろうが
私はこの感じ、嫌いではない。良質のヒーリングミュージックといった趣。
特に好みなのは間奏部分。とろとろにとけてしまいそうだ。

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SEED(シード)

 1999.10.06 発売  PCCA-01373(CD)  発売元:ポニーキャニオン

この作品は姫神ヴォイスの歌をメインに据えており、
サウンド的には縄文3部作の傾向を引き継いでいるが、通しテーマは明確でない。
姫神ヴォイスは2人増えて5人になった。
ヴォーカル入りが7曲(うち姫神ヴォイス4曲)を占める。例によって歌詞は非掲載。
ジャケットは藤原カムイの特徴あるイラストが美しい。
ディスクにもイラストが施されている。
なおこの作品のタイトルは、ポニーキャニオンの広告等によれば『SEED』だが、
CD現品の背表紙にはカタカナで『シード』と記されている。謎。

(1)序   じょ
『五月の陽はみどり』風サンプリングギターのフレーズが印象的な小品。
アルバムの導入部であると同時に、次の曲のイントロのようにも聞こえる。
 
(2)風のこころ   かぜのこころ 
縄文語によるラブソングだそうで、かつて姫神公式サイトに現代語訳が掲載されていた。
メインヴォーカルをとる梨花の歌声は日本的な感じがする。といっても民謡歌手のそれとは違う。
お約束の笛のフレーズも出てきて、おそらくこれが今回のメインディッシュ。
 
(3)草原の舞   そうげんのまい
『霧』に似た重いミディアムビートにモンゴルの馬頭琴の独奏をフィーチャー。
オットフォンバイラのヴォイスがサンプリングされ大胆に加工されている。
サウンド的には悪くないが、例によって構成がメリハリに欠けるのはどうも…
 
(4)相聞歌   そうもんか 
金延幸子・サカヴェ(パキスタンの人らしい)夫妻の何語か不明なスキャットのかけあいが中心。
聴いた瞬間、くらもちひろゆきのパフォーマンスを連想した。
人声の用い方がだんだんディープ・フォレストに似てきたような気もする。
バックトラックはハウス系。後半のところどころ、いかにも姫神という音色が聞こえる。
 
(5)森の雫   もりのしずく 
ミディアムテンポの縄文系の曲。低音のベースの響きが呪術的なものを感じさせる。
最初聴いたときはインパクトに欠けると思ったが、ライブで鑑賞して評価が一変した。
聴くごとにじわじわ味の出てくる、深みのある曲である。
エンディングの、オーボエ系の音色の節回しは姫神ならではという感じ。
 
(6)蒼い黄昏   あおいたそがれ
アンビエントでちょっとおどろおどろしい雰囲気の間奏曲。
低音のパーカッションが『夢幻夜行』っぽい。
 
(7)雲はてしなく VOICE MIX   くもはてしなく
アルバム『炎』の最終曲をミディアムテンポのリズムでリメイク。
主旋律を姫神ヴォイスが唄っている。
元アレンジ独特の広がりが感じられなくなってしまい残念だが、好みの問題だろう。
 
(8)ダマ ト パラ
姫神ヴォイスの新しい可能性が広がった作品。
歯切れのよいコーラスが攻撃的なバッキングとよく合っている。
語尾の音程が上昇・下降を交互に繰り返すなどなかなか凝っている。
縄文語のタイトルはおおよその意味はつかめたが、ここでは記さない。
 
(9)空の海   そらのうみ 
1999年7月にテレビ朝日系で放送された『ネイチァリング特別企画・チョモランマの渚』のテーマ曲。
大太鼓をフィーチャーしていて荘厳な雰囲気だ。姫神ヴォイスのハーモニーが絶品。
変に小細工しないアレンジが成功している。
タイトルは、チョモランマ(エベレスト)山頂付近の地層がかつて海の底だったことによる。
 
(10)転唱   てんしょう
『浄土曼陀羅』で披露した姫神版・般若心経のセカンドヴァージョンといえる。
前回のバッキングはエスニカルなビートが効いていたが、
今回は柔らかで優しい伴奏に包まれて、まさに極楽浄土。ヒーリング効果満点。

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未来の瞳(シングル)

 2000.07.05 発売  PCCA-01444(CD)  発売元:ポニーキャニオン

TBS系ドキュメンタリー『未来の瞳』テーマ曲。
本作には異なるアレンジの3ヴァージョンを収録。
カップリング曲を含めて、姫神特有の縄文ヴォイスと笛のフレーズが前面にフィーチャーされている。
姫神の長いキャリアの中で初めて本格的なプロモーションビデオ
(DVD『浄土曼陀羅+MORE PICTURES』に収録)が制作された曲でもある。

(1)未来の瞳   みらいのひとみ 
前作『神々の詩』が動とすれば、この曲は静といえる。
ゆっくり目のテンポで、たおやかなメロディーライン。
サビの二声のコーラスは絶品かつ爽快である。
笛のフレーズ(これもGood)は星吉昭自ら吹いたものを素材として使用しているらしい。
メロディメーカー・星吉昭の底力を見せつける佳作。
 
(2)小春日和   こはるびより 
日本の古いわらべ唄を思い起こさせる曲。
『未来の瞳』同様、この曲も縄文語で歌われているが、普通の日本語でもよいと思う。
ピアノのバッキングが妙に懐かしい感じ。
この曲は結局オリジナルアルバムには収録されなかった。シングルのほか、ベスト盤『蒼穹の声』で聴ける。
 
(3)未来の瞳(リ・アレンジ)
(1)のバッキングトラックを活かしてリミックスしたヴァージョン。
循環コードが心地よい。ファンタジックな仕上がり。
 
(4)未来の瞳(リ・コンストラクト)
演奏時間9分を超えるextendedヴァージョン。
全体の雰囲気は(1)と大きくは変わらず、リズムなどのアレンジが異なる程度。
個人的にはもっと過激なリミックスを期待していたが、まあこのくらいがよいのだろう。
むろん聴けば気持ちよくなることは言うまでもない。

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千年回廊

 2000.11.22 発売  PCCA-01488(CD)  発売元:ポニーキャニオン

姫神が活動20年目にリリースした20枚目のアルバム。中東をモチーフとしている。

2000年秋、姫神はエジプトとイスラエルでコンサートを開催したが、
その準備のため前もって現地を訪れたときの印象をまとめたのがこのアルバムである。
サウンド的には、現地の民族楽器を多少フィーチャーしているものの、
ワールドミュージック路線と言うほど民族的なサウンドメイクはしていない。
ヴォイスを前面に打ち出した姫神独自の音世界である。
シンセサイザー的な音やデジタルビートは控えめになり、アコースティック色が強い。
一方でコード進行の似かよった曲が多いのは疑問。
ジャケットは青い水中を漂うクラゲの写真。

(1)千年の祈り   せんねんのいのり 
雄大な、広がりを感じさせるオーケストラサウンド、
星吉紀が奏でるアラビック・パーカッション、
後半加わる、躍動的で力強い姫神ヴォイス、
この3つが見事に融合した、完成度の高い作品である。
個人的には、ラクダの行商の列が砂漠を横断しているイメージ。悠久の時を感じる。
 
(2)はじまりの朝   はじまりのあさ 
『小春日和』と曲構成が酷似しているのが気になるが、
曲調は対照的で、ミディアムテンポのノリの良い曲。
ヴォイスの使い方やバッキング等がこのころの典型的な姫神サウンド。
 
(3)未来の瞳   みらいのひとみ
シングル『未来の瞳』の項を参照。
 
(4)一人静   ひとりしずか
スローテンポの静かなナンバー。
タイトル共々どことなく日本的な色彩を帯びているが、
かつての『雪譜』の頃のようなあからさまなジャパネスク調ではない。
 
(5)帰らぬ日々   かえらぬひび 
中東の戦乱と平和への願いをモチーフにした曲。
大村梨花ほか姫神ヴォイスが日本語で唄っている(歌詞は残念ながら非掲載)。
星吉昭の心中がここまでストレートに楽曲で表現された例は過去にないのでは?
 
(6)旅路   たびじ
アルバム後半へのブリッジといった趣の曲。
例によって構成がやや単調なきらいがある。
ヴォイスのこぶしやかけ声が、どことなく日本民謡っぽい。
 
(7)月あかりの砂のなかに   つきあかりのすなのなかに
いわゆる姫神夜想曲の系譜に属する曲なのだろうが、
メロディーが五木ひろしの演歌のようで、どうにもすっきりしない。
星吉昭はもっと美しい旋律が書ける人のはずだが…
 
(8)死海   しかい
チェロとピアノによる『イーハトーヴォ日高見』風のクラシカルな作品。
聴く人ごとに様々なイマジネーションが広がるであろう。
 
(9)独想   おもい
冒頭のチャントは星本人による。なかなかの美声で、いい味を出している。
あらかじめ用意したサンプルネタがしっくりこず、結局自分の声を使ったという。
この曲もどことなく夜のイメージを感じる。
 
(10)あの空の下に   あのそらのしたに
姫神らしいノスタルジックなメロディーを持つ小品。
「旅の思い出を振り返るかのよう」とはあるファンの評、言い得て妙である。
惜しいのは最後、唐突に盛り上がって終わるところに違和感が。

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