All Works of HIMEKAMI

 =オリジナルアルバム&シングル(1986年〜1989年)=

は『HIMEKAMI Station』推薦曲、は当サイトの管理者が個人的に好きな曲を示します。
曲名の読み(ふりがな)は当サイトの管理者が参考のため付記したものに過ぎず、
正式な読み方を保証するものではありません。

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目次


北天幻想

 1986.09.21 発売  C28R-0138(LP)  D32R-0045(CD)
 1993.11.03 再発  PCCR-00097(CD)   発売元:ポニーキャニオン(1986年以前はキャニオン)

『まほろば』に続き平泉をテーマにした2作目のアルバム。
サポートメンバーに頼らず星吉昭が1人で制作した初の作品。

平泉がテーマだけに藤原氏の治世をモチーフにした曲がいくつか含まれるが、
私の印象ではむしろ、過去そして現在の「名もなき民の生活の匂い」を強く感じる。
サウンド面は、このころの姫神作品の特徴をなす、優美で日本的な旋律が随所にみられる。
音の重なりがやや軽い感じがするが、
これは当時の主流シンセだったYAMAHA DXシリーズの音が比較的薄っぺらいためである。
また、アルバムとしては初めてPCMリズムマシン(YAMAHA RX11と思われる)を導入。
姫神せんせいしょん時代とは全く異なったアプローチでドラムスの音色をわがものにしている。
ジャケットは夜空をバックに鉱石やかきつばた系の花が配された写真。
ライナーノートは山口勝彰の解説に加え、『月山』の作者・森敦のコメントが添えられている。

(1)大地炎ゆ−秀衡のテーマ−   だいちもゆ −ひでひらのてーま− 
奥州藤原氏三代目・秀衡が我が身亡き後の治世を憂える様を表現。姫神重厚長大路線の代表作。
この曲を聴いてNHK大河ドラマのテーマのようだと思った人は少なくないだろう。
姫神の名作といわれる曲はどれもメロディーが親しみやすく、かつ美しい。
この曲もまさにそうで、特に中間部の流れるようなメロディーは絶品である。
後に『炎』でリメイクされるが、アレンジや雰囲気はあまり変わらない。
 
(2)月のあかりはしみわたり   つきのあかりはしみわたり
しみじみとしたメロディーの美しい曲。こういう曲は日本人でないと作れない。
雰囲気としては毛越寺の苑池に映る満月といったところか。
私はこのアルバムを聴いていると、全体的に「秋の夜」のイメージが浮かんでくる。
 
(3)平泉−空−   ひらいずみ −そら−
栄華の時を経て再び静かな農村に戻った平泉ののどかな田園風景という感じ。
民衆の普段着の生活が見えてくるようだ。空はいつの時代も人々の生きざまを優しく見おろしている。
アレンジは控えめ。竹のパーカッションの音が耳に残る。
 
(4)白鳥伝説   しらとりでんせつ 
ライナーノートには源義経の伝説がモチーフと書いてあるが、
原曲は以前NHK特集『幻の巨大魚タキタロウを追う』に使用されている。
どちらが真のモチーフかは定かでない。
それはさておき本作はいかにも姫神という曲で、全編にわたってシンセ笛がコブシを回しまくる。
中間部の、万華鏡のように展開するシーケンスの部分が、北へ落ち延びる義経の数奇な運命を巧みに表現。
曲構成は『明けもどろ』に似ていなくもない。
 
(5)遠い音   とおいおと 
これもいかにも姫神らしい、日本的な懐かしさを感じさせる曲。どこか小京都っぽい。
山口勝彰はライナーノートでこの感じを「清明清浄感」と表現している。
親しみやすいペンタトニックの主旋律もさることながら、
2コーラス目から加わる副旋律がこの曲の重要なポイント。
リズムマシンをなかなか効果的に使っている。
詞をつけて「歌もの」にしてもいいかもしれない。
 
(6)組曲「北天幻想」   くみきょく ほくてんげんそう
初めて「組曲」というスタイルをとっている作品。4曲からなる。
本作は曲ごとの独立性が強く、各曲それぞれで十分鑑賞に堪えうるのだが、
CDでは2曲目以降の頭出しができないのがとにかく不便。
次回の再発売時に改善してほしい。
 
 イ.序〜北狼の群れ   じょ 〜ほくろうのむれ
小鳥のさえずる平和な山野に何やら不穏な空気。そして突如として戦乱の嵐。
テンポの速いビートはこれまでにないサウンド。左右に飛び交うハンドクラップがかっこいい。
しかし後の『炎の柵』などに比べ重厚さに欠ける面は否めない。当時の流行りの音だからしかたないが。
戦の終わりは唐突。
 
 ロ.毛越寺   もうつうじ
毛越寺の声明をフィーチャーしたノンビートの曲。動から静への急展開。
人声を加工せず曲に取り込んだのは『えんぶり』以来2作目。
声明が妙に宇宙的な広がりと深さを感じさせる。
鐘や木魚を模したSE音、稚児の声のようなシンセヴォイスが不思議な雰囲気を醸し出す。
 
 ハ.北天を翔る   ほくてんをかける
組曲のいわばメインディッシュ。
主題は『海道を行く』に似たゆったりとしたメロ。
中間部は音数を抑えたシンプルな曲調。演奏開始から12分台のあたりがなんとも切ない。
YAS-KAZ風の音圧のある大太鼓が加わって主題部を繰り返す。
 
 ニ.常夜   じょうや 
静かに更けていく北の夜。透き通った笛の音に心なしか寂しさを感じる。
早く家に帰らねばという気にさせられる。
途中から水沢市(現:奥州市)「蘇民祭」のかけ声やたいまつ(かがり火?)の火がパチパチと燃える音が入る。
最後、柔らかな音色による旋律が心を捉えつつフェイドアウトして終わる。余韻が残る。

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雪譜(せつふ)

 1987.11.06 発売  C28R-0148(LP)  D32R-0055(CD)
 1993.11.03 再発  PCCR-00098(CD)   発売元:ポニーキャニオン

北国の冬を彩るさまざまな「雪」の姿を詩情豊かに表現した作品集。

アルバムタイトルは、江戸時代に雪国越後の暮らしぶりを記してベストセラーとなった
鈴木牧之『北越雪譜』(ほくえつせっぷ)からきていると思われる。
日本の雪の情景を、いかにも日本らしく、姫神独特の透明感でもって表現した本作は
『北越雪譜』に負けずとも劣らない。個人的にはお気に入りの1枚である。
サウンドは相変わらずYAMAHA DXシリーズの音がメイン。
特にベル系、クワイア(人の合唱)系の音など、ほかのシンセではなかなか作れない音が活躍しており、
それらの音色がさまざまな雪のありさまを繊細に紡ぎだしている。
また、本作では初めてPCMサンプリングシンセ(CASIO FZ-1)が使用されている。
今となっては珍しくないが、当時はその生々しい音に強烈なインパクトを受けたものだ。
さらにペッカーがパーカッションのサポートに入り、存在感のあるワンショットを聴かせてくれる。
ジャケットは金色と緑を基調にしたリトグラフ(石版画)。雪片の舞い落ちる様をイメージしたかのよう。
初版(1987年発売分)のライナーノートには、そのリトグラフの作者・侑胤(うつぎ)が難解なエッセイを提供。

(1)細雪   さざめゆき 
個人的にかなり好きな曲。
コードの展開(特にテンションノートの入れ方)が素晴らしいの一語。
メロディーはそのコードの上に1音1音置いていくような感じ。
寒々とした、そして凛とした透明感が漂う。この音風景は日本以外の雪では考えられない。
収束前のしばしの無音状態がまた効果的。
いつ止むとも知れず雪は降る、全てのものを埋め尽くすように…
 
(2)青らむ雪のうつろの中へ   あおらむゆきのうつろのなかへ 
情感あふれるメロディーは多少こぶしが回っているが、あまりしつこい感じはしない。
副旋律との相性もよい。
バックで鳴っているシンセストリングスが徐々に盛り上がり、
大サビのストリングス・クワイアの厚みは精緻な織物のごとし。
タイトルのとおり、雪の中へ吸い込まれていくようだ。
(雪を「青」と表現したのはいかにも星吉昭らしい)
 
(3)雪光る   ゆきひかる 
雪が降り止んだ翌日の晴れわたった景色を連想するさわやかなナンバー。光がまぶしい。
バックのエレピやサビのハープ風のフレーズの印象が強い。
前のアルバムで大活躍したリズムマシンは、本アルバムではこの曲にしか使われていないようだが、
きっちりとしたビートが作品を引き締めている。個人的にはシンバルの鳴り具合が好み。
 
(4)雪桜   ゆきざくら
これもメロディーそのものより、ハーモニーの展開で聴かせる曲。
演奏にニュアンスを出すため、音量に微妙な強弱が付けられている点に注意。
なお、メロを取っている口笛の音はこれ以後しばしば登場することに。
 
(5)ひとひらの雪   ひとひらのゆき 
いわゆる「日本人にしか作れない」タイプの曲。
前半はわびさびを感じさせるシンプルなサウンド。後半ではアルペジオが日本情緒を盛り上げる。
奥ゆかしく自己主張していないようなメロディーであるが、よく聴けば流麗で味わい深いものがある。
また、ペッカーが叩いていると思われるパーカッションには、
ワンショットから次のワンショットまでの「間」が感じられる。日本庭園の鹿おどしのように。
 
(6)雪野   ゆきの
『北天を翔る』と同系統の、姫神らしい田園の広がりを感じさせる曲。
シンセストリングスの柔らかなハーモニーが心地よい。
コンサートでは生の弦楽四重奏で演奏されたこともある。
環境DVD『日本 空からの縦断 Part3 Vol.8 火山と湖の道 北海道』では、
この曲がBGMとしてリメイクされ、8分にもわたる雄大なヴァージョンを聴くことができる。
 
(7)雪中の火   せっちゅうのひ
ビート感が全くなく環境音楽っぽい。それだけに聴いていて多様なイメージが去来する。
「つかみ所がない」と言えないこともない。
『浄土曼陀羅』では多少アレンジされて毛越寺の「延年の舞」にフィーチャーされたりしているが、
わたしはあまりいいと思わない。
 
(8)風花   かざはな 
サンプリングされたピアノの細かいシーケンスフレーズがこの曲の聴きどころ。
ベースのパート(これもGood)をウッドベースで演れば完全にジャズである。
ピアノ+ベース+ドラム+フルート+ウィンドシンセというセッションで
ライブで演ってくれたらシビレてしまいそうだ。
星吉昭の音楽的引き出しの広さを改めて認識。
 
(9)ましろに寒き川   ましろにさむきかわ 
かつてこれ以上に寒々とした曲があったろうか。他に類を見ないほどの悲哀感が漂う。
特に主旋律と副旋律のからみあうあたりでは思わず涙しそうになる。
最終のコードがマイナーでなくメジャーなので何とか救われる。
 
(10)沫雪   あわゆき 
最後は春の雪解けを彷彿とさせる希望に満ちた曲で締めくくり。
2種のアルペジオが並走して曲の骨格を形づくる。
途中挿入されるピアノとピチカートのサンプリング音が鮮烈。
エンディングはボレロのよう。
ただこの曲、何かの古い映画音楽(タイトルが思い出せない)に似ているような気もする。

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時をみつめて −「第32回ゆく年くる年」より−

 1988.03.05 発売  D30R-0059(CD)
 1993.11.03 再発  PCCR-00099(CD)   発売元:ポニーキャニオン

1987年から1988年にかけて放送された全民放テレビ『第32回ゆく年くる年』のサウンドトラック。

除夜の鐘の中継でおなじみの『ゆく年くる年』は、かつてNHKとは別に「全民放ヴァージョン」が放送されていた時代がある。
毎年東京キー局が持ち回りで制作し、系列を超えて全国の民放に流していた。
1987年から88年にかけてはフジテレビが制作を担当したが、同局がポニーキャニオンと同系列ゆえか、
音楽は姫神に白羽の矢が立った(本人は出演していない)。
このアルバムは番組内で使われた5曲を収めた、いわば企画もので、テレビ番組向けに制作されたこともあって、
姫神テイストが薄いのが個人的には不満だが、作品の性格上やむを得まい。
サウンドは従来どおりYAMAHA DX系の音が主体。
手元にある1988年発売の初版では解説は添付されず、代わりに曲のモチーフとなった場所の写真が添えられている。

(1)前奏曲−時をみつめて−   ぜんそうきょく −ときをみつめて−
メインテーマのショートヴァージョン。番組のオープニングで使われたものだと思う。
 
(2)1988   いちきゅうはちはち?せんきゅうひゃくはちじゅうはち?
番組中で、1988年を迎えると同時に、瀬戸大橋の周りで盛大な花火を打ち上げた時のBGM。
イントロから導入部にかけては派手な打ち込みサウンドで、シンセブラスのファンファーレが来る年を祝う。
ティンパニーやシンセ・タムなど、普段使われない音色が雰囲気をいっそう盛り上げる。
中間部の曲調は抑えめで、姫神らしい笛のメロディーが聴ける。
最後は再び派手なファンファーレで締め。
 
(3)陽   ひ 
日本が真夜中の時、南太平洋は朝。ということでこの曲はタヒチ・モーレア島に昇る朝日がテーマ。
(番組中で生中継があったような記憶あり。以下同様)
エレクトリックピアノの伴奏にのせて、幻想的なメロディーがカノン形式で反復される。
神々しさを感ぜずにはいられない。
この曲も随所で姫神ならではの笛の節回しが聴ける。
 
(4)白い日は踊る   しろいひはおどる 
日本の正月は、ブラジルでは真夏。この曲はイパネマ海岸の灼熱の太陽がテーマ。
低音によるリフが南国らしさを、ベル系のシーケンスがキラキラと降り注ぐ日射しを巧みに表現。
少ない音数ながら手堅くまとめている。
まるで姫神らしくないが個人的には嫌いではない。
お求めに応じてどんな曲でも作りまっせ(笑)という星吉昭の「気合い」のようなものも感じられる一品。
 
(5)カイロ   かいろ
日本が深夜なら、エジプトは夕方。この曲はピラミッドの彼方に沈む夕陽を描いた曲。
『北天を翔る』『雪野』の流れを受け継ぐ親しみやすいメロディーだが、
予定調和的でもうひとつ面白味に欠ける。エジプトらしさは感じられない。
出だしのメロが喜多郎っぽい。
 
(6)テーマ−時をみつめて−   てーま −ときをみつめて−
メインテーマのフルヴァージョン。
テーマ曲として無難にまとめてはいるが、この曲も予定調和的。
なにより姫神特有の「風景」が頭に浮かんでこない。

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姫神 風土記

 1989.03.21 発売  D32R-0069(CD)
 1993.11.03 再発  PCCR-00100(CD)   発売元:ポニーキャニオン

姫神の生活と音楽活動の拠点・岩手県田瀬湖の四季のうつろいを題材にとったアルバム。

家族もろとも移り住んだ田瀬湖の春夏秋冬、
そしてそこでの日々の生活からインスパイアされたものを曲に仕立てているようだ。
サウンド面ではPCMシンセの名器KORG M1が大活躍、
あちこちで特徴のあるサンプリング音を聞くことができる。
前作までみられた姫神ならではの民俗的・日本的な色彩は薄まり、
「アク」が抜けたかのようなさらっとした仕上がり。
このサウンドキャラクターが次作『イーハトーヴォ日高見』へとつながっていく。
また、自然界から拾った音などを曲の合間にSE的に挿入しているのが少し変わった趣向。
耳障りにならないよう、音量はかなり小さく抑えられている。
1989年発売の初版のジャケットはプラケースではなく厚紙でできており、
見開きには春夏秋冬の4文字が草書体で大きく書かれていて
それぞれの季節をイメージした短い詩が添えられているが、
言葉づかいから星吉昭の作と思われる。

注:以下の曲名の「〜」ではさまれた部分は曲間のSEを指していますが、
  どういう音なのかタネ明かしをするとつまらなくなるのでここでは述べません。
  ぜひ現物を聴いてみてください。

(1)春萌え〜せせらぎ清浄〜   はるもえ 〜せせらぎせいじょう〜
テレビ朝日系の旅番組『旅・ここが知りたい!』のエンディングテーマに使用された。
いわゆる姫神節だがアレンジは以前ほど泥臭くない。
後半の節回しがアドリブっぽくて好きだ。
春の訪れを感じさせる爽やかなナンバー。
 
(2)白山〜水、沁みる〜   はくさん 〜みず、しみる〜
奥州藤原氏と関係があるという、北陸の白山に因む曲。
1988年8月の岐阜県白鳥町(現:郡上市)コンサートで披露された曲『清浄白山』がベースとなっているらしい。
信仰の山にふさわしい神々しい感じがよく出ている。
私のイメージ的には冬から春にかけての冠雪した山容。
出だしのメロが次の『風の旅』と似ていなくもないが…
 
(3)風の旅〜砥森の声〜   かぜのたび 〜ともりのこえ〜 
前述した『旅・ここが知りたい!』のオープニングテーマ。
タイトルどおり旅心誘われる佳作でこのアルバムではイチ押しの曲。
なかでもイントロの入り方と、サビのフォルクローレっぽい笛のハモリの部分がお気に入り。
いろいろとパーカッションを使用しているが、もう少しビート感・グルーヴを出しても良いように思われる。
ちなみにSE名にある「砥森」とは田瀬湖のそばにある砥森山(670m)のこと。
 
(4)五月の陽はみどり〜たせ小学校の午後〜   ごがつのひはみどり 〜たせしょうがっこうのごご〜 
『陽』でもみられたI→IIm7の循環コードが曲の骨格。
姫神特有の透明感にあふれている。青空と強い日射しに映える新緑がまぶしい。
ピアノ風のバッキングは実はM1のギターの音を使っている。
これもM1の、プリセット音色をそのまま使った笛のようなSE音が独特の浮遊感を感じさせる。
 
(5)空と雲と友と〜白い波〜   そらとくもとともと 〜しろいなみ〜 
シンセストリングスのクラシカルで重厚な響きが印象的な曲。
主旋律のハーモニカやオーボエ(M1!)、後半のマンドリン風トレモロ(これもM1…)など
アコースティック楽器のサンプリング音色が効果的。
それまでの姫神らしさとは少し違う世界だが、
前の『五月の陽はみどり』とあわせてこのあたりが本アルバムの聞きどころであろう。
幼い頃の記憶を覚醒させる。あるいは宮澤賢治の童話の趣。
 
(6)翼〜もがり笛〜   つばさ 〜もがりぶえ〜
ギターのスリーフィンガー調のバッキングをデジタルピアノ風の音で奏でるあたりがユニーク。
パーカッション類をあえて使っていない点も。
曲のテンポはそう速くないにもかかわらず、不思議なスピード感が漂う。
 
(7)秋の二夜〜遠野ものがたり〜   あきのふたよ 〜とおのものがたり〜
『ひとひらの雪』などと同じジャパネスク路線。
日本の夜はしみじみ更けて行く。囲炉裏(いろり)端のイメージ。
 
(8)中野ばやしの夜〜のこり火〜   なかのばやしのよる 〜のこりび〜
元ネタは、岩手県岩泉町の「中野七頭舞」(なかのななずまい)だそうである。
せんせいしょん時代を思い出す、シンセ笛がファンキーな姫神風祭り囃子。
しかしこの曲も構成が一本調子なきらいがある。
これこそヴォーカルを加えるとおもしろくなりそうな気がするのだが。
当時のコンサートではこの曲に合わせて舞を演じたのだろうか。ぜひ実物を鑑賞したいと思う。
 
(9)星はめぐり〜雪わたり〜   ほしはめぐり 〜ゆきわたり〜 
そのタイトルから宮澤賢治が作った『星めぐりの歌』をつい想起するが
たぶん関係はないだろう。旋律も全く違う。
1回聞いたら忘れない親しみやすいメロディーは相当に歌ものっぽい。
この作品には「隠し歌詞」があるのでは、と私は勝手に思っている。
 
(10)峰の白雪 消えやらず   みねのしらゆききえやらず
こぶしまわりまくり。最後を締めるにふさわしいスケール感のある曲。
ただ、今になって『東日流笛』『都母之謡』あたりと聴き比べると、
PCMシンセ笛の表現力の乏しさが否応なくわかってしまうのもまた事実。
(これでも当時は最先端の音色だった)

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