佐藤将展が過去に手がけた作品について

はじめに

 このページでは、せんせいしょんの中心メンバーである佐藤将展氏がこれまで手がけてきた主な作品を列挙・紹介しています。
 (2008年2月27日ページ公開/2008年3月27日最終更新)

 佐藤氏が姫神せんせいしょん時代に一部の曲の作曲を担当していたことは、古くからの姫神ファンなら周知のはずです。 しかし、姫神せんせいしょん解散後の彼は、主に岩手県内のテレビ番組やCMの音楽を制作する「地域密着型商業音楽家」としてのキャリアを積み重ね、 いっぽうで自身名義の作品をリリースすることはほとんどなかったため、岩手県外でその活動実態が知られることはほとんどなかったと思われます。 一時期、ある姫神ファンサイトで佐藤氏の近況が紹介されたこともありましたが、該当ページは既に見られなくなっています。

 そこで私は、せんせいしょん再結成を機に、佐藤氏の業績について新たに調査し直してみました。 JASRACの作品データベースで著作権者の欄に『佐藤将展』(『佐藤SHOTEN』名義のものもある)と入力して検索してみたら、出るは出るは… 姫神こと星吉昭氏と袂を分かった佐藤氏は、私が姫神の曲を聴き続けてきた20年以上もの間、 私の知らないところで、実に多彩な作品を生み続けていたのでした。
 これらの作品群のうち、さらにネット上で調査をかけ、ある程度曲の概要が明らかになったものについて、 以下に列挙していきます。 佐藤氏本人にとっては昔の作品をほじくり返されていい迷惑かもしれませんが(笑)、ちょっと調べれば誰でもわかることですし、 なにより彼の音楽的引き出しの広さが読みとれる内容なので、本人の意向とは無関係に、公開することにします。

 なお、以下で紹介する作品のうち、姫神せんせいしょん・せんせいしょん以外の作品については、私はレコード・CD等の実物を一切持っていません。 姫神の市販作品はレアアイテムも含めて相当数そろえている私ですが、岩手県外に住む者が佐藤氏関連の市販作品を入手することは一般的には困難です。 すべてを所持している人がいるとすれば、おそらくそれは佐藤氏本人のみでしょう。

主な作品一覧

 この項は情報が必ずしも正確なものであるとは限りません。
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(わかりやすく言うと、wikipediaでなら、記事のネタにしてもいいですよ、間違いは適宜直してくれていいですよ、翻訳してくれてもかまいませんよ、 でも私以外が書いた部分は関知しませんよ、ということです)

 レコード・CDの再発売分については割愛しました。また他のサイトへのリンクは、佐藤氏の事務所へのものを除いて、意図的に張っていません。敬称は略しました。

姫神せんせいしょん時代(1981〜1983年)

 グループ結成時からのメンバーとして、ドラムス、パーカッション、レコーディングエンジニアを担当。 『遠野』以外のアルバムでは編曲者が『姫神せんせいしょん』となっているので、アレンジ作業には佐藤も参加していると思われる。

奥の細道(シングル) [姫神せんせいしょん]
1981.02.21 発売  7R0002(EP)  発売元:キャニオン
奥の細道 [姫神せんせいしょん]
1981.08.?? 発売  C28R-0080(LP)  発売元:キャニオン
遠野 [姫神せんせいしょん]
1982.02.21 発売  C28R-0087(LP)  発売元:キャニオン
姫神 [姫神せんせいしょん]
1982.08.21 発売  C28R-0099(LP)  発売元:キャニオン
姫神伝説 [姫神せんせいしょん]
1983.12.05 発売  C28R-0115(LP)  発売元:キャニオン

 『リ・ア・ス』『岩清水』『水車まわれ』『貝独楽』『うたげ』『桐の花むらさきに燃え』の6曲を佐藤が作曲した。 個々の作品の詳細については『HIMEKAMI Station』をご覧ください。
 なお、当時の作品のうち、後に姫神のベストアルバムに収録されている曲は、ほとんど星吉昭が作曲したもので、 佐藤が作曲したものは1986年発売の『姫神スーパーベスト』に収められた『桐の花むらさきに燃え』のみである。

姫神せんせいしょん解散後(1984〜2007年)

 個人事務所『オッド・イーブン』を設立(時期は不明)し、 地元放送局・企業のニーズに合わせた音楽を長年にわたって作り続けていたようだ。 オッド・イーブン公式サイトでこれらの一部を試聴することができる。 また他の歌手や企画ものアルバムへの曲提供、編曲なども行っているが、そのジャンルはJ-POP、演歌、ヒーリング系インストゥルメンタル、ハウス系と多彩である。
 変わったところでは、絵本・童話作家である小野寺悦子(元IBC岩手放送社員)とのコラボレーションで、 子供向けミュージカル『ちびすけのぼうけん』『これこれお日様』の劇中音楽を作曲。 『わたしのベタベタちゃん』『ヘイヘイヘイホイホイホイ』など、ゆかいなタイトルの曲が多い。
 佐藤個人の音楽活動としては、一時期『エレクトリック・ファンデーション』というユニットを結成していた。 詳細は不明だが、佐藤のほか少なくともキーボーディストの北田了一が参加しており、 演歌歌手・琴けい子のバックバンドも務めたりしていたことが、かつて北田本人のWebサイトに記されていた。

 ここからは、佐藤がこの時期に関わった主な作品を、レコード・CD発売されたものを中心に挙げる。 特記のないものは、少なくとも佐藤が作曲を担当していることだけわかっている。

素敵にきらめいて [タケノコの子合唱団]
1985年ごろ?発売  AG07-29(EP)  発売元:不明

 姫神せんせいしょん解散から1年ほど経ってから手がけたらしい作品。
 歌うのはIBC岩手放送アナの菊池幸見、村井博子によるユニット。 この曲、IBCのチャートで上位に食い込み、地元ではだいぶ話題になったらしい。

約束SUMMER [生粋娘]
1988.07.21 発売  SV-7693(EP)  発売元:ビクター

 生粋娘(なまいきむすめ)は女性3人組ユニット。 盛岡市の酒造会社『あさ開(あさびらき)』のキャンペーンガールだったらしく、本作以外にレコードリリースは確認されていない。

夜にひとり [朝川麻里子]
1992.10.21 発売  CEDC-10171(8cm-CD)  発売元:センチュリー

 演歌・歌謡曲系の作品と思われる。

夫婦居酒屋 [おさだたいじ]
1993.11.26 発売  KIDX-137(8cm-CD)  発売元:キング

 歌うのは『スター誕生』出身の演歌歌手。旧名『長田たいじ』。

Dancing in Paradise [木本由美]
1994.12.16 発売  品番不明(8cm-CD)  発売元:日本クラウン

 安比高原スキー場のCMソングとして作られたらしい。

浮世からくり物語 [三浦良太]
1995.08.23 発売  KIDD-1515(8cm-CD)  発売元:キング

 シングル『惜別雪』のカップリング。演歌?

未知の国へ =To the Fantastic Land= [佐野より子]
1996年ごろ?発売  品番不明(TAPE)  発売元:不明

 岩手県川井村『赤ベコ共和国』イメージソング。一時、川井村の関連サイトでストリーミング配信されていて、なかなか良い曲だった。
 佐野は後に「姫神ヴォイス」の一員となる。2008年3月現在、FM岩手パーソナリティ(表記は『佐野よりこ』)。

宮沢賢治生誕百年 宮沢賢治の世界 〜イーハトーヴ・光と風の贈りもの〜
1996.07.26 発売  IBC-0002(CD)  発売元:IBC岩手放送

 全10曲からなるイメージアルバムで、佐藤が編曲・演奏している。
 『牧歌』をはじめ宮澤賢治が作ったり詞を付けたりした曲がメインだが、『ウィンド』『Twinkle』の2曲は佐藤の作曲と考えられる。
 賢治の故郷である花巻市の市立図書館に所蔵されている。

そよ風にのって [ザ・ビタミンK]
1996.10.25 発売  APDA-202(8cm-CD)  発売元:バンダイミュージック

 IBC岩手放送『どんchanパラダイス』イメージソング。 ザ・ビタミンKはIBCアナの神山浩樹、風見好栄ほかによるユニット。 このほか、佐藤が作曲し、ザ・ビタミンKが歌う 『食パラダイス岩手'96』テーマソング『PAKU-PAKUパラダイス』という歌があり、 オッド・イーブン公式サイトで聴ける。

めかぶのうた [谷村千里]

 大船渡市の水産加工会社『尾坪商店』が2003年6月に制作した『おつぼのめかぶ』CMソング。 地元岩手では有名な歌だそうで、会社公式サイトからダウンロードが可能。
 谷村(現姓:内藤)は盛岡のゴスペルユニット『シモンズカンパニー』メンバーで、県内の矢巾町出身。 佐藤が作曲し谷村が歌う、岩手県歯科医師会「イー歯トーブ8020」(笑)のテーマ曲『8020元気な歯』という歌もある。

FURUSATO 〜桃源郷イーハトーヴの四季〜
2003.12.17 発売  COCQ-83716(CD)  発売元:コロムビア
桑島法子のイーハトーヴ朗読紀行 〜宮沢賢治「銀河鉄道の夜」「春と修羅」〜 [桑島法子]
2003.12.17 発売  COBC-4277(DVD)  発売元:コロムビア

 IBC岩手放送開局50周年記念企画。
 前者はIBCと関係の深い岩手出身のミュージシャンを総動員して作られた、イーハトーヴのイメージアルバム。 全15曲中、佐藤は11曲の作曲・編曲・演奏に関わる。コロムビア公式サイトにサンプルあり。
 後者は、これも岩手出身の人気声優・桑島がライフワークとする宮澤賢治作品の朗読と、 前者CDのサウンドトラックを組み合わせた映像作品。

GAMUSHARA〜明日に向かって〜 / Dancing in Paradise [Love Yours]
2004.04.29 発売  KR-0011(CD)  発売元:クレシェンド

 女性6人組の花巻発ローカルアイドルのデビュー曲。 カップリングは1994年木本由美に提供した曲のカバーヴァージョンで、 オッド・イーブン公式サイトでさわりが聴ける。
 このユニット、最終的にメンバーが3人まで減り、結局2005年解散。

アンタ / 純情産地ときめきブルース [ふじポン]
2004.10.xx 発売  品番不明(CD)  発売元:不明(インディーズ?)

 盛岡市出身で、岩手を中心に活動する女性ローカルタレント。タイトル曲『アンタ』はふじポン本人の作詞。

あなたが側にいるだけで [つばさ]
2005.08.01 発売  XDCS-1003(CD)  発売元:エッグファクトリー

 秋田出身の女性歌手。

TONE−蕩音 [松田隆行]
2005.12.24 発売  HDSH-3003(CD)  発売元:IBC開発センター

 青森県出身の津軽三味線奏者、民謡歌手のセカンドアルバム。姫神と関係の深い畠山孝一に師事した経歴あり。せんせいしょんの『桃源郷』にゲスト参加している。
 佐藤はテクノ-ハウス調バックトラックの編曲とプログラミングを担当しているらしい。一部の曲は、松田本人の公式サイトでサンプルが試聴可能で、せんせいしょんの再起動コンサートでも披露された。

緑の中で… [清心]
2006.08.02 発売  TKCA-73092(CD)  発売元:徳間ジャパン

 清心(きよみ)は北上市出身、マンドリン弾き語りスタイルの女性シンガー。 この曲は『花と緑のガーデン都市づくり−盛岡−』イメージソングで、セブンアンドワイのネットショップに試聴用サンプルがある。佐藤は編曲を担当。

ラップIWATE弁 [菊池幸見 with わげスターズ]
(アルバム『岩手弁「方言詩の世界」〜少年時代編〜』に収録)
2006.12.20 発売  TKCA-73155(CD)  発売元:徳間ジャパン
岩手の男なら [菊池幸見]
(アルバム『岩手弁「方言詩の世界」〜純情編〜』に収録)
2007.08.03 発売  TKCA-73229(CD)  発売元:徳間ジャパン

 『タケノコの子合唱団』にも参加していた菊池は、IBC岩手放送の名物アナウンサー。遠野市出身。 両曲とも、朗読集の最後にそれぞれボーナストラックとして収録。 佐藤が補作詞も手がけた『ラップIWATE弁』のサンプルをセブンアンドワイのサイトで聴いたが、なんとも微妙な出来映えで、笑える。

唄ってゆこうほととぎす [井上ゆかり]
2007.10.24 発売  COCF-71144(CD)COTF-5340(TAPE)  発売元:コロムビア

 岩手県出身の民謡歌手のアルバム。『唄ってゆこうほととぎす』『潮花吹雪』の2曲を佐藤が提供。

いつか、この日が… [秋本清・秋本絢子]
2005年?発売  品番不明(8cm-CD)  発売元:不明(自主制作?)
団塊夫婦 / 昭和生まれ [清&絢子]
2007.11.07 発売  TKCA-90240(CD)  発売元:徳間ジャパン

 さいたま市で水道工事業を経営する、自称「歌う水道屋夫婦」。妻の絢子が二戸市出身。 二人は印税をもとに車いすの寄付を続けている。

せんせいしょん再結成後(2008年〜)

桃源郷 [せんせいしょん]
2008.01.23 発売  YZKZ-50001(CD)  制作元:風 販売元:ファーストディストリビューション

 アルバムのプロデュースのほか、全11曲中、6曲の作曲と10曲の編曲、またドラムスの演奏とプログラミング全般を担当。 詳細は「せんせいしょん『桃源郷』について」をご覧ください。

所感

 上のリストから明らかな点。
 一つは、IBC岩手放送絡みの曲が多いこと。ここはもともと姫神せんせいしょんデビューのきっかけを作った放送局で、 そのときからの関係が続き、多くの仕事を任されるようになったと考えられます。 IBCは地元ミュージシャンの育成に熱心だったことも関係しているかもしれません。
 もう一つは、ほとんどの作品がどこかしら岩手県に関連していること。 IBCが多少絡んでいることもあるのでしょうが、地元の企業や広告代理店から一定の評価を得られていることが伺われます。
 リストにはありませんが、佐藤氏は岩手ローカルの番組・CMの音楽を数多く手がけています。 言ってみれば岩手県民の生活に密着した音楽をたくさん作り続けてきたわけで、そう考えると、 せんせいしょんの曲に現代の盛岡の雰囲気が漂っていても何ら不思議ではないことに気づきます。 佐藤氏は、かつての盟友・星吉昭氏とは異なるスタンスながら、あくまで岩手に根ざした活動を続けてきたのです。

 ところで、佐藤氏は星氏と異なり、自らアーティストとして作品を発表することがほとんどなかったのはなぜでしょう。

 CM音楽やテレビ番組のテーマ曲の制作は短いフレーズでキャッチーなメロディーを作る必要があり、 ある種の職人芸に通ずるものがあります。 この分野の先達としては「なにわのモーツァルト」キダ・タロー氏が有名ですが、 キダ氏の編み出すフレーズは特徴があり、聞けばすぐわかる独自の作風が認められます。 一方、佐藤氏のCM・テレビ音楽には、私の聞いた限り、キダ氏のような、特徴的な共通点を認めるのが困難です。

 これはあくまで私の推測です。
 佐藤氏は、あまりにも多彩なジャンルの注文をこなし続け、その分野で身を立てることには成功したものの、 それゆえ逆に自分の世界を確立し損ねた、と本人自身が感じていた、そんな気がします。 星氏から「お前は"せんせいしょん"をやれ」と言われながら、星氏の生前それを果たせなかったことも、 そのあたりが背景にあるのではないでしょうか。 むろん、単にアーティストとしての活動に興味がなかっただけだ、という可能性もあります。

 しかし、奇しくもその星氏の死がトリガーになって生まれたせんせいしょんの『桃源郷』は、 間違いなく、ほかのアーティストには真似できない、せんせいしょん独自の音楽世界を創り上げていると言えるでしょう。
 せんせいしょんのメンバー3人には、今後もその世界を広げていってほしいですし、 広げていけると、私は確信しています。

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