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ミミズ君の友達」

 

里山の木々たちは若葉を大きくして山の景色を変えて賑やかな夏を待って

おりました。

 

八十八夜も過ぎて太陽さんは暖かい陽ざしを山里いっぱいに送ってきてお

りました

 

「あたたかくて気持ちいいなー」

ミミズ君はからだいっぱい伸ばして暖かくなった太陽を見ながらキョロキ

ョロと辺りを見回したらサンショウの若芽のかげでイモムシさんが楽しそ

うに食事している所へ声を掛けました。

 

「イモムシさんあたたかくなったけど夏は好きかい」

「あーらミミズ君わたし夏はだーい好きよ楽しいことがいっぱいあるかね」

 そこへジムシ君がむくりと顔を出しました。

 

  「ぼくも夏は大好きなんだ」

ミミズ君は楽しいことが気になり聞きました。

  「イモムシ君はどうして夏が好きなの」

  「ぼくは夏になると旅に出るんだ」

するとイモムシさんもいいました

 

  「わたしも、もう少しあとになるんだけど旅に出るつもりよ」

  「ジムシ君とイモムシさんが旅に行くのならぼくもつれてってくれな

いかなー」 

   

ジムシ君がたのむように言いました。

  「連れて行きたいのだがぼくは大空を飛んで行くんだよ」

  「わたしも早くは飛べないけど楽しいのよ」

  「どうしてジムシ君もイモムシさんも大空を飛んでいくの」

 

ミミズ君はジムシ君とイモムシさんが大空を飛んで行くのだと言うがどう

して飛ぶのかまったくわかりませんでした。

 

  「ジムシ君とイモムシさんはぼくを連れて行くのが嫌いで大空を飛ん

で行くのだなどと言うのだろうー」

 

ミミズ君は怒ってしまいました。

 

   「ごめん、ごめんミミズ君を連れて行くのが嫌いで言うのではな

いよ、ぼくはこれからサナギになって、それからカブトムシに変身してか

の事なのだよ」

 

イモムシさんも続いていいました

 

   「わたしもこれからジムシ君と同じくサナギになってひと休みして

からアゲハチョウになってから旅に出るのよ」

 

   「そうかージムシ君とイモムシさんは変身するんだね、ぼくは知ら

なかったので怒ったりしてごめんなさい、そうなるとジムシ君とイモムシ

さんにはもうあえなくなっちゃうのだね」

 

ミミズ君は悲しくなり泣きべそをかいてしまいました。

 

   「ミミズ君はいつもこの辺りに居れば時々来て旅の話をするよ」

続けてイモムシも言いました

   「わたしも来てお話するね、だけど遠くへ行ってしまうとミミズ君

の居るところ分らなくなってここへ来られるか心配だわ」

   「そんなに遠くへ行ってしまうのかー」

   「ぼくもミミズ君の居る所探せるか不安だなー」

   「するとイモムシさんもジムシ君も旅の話を聞かせてくれると言う

のはぼくを置いて行くためのなぐさめを言ったんだな」

 

ミミズ君はまた怒ってしまいました

 

   「怒らしてごめんぼくはクヌギの木の液が大好きだから好きな液を

出すここにあるクヌギの木があればかならず見つけて来るよ」

 

イモムシさんも言いました

   「わたしはこのサンショウの木が目安だから必ず来ますよ」

   「そんなこと言ってクヌギの木やサンショウの木はほかにもたくさ

ん有るのだよね」

ミミズ君は下を向いて泣きべそかき涙してしまいました、しばらくして言

いました

   「ジムシ君イモムシさんぼくは誓います、一生懸命に土を耕してク

ヌギの木とサンショウの木を大きく育てて遠くからでも見つかるように致

します」 

ミミズ君はしんけんにジムシ君とイモムシさん誓いました。

それから何日かしてイモムシさんは朝早くにサナギからアゲハチョウに変

身して旅たちました。

 

またそれから少し遅れてジムシ君も旅たつ用意をしている所へミミズ君が

頭を出しました。

 

   「ジムシ君ともしばしのお別れかー、だがすごくかっこういいなー

そして強そうだなー」

   「ぼくはここで育ったのだからまた会えるよ」

 

ジムシ君はミミズ君にまた会うことを約束して飛び立って行きました。

それからミミズ君は毎日毎日一生懸命に土を耕しました

そして夏の陽をうけてクヌギの木とサンショウの木も葉を大きく茂らして

遠くからでも見えるようになりました。

夏の陽はこれでもかと云うくらい暑い陽ざしを山里いっぱいに送り続けて

おりました。

ミミズ君は時々頭を土から出してイモムシさんとジムシ君が来ないかなー

と見上げるのでした

それから数日してアゲハチョウに変身しているイモムシさんがサンショウ

の木の上を楽しげに飛んでいたがすうーとサンショウの木に羽根を休めて

地面を見るとミミズ君がキョロキョロと上を見上げているのに気がつきま

した。

 

   「ミミズ君ーミミズ君私よー」ミミズ君は声のした方向を見たがア

ゲハチョウが呼んだとは気が付きません。

   「ミミズ君てばーわたしよー」

ミミズ君はようやく声の主に気が付いたが不審なようすで警戒している。

 

   「わたしイモムシよー言ったでしょーアゲハチョウに変身したのー」

 

ミミズ君はようやく分ったので、わーと、嬉しい喜びの声をだしてしま

った。

   「イモムシさんかーあまりにも変身したので分らなかった、それで

旅は楽しかったかい」

   「楽しかったけど怖かったことがあったの」

   「ぼくもこわいことが有ったんだ」

   「私はね野原を飛んで楽しんでいたら美しいあざみの花が有ったの

で休みながら密を食べているとミツバチ君が来てね、あかしやの花蜜はも

っとおいしいよと教えて貰っているところへ友達が来てね、楽しくしてい

たら、ばさっと音がしたら友達が百舌にとらわれてしまったの、私運良く

助かったけど怖かったー」

 

   「ぼくもだよ友達と一生懸命に土を耕していたら「ゴウゴウ」とす

ごい音がしたと思ったらモグラが現れて友達が食べられてしまったのだ、

ぼくはびっくりして土の上に出たので助かったがその後が大変だったのだ、 

あまりびっくりしたので土の上で動けなくなってしまっんだ、それに夏の

太陽で身体が乾いてしまいそうだったがからもうだめだと思ったよ、そこ

へ運良く夕立が来たのでようやく息を吹き返して落ち葉の下へもぐり込ん

助かったんだ」

 

 そんな話をしている所へ羽根音をたててカブトムシくんが降りてきた。

 

   「クヌギの木の上で聞いていたがミミズ君もアゲハチョウさんも大

変だったんだなー」

   「カブトムシ君は強いからいいよなー」

   「いやいやそうじゃないぼくは少し遠い所に美味しい液がたくさん

出ているクヌギの木があると聞いたのでさっそくその行き美味しく食べて

いるとクワガタが来たのでけんかに成ってようやく勝ったと思ったらこん

どはスズメバチが来たので戦ったが勝負がつかず引き分けたらこんどはミ

ツバチ君とコガネムシ君が来たので食べるのを止めていたらスズメバチ君

が助けてくた」

 

ミミズ君が聞きました。

   「なんで戦ったスズメバチが助けてくれたの」

   「スズメバチは目が良いので「遠くでカラスが君を狙ってるようだ」と教えてくれたので木の後ろへ回り枝下のへこみへ隠れて夜になってよう

やくこのクヌギの木に戻って来て休んでいたんだ」

 

   「アゲハチョウさんもカブトムシ君も助かって良かった。

   「このクヌギの木が一番安心でいいよ」

カブトムシ君は安心しきった様子で言いました。

   「ミミズ君が一生懸命土を耕してくれたのでクヌギの木も大きくな

り葉をいっぱい茂らして呉れたのでここが一番安心だよ」

 

夏の太陽はなかよし友達をにこやかに笑顔と暖い陽を送ってクヌギの木と

サンショウの木の葉をますます茂らせました。

 

アゲハチョウさんが言いました。

 

   「わたしはこのサンショウの木に卵を産みつけて子供を育てること

にするわ」

 「そうかーイモムシさんにもジムシ君にもまたあえるかーうれしいなー」

 

山里は夕焼け空になりだしたので「カブトムシ君アゲハチョウさんまた明

日ねー」とミミズ君は 元気の土にもぐり一生懸命に土を耕すことに精をだ

すのでした。

 

 おしまい。